出席:16人
《第1部》 2010年度の講座の構想 今年度の古楽院講座の発表会は、資料2ページの表に表されている通り、グレゴリオ聖歌とポリフォニーのアンサンブルによる“朝課”を全講座で分担し、執り行う。 聖歌のジャンルは、ミサ、聖務日課、諸曲に分類できるが、“朝課”は聖務日課の一つである。聖務日課とは聖職者の日々の祈りである。中心となる150の詩詩編を7日間に割り振り、更に日々の日課として、朝課、賛課、一時課、三時課、六時課、九時課、晩課、終課に分けて唱え祈り続けられる。 キリストの復活前の1週間=聖週間の、聖金曜日の朝課は、通称でテネブレと呼ばれるが、「暗闇」の祈りの意である。 今回の古楽院講座合同の“朝課”でも、第1~第3夜課と進み、次の賛課の中のBenedictusを唱える間、祭壇の蝋燭を1本づつ消して行き、1本のみ残す。最後のMiserereは「暗闇」の中で歌われ、終わると同時に、イエス・キリストの死を表現する大きな音を打ち鳴らす。暗闇の中、沈黙のうちに皆退場する。 ・・・・・・・・・・・・・・ ♪グレゴリオ聖歌を歌う 5ページ 第2朗読 エレミアの哀歌 ☆語るように歌う 音の長さは基本的には同じであるが、言葉の流れで自ずと音の長短や活発な動き、ゆるやかな動きが生じる。 記譜上の付点の音とテヌートの付いた音は長めに歌う。 大切な言葉はフレーズの終わりにある場合が多く、最後に向かって行くように歌う。(最後から二番目の音節をしっかりと歌い、次の語尾は収めるように。) *発音の注意点 vulnerati ヴルネラーティ (tiの後に母音が来るとツィ) exhalarent エグザラーレント(軽く濁る) Jerusalem イェルーザレム(軽く濁る) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 《第2部》 Victoria 「エレミアの哀歌」 Lectio secunda, Feria Sexta In Passione Domini 第二朗読 6番目の日(金曜日) 主の受難の “白色計量記譜法”の説明は資料参照。 【楽譜の見方】 この楽譜は、各パートごとに本にまとめられた“パートブック”の各パートを1枚の中に収めた“コワイヤーブック”の形になっている。 左上 Cantus(ソプラノ1) 右上 Cantus Secundus(ソプラノ2) 左下 Tenor(アルトの人が歌う) 右下 Altus(ソプラノ3) (Verte:楽譜をめくれの意味) 【読譜の注意点】 (B:brevis SB:semibrevis M:minima SM:semiminima) Cantus ・2段目 シに付いている記号は♯、この場合は、シの♭を消すナチュラルの役割となる。 最後のくねった記号(custos)は次の段の音の高さ(ソ)を示している。 ・4段目 白B2個は、2拍づつ。 ☆黒Bー黒SBの組み合わせ=付点SBーMの歌い方となる Cantus secun. ・3段目 左上向きに棒の付いた2連の音符(リガトゥーラ)はSB,SB ☆左上に棒はセミセミ ・4段目 Cantusと同じく 黒いBとSBの組み合わせ=付点SBとM Tenor ・2段目の長い休符は9泊休み。 ・3段目 ☆SB,SBのリガトゥーラの黒SB-黒Mの組み合わせ =付点MーSMの歌い方となる。 (Altus4段目にも同様に表れる。) ・・・・・・・・・・・・・ ☆黒く塗られた音符:color コロール 元の音符を不完全化(音価を3分の2にしたり、一段低い音価の付点音符に)する。 計量記譜法資料の5ページを参照 ・・・・・・・・・・・・・ 【歌詞】 各パート冒頭の大文字は歌詞の最初のアルファベット。 歌詞の文字が読みにくいが、グレゴリオ聖歌の歌詞を参考にして読めるようにしておくこと。 (MK)
by fonsfloris-k
| 2010-04-05 14:00
| 講座レポート
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