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3月28日 フランドル楽派の音楽を歌う(関西)
受講15名(S4、C4、T4、B3)

★練習曲
Josquin des Prez 作
・Gaude virgo
・Salve regina a 4
・Ave Maria...virgo serena

※Gaude virgo については音の確認をしながら丁寧に、今年の課題である他の2曲も一通り歌った。

●Gaude virgo を歌う
wi唱でパート毎に歌った後に4声であわせる。

<1>パート毎にwi唱でメロディの感じ方を習う。
先生が一緒に歌いながら、とくに音程のとりかたやフレーズの感じ方の修正すべきところを示してくださる。

※注意点
スペリウス
・4段目後半、裏から始まるセミの連続、表拍を1つ1つよく感じて

コントラ
・はじめの音、よく倍音を鳴らしている声で
・②のすぐ後のド、低く意気消沈した音ではなく
・②′のコロルの連続、頭がどこにあるかよく感じて
・④のあとの「レ-シ」の跳躍、上がった「シ」の音程正しく

テノール
・①の「deo plena」の歌詞がつけられた部分「レドラ・ドシ♭ラ」の歌い方。それぞれの音程関係及び「レドラ」の「レ」、「ドシ♭ラ」の「ド」の入り口とその後へのつなげ方に繊細なニュアンスを。
・②′の連続する「ラ」の2つ目、その後の連続する「ミ」の2つ目、それぞれ1つ目は前からの繋がりの終わりで、2つ目は次へと始まる。
・③、長い休符のあとの裏からはじまるセミの連続、表拍を1つ1つよく感じて。④にある裏からの連続のセミも同じ。

バッスス
・うたいはじめの2つの音。1つ目の音が始まった瞬間から次を生み出していく。倍音がなりそこから次が(zuvuzuvuzuvu…と先生は表現されている)育っていくようにはじまる。結果、2つ目の音はそう歌わないときよりも明るく開いているように聴こえる(そう歌っていないときは少し低いような印象)
・始まり現れる2つの同じフレーズ、その終わらせ方(plena、penaと歌詞のつけられた部分)、「シ♭→ラ」はwi-iとする。「シ♭」「ラ」を同等に置いてしまう、音音音、と1つ1つ同等に歌ってしまう、1つ1つの音に「決め」、をしてしまうのをやめる。終わりの音を“気が抜けたように”にするのではなく、前の音から繋がってきてたまたま音程が違う結果、という印象がほしい。即ちwi-i。②のロンガも同様。
・③の「gaude」の上行形のセミの連続は「wi-i、wi-i」と順当に。「wi wi wi wi」と1つ1つにしない。


<2>4パートをwi唱であわせる

※注意点
スペリウス
・③のコロルミニマ2つとその後ろの白いミニマ3つの5つの音の下行(2回とも)のwiのつけ方「i-wi i-wi-i」

コントラ
・最後の音「レ-ラ」の響きをよく感じて自分の音を存在させる
・②′の3で数える部分早くならないように注意。wi-iは、6つのコロルを順当に明確にきっちりと「wi-i wi-i wi-i」となる。よって、2つ目の音は前の音からの繋がりの“おわ
り”で、3つ目の音「ソ」のセミコロルは“はじまり”なニュアンス。同時に早くならないように“頭”をよく感じる。

テノール
・②のはじめのリガトゥラ、繋がっていることをパートとして実現させて。リガトゥラで書かれている“見ての通り”の音を実現して。
・③長い休符の後、2つ目のセミ「シ」高くとって次の「ド」と狭く。5つ目「ミ」も高くとるように注意。

全体
・他の2つの曲よりも「i-wi i-wi」の連続の曲で、その意味ではよりフランス的。そのような部分をよく表現する。
・常にしたい声の響きの位置に注意。「n-wi…、n-wi…、iya-ya-ya-i…」と、前のほう、鼻のほうをよく使って倍音のある音を常にもたせる。

※フィクタ指示
スペリウス
・①の前のミニマ:ド→ド#
・⑤の3つ前のセミコロル:ド→ド#

※練習番号②′の追加
スペリウス:3段目、後ろから14こ目、ミニマの「ファ」
コントラ:3段目のコロルの開始
テノール:3段目頭のセミ
バッスス:2段目後ろから4つめのセミ「レ」


<3>歌詞をつけて歌う
全体が3行ずつ韻を綺麗に踏んだ詩になっている。言葉を歌うと同時に、そのような詩を歌っていることを理解して歌う。「一行目二行目三行目」を歌い進めていることを、また、今まさに韻を踏んでいるのだ、と、歌いながら認識、理解していること。

※歌詞付けの変更
コントラ
・2段目終わり「pati」の「pa」、後ろから6つ目(3になる前)のセミ「ソ」から。


※注意点
イントロ~②
・スペリウスとコントラ「ラシ♭ラ」低くならないように。
・テノールとバッスス「quia」の「-ia」。「やーぁ」の「や」が潰れないように。顔面の前にある響きがほしいが潰れた「あ」にならないように。「i」の響きをしっかり維持しながら、しかし美しい「a」へと移行する。
・テノール「cum pudoris」の「pu-」の「u」の発音注意。

②~
・バッスス「ラシ♭シ♭ラ」の「ラ」低くならないように。

④~
・詩の内容は昇天していっているところ。
・2ページ目、コントラ「scandis」の「-dis」長く伸ばさずしっかり切り上げる。

⑤~
・「ubi」の「u-」発音注意。
・「In perenni gaudio」=「永遠の喜びのうちに」。(楽曲の)初心に帰るようにうたう。
・コントラ、⑥の5つ前の「シ」は♭したいところだがしっかり「シ」で。
・テノール、⑥の前の3つの音の上行形「gaudio」はっきりと。
・コントラ、⑥の前6つ目から、歌詞変更「in perenni gaudio」をそれぞれ音節に当てはめて。


●Salve regina a 4 を歌う
カノンするパート毎同じ高さで歌ったあと、男性女性2声ずつのカノンをあわせ、最後に4声で通した。

<1>上2声、下2声、それぞれ同じ高さで歌詞で歌う
音程のとり方、フレーズと歌詞のニュアンスについて習う。

※女声注意点
・「salve」の「-ve」を断定したように強調してうたわない。「-a-」母音の中から生まれてくるように美しくエレガントに降りたつ「-ve」。「ラ-ソ-ラ-レ」の2つの目の「ラ」の音程をしっかり意識しあるべきところに。
・「misericordie」の最後、練習記号Bの前の3つめ4つめに連続する「レ」、2つ目に少しアーティキュレーションさせる。
・Bの前の「-die」はフィクタを生かし「ミ-ファ」な音程関係を歌う。
・3段目のはじめの付点を含む音達、1つ1つの音音音の提示にならないように。
・3段目Cの前「nostra」の「-tra」の歌詞がつけられている「ソ」は前のフレーズの終わりであり次のフレーズの始まりになっているように歌う。
・下から2段目G「O clemens」のコロルミニマとその次のセミの連続する「ラ」、アーティキュレートするように。

※男声注意点
・4段目Cの後「clamamus」の「ラ」しっかり音程高く。
・4段目後半「exules」のフレーズにある「ド-ファ」の音程注意。この曲は全体に4度のアンニュイな音程関係が特徴であり、5度にある決然としたものではないその4度の雰囲気を認識して丁寧にそれを表現しうたうこと。
・5段目D「ad te」の「te」のリガトゥラ、なだらかに、繋がっているように。「et flentes」の「et」の「ミファ」、ワフンで。
・下から4段目Fの後「シ♭」音程注意。


<2>2声ずつカノンで歌う

※女声注意点
・コントラ、5段目「suspiramus」の「-ra-」の「シ」低くならないように。
・コントラ、E「eja」の音程注意。女性2パートとも「ergo」の「ラ」低くならないように。
・F、「et Jesum」歌詞注意。
・下から4段目後半「fructum」の「fru-」の「u」発音注意。

※男声注意点
・Fの前「converte」の「-verte」音程注意。
・下から3段目「post hoc」の歌詞「ぽすと」とリエゾン。

<3>4声であわせる


●Ave Maria...virgo serena を歌う
詩のつくりについて確認し、いきなり歌詞で4声で歌う

<1>詩を見る
Aveで常に開始される4行ずつの詩で、行末が韻をしっかり踏んでいることを認識する。

<2>4声で歌詞でうたう
Ave毎の詩の各セクションをうたっていることを認識して歌い進めること。

※注意点
・2ページ目④前まで一気に歌い、「ミ」が常に低くならないように注意、と。
・④⑤はスペリウスとテノールが同じことを追いかけて歌っていっていることを確認。

※歌詞付け変更
・スペリウス3段目「fuit」。8つめ9つ目のコロルセミについたタイを削除し「fu-it」。


★次回へのアドバイス
それぞれの単語の意味、言葉を認識し、どのように歌うかアイディアをもっておくように言われる。今後の課題の1つ。

(TI)
by fonsfloris-k | 2010-03-28 13:30 | 講座レポート
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