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6月16日ルネサンス音楽を歌う[1]ジョスカン・デ・プレ(東京)
■Sanctus
 コワイヤブックをみて歌う。
 
 ◆曲と歌い方について

 ・カノンの3音め、コントラの7音めの音は全音?半音
どちらでもありえる。楽譜の上からはわからない。どちらがよいか、自分の耳で聞いて決める。悪魔の音程(三全音・全音3つ分の音程)になってしまう場合はこれを避けるために半音にする。三全音は自然倍音から逸脱しているため、聞いていて不快に感じるため。旋律的に全音が3つ続くことも回避した方がよい。このように記譜とは違う半音を歌うことをムジカ・フィクタという。

 ・dominus deusの部分
そこまでの部分と歌詞が異なり、音程が下降音程で、音域も低い。落ち着いた響きになった場合、表現も落ち着いた響きにする。落ち着いた響きだが響き自体は充実させないといけない(女声の場合は特に)。音域が変わったら響かせ方も変える。

 ・テノールが最後のsabaothを歌っているタイミング
休符に続いて輝かしい旋律となっている。テノールはこの旋律を引き出すようにsabaothの部分を歌う。

 ・コントラのDeusの高音
輝かしく歌う。最初から大きく入らず、入った後に響きをもっていく。

 ◆その他注意点、説明

 ・自分の歌っている場所が分からなくなってしまった場合
何回か歌って音楽の流れを体に入れていれば戻る事ができる。休符から戻る時は周りの景色を眺めてから入るようにする。

 ・譜面の♭について
♭がつけられているところを全て♭をつけて歌う、という意味ではない。ヘクサコードが3種類あり、そのうちのファのヘキサコードで歌う、という意味。しかし、ムジカフィクタという概念があるので、基本的にはファで歌うけれど、違う事はいくらでもある。違った場合はミで歌う。

 ・tempus perfectumの拍子の感じ方
1つのセミブレビスを半分ずつに感じる。セミブレビスの裏を感じる。tempus perfectumの基本形ではテンポが遅い。(い〜ちー に〜いー さ〜んー、のような感じ)

メンスーラ記号に線が入っている場合(tempus imperfectum diminutum)、単位が「いち、に」となりテンポが速くなる。

 ・音程の取り方について
自分だけの絶対音程を作らない。誰かが歌っている流れの中に音を入れる。お互いの関係の中で音程を合わせる。5度があうと気持ちがいい。合っているかどうかは意識を持って聞けばわかる。どこに5度があるのか意識すること。

 ・全音の音程
ド→レ、ソ→ラ、の音程を広めに感じないと音が下がってしまう。

 ◆余談
コワイヤブックに記載されているバスのパート名が曲中いろいろな書かれ方をしている
バリファリウス、バリカンテノール、バリトン、バッスス

■Pleni sunt celi

 ◆曲と歌い方について
 ・gloriaの発音
フランス式なので、ぐろーリア、ではなく、グローリあーになる(ひらがなのところにイントネーションが来る)

 ・ 歌詞
配布された楽譜のものではなくコワイヤブックに記載されているもので歌う
歌詞は音符の下に付いていないので演奏する人が考えなくてはならない。

この曲でどこに「terra」をもってくるか。→音程のなんとなく変わるところ。
カントゥス・フィルムス(cantus firmus:定旋律)が練習番号6番あたりではじめて terraとなっているので今の譜面ではそのように歌詞をつけた。

 ・コントラ練習番号5番のリガトゥーラの次の黒い音符
この音符は白かったらブレビス。黒くなって音価が一つ小さくなってセミブレビスになる。
ただ黒くなるだけでなく付点になる。付点と合わせて(■+◆)ブレビスの音価と等しくなる。

・練習番号6番
コントラの上昇音型を前に押し出さないで上にめくるように歌う

・練習番号7番
コントラのソはバスがのばしている音の倍音の中に入っている感覚で歌う。
  スペリウスとテノールは一体感を感じるように
  スペリウスとテノールが盛り上がっているところにカノンが割り入る(塩)
  コントラは入りのリズムに気をつける。三重唱のスパイスになる

 ◆その他注意点、説明
 ・signum congruentiae(合流記号)
   この瞬間に何かがおこる印。他のパートが休符の後に入ってくる、全パートが同時に何かをする、カノンが入る、などのイベント。
   ベースに付いているのはテノール(カノン)が入ってくるタイミング。
(Y.S.)
by fonsfloris-k | 2012-06-16 13:00 | 講座レポート
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