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6月6日 15世紀のミサ(東京)
今回はアシスタント講座で、前回の復習にじっくり取り組みました。また、その中で具体的な歌い方や聴き方・合わせ方について学びました。

まず歌を始める前に姿勢や身体の不必要な緊張についてチェックしましょう。
頭の重みが首を通ってきちんと背骨に乗っているか、またその背骨を伝わって座位では骨盤に、立位では膝を通って足の裏に重みが届いているかを確認してみると少し落ち着きます。また少し身体をブルブル震わせてみて、その震えが末端に自然に伝わっているかチェックしてみるのも有効です。呼吸も意識して行ってみましょう。吐く時は伸びる(背面を意識)息が入る時は身体の特に背面が緩みます。(息を吸うのではなく“入る”イメージ)

クワイヤブックを使ってポリフォニーを歌うときには、自分のパートがどのような動きをしているのか、それに対して他のパートがどのように絡んでくるのかしっかり示し、しっかり聞き取ることが重要です。歌う事に必死になって身体が固まってきてしまうと、他のパートが聞こえなくなり、また自分の声も硬くなって響きの中に入れなくなりますので、不要なところに余計な緊張をさせず、頑張らずに歌えるように、気が付くたびに緊張を解きましょう。特に、講座が始まる前や歌い始める前には気をつけてみてください。

とはいえ、まずは譜読みがあやふやだと、響きを合わせるどころではありませんので、全員でテンポ感やフレーズ感を確認するために、まず不完全テンプスのChristeを1パートずつチェックしていきました。

ChristeはKyrieの完全テンプスのように食う・食われるなどの関係がないので、音符の長さという面ではあまり難しくありませんが、ブレビスを1と捉えるのでのんびりしていると置いていかれてしまいます。完全テンプスと不完全テンプスのテンポ感の違いをしっかり確認しましょう。(Kyrieは完全テンプス、セミブレビスを1と感じる)

リガトゥーラの始めやブレビス・ロンガなどは必ず拍の頭に来るわけではありませんので、そういうところでまごつかないように、今歌っている音だけに集中しすぎないで、先を見通すことが重要です。リズムの面だけでなく、どの音に向かって進んでいくのか、そのフレーズの中のどのあたりを自分は今歌っているのか
意識しながら歌いましょう。(小節線がなくパートごとに書かれているクワイヤブックは視覚的にそれらを確認しやすいですから有効活用しましょう。)
どうしてもリズムがわかりにくい箇所は、拍(ブレビス)の頭にくる音に印をつけてみるなどして、各自で出来る限り解決しておきましょう。

とりあえず、各パート(3声)をすべて全員で歌っていき、合わせましたが、かなり苦戦しました。
各パート何箇所か間違いやすいところがありますので、次回までにしっかり復習してきてください。

何度も歌っていくうちに他のパートとの掛け合いが聞こえてくるようになりました。相手の動きに反応して一緒にひとつの流れを共有する感覚が少し学べたと思います。自分のパートが歌えていれば良いのではなく、他のパートと一緒に動くこと、自分の始まりや終わりは他のパートから受け継いだり他のパートに受け継いで
いることが多いので、常に動きを止めないように、響きを保てるように注意しましょう。

響きを保っていくために、発音もとても重要です。Kyrie Christe では i e で伸ばしていることが多いですが、i は口を横に引かない、e は舌が奥に引っ込み過ぎないように、音が平べったくならず常に豊かな倍音が含まれる響きを目指しましょう。顎の位置・舌の位置・口のあけ方など、動かし方や感覚などを慎重に観察して少しずつ癖を自覚しコントロールできるように練習しておきましょう。
全体的には口の中をコンパクトに、響きを拡散しないようように気をつけると良いと思います。

続いて第1Kyrieを練習しました。こちらは意外とあっさり通すことが出来ました。食う・食われる、倍化、コロルなど忘れないようにしておきましょう。またこの理解を基に、第2Kyrieの譜読みを各自しっかりしておいてください。(少なくともどこが分からないかを明確にしておいてください。)

第1Kyrieは4声で、Tenorが定旋律を歌います。グレゴリオ聖歌、そしてTenorのメロディーをもう一度全員でしっかり確認しました。そして、各パートのどこでTenorが入ってくるのか、どこでいなくなるのか、そして定旋律のリズムがゆったりしている箇所、細かく動く箇所それぞれで、全体としてはどのように動いているのか、しっかり聴き、感じながら自分のパートを歌う練習を繰り返しました。


ゆっくり、じっくり粘り強く復習したので、だいぶ音楽の形が見えてきたと思います。時間はかかりましたが、この感覚はとても重要ですので、ぜひ維持していきましょう。また、音楽を作ってくにはこのようにとても時間がかかりますので、出来る限り講座が有意義な時間になるように、お家での予習・復習をしっかりしておきましょう。
まずは、今回出来なかった第2Kyrieの譜読みを各自できちんとして、次回の講座に臨んで下さい。
(テノールとコントラの人は両方を見ておきましょう。また、定旋律のあるものは、他のパートも必ずテノールの定旋律をしっかり確認しておいてください。)

(Y.N.)









by fonsfloris-k | 2015-06-06 15:45 | 講座レポート
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