Heinrich Isaac 〈配布プリント〉…4枚 ①Tractus 詠唱 グレゴリオ聖歌 ②パート譜 Superius + Tenor ③パート譜 Altus ④パート譜 Bassus 今回はアシスタント講座でした。 前回進んだ入祭唱をもう一度丁寧に見直し、さらにポリフォニーを演奏する時に必要な音の聴き方・歌い方について学びました。また、Sup.とAlt.のパート分けをしました。 まず歌を始める前に姿勢や身体の不必要な緊張についてチェックしましょう。頭の重みが首を通ってきちんと背骨に乗っているか、またその背骨を伝わって座位では骨盤に、立位では膝を通って足の裏に重みが届いているかを確認してみると少し落ち着きます。また少し身体をブルブル震わせてみて、その震えが末端に自然に伝わっているかチェックしてみるのも有効です。呼吸も意識して行ってみましょう。吐く時は伸びる(背面を意識)息が入る時は身体の特に背面が緩みます。(息を吸うのではなく“入る”イメージ) 以上のような準備は、各自できるだけ講座の前に行っておいてください。また普段も気付いた時に少しやってみるとバランスがよくなってきます。 入祭唱 Rorate caeli グレゴリオ聖歌の復習 Graduale Novum版を歌いました。 前回チェックしたネウマの動きや中心になる音を再確認しつつ、その動きを実現させるために必要な歌い方について学びました。普段の合唱などでは、1つ1つの音をしっかりきちんと鳴らすことを求められることも多いと思いますが、決して大きな音を求めず、むしろ小さい音を出そうとする時に使う細かな筋肉や感覚を活用していきましょう。その上でネウマの動きやたちのぼる響きをしっかり意識すればうまく音と言葉が進んでいきます。また、今回はフレンチ風ラテン語ですので、口の中の空間や口先(唇・舌)の基本的な位置・動かし方についても注意しましょう。(フレンチではCa・Ga がキャ・ギャのような音になることを参考にするとわかりやすいかも知れません。) 細かい部分に気を使うことも重要ですが、静かな祈りのお唱えだということを忘れず、気持ちの良い響きを持続させること、そこに身をゆだねることも大切です。 Isaacポリフォニーの復習とパートわけ上2声(女声)のパートわけをするとともに、声の使い方・歌い方について説明しました。 高音に行く時も、低音に行く時も声帯を開け緊張させる方向にいかないように、むしろ閉じて息を少なくするイメージで歌いましょう。大きな声は要りません。小さくてもきちんと息が声(振動)になっている音が出せたら、そこから少しずつ音を広げていきましょう。特にSupeirusはずっと音が高いので抜きすぎて上ずっていかないように。(全体の響きの柱から容易に離れていっていまいます。) Tenorも高いところが多いですが、こちらは張り過ぎないように。特にメロディーの最高音は多くの場合ボリュームはそれほど必要ありません。Altoは低いので頑張り過ぎないように。出そうとしすぎて押してしまうと低くなっていくので注意。周りの響きを良く聴き上の倍音を感じるように。Bassusは全ての音を律儀に歌わないこと。細かい動きが多いので、ピッチを一つ一つ確認するように歌ってはついていけません。他のパートと同じく、重要な音に向かって流れていくことが重要です。 また予期ししづらい音に行くこともありますのでしっかり音を復習するとともに変わり身をすばやくしましょう。 全員で全てのパートを歌い各パートのメロディーをしっかりと知った上で4声で合わせました。まずは、クワイヤブックであることを活用して、あるパートのフレーズが最終的にどの音に向かって動いているのか、先を見通しながら歌う(楽譜を読む)事を学び、練習しました。その後、合わせていく中で、模倣されているフレーズはどこか、そのフレーズに絡んで動くパートはどこか、しっかり目と耳で捉えつつ歌うことに挑戦しました。模倣している場合は文字通り先に出た人の歌い方を“まねる”こと! それに絡む人も含めて、常に今出ている“音・響き”に“反応”出来るように歌い、聴くことが大切です。そしてカデンツにむけていつも余裕を持って、スペースをあけておいてあげて、“次”の動きに繋げていきましょう。 また、発音にも注意。母音の響きを揃えれば全体の音がすっきりして、わかりやすくなると同時に、他のパートの動きも聞きやすくなります。口を大きく開けなくともクリアな発音が出来ることを少しずつ学んでいきましょう。 練習していくうちに、少しずつ耳で響きが整っていくのを感じることが出来てきました。 お互いの動きや音程関係を具体的に知っていると響きは自然に合ってくるので、いつも他のパートがどんな風に動いているかアンテナを立てて歌いましょう。歌う事と聴く事のバランスをとることが重要です。 今回は時間をかけてゆっくりと復習することで、クワイヤブックで学ぶこと、耳を使って合わせていくことの重要性と、そのためにどのように歌っていけばよいかということが少し分かってきたのではないかと思います。そして講座をより楽しむためには、予習・復習をして自分なりに準備をしておくことが必要だということもわかりますね。このレポートなども参考にしながら、ぜひ予習・復習をして次回の講座に臨んで下さい。 今回配られた新しい楽譜はトラクトゥス(詠唱)です。グレゴリオ聖歌とパート譜で4枚ありますので、確認しておいてください。 (N.Y.)
by fonsfloris-k
| 2015-06-13 13:00
| 講座レポート
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