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6月27日 ルネサンス音楽入門 (東京)
・レスポンソリウムの構造について

レスポンソリウム本体(R)と、ヴェルスス部分(V)があり、(R)-(V)-(Rの後半)という順番で歌います。
歌詞でいうと、Tanquam-Quotidie-Cumque-Quotidieという順番です。
朝課は三つの夜課から成っています。それぞれの夜課は3つの朗読と3つのレスポンソリウムから成っていますので、合計9つのレスポンソリウムがあるという事になります。今回歌うのは第4・第6レスポンソリウムですので、第2夜課の、1つ目と3つ目のレスポンソリウムという事になります。各夜課の3つ目のレスポンソリウムは、通常の繰り返しのあと、レスポンソリウム全体をもう一度繰り返します。
つまり、(R)-(V)-(Rの後半)-(R)という順番になります。 歌詞でいうと、Animam meam - Quia non est – Insurrexerunt – Quia non est – Animam meamという事になります。



・ヴィクトリアの音楽

計量記譜の最後期の作品。ポリフォニーと言いながらも、ホモフォニックな部分も多く、そのまま小節線を入れても差し支えないような音楽。小節線のない最後期とも言える。しかし小節線が無いことによって、横の流れ、旋律が縦割りにならない感じがとらえやすい。

レッスン前半は、各パートごとに音と言葉を確認しながら、第4アンティフォナを練習しました。
前回やったように、ヴィクトリアの音楽はミーントーンで演奏します。ミは低く、ファは高くとります。
特にファが低くならないようにしましょう。カデンツ(ペヌルティマノータ)での5度は純正にとりましょう。
15世紀の音楽は、旋律がより重要視された音楽でしたが、ヴィクトリアの時代の音楽は、言葉の流れと、音楽の抑揚とリズムが一致しています。gladiisの付点音型や、etで音程が下がる箇所などを利用して、言葉を表現しましょう。テキストの語感と内容が音楽に一致するように作っていきます。

後半ではひとパートずつ取り出しながら、第6アンティフォナを練習しました。なんとか最後まで通しましたが、まだまだ慣れが必要だと思います。
特にアルトの方に、シャープの音が苦手な方が多いようです。シャープは現代の♯という書き方と少し違い、Xが2つかぶったような形をしています。シャープの音はソルミゼーションではミの音なので、低めにとりましょう。
また、フラットのついている音をナチュラルにするためにシャープがついていることもあります。ソルミゼーションで言えば、シャープがついていればその音はミと読んで、フラットがついていたらファと読めばいいという事になります。
少しずつ音楽の構造を覚えて、他のパートと一緒に出るところ、遅れて入るところなどを把握していくようにしましょう。長い休符を数える手間が省けます。



(G.S.)
by fonsfloris-k | 2015-06-27 15:45 | 講座レポート
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