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8月8日 古ネウマ研究(東京)
第4回

【総括】

  • 今日はアシスタント回でした。
  • 前回学んだ 7. Climax, 8. Scandicusを復習した後、新たに9. Porrectus flexus, 10. Pes subpunctis を学びました。


【前半】
7. Climax, 8. Scandicusの復習

  • いずれも、基本形はヴィルガとプンクトゥムから構成されます。
    (クリマクス…ヴィルガ+プンクトゥム+プンクトゥム。スカンディクス…プンクトゥム+プンクトゥム+ヴィルガ。)
  • プンクトゥムがトラクトゥルスになることによって、音価の拡大が生じます。
  • ただしクリマクスにおいて、第1音の音価は第2音目のネウマによって決まります。つまり、第2音目がプンクトゥムで軽ければ第1音目も軽く、トラクトゥルスならば第1音目も重くなります。
  • スカンディクスでは、分離による強調形も押さえておきましょう。「トラクトゥルス+ペス」なら第1音強調、「ペス+ヴィルガ」なら第2音強調です。

~休憩~

【後半】
9. Porrectus flexus

  • 基本形はクリヴィスが2個つながったような形です。音の動きは「上・下・上・下」が基本。含まれる音は4音ですね。
  • エピゼマ、指示文字等付いてなければ、4音ともサラサラと流れます。音高は色々で、256,1は「fa-mi-fa-re」、211,3「sol-fa-la-sol」、213,8「sol-fa-fa-re」。最後の例のように第2音目と第3音目が同度の場合もあるので気をつけましょう。
  • 後半2音にエピゼマが付く場合があります。テキストには207,7とありますが少々分かりづらいので、82,2をおススメします。
  • 捕捉ですが、後半2音を強調する方法としては、指示文字「t (=tenere)」を使うこともあります。例えば71,2では、前半2音に「c (=celeriter)」、後半2音に「t」が付けられています。
  • 分離によって第1音目を強調する場合は、235,3のように「ヴィルガ+トルクルス」となります。

10. Pes subpunctis

  • ペスの後にプンクトゥムが続くのが「ペス・スブプンクティス」ですが、ここでは、ペスの後に2個のプンクトゥムが続く「ペス・スブビプンクティス」を説明します。含む音は4音です。
  • 丸いペスに2個のプンクトゥムの場合は、すべて軽く歌います。275,3。
  • 音価の拡大については、①丸いペスか四角いペスか、②プンクトゥムのところがトラクトゥルスになるかどうか、③エピゼマが付いているか、に注目すれば基本的には良いと思います。
  • 注意が必要なのは、後ろの3音が長い場合で、「丸いペス+2個のトラクトゥルス」で書かれます。
  • 「ヴィルガ+クリマクス」の場合には、分離による第1音強調です。38,1。

【次回 (9/12)】

  • 次回もアシスタント回です!
  • 今回学んだ4音を含むネウマには、さらに11. Scandicus flexusと12. Torculus resupinusがあります。
  • 9. Porrectus flexusと10. Pes subpunctisも含めて、4音を含むネウマはこれまで学んだ基本的なネウマが元になっていて、それが理解できていればそれほど苦労はないと思いますので、今までに学んだネウマもきっちり押さえておきましょう!


(K.W)
by fonsfloris-k | 2015-08-08 10:00 | 講座レポート
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