Missa Ecce ancilla Domini 第4回
今回はアシスタント講座でした。Dufay の続き、Gloria を歌っていきました。 Gloria も、Kyrie と同じように、Ecce ancilla Domine が定旋律のところ(前半)と、Beata es Maria が定旋律のところ(後半)があります。 前半はペルフェクトゥム、後半はインペルフェクトゥムです。今回は前半を歌いました。 まず全員で、定旋律を歌って確認しました。 ペルフェクトゥムですが、ほぼブレビス単位で動くので、リズムが難しいとろこはありません。それよりも、いつも同じですが、引き伸ばされていても惑わされることなく、基のグレゴリオ聖歌を思い描きながら第八旋法を良く感じて歌いましょう。 上下への4度・順次進行のときの全音・半音の意識をしっかり持って、そして響きが落ちずに、いつも同じ場所に戻ってくるよう、発声・発音に注意しましょう。 どのパートの人も、このメロディーをよく歌い覚えて、ポリフォニーの中で出てきたときには、しっかり聴き取れるようにしましょう。 次に、定旋律がある場所(練習番号2~4)をみんなで合わせていきました。 Bassus:Tenorの2セミブレビス後に同じ音から始まります。まずその音が完全にTenorの音から生まれてくること。 そしてその音がTenorが動くきっかけになり、次にオクターブになることをしっかり耳で確認しましょう。同じようにどの瞬間も常にTenorとの距離(音程)を感じながら歌います。特に5度やオクターブは逃さないように。低い音でも、Tenorの音の響きの中に入り込むよう、上の倍音を共有する気持ちでうたいましょう。(自分の音を響きの土台にするようにと、ガツンと歌わないこと!) Tenorと一体となって一つの動きを作りましょう。 Superius/Contra:下2声と同じように、お互いの細かい動きや音程を常に感じ、反応しあいながら歌い、一緒に動いていく感覚を磨きましょう。小さなフレーズやリズムがほんの少しだけずれて模倣されていたりしますので、そういうところを聞き逃さず、且つ先に出た方の動きに反応するように歌う(自分のメロディーを追うだけ、楽譜に書かれているからその通りに歌うのではなくて、実際その場で生まれてくる音や響きに反応する)ことを常に心がけてください。 合わせていくうちに、全体としてTenorのゆっくりとした流れにBassusが絡み、さらにSuperiusとContraが細かい動きでまわっていくという形が聴こえてくるようになったと思います。こういう構造が頭の中でも整理され、実際の響きの中でも耳で捉えられるようになると、音楽がとてもすっきりとスムーズに流れていきます。 その感覚を忘れないように、そのときの歌い方や聴き方を忘れないように回を重ねていきましょう。 今度は、2~4の前のSup/Contraのデュエットを合わせました。 出だしはKyrieとほぼ同じように始まります。しっかり確認しましょう。 Superiusは細かい動きや、後の時代の作品にはあまり出てこないようなリズムなどがあって、少し戸惑うかも知れませんが、そういうところはしっかり頭の中で先に整理した上で、何事もないように歌いましょう。一つ一つの音にとらわれ過ぎないで、大きなフレーズを感じ、それを声で表せることが重要です。また、低めの音が息もれしてぼやけてしまわないように、小さくてもきちんと声になるようにバランスを取っていきましょう。(上の方と同じバランスをキープしようとすると息もれしてしまいます。一音一音バランスをとりなおすような感じで、常に音や口の中が止まらずに動いているイメージを持ちましょう。) Contraは、女声には低く男性には高い難しい音域を歌い、さらにメロディーも高いところや低いところを行ったり来たりします。 お互いにあまり無理して出さないで協力して1つのメロディーを完成させるような気持ちで歌ってください。(女声は低い音を無理して押してしまわない。男性は高めの音は早めに抜いて実声で張らない。)またSuperiusと同じく、長いフレーズを感じて行き先を見通しながら歌いましょう、カクカクしないように、また小さな塊を気にするあまりフレーズの途中で減速しないように。 2声の長いデュエットですが、そこだけで完結してしまわないように、あくまで導入と思って、TernorやBassusを入れてあげられるように、練習番号2のオクターブの音でしっかり響きの柱を作ってください。 ここで前半終了。後半も同じ要領で、練習番号6以降の4声の部分を先にあわせ、4のContra/Bassus、5のSuperius/Bassusのデュエットを合わせて、最後に全てを通しました。 後半のTenorがある部分(6以降)は、前半のようにすぐに4声にならず、ずっと3声で進行します。またTenorの動きも前半に比べて細かい動きがあります。それらをよく耳で確認しながら歌いましょう。(練習番号4からすると、2声(S/Ct)・2声(Ct/B)・3声(S/T/B)で最後で4声になります。) 全体を通して、音符の長さなどで複雑なところはほとんどありません。分割点やコロルなどでびっくりないように、また他のパートの動きをしっかり聴くためにも、自分のパートは覚えてしまうくらい練習しておいてください。 だんだんと、声の使い方や、全体の構造が分かってくると、何回も繰り替えさくても勝手に音楽が流れてくれるようになってきますが、そこまで行くためには、呼吸や発声、また音の聴き方・感じ方などたくさん気をつけないといけないことがあります。 特にパートの音域としては低かったり高かったりする部分は、他のパートと交差していたりしますので、しっかり役割を確認すること。 また、同じ音を歌っている瞬間(ユニゾンになっているとき)はしっかり耳で聴いて全く同じ“響き”になっているようにお互いに注意しながら声を出すことが重要です。 そういう細かなことに注意できるようになるためにも、事前の各自の準備をしておいてください。 今回は歌詞を付けられませんでしたので、次回は歌詞をつけて、またGloriaの後半にも進みたいと思います。 予習・復習をしっかりして講座に臨みましょう。 (N.Y.)
by fonsfloris-k
| 2015-08-08 15:45
| 講座レポート
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