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4月28日 グレゴリオ聖歌演奏法(東京)
<1>聖金曜日の朝課

今年度のテーマは「聖務日課(Officium)」。年度末の発表会では純粋な典礼の形で聖金曜日の朝課(matutimun)を行い、ビクトリアが作曲したポリフォニー曲とグレゴリオ聖歌を受講生が分担して演奏する総合講座「テネブレを歌う1」(4/5)と「ルネサンス音楽を歌う」(4/10)の説明を参照)。

朝課は早朝(中世では前夜)に行われる。聖金曜日の朝課は、暗闇の中で典礼を終えるために通称「テネブレ(tenebre)」と呼ばれ、一年の中で最も印象深い典礼。イエス・キリストが亡くなったときの大地震と神殿の垂れ幕が裂けた音も再現される。

聖なる3日間の朝課は他の期間の朝課とは異なる。普通の朝課には存在する部分(導入部、賛歌、アレルヤ、Gloria Patri)が欠けることで本質的な部分だけが残ったと捉えることができる。

朝課は、第1夜課~第3夜課の3つの夜課(nocturno)で構成され、1つの夜課で3つの詩編と3つの朗読が唱えられる。このクラスは発表会で、朝課の第一夜課と第二夜課の詩編をグレゴリオ聖歌で歌う。

また発表会では、朝課に引き続いて賛課(laudes)も行う。賛課では、詩編150/151番のMiserere meiの偶数節をこのクラスが唱え、奇数節については、ビクトリアが作曲したポリフォニー曲を別のクラスが歌う。グレゴリオ聖歌Christus factusも歌う。

1日に何回も(8回)行われる聖務日課をすべて体験することは難しいが、朝課(ほぼ完全に)と賛課(部分的※)を発表会で執り行うことで、宗教音楽に関する勉強の一環として当時の宗教的生活を垣間見ることを目指す(※長くなるので発表会の賛課では詩編を省略)。

<2>夜課

・3つの詩編が唱えられる。
・詩編の前後にアンティフォナ(antiphona)がリフレインの形で唱えられる。

アンティフォナ① 詩編① アンティフォナ①
アンティフォナ② 詩編② アンティフォナ②
アンティフォナ③ 詩編③ アンティフォナ③

アンティフォナの役割 - 詩編の前(後)にアンティフォナがなぜ歌われるか?
(1)続く詩編の旋法を音楽的に伝えるため。詩編はその旋法のドミナントを朗唱音(tenore)にして歌われる。
(2)続く詩編から取り出した、その日の典礼のテーマとなる部分を知らせるため。詩編の一部を取って歌う。

・アンティフォナと詩編の3つのセットを唱えた後に3つの朗読(lectio)が続く。
・各朗読にレスポンソリウム(responsorium)が付く。レスポンソリウムとは朗読された聖書の言葉に対する応唱。

朗読① レスポンソリウム①
朗読② レスポンソリウム②
朗読③ レスポンソリウム③

<3>第一夜課の詩編を歌う
プリントの楽譜を見ながら詩編を歌ってみる。

第一夜課のアンティフォナ① 詩編① ・・3ページ
第一夜課のアンティフォナ② 詩編② ・・4-5ページ

3ページ 1~2段目のアンティフォナ Astiterunt reges terrae は第八旋法。
3段目以降の詩編は第八旋法のドミナントの「ド」が朗唱音。

●詩編の歌い方

第一節の冒頭~*印までをカントールがソロで歌う。第二節以降は、「ド」の朗唱音で歌い始める。同音の四角譜はすべて書かれていない。最後の語が3音節の場合に白抜きの四角譜を歌う。前半と後半の最後で音が動く箇所は旋法ごとに決まっている。第八旋法の場合は、節の前半は最後のアクセント、節の後半は最後から2番目の音で動く。節の前半と後半の間で「間」を空けるが大きなブレスをしない。歌い手が2つのグループに分かれて奇数節と偶数節を歌う。

<4>第一夜課のレスポンソリウムを歌う
プリントの楽譜を見ながらレスポンソリウムを歌ってみる。

第一夜課のレスポンソリウム① ・・6ページ
第一夜課のレスポンソリウム② ・・7ページ
第一夜課のレスポンソリウム③ ・・8ページ

レスポンソリウム①Omnes amici meiを歌う
歌詞を読む、出典を知る。第三旋法 本体のドミナントは「ド」、ヴェルススのドミナントは「シ」

レスポンソリウム②Velum templi scissumを歌う
歌詞を読む、出典を知る。第二旋法

●レスポンソリウムの特徴
・数が膨大
・旋律が類型化している。

●レスポンソリウムの形式
本体(前半A、後半B)→ヴェルスス(V)→「+」記号の箇所に戻って後半B(二重線まで)を歌う

レスポンソリウム①と②
A→B→V→B

レスポンソリウム③
A→B→V→B→A→B

6~8ページの3曲のネウマは、Hartker写本(プリントの1ページ参照)のネウマを書き写したもの。

<5>聖務日課の聖歌集

Antiphonale Monasticum 修道院での聖務日課(朝課を除く)を掲載
Nocturnale Romanum 朝課で歌われるレスポンソリウムをすべて掲載(Romanum=在俗教会)
Antiphonale Romanum ザンクトガッレンのネウマに合わせて四角譜を変更した版
Liber Hymnarius 賛歌のみ

【宿題】
・レスポンソリウムの四角譜にテヌート記号を書き込む。
・ハーパー著『中世キリスト教の典礼と音楽』99-168、212-230ページ
・ビーリッツ著『教会暦』132-147ページ

『中世キリスト教の典礼と音楽』130ページに誤植。「ノクトゥルノ」→「ノクトゥルヌス」

【配布プリント】
1~8ページ

★今年度から講座レポートは持ち回りで担当します。

(CT)
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by fonsfloris-k | 2010-04-28 19:00 | 講座レポート
4月24日 総合講座「テネブレを歌う2」(東京)
出席16名

①今年度の講座の構想と聖金曜日の朝課について
総合講座「テネブレを歌う1」(4/5)「ルネサンス音楽を歌う」(4/10)の記述を参照。

今回の追加事項:
典礼の中での役割を把握しながら、各曲を歌っていく事が大切。
聖務日課
Antiphona(交唱):詩編唱の前後にその日の内容のポイントを歌う。
(詩編の一部分を取り出して歌う場合もある。)
Responsorium(応唱):聖書朗読の後に歌われる。

*テネブレでは賛歌、聖母のAntiphonaは歌われない。

②教会旋法(資料P4)
☆必ず記憶しておく事柄:2468=3434
変格の第2、4、6、8 旋法のドミナントはそれぞれ、終音の3度、4度、3度、4度上の音である。

4種の“Alleluia”は、それぞれ、第4、第7、第2、第8旋法。
回答例:第4旋法のAlleluia
ミファソラ,ソラソファレ,ファソミミ
これは終音が“ミ”、次の支配的な音が“ラ”になっている。
ミーラの音使いが中心なので第4旋法と判断できる。

回答例:第7旋法のAlleluia
ソシドレレ,レミレドシラ,シラソソ
これは終音が“ソ”、次の支配的な音が“レ”になっている。
ソーレの音使いが中心なので第7旋法と判断できる。

③グレゴリオ聖歌の歌唱練習
LectioⅢ
ポリフォニーで歌う「エレミアの哀歌」第3朗読の部分。
今回のポリフォニーの歌い方の基本を知るための練習。
“朗読”として歌う事を基本とし、ポリフォニーもその基本に立ち返って歌う事が大切である。
アクセントの音節を長めに、そこに向かうように歌う。
フレーズの終りは、教会の残響感覚を思い、響きが立ち昇り、そして次へと流れる感じで歌う。

Responsorium6
この楽譜は第6旋法であるが、ファ-ラ-シで書く場合には、全てのシに臨時記号♭を付けることになるため、その煩雑さを避けて移調記譜(ド-ミ-ファ)としている。

歌い方:一通り歌った後、+印のQia~ に戻り、再び最後まで進み、その後、冒頭 Animam からet faceret bene. までを歌う。

④ポリフォニーの歌唱練習
要所、要所で、他パートとの間に純正な5度、3度の響きを作るように、その和声を聞き取りながら歌う。
随所にあるカデンツ部分にも留意して歌う。

*次回までに読譜を確実にしておくこと。

(MK)
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by fonsfloris-k | 2010-04-24 13:30 | 講座レポート
4月24日 ルネサンスの音楽史を学ぶ(東京)
ルネサンス音楽史

第34章 初期チューダー朝の音楽 529~540ページ

15世紀の前半に英国は、三和音を特徴とする音楽や定旋律をパラフレーズする手法、3声ではなく4声で構成されたMissa Caputを生み出して、大陸の音楽家たちに大きな影響を与えた。しかし15世紀後半になると、大陸と英国の間での文化的な交流が希薄になり、フランスやフランドルで花開いた宗教・世俗音楽や楽譜印刷の発展から、英国は言わば隔絶した状態になった。その間、英国独自の音楽が発展した。

チューダー朝は、薔薇戦争にヘンリー7世が勝利してヨーク家とランカスター家を婚姻関係で結ぶことによって始まった。政治的にも財政的にも安定した時代だった。ヘンリー8世はローマ教皇と対立して英国国教会を樹立し、10代で後を継いだエドワード6世は、2回にわたって礼拝統一令を制定した。これにより英国における宗教改革が進んだ。

音楽愛好家であったヘンリー8世の宮廷では、「Henry VIII's Songbook」と呼ばれる世俗曲集が編纂された。活躍した作曲家William Cornysh のAh Robin, gentle Robinは、当時大流行したラウンド(輪唱)形式であるが、大陸のシャンソンなどとはかけ離れたタイプの世俗音楽だった。

「Eton Choirbook」は、宗教改革以前の英国の宗教音楽を集めた重要な曲集(大半が聖母マリアを讃える曲)であり、その音楽は独特のエネルギーに満ちていた。多声部による音域の広さや声部数の変化によるコントラスト、流れるような長いメリスマ、変則的なリズム、大胆な不協和音に特徴づけられる。当時の大陸の宗
教音楽の根幹であった模倣はほとんど見られず、歌詞と旋律に密接な関連性を持たせることもなかった。

ミサ曲は「Eton Choirbook」に収められていないが、宗教改革が断行されるまで、循環定旋律ミサ曲が作曲され、演奏された。Robert FairfaxのMissa Albanusでは、定旋律が計量的にアレンジされて曲のあちこちに散りばめられ、Obrechtの作風にどことなく似ている。John TavernerらのWestern Wind Massは、大陸のロムアルメ俗謡に基づくミサに似ている。

Tavernerは、それまでの英国の宗教音楽に見られなかったリリカルな要素を作品に与えたが、世俗曲を定旋律にほとんど採用せず、また採用した定旋律を忠実に作品に活かしてパロディ化することがなかった点で、当時の英国スタイルの典型だった。ヘンリー8世統治の後半には大陸と英国の文化的交流が復活したが、同時期に英国で宗教改革が行われたため、両地域のミサ曲が融合することはなかった。

演奏を聴いた曲:
John Browne, O Maria Salvatoris
Robert Fairfax, Missa Albanus
John Taverner, Western Wind Mass

★今年度から講座レポートは持ち回りで担当します。

(CT)
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by fonsfloris-k | 2010-04-24 11:00 | 講座レポート
4月10日 フランドル楽派の音楽を歌う(東京)
出席:S4、A3、T2、B2

●Miserere mei deus(配布プリント参照)→歌詞を全部暗記すること。(1日1行なら19日、1行に10日かけても190日)

● ジョスカンのほうは、カントゥス・フィルムスを含めて5声部。カントゥス・フィルムスは Miserere mei deus... の繰り返しだが、これをひとつのパートとして独立させるのではなく、各声部の中に織り交ぜて歌えるように編曲する予定。まずはさしあたり原曲のまま歌い、原曲を理解した上で編曲版に移行する。

●2011年2月発表会ではビクトリアのミゼレーレを歌う。今度の発表会は古楽院だけ、講座だけの発表会になるが、聖金曜日の「朝課」(配布プリント)を各講座で分担。ビクトリアのミゼレーレはこの一番最後で、この講座が歌うのはこの1曲だけ。ジョスカンのミゼレーレはこの発表会では演奏しないが、講座とは別の発表会(ソロ、器楽、指導団体などを含む)も企画中なので、もしある程度の水準まで仕上がったら、そちらで歌う可能性もある。

●配布した歌詞カードは、ジョスカンとビクトリアでは番号がズレるので注意。いま印刷されている番号はジョスカンのほうだが、ビクトリアでは "Et secundum multitudinem..."が2に当たり、以下1ずつ番号がズレていく。下記参照。

3. Amplius lava me... / 4. Quoniam iniquitatem meam... / 5. Tibi soli peccavi... / 6. Ecce enim in iniquitatibus / 7. Ecce enim veritatem... / 8. Asperges me hyssopo... / 9. Auditui meo dabis... / 10. Averte faciem tuam... / 11. Cor mundum crea... / 12. Ne projicias me... / 13. Redde mihi laetitiam... / 14. Docebo iniquos vias tuas... / 15. Libera me de... / 16. Domine, labia mea... / 17. Quoniam si voluisses... / 18. Sacrificium Deo spiritus... / 19. Benigne fac, Domine... / 20. Tunc acceptabis sacrificium...

実際の「朝課」で交唱するさいには、奇数節を唱えるグループと偶数節を唱えるグループに分かれるが、今回は奇数節をポリフォニー(ビクトリア)で、偶数節をグレゴリオ聖歌で歌う。(注:ジョスカンは全節ポリフォニー)

● ビクトリアの楽譜の最後のフォリオに "Secundus Chorus" の記述があり、2. Et secundum multitudinem... を例にして、偶数節もポリフォニーで歌う場合の譜例が載っている。これはグレゴリオ聖歌の詩編の旋律に和声をつけただけの単純なポリフォニーであるが(「ファルソボルドーニ」 falsobordone という)今回は偶数節はグレゴで歌うのでこれは演奏しない。

●詩編の各シラブルに音を当てはめるだけだとただの「音」に過ぎないが、私たちはこれを「詩編唱」にしなくてはならない。その過程で養った詩編の言葉に対する感覚が、同じ詩編をより古い時代の様式の音楽で歌う場合にも活きてくる。

● 今回、ジョスカンはイタリア式発音で歌う。この曲はジョスカンがフェッラーラに在住していた時代の作品であるから、イタリア式発音で歌うことには妥当性がある。昨年ジョスカンに関する国際学会で、イタリアのグループがイタリア式発音でこの曲を演奏しており、なかなか興味深い試みと思われた。

●peccavi イタリア式は撥音(はねる音)「ペッかーヴィ」
dilexisti 「クス」を強く言い過ぎず、「グ」に近くやや濁る
mihi ミイ

●ジョスカンは練習番号②から③まで、コントラとテノールが入れ替わる。(フレーズの切れ目があるので、ジャスト②の次の音符~ジャスト③の次の音符)
※女声は「(左下4段目)ミ(1拍休)ラーラララ(下の段)」のように歌う。
※スペリウス「ミ」(階名の)は高めに歌う。実音の「シ」=階名の「ミ」=高め、と覚える。(逆に「ファ」は♭で低めに歌う)

●同様に練習番号⑥から⑧の7拍前まで入れ替わる。(テノールの⑥は休符)

●そのフォリオの最後のテノールのフィクタ(#が記入してある)はさしあたり無しにする。

●練習番号⑨~⑩のあるフォリオから第二部 Secunda pars に入る

●スペリウス練習番号⑬の後3段目の5番目の音はフィクタ

●6フォリオ目(練習番号⑭の続き)et exultabit... のところでテノールとコントラが入れ替わる(そのフォリオ最後までそのまま続ける)

●次回までに、第二部まで譜読みレベルでマスターしておくこと。今後これにカントゥス・フィルムス Miserere mei... を組み込んでいく。

(KI)
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by fonsfloris-k | 2010-04-10 15:00 | 講座レポート
4月10日 ルネサンス音楽を歌う(東京)
出席14人

2010年度の講座の構想
今年度の古楽院講座の発表会は、資料の表に表されている通り、グレゴリオ聖歌とポリフォニーのアンサンブルによる“朝課”を全講座で分担し、執り行う。
総合講座「テネブレを歌う1」参照)
宗教的、霊的な総合芸術としての音楽体験を通して内側からの理解が深まる事が期待される。

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《フォリオ37、38》(第1夜課)
「エレミアの哀歌」
Lectio prima, Feria sexta In Passione Domini
第1朗読   6番目の日(金曜日) 主の受難の

*エレミアの哀歌は各節がヘブライ語のアルファベットの朗唱で始まる。これは原文の最初の言葉の始めの文字を取ったもので、ラテン語訳聖書でも引き継がれている。これがヴォカリーズとして歌われ、またポリフォニーなどにおいても、場合によってはかなり長いヴォカリーズとして作曲されて、テネブレの典礼に独特の冥想的雰囲気を作りだしている。

*フォリオ38の Jerusalem ~ ~の部分は、各朗読の最後に付け加えて歌う事が習慣とされているリフレイン部分。

①記譜上の注意点
Brevis(B) と Longa(L) のリガトゥーラ
Cantus の冒頭:B B L(*Longa の棒は右側に付く)
Tenor の一段目最後:B L

Semibrevis (SB)のリガトゥーラ
上行形の場合、四角い音符で左上向きに棒が付く
☆『左上に棒はセミセミ』と記憶する。

②音程の注意点
ヘクサコルドの観点から、いわゆる“ミ”と“ファ”の音程が重要となる。

*ヘクサコルド:ソルミゼーション(ドレミ唱法)の発明者、グイド・ダレッツォの著作によって示された6音 (ウト、レ、ミ、ファ、ソル、ラ)による音階。

音階の第1音(=ド)をC、F、Gから始め、読み替えを行い、
“自然のままの”“柔らかい”“堅い”ヘクサコルドと呼ぶ3種類の音階に分類する。
Gから始めるとナチュラルのシは“ミ”、♯ファは“シ=ミ”となる。
Fから始めると♭シは“ファ”、ナチュラルのミは“ミ”である。

☆ ♯=ミは低めに、♭=ファは高めに 歌う。

冒頭の部分の終止音の例では、
Cantus:シ、Altus と Bassus:ソ、Tenor:レ
へクサコルドに於いては、夫々ミ・ド・ソとなり、ドミソの和音のミに当たる音(Cantus のシ)は低めに演奏して純正な響きを求める。

フォリオ38のAltus secundus の2段目、♯シはナチュラルの意味で、♭が付かない=“ミ”という事を喚起している。

ミとファの間は音程の幅が広くなるので、ファは高めに歌う。

③歌い方のポイント
付点SBーM(minima) や付点SBーSM,SM (semiminima)の場合、B から次の音に動く場合、その長い音はテンションを高めて行き、次の音への動きを予感させるように歌う。

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《フォリオ45》(第2夜課)
Quartum Responsoriumm, Feria sexta In Passione Domini
第4の応唱

各パートの末尾
QUOTIDIE Ut supra :各パート3段目の“Quoti die”の部分に戻って歌うという意味
*Bassus は3番目のセクション Cumque~ の部分は休み(Tacet.)

以上は、《フォリオ49》(第3夜課)の第7の応唱でも同様。

・・・・・・・・・・・・・・・・・
《フォリオ29、30、31》(賛課のBenedictus の部分)
Feria quinta In coena Domini
5番目の日(木曜日) 主の晩餐の

フォリオ31の SICUT ERAT / Suo tempore は、その(それが必要な)季節には、Gloria Patri のSicut・・・へ進むという意味。今回は歌わない。

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♪次回までに、読譜(歌詞は配布のグレゴリオ聖歌を参照して)を確実にしておきましょう。

♪今回の朝課全体をまとめた冊子を作成し、配布する予定です。
全体の把握ができ、各部分の理解が深まると期待されます。

(MK)
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by fonsfloris-k | 2010-04-10 12:30 | 講座レポート
4月5日 総合講座「テネブレを歌う1」(東京)
出席:16人

《第1部》
2010年度の講座の構想

今年度の古楽院講座の発表会は、資料2ページの表に表されている通り、グレゴリオ聖歌とポリフォニーのアンサンブルによる“朝課”を全講座で分担し、執り行う。

聖歌のジャンルは、ミサ、聖務日課、諸曲に分類できるが、“朝課”は聖務日課の一つである。聖務日課とは聖職者の日々の祈りである。中心となる150の詩詩編を7日間に割り振り、更に日々の日課として、朝課、賛課、一時課、三時課、六時課、九時課、晩課、終課に分けて唱え祈り続けられる。

キリストの復活前の1週間=聖週間の、聖金曜日の朝課は、通称でテネブレと呼ばれるが、「暗闇」の祈りの意である。

今回の古楽院講座合同の“朝課”でも、第1~第3夜課と進み、次の賛課の中のBenedictusを唱える間、祭壇の蝋燭を1本づつ消して行き、1本のみ残す。最後のMiserereは「暗闇」の中で歌われ、終わると同時に、イエス・キリストの死を表現する大きな音を打ち鳴らす。暗闇の中、沈黙のうちに皆退場する。
・・・・・・・・・・・・・・

♪グレゴリオ聖歌を歌う
5ページ 第2朗読 エレミアの哀歌
☆語るように歌う
音の長さは基本的には同じであるが、言葉の流れで自ずと音の長短や活発な動き、ゆるやかな動きが生じる。
記譜上の付点の音とテヌートの付いた音は長めに歌う。
大切な言葉はフレーズの終わりにある場合が多く、最後に向かって行くように歌う。(最後から二番目の音節をしっかりと歌い、次の語尾は収めるように。)

*発音の注意点
vulnerati ヴルネラーティ (tiの後に母音が来るとツィ)
exhalarent エグザラーレント(軽く濁る)
Jerusalem イェルーザレム(軽く濁る)

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《第2部》
Victoria 「エレミアの哀歌」
Lectio secunda, Feria Sexta In Passione Domini
第二朗読    6番目の日(金曜日) 主の受難の

“白色計量記譜法”の説明は資料参照。

【楽譜の見方】
この楽譜は、各パートごとに本にまとめられた“パートブック”の各パートを1枚の中に収めた“コワイヤーブック”の形になっている。
左上 Cantus(ソプラノ1) 右上 Cantus Secundus(ソプラノ2)
左下 Tenor(アルトの人が歌う) 右下 Altus(ソプラノ3)
(Verte:楽譜をめくれの意味)

【読譜の注意点】
(B:brevis SB:semibrevis M:minima SM:semiminima)

Cantus
・2段目
シに付いている記号は♯、この場合は、シの♭を消すナチュラルの役割となる。
最後のくねった記号(custos)は次の段の音の高さ(ソ)を示している。
・4段目
白B2個は、2拍づつ。
☆黒Bー黒SBの組み合わせ=付点SBーMの歌い方となる

Cantus secun.
・3段目
左上向きに棒の付いた2連の音符(リガトゥーラ)はSB,SB
☆左上に棒はセミセミ
・4段目
Cantusと同じく
黒いBとSBの組み合わせ=付点SBとM

Tenor
・2段目の長い休符は9泊休み。
・3段目
☆SB,SBのリガトゥーラの黒SB-黒Mの組み合わせ
=付点MーSMの歌い方となる。
(Altus4段目にも同様に表れる。)

・・・・・・・・・・・・・
☆黒く塗られた音符:color コロール
元の音符を不完全化(音価を3分の2にしたり、一段低い音価の付点音符に)する。
計量記譜法資料の5ページを参照
・・・・・・・・・・・・・
【歌詞】
各パート冒頭の大文字は歌詞の最初のアルファベット。
歌詞の文字が読みにくいが、グレゴリオ聖歌の歌詞を参考にして読めるようにしておくこと。

(MK)
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by fonsfloris-k | 2010-04-05 14:00 | 講座レポート
3月23日 グレゴリオ聖歌を歌う(東京)
講座内容:
・聖歌のジャンル (ミサ、聖務日課、諸曲) の説明
・教会旋法の説明
旋法の特徴的なメロディーを歌って理解する。
(第1旋法~第8旋法)
・聖歌の様式 (シラビック、オリゴトニック、メリスマ) の説明
・ミサの形 (典礼式次第における固有唱と通常唱) の説明

○ミサ通常唱を歌いながら学ぶ
シラビックなKyrie、Litania(連祷) Gloria、Sanctus、Agnus Dei
メリスマのKyrie (ミサⅥ、Ⅷより) Gloria (ミサⅣ、Ⅴより)
それぞれの曲を歌い比べて特徴を感じ取る。

*参考文献の紹介:講談社学術文庫 皆川達夫著『中世・ルネサンスの音楽』

次回予定:第1回講座の復習と資料残りの部分 (8,9,10ページ) を歌い、ミサ固有唱にも入る予定

講座資料5枚、10ページ
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by fonsfloris-k | 2010-04-05 12:33