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9月25日 総合講座「テネブレを歌う2」(東京)
8月の夏休みを挟み、2ヶ月ぶりの講座、前回(7月31日)の復習を行った。

①第2夜課 antiphona と詩編唱の練習(資料8~12ページ)
*歌い方の詳細は5/15、7/3講座のレポート参照

奇数節:男声 偶数節:女声

詩編を唱える音 tenor(音を保つという意味)という。
テノールの音高は、詩編の前後に歌う antiphona の旋法のドミナントの音となる。その音程は歌いやすさを考えて、so,ra,♭si あたりとなるように設定する。

*資料12ページ
3.antiphona:Alieni
これは第4旋法(ミーラ)の曲であるが、♯ファの記譜が必要となる事を避け、A(ラシドレミ)の位置で書かれている。

詩編の次の Insurrexerunt in me ~の部分(小句と応唱)は、antiphona:Alieni を繰り返した後に、第2夜課の3つの詩編のまとめとして歌われる。

②ポリフォニー全曲の練習
・第1夜課 lectio3: Ego vir(エレミアの哀歌)
・第2夜課 responsorium 6:Anima meam
・第3夜課 responsorium 9:Caligaverunt

これまでの講座で学んだポイントの復習をしながら練習。
♪常に他のパートの音程関係に留意
純正な5度、3度の音程
♭=ファは高く、♯ミ,シは低く
カデンツ部分は“ミ→ファ”と捕らえて音程に注意
ぺヌルティマ(終止音の一つ前の音)を充分意識し、しっかり和音を響かせて終止音で解決する。

♪リズムと流れ
裏拍を意識したリズム感覚を持って歌う。
旋律の流れは後方にある大事な部分へ向かっている、という意識を常に持って歌い進む事が大事である。
従って、旋律の初め、フレーズの初めはポイントを絞り、音量を調節して歌いだすよう留意する。

♪“~~Ut supra”の歌い方に注意。戻る場所を見失わないように。

(MK)
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by fonsfloris-k | 2010-09-25 14:00 | 講座レポート
9月25日 ルネッサンスの音楽史を学ぶ(東京)
第37章「イタリアとスペインの反宗教改革」
「トリエント公会議の影響と反宗教改革 二」
(597ページ)

 トリエント公会議の影響と反宗教改革の精神は、ポリフォニーの本質だけはなく、他の音楽分野にも影響を与えた。新たな、あるいは復活した分野が注目されるようになってきたが、その特徴はシンプルな様式で、宗教心を聴衆に沁みこませることを意図するものであった。さらに公会議は教会に典礼と聖歌の改編という仕事を残した。その中で聖歌の改編はその後の時代に影響を与えた。

ミサ・プレヴィス
 ヴィチェンツォ・ルッフォの1音節に1音を当てはめるやり方がミサ曲全体の長さを短くすることに効果があったとしたら、ミサ・プレヴィスはその目的を達成するものであった。実際、ミサ・プレヴィスは“平日”(Ordinary)の音楽について、全体の長さと華麗さを大いに減じるものとなった。このジャンルはミラノ、フェラーラ、そしてマントヴァで人気があったが、傑作は生みださなかった。

ラウダ
 ラウダは短く、典礼のためではなく、信心を盛り上げるものであった。このジャンルでは、13世紀以降にフランチェスコ会やさまざまな修道会が単旋律で歌っていた。15世紀にはポリフォニックが現れ、1500年頃にはペトルッチの出版を通じて広まった。
 反宗教改革はこのジャンルに新しい関心をもたらした。1563年にセラフィーノ・ラッツィとジョバンニ・アニムッツィアによる影響力のあるラウダ曲集が出版された。ラッツィ(1531年~1611年)は一声から四声のための、そして世俗的な詩から取られたテキストを基にしたラウダは、修道院や修道会ばかりではなく社会的な会合や一般家庭でも歌われた。例えばアニムッツィアのラウダは1575年に聖フィリップ・ネーリ(1515年~1595年)によって設立されたオラトリオ会で歌われた。ラウダはプロテスタントによって奨励されたシンプルな詩篇に対する反宗教改革側からの回答といえよう。ミサ・プレヴィスのように、ラウダも記念碑的な作品はない。

宗教(霊)的マドリガル
 宗教的なマドリガルには傑作があるが、音楽的には世俗的なマドリガルと何ら変るとこりはない。ただ、歌詞が違う。よくあるやり方としては、世俗的なマドリガルの歌詞は99%男女間の愛を題材にしているが、宗教的なマドリガルでは、それを詩人とマリア、詩人とキリスト、キリストと信心の民との間の愛に置き換えている。それらには例がある。100年以上昔の詩人のペトラルカの聖母への力強い詩で、それは彼の詩の最後のものとなった。その100年以上後のデュファイは最初の部分のみをポリフォニーにした。全部をポリフォニーにしたのはチプリアーノ・デ・ローレ(1548年)が最初で、パレストリーナ(1581年)がそれに続いた。
 純粋な美しさに比類のないラッススが、生涯の最後に作曲したのが「聖ペテロの涙」だった。ラッススは、ルイジ・タンシッロ(1510年~1568年)のとても長い(1277連の8行詩)詩の、最初の20連を使ったマドリガル20曲と終結部のモテットを作曲した。タンシッロは兵士で詩人、ジェズアルドの生まれ故郷のヴェノーサ出身で、ペテロの否認(キリストが十字架にかけられる前に、ペテロがキリストを知らないと言ったこと)を扱った詩を、自分の書いた本が昔に異端書として載ってしまったことに対する恐らく懺悔として1559年に作り、死ぬまで詩を校訂し続けた。ラッススにとってもラグリメ(聖ペテロの涙)はこの種の遺言だった。この曲は彼の生涯の最後である1594年に、今で言う一種のうつ病になった時に書かれた。譜例37-5では、その中から3つの節を引用しているが、ラッススはタンシッロの詩の持っているイメージをいろいろな方法で曲に移し変えている。

詩の内容は次の通り。
5曲目の1行から4行
若い女性は決して輝くクリスタルの鏡に映る自分の美しい顔を見ようとはしなかった。その時、哀れな年老いた男(聖ペテロ)は主の目の中に自分の罪を見た
15曲目1行から2行
「行ってしまえ命よ」彼は泣きながら言った。「ああお前を憎んだり軽蔑したりする者が誰もいない所へ」 
20曲目3行から4行
恐れることもなく、希望することもない、静かな生活(命)よ。その行く道はどこの岸にもたどり着かない

 第5曲でラッススは、美しい若い女の人に高い声部を、ペテロ(哀れな年老いた男)の出てくるところは低い声部にというように、高いところと低いところが交互に出てくるように、声の高低でその対照を際立たせている。ラッススは第15曲ではペテロから朗読者へ声部を変え、また劇的なところはペテロに戻らせている。第20曲では決して岸(目的地)にはたどり着くことができない命は、繰り返される主題により文字通り表現されている。
 最後にラッススは数字の“7” に基づいた数の象徴でこの曲全体を規定している。この作品が21の曲から成り立っており、それを3×7のグループに分け、さらに全体を7声で作曲した。ラッススの同時代者は、彼にとって数の象徴は生活に溶け込んでおり、7つの大罪(訳者注:暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、傲慢、嫉妬)、マリアの悲しみ(同:シメオンの預言、エジプトへの御避難、イエズスの行方不明、十字架の道における御子との再会、イエズス十字架上の御死去、イエズス十字架より降ろされる、イエズスの埋葬)、そして7つの懺悔の詩篇というように7という数字は彼にとって意味を持っていたと述べている。それはまたペテロにとっても許しの数だった。「主よ、私は何回許せばいいのでしょうか。7回でしょうか」「7の70倍になるまで許しなさい」(マタイ伝16:21)

典礼と聖歌の改革
 今まで見てきたように、トレント公会議の目的の一つは典礼の改革だった。そして1568年と1570年に、ローマは新しい政務日課集とミサ典礼書を発行した。その土地で200年以上使われていることが証明できる以外は(ミラノのアンブロジア聖歌のように)、ローマカトリックである限り必ず使われなければならないと定められた。明らかに典礼を標準化し統一するのが目的であった。そして音楽も例外ではなかった。
 1577年の10月25日、グレゴリウス13世はパレストリーナとローマの音楽家であったアンニバーレ・ゾイロに宛てた短い書簡の形で改革の精神を教会の聖歌集に拡げた。
 最初はパレストリーナとゾイロの2人はこの仕事を受け入れた。しかし、彼らの熱意は明らかに失われ、彼らはこの計画を放棄した。この仕事は1611年にフェリーチェ・アネーリオ(1560年-1614年)とフランチェスコ・ソリアーノ(1548年/49年-1621年)にゆだねられ、彼らはメディチ版(エディツィオ・メディチ)と呼ばれる公認された聖歌を1614年に出版した。
 我々は特に2つの宗教音楽の改革について注意しなければならない。始めに、レクィエムが標準化された。もはや別々の場所で別々のレクィエムが歌われることはなくなった。次に、中世を通じて作られてきた何千ものセクエンツァが廃止された。生き残ったものは、復活祭のための「Victimae paschali laudes」、待降節のための「Veni sancta spiritus」、キリスト聖体節祭のための「Lauda Sion」、死者のためのミサ(レクィエム)のディエスイレの4曲であった。そしてマリアの7つの悲しみの祭に歌われるスターバト・マーテルが1727年に復活した。
 公会議の布告とグレゴリウスの書簡は短い手紙は、共に16世紀で高く評価された証である。結局、伝説によるとグレゴリウス1世が作ったと言われる単律聖歌のレパートリーは、何百年もの間音楽家や教会の公式行事から等しく神聖なものとして扱われてきた。今では、16世紀の新しい趣味によって変えられた。そして、ソレムの修道僧たちが19世紀に聖歌の研究を始めるまで、そしてその成果がバチカン版の聖歌(1904年にピウス5世に認可された)の出版につながるのだが、それまでは16世紀に成し遂げられた教会の成果の1つであるメディチ版の聖歌が使われた。
 反宗教改革全般とトレント公会議の個々の項目が16世紀終わりの音楽に与えた影響を検証することは難しいことである。一方で教会は余計なものを抑制し、教会の一致を図ろうとしていた。他方では明らかにインスピレーションのもとになっていた。表面上的には芸術的な表現を制限するように思える布告であっても、その目的は音楽を制限するのではなく、音楽と一般の人を結びつけるもとになった。そしてそのことは、ついにラッススの「聖ペテロの涙」やパレストリーナの「ソロモンの雅歌」、そしてヴィクトリアの「死者のためのミサ」のような傑作を生み出した。そしてそれらの曲は今まで書かれた曲の中で最も美しく、官能的なものの一部である。

ベネチア
 パレストリーナの表面上の保守的なものを形作ったのは、明らかにローマの体制派が促したためだ。ベネチアでは事情は異なっていた。そこには、名声や富、そして商業の中心地であるということによる、独立への鋭い感覚があった。そこでは、宗教と市民の生活とが分かちがたく結びついていた。場合によっては「市民的な典礼」といってもいいような海との結婚の儀式が(海と運命一体)、イースターの40日後に行われるキリストの昇天祭の際に毎年行われた。国家の最高幹部であるベネチア総督でさえ、宗教的な役割を担った。
 ローマでは宗教音楽はトレント公会議の命令により、信心を植えつけるのが目的であった。ベネチアでは同じことをやろうとしていたが、同時に国家の豪華さの反映を表現するのものであり、この役割は全く別の音楽の様式を生み出すことになった。

聖マルコ教会
 ベネチアにおける宗教音楽の中心になっていたのがサンマルコ教会(図37-2 サンマルコ広場で行列 ジェンティーレ・ベリーニ作 1496年)であった。有力な音楽家のアンドレア・ヴィラールトが1527年に楽長に任命されたのを初めとして、その後ヨーロッパの最高の団体の一つという高い水準を保ち続けた。
表37-4は16世紀から17世紀前半における聖マルコ教会の楽長とオルガニストの表で、Ⅰは第一オルガニスト、Ⅱは第二オルガニストである。
 表にでてくる音楽家では、ザルリーノは音楽理論家、教師として人を育て、クローチェは曲が多く残っている(聖歌隊の曲に出ている)、メルロは作曲家で曲が多くある。さらに、1568年にジロラム・ダラカーサ(ジョバンニの甥)が常設の器楽アンサンブルを設立した。彼の装飾に対する扱いは31章に出てくる。17世紀の初めまでには、聖マルコ教会の音楽組織は、楽長と助手、24人の歌手、2人のオルガニスト、2人の合奏長(器楽合奏者の指揮者)、そして16人の楽器奏者を擁していた。そして16世紀の最後の10年間にはより小さくなっていたが、それはジョバンニ・ガブリエリのイメージを膨らませるには十分であった。

ジョバンニ・ガブリエリ
 1597年にジョバンニ・ガブリエリ(1553/56年~1612年)は宗教的シンフォニアと題したモテット集を出版した。内容は主に大編成の、ポリフォニーの式典用モテットだった。しかし、同じモテットといってもヴィラールトやパレストリーナと全く違うものであった。譜例37-6はすばらしい作品の一つである「Plaudite,psallite,jubilate Deo omnis terra」の抜粋である。大変変化に富んだ音楽で、最初の2小節も聞かない内に、フランドル以来のポリフォニーとは別世界のものだとわかるだろう。3つの合唱団はそれぞれ異なった声の組み合わせから成っており(声部記号が違う)、短い対話と、リズミカルで生き生きとした朗誦で我々を圧倒する。音域や独唱と合唱の対比、主題や拍の対比など、ここでは対比が鍵となっている。
 もっとも1597年の時の“声”(独唱)と“礼拝堂”(合唱)と記された曲集では「Plaudite」のようにはしておらず、楽器の指定がない。もっとも、器楽奏者たちは参加していたに違いない。おそらく、声のどこかのパートに重ね合わせていたかもしれないし、あるパートは楽器だけだったかもしれない。しかし、明らかなことは、システィーナ礼拝堂の教皇庁の歌手たちによって維持されていた礼拝堂で歌い方の伝統は、例外になってきたということだ。そして、器楽は16世紀終わりの教会では普通に聴かれるようになった。
 新しい手法を発展させた宗教的シンフォニア第二集はガブリエリの死後、1615年に出版された。譜例37-7はよく知られた「In ecclesiis」の初めの部分だ。我々の大半はもはやこれを「ルネッサンス」の音楽とは呼ばないだろう。ここでガブリエリは、形式上装飾的な音色という領域に属している問題、例えば独唱対合唱、器楽対声あるいは伴奏、をまさに作品の構造を決定し、特徴付ける作曲の問題と変えてしまった。言葉を変えると、「In ecclesiis」におけるガブリエリの関心は、メロディやリズム、対位法などなど、デュファイからパレストリーナに至る作曲家が取り組んだ問題の限界を打ち破ることにあった。

スペイン
 スペイン国王のフェリペ2世(在位1556年~98年)は、ローマカトリックの信仰を守ることを自分の使命としており、スペインは強烈な宗教的な国家だった。それはまた音楽においても情熱的であった。宗教に対する熱意の証は、1591年に行われた人口調査と、エル・グレコの都市として認められているトレドの描写である。エル・グレコはその当時の記憶に長く留まるほとんどの絵画の一つ(図37-3)において表現している。約5万人の住人の都市に、26の教会、36の修道院、18の聖堂、12のオラトリオ、4つの宗教的なカレッジ(教授聖職者教会:コレージュ)があった。2000以上の聖職者がおり、これは人口の5%だった。そして、人口が減ったにもかかわらず9つの新たな宗教的建物が作られた。
 スペインの音楽の激しさは、フランシスコ・ゲレーロ(1528年~1599年)とトマス・ルイス・デ・ヴィクトリアによって表現されている。フランシスコ・ゲレーロはスペインが持っていたアメリカの植民地において死後に驚異的な成功を収めたし、ヴィクトリアは16世紀スペインの最も偉大な作曲家となった。

ヴィクトリア
 1548年に聖テレサの生地のアヴィラで生まれたヴィクトリアは、ローマで約20年を過ごし、1560年代の中頃スペインに戻った時に、フェリペの姉妹の礼拝堂付司祭の職を褒美として与えられた。未亡人である皇后マリア(皇帝マクシミリアン二世の未亡人)は、1581年に王室の豪華な女子修道院である洗足カルメル会の聖クララ女子修道院(マドリード)に隠棲した。そこでヴィクトリアは、遅くとも1587年から彼女が亡くなった1603年まで、個人的な礼拝堂付司祭と聖歌隊長の両方の職で彼女に仕えた。彼はその女子修道院で、1611年8月に死を迎えるまでオルガニストの職にあった。
ヴィクトリアはおそらく反宗教改革の作曲家の中では優等生である。パレストリーナのように若い頃のことを後悔したことがない。彼は世俗曲を全く作曲していない。

2つのモテット
 ヴィクトリアの最もしばしば演奏される作品は疑う余地もなく「O magnum mysterium 」と「O vos omnes」である(譜例37-8)。
 共に、ヴィクトリアの最もよく知られた作品に満ちている暗い感じを持っている。ほとんどのパートで伝統的な手法で実現している。特に「ナポリ楽派」との関係を持っているメロディと和音の両方での半音階の動きと、積み重ねられ、ゆっくりと解決される係留音などがそれだ。しかし、時にビクトリアは特別な音階を使った、「O vos omnes」の最後で「sicut dolor meus」の言葉を強調するときに、嬰へ(最初の転回)とト(66小節)上で連続する短3和音の半音階的な新しい工夫をした。ヴィクトリアは一瞬でも、エル・グレコが見た世界を聞いたのではないかと思える。

死者のためのミサ
 もし、たった今引用された2つのモテットがヴィクトリアの最もよく知られた作品であるとしたら、「死者のためのミサ」は彼の最高傑作だ。1605年に出版され、1603年のマリアの死の追悼のために書かれた作品だ。今やトレント公会議とピウス5世の1570年のミサ典礼書によって標準化された死者のためのミサの聖歌を作曲したのに加え、ヴィクトリアは3つの他の作品を付け加えた。1つはモテットで、1つはミサの後に歌われる許しの祈り(リベラ・メ)、もう1つは死者の聖務日課で朗誦されるヨブ記の1節である。
 楽譜の87番は作品の中から2つの楽章を引用したもの。アニュス・デイと特別な典礼のためのモテット「Versa est in luctum」だ。慣習として死者のためのミサに含まれるアニュスデイは単律聖歌を基にしており、単旋律の歌いだしから展開され、最高音の手前にまで至る。アニュス・デイの繰り返しでは最初から最後まで詠唱される。
 Versa est in lutcumは異なった筋書きだ。ヨブ記の2つの節からのテキストを引用したものだ(30:31と7:16)。単律聖歌ではない。しかし、そこにはヴィクトリアが息を呑むようなやり方で制御している3声をもつアーチの上に引き伸ばされた、痛切さがある。静謐で、ほとんど神秘的な対をなす模倣で始まり、「nihil enim sunt dies mei」(私の日々は何もない)で苦悶を通り過ぎ、終わりには心を奪われるようなハイ「e"」(2点ミ)と停滞した掛留音によって、すべてを受け入れる予感に至る。16世紀あるいは他の世紀が生み出した中でも、はっと息を呑むようなすばらしい作品だ。

(TO)
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by fonsfloris-k | 2010-09-25 11:00 | 講座レポート
フランス・バロック音楽の夕べ
9月18日、風に秋の気配が感じられる土曜日の夕べに、関根敏子先生による「フランス・バロック音楽講座」が開かれました。
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今回のテーマは、マルカントワーヌ・シャルパンティエ。
関根先生がお持ちの日本では入手しにくいDVDやCDを鑑賞しながら、ルイ14世、リュリ、モリエールと同時代に生き、すぐれた宗教音楽だけでなく劇音楽も多数作曲したシャルパンティエの生涯と音楽について学びました。

本日のお菓子:ガトー・ド・ブルゴーニュ
本日のワイン:
Château Dignol, Saint-Emilion 1999
Reignac, Bordeaux 2006

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花井哲郎先生によるチェンバロ演奏の曲目:
ルイ・クープランのクラブサン曲集より ヘ長調の組曲
Prélude
Allemande grave
Courante
Chaconne
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by fonsfloris-k | 2010-09-18 19:00 | その他
特別講座「フランス・バロック音楽の話」~シャルバンティエ!
9月は、フランス盛期バロック音楽を代表する作曲家マルカントワーヌ・シャルパンティエをとりあげます。残席わずかです。どうぞお申し込みください。

日時:9月18日 午後6時30分~9時
場所:フォンス・フローリス古楽院
申込:m-kubota@fonsfloris.com (窪田)
受講料:1回 3000円

全日程
6月26日 リュリ (終了しました)
7月31日 ドラランド (終了しました)
9月18日 M-A.シャルパンティエ
10月23日 クープラン
11月20日 カンプラ
12月4日 ラモー
毎回土曜日 午後6時30分~9時

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by fonsfloris-k | 2010-09-15 11:32 | その他
9月12日 フランス・バロックの合唱曲を歌う(関西)
於母の家ベテル
受講:18名(S7、A5、T4、B2)

内容
<1>発表会で演奏する曲は下記の3曲。本番のオルガンで本番のピッチ(全音下げ)で本番の並びで練習。
・Kyrie, Charpentier, Messe de Minuit
・Gloria, Charpentier, Messe de Minuit
・Salve puerule, Charpentier, In Nativitatem Domini nostri Jesu Christi Canticum

<2>Charpentier, Messe de Minuit
Kyrie
Kyrie(29小節~)
・出だしのフレーズのKyrieの3つの音ひとまとまりで-eをぬいて。
・39小節のHaute-contreのKyrieの出だしは新しいフレーズを導くように。
・Christeの前にオルガンノエルの演奏が入ります。
Christe(52小節~)
・Christeの-teの母音は広いエになって響きが暗くならないように、イに少し近くして前の方で鳴らせる。eleisonのe-も同じ。
Kyrie(100小節~)
・101小節:Haute-contre シ♭の音を高く。
Gloria
Et in terra(1小節~)
・裏から表の流れをかかさない。そのためには出だしのinの音を積極的に鳴らす。
・12小節の頭のHaute-contreの音が大事。
・14小節:装飾の動きが終わった後の和音を大事に。
・31小節の最後の-musをちゃんと響かせて、裏から表の流れをきかせる。gratiasの-ti-も同じ。
Domine Deus(48小節~)
・この曲のHaute-contreのパートはシャルパンティエ本人が歌った箇所。女声ではなく高いテノールのつもりで。
・59小節の最後の-ni-をちゃんと鳴らして。その後のJesu Christeはひとかたまりで。
・79小節以降:miserere nobisは少しテンポを落として、三歩下がった感じに。それまでと雰囲気を変えて。
Qui tollis(84小節~)
・84~88小節:qui tollis,で切って、その後のqui tollis peccata mundiはつなげる。
・94小節のsuscipeは決然と入る。
・97~98小節:ヘミオラ。
・105小節以降:miserere nobisはていねいに小さく。その前の間奏で少し遅くする。ただし、110~111小節で遅れない。
Quoniam(116小節~)
・Quoniamの-ni-amを鳴らして。
・最初のフレーズはDominusに向かって。
・131小節の頭の[s]の音を積極的に発音する。
・132小節と138小節の装飾は動きが終わった後の和音を大事に。
Amen(143小節~)
・Amen, amen,...はつなげるけど切る、切るけどつなげる。
・最初のAmen,で切る(上の3パート)。

<3>Charpentier, In Nativitatem Domini nostri Jesu Christi Canticum
Salve puerule(292小節~)
・ ソロの部分(1番、2番、3番)をDessusが歌って、リトルネッロはオルガンが演奏する。演奏順は、1番ソロ(268~291)→1番合唱(292~315)→リトルネッロ(316~339)→2番ソロ(268~291)→2番リトルネッロ(316~339)→3番ソロ(268~291)→3番合唱(292~315)。
・4小節ずつひとまとまり。その間ブレスしない。流れるように。
・ 付点の後の8分音符もイネガルにするのを忘れない。
・ この曲全体で、付点4分音符の後の8分音符は「ビ」にあたるところ。付点4分音符よりも響かせて。逆にならないように。
・313~315小節:ヘミオラなので、miserisとAssimilesの間では切りたくない。
・3番の305小節と306小節の間(Gaude flos virginum とGaude spes hominumの間)だけは例外的に切る。

(NI)
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by fonsfloris-k | 2010-09-12 15:45 | 講座レポート
9月12日 フランドル楽派の音楽を歌う(関西)
受講14名(S4、C3、T4、B2)

★練習曲
Josquin des Prez 作
・Gaude virgo
・Ave Maria...virgo serena
 →4声で歌詞で全体を通し細かくレッスン。
・Salve regina a 4
 →全音下げで歌詞で全体を通す。全体的なアドバイスを頂く。
・Missa fortuna desperata より Kyrie、Gloria、Credo
 →そのままの音程でCredoまでを流す。全体的なアドバイスを頂く。コントラの音域がとても低いので全音上げを検討すべく全音上げでも歌ってみる。音の高さをどうするかは今後の検討事項として終了。

★内容メモ

《 Gaude virgo 》

<1>全体で歌詞で歌いながらレッスン

・【全パート】[o][e][i]等狭めにもとめるが、響きがひしゃげて狭くならないように。響きは上へ広く響いていくように。先生に促されながらみなで「wi-a-」を繰り返して響きのイメージをつかむ。
・【スペリウス・コントラ】イントロの2声。ファソラシ♭ラの音が上に輝いていること。のびのびしていること。
・【コントラ】1行目の最後の「Gabriele」「ドシ♭ラソファ…」の下行の歌い方注意。

・【テノール・バッスス】①のはじめの5つの音。1つ1つを置いて同じにならないで。はじめの2つ、次の3つ、というように。オクターブ跳躍は下の音からの流れで。上の音で突くのではなく。
・【スペリウス】イントロ[o]母音から[e]母音へ行く時の響きが落ちないように。「mater Christi」の初めのファ(シ♭)の音から下を向いていないこと。
・【全パート】「ラ」が上がりきらずその次の下行でどんどん落ちていくので注意。半音を狭く感じて。
・【テノール・バッスス】①「gaude quia」の最高音「ラ」の音程や音の色彩感注意。[o-e-i-a]と母音唱して響きのイメージを確認。バッススの1行目「pena」の「-na」の音は皆同じなので「なーっ」と出しすぎないように。軽めに。
・【テノール】1行目の終わりのほうの「pena」の「ラソラ」の歌い方、終わらせ方注意。その次の「cum」ははっきり明確に。
・【テノール】③の前「ラシシラ」の「ラ」あと1mm高く。
・【コントラ】③の前の部分にある、“3”の部分、どこか遅くなるので注意。
・【全パート】③「resurrexio」の「-su-」の発音注意。「じゅ」にならないように。「-su-」の後の「-re-」の響きも大切に。
・【スペリウス・コントラ】④の手前「etin…」の掛け合い。最後のシンコペが目的地。そこまで勢いが衰えないように。【スペリウス】はしゃくりあげないように。【コントラ】は「celum」の鼻母音、上のほうに向かわせて落ちないように。
・【スペリウス・コントラ】2ページ目1行目。上に向かっていくように。少しアッチェレさせて。2回の上行ごとに「わーっといって戻って、わーっといって戻って」という感じに聞こえるように。
・【コントラ】2ページ目1行目最後の「grandis」の「-dis」大切。輝かしいが「でぃーす」とがさつに入らず少し次に始まる天井の音楽を予感させるように。次の「in celi」の至福の時が「-dis」から既に
現れているように。
・【コントラ】「et est honor」の「レミドレ」の「ミ」低くならない。「grandis」の「ソファラ」。「ファ」で落ちないように。リクエッシェンスだと思って。最後の「-dis」は子音を取るように。
・【スペリウス・コントラ】⑤「ubi fructus」の“2”に戻ったリズム感しっかり。

・【全パート】⑥の「gaudio」は喜びのように。その前の「in perenni」は少し柔らかくさせて。
・【テノール・バッスス】⑤のシンコペ、リズム明確に。
・【全パート】一番最後の「alleluia」の「-ia」に入る前に少しクレッシェンドさせて。

<2>はじめに戻ってさらう

・【スペリウス】「gaude」の「-de」の母音注意。「mater」の「ma-」もっと子音を取るように。
・【全パート】「alleluia」の「-lu-」の発音注意。
・【テノール】だいぶ綺麗になってきて良くなった♪


《 Ave Maria...virgo serena 》

◎全体で歌詞で通しながらレッスン

・【全パート】「ave cujus conceptio」の歌詞がみなで合うように。「-io」のぎゅーっとひっぱる音と手放す音を明確に。「celestia terestria」の入り口、、音量、表出させる感じをおさえ
て。
・【テノール】3行目「gaudio」の下行を丁寧におりて「celestia」の入り口も丁寧に。1回ずつすわってしまわないように。
・【スペリウス】②の前の「ミレドシド」音程注意。②の周辺で低くなるので注意。「nativitas」の「na-」など。
・【コントラ】②「ave cujus nativitas」上にワフンするような語感、言葉のニュアンスをもたせたフレージングになるように。「lucifer lux」の「-u-」の音に注意。
・【全パート】③の入り口、今より音量を半分にするくらいソフトな表現で。
・【テノール・バッスス】「fecunditas」の発音。誰か「せ」といっている。「ふぇ」なので注意。
・【コントラ】「annunciatio」スペリウスが休符の所、音が消えてしまわないように。

・【スペリウス・コントラ】「annunciatio」の「-nun-」で少しはねるように鼻母音もしっかり。
・【コントラ】「ave pia」の最後の「ドソ」の「ソ」明るい響き、音程明るく。「i-a」の母音の位置注意。
・【全パート】④の入り口、ソフトな表現で。ゆっくりなんだけれど躍っているようなテンポ感で。
・【テノール】④上に上がる時にもう少し積極的に。
・【全パート】④「purificatio」「purgatio」(清め)という言葉はテーマのようにしっかりと発音する。穢れない響きにすること。
・【スペリウス】④「ave vera」の「ソラ」音程注意。
・【テノール】下から2行目「nostra glorificatio」のリズム、しっかり目立って。スペリウスのエコーのようではなく、輝ける響きで。
・【全パート】エンディング「o mater dei」から全体音程注意。【スペリウス】「ファ」高すぎない(全体ではファラドのハーモニーのファ)。【コントラ】一番最後の「ソ」高めに。


《 Salve regina a 4 》

◎全体で歌詞で通しトータルなコメントを頂く。
・音の高さがこれでいいか(全音下げ)保留。スペリウスが輝ききっていないのではないか?
・テノールの5度がうまく共鳴しあっていない感じもする。
・フレーズの最初の瞬間、休符の後の、そこに狙いを定めて。そこで、ぐしゅ、っとならないように。


《 Missa fortuna desperata より Kyrie、Gloria、Credo 》

◎全体を思い出しながら、まずそのままの音程で問題点を探す

<1>Kyrie
・【スペリウス】「ファソラシド」の上行勢いをもって。また音程に注意して。
・【テノール】全体に長い音が多いが、響かせ方をもう少しテノールに。輝かしく。

<2>Gloria
・【コントラ】最後の「amen」。「ファミドレド」の「レ」の響き注意。
・【テノール】もう少し響きが欲しい。

<3>Credo
・【全パート】言葉が分かっていることが大切。


◎Credoの最後、Kyrieのはじめ、Gloriaを全上げてうたってみる
・Gloriaのスペリウスの高音を聴いて、やはり高いのでそのままの音の高さがいいかと感じる。が、他のパートは低い。低すぎると感じる部分もある。Credoまでそのままの高さで、その後全音上げるというのはどうかという話になる。違和感があっても、いい響きで歌うほうがいいのではないか?と。決断はまた先に延ばすことになって終了。

(TI)
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by fonsfloris-k | 2010-09-12 13:00 | 講座レポート
9月11日 ルネサンス音楽を歌う(関西)
於母の家ベテル
受講:24名(S8、A11、T3、B2)

内容
<1>Victoria, Nisi Dominus
・自分の楽譜は見ないで大きな楽譜だけを見て歌う練習。本番では手に楽譜は持ちません。
・全音上げ。
・言葉のアクセントを常に意識する。
1枚目(Nisi Dominus~)
・Nisiの-siからDominusのDo-へのリズム感。
・quiの出だし、各パートとも、子音を取って、鮮やかに。
・frustraもin vanumと同じで「むなしい、無駄である」という大事な意味の言葉。埋もれないようにはっきりと。frの子音で時間を取られないように鋭く。
2枚目左(Vanum est~)
・surgiteのrを早めに言い、-gi-も埋もれないようにはっきりと。
2枚目右(Cum dederit~)
・tenor 2:ecceとecceの間でアーティキュレーションする。
・sicut sagittaeの出だしは、その前の雰囲気から一転して、力強い戦闘ラッパのような雰囲気で。
・potentisの-tisでおさまって。次のitaに続く意味的な関係を考えて。
3枚目~5枚目(Beatus vir~)
・BeatusのBe-からアクセントのある-a-に向かう動きを意識する。
・desideriumの出だしのタイミングは鋭くするが、響きは強くなりすぎないように柔らかく。
・non confundeturは-de-に向かう流れを意識する。全部がポンポンしない。
・cum loqueturは少しレガートにおさめる(次のinimicisから戦闘モードになるので)。
・loqueturの和音を丁寧に聴き合って。-turのcantus 3(4枚目ではcantus 1)の音を低めにして純正に。
・Gloria Patri et Filioはつなげて。ここはGloriaというより、本来おじぎするところなので、少し抑えた控えめな雰囲気で。
・最後の節Sicutの出だしで2拍子のテンポを作るのはtenor 2なので、積極的に正確に。

<2>Victoria, Laudate pueri
・大きな楽譜だけで歌う練習。
・全音上げ。
1枚目(Laudate pueri~)
・A solisのAの音、特にaltus 1はよく鳴らして。
2枚目左(Excelsus~)
・Excelsusの(ek)sceの音は柔らかいシェではなく鋭いシェ。チェでもない。
・ejusのe-から-jusに移るとき時間を取らない。
2枚目右(Quis sicut~)
・Deusの[u]の母音を深く。
3枚目~4枚目(Suscitans a terra~)
・Suscitansは起こすという意味を出すように力強く。
・et de stercoreのster-で少しふくらませる。
・ut collocet eum cum principibusは最後の単語の-ci-に山が来るように。cum principibus populi suiは最後の単語のsu-に山。このように長いフレーズが続く時は本来詩編を唱える時のやり方を思い出す。
・Qui habitare facit sterilem in domo: habitareの-reやsterilemの-lemがぷつんと短くならないように。
・4枚目の第2コーラスのin principio et nunc et semperは少し抑えてつなげて。

(NI)
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by fonsfloris-k | 2010-09-11 15:45 | 講座レポート
9月11日 グレゴリオ聖歌入門(関西)
於母の家ベテル
受講:24名

内容
<1>発表会で歌うグレゴリオ聖歌は
・入祭唱Introitus: Respice, Domine(「年間第19週(C年)のミサ固有唱」のプリント)
・第8旋法のKyrie(「フォンス・フローリス古楽院関西講座 グレゴリオ聖歌 2010年度」のプリントP.5)
・昇階唱Graduale: Beata gens(「年間第19週(C年)のミサ固有唱」のプリント)

<2>第8旋法のKyrie
・左右に分かれて交互に歌う。今回は、(A)ソプラノ と (B)ソプラノ以外 の2つのグループに分ける。
・最初のKyrieは*印まで先唱者でその後は(A)。次は大区分線毎に(B)(A)(B).......と続き、最後のKyrieは*印まで先唱者、**印まで(A)、最後は(A)&(B)
・この楽譜にはネウマはついていないが、ネウマをイメージしながら歌う。
・1つめのKyrieのKy-の2つめにはquilismaがある。quilismaの前の音は少し長めになるという慣習があるので、この場合は一番最初の音(ソ:finalis)は長くしっかり歌う。またこの音節の到達点はdominantのドなので強調する。その後はおまけ。eleisonのe-も同じような感じ。
・2つめのKyrieのeleisonのe-の音節の最初の4つの音がひとまとまりで4つめが到達点でその後の3つの音はpressus majorでひとまとまりなので、4つめの音を少しのばす。
・Kyrieからeleison、Christeからeleisonはできるだけつなげる。中世の時代にはeは1つしか書かれていないことも多かったので、音楽的にもつながっている。
・2つめのChristeのeleisonのe-の最初のpesの上の音は軽くのばす。ネウマではここにepisemaがついて、ネウマが切れてから、climacusになるものと思われる。
・ソをgで始める。

<3>入祭唱Introitus: Respice, Domine
・*印まで先唱者。その後全員。Ps (psalmus) の1行目Ut quid Deus repulisti in finem:は男声で。2行目のiratus est furor tuus super oves pascuae tuae?は全員で。Gloria Patri,......は男声、Sicut erat.......は全員。最初に戻って最初から全員で。
・2段目のanimasの-nimasの2つの音は一つずつ下げる(ドドではなくシシ)。pauperumの-pe-も一つ下げる(ドではなくシ)。
・derelinquasの-lin-(アクセントのある音節)はたっぷり歌うようなネウマになっている。nを鳴らすのも忘れずに。
・3段目のexsurgeのex-の音は一つ下げる(ドではなくシ)。
・exsurgeの-surの音節の3番目の音はレでdominantなのでそこが目的地であとのミレは装飾。Laonのネウマは4つめの音が長いように書いてあるが、n(
=nec)という文字がついていて、これは「ここは目的地ではない」の意味。
・iudicaからcausam、causamから tuamは切れないでつながるように。
・quarentiumの最後のmをいう音は普通の長さを持たない音。mで鳴らすけれど、すぐに次へ行く。
・tuusのtu-はpesなので上に一つ音を付け加える(レではなくレミになる)。
・pascuaeのpas-はquilismaだけなので一番最初の音を取ってミファだけにする。
・saeculorumの-cu-の一番最初の音を取ってミファだけにする。
・レをdで始める。

<4>昇階唱Graduale: Beata gens
・*印まで先唱者。その後全員。V (versus)の前半はsoliの3名。最後のomnis virtus eorum.は全員。
・Beata:tractulus(右にceleriter)+episema付きのbivirga(virgaが2つ)+tenete付きのclivisが2つ+pes subbipunctus+episema付きのclivis(上にm=mediocriter)。mideiocriterは中庸に、の意味。ここでは、episemaはほどほどに、の意味。Laonのネウマではこの最後の部分にa=augete(増幅する)と書いてあるので、このclivisは下の音の方が長い、という指示になっている。
・gens:tractulus。
・cuius:tractulus+tractulus。Laonでは点点となっているので、軽く歌うべきということがわかる。
・est:episema付きのbivirga。
・Dominus:episema付きのclivis+virga+virga+virga。ゆっくり。
・cuius→est→Dominusがつながるように。途切れない。
・Deus:torculusにclivisがくっついたもの(全部流れる)+episema付きのclivis(ゆっくり)。
・eorum:celeriter付きのclivis+episema付きのvirga+最初の2つの音にceleriterが付き、最後の音にepisemaが付いているporrectus(高い低い高い)+全ての音が長くなるclimacus+episema付きのclivis+tractulus。
・Deusでおさまって、eorumのアクセント-o-に向かっていく動き。
・populus:episema付きのvirga+最初の2つの音にceleriterが付き、最後の音にepisemaが付いているporrectus+episema付きのbivirga+最初の音にcleriterが付き、2番目の音が短くて、最後の音が長いclimacus+全てをゆっくり歌うtorculus+virga。この最後の音を「高い」(virga)で表したのは、言葉のpopulusが次のquemにつながることを意識させる。
・quem:tractulus。
・elegit:流れるtorculus+episemaなしのbivirga(長いけれどもそれほど長くない)+ゆっくりのpunctumが3つ+quilisma+porrectus+episema付きのclivis。
・Dominus:最初の音にceleriterが付き、2つめの音にepisemaの付いたclivis+最初の音にepisemaのついたclimacus+celeriter付きのclivis+episema付きのtractulus+trigon(3つの点。高い高い低い)+流れるtorculus+最後の音にepisemaの付いたtorculus+virga(ミ)+pressus major(レレド)。
・in:celeriter付きのvirga。
・hereditatem:tractulus+virga+virga+最後の音(ドミナント)にepisemaの付いたtorculus resupinus+流れるtorculus resupinus+episema付きのclivis(ここもドミナントを強調するepisema)。
・sibi:virga+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+最後の音にepisemaの付いたtorculus+tractulus。
・omnis(最後の行)の3つめの音はファではなくてミ。

<5>発表会で歌う3曲を通す
・時間を計って通してみる:10分30秒。


(NI)
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by fonsfloris-k | 2010-09-11 13:30 | 講座レポート
9月8日 グレゴリオ聖歌演奏法(東京)
新しい資料(p.13~16)が配布されました。

朝課の後に行う賛課で歌われる5つのantiphona(詩編は割愛)とBenedictus, Christus factus, Miserere が掲載されています。

antiphonaの楽譜で、旋法をあらわす数字の横に書かれたeやfなどのアルファベットは、続けて歌われる詩編の最後の音をあらわします。

(ただし、1曲目のみ第7旋法のフィナーリス「ソ」をC音として記譜しているため、詩編の最後の音「C」は、第7旋法の「ド」つまりG音と考えます。)

なお、詩編の歌いおさめの旋律には慣習として、「E u o u a e.」(Seculorum Amen)の歌詞が載っていますが、聖週間では栄唱(Gloria)は歌われないので、実際には詩編の歌詞で歌われることになります。

Benedictusでは、antiphonaをグレゴリオ聖歌で歌った後、奇数節は我々の詩編唱、偶数節はVictoriaのポリフォニーで歌われることから今回は全音高く移調して演奏します。

今まで練習してきた詩編唱と違い、第1節以外の各節もファソラララと歌い出します。また音の上がり下がりも複雑なので慣れる必要がありそうです。

2節歌い終えるごとにろうそくを1本ずつ消していき、Benedictusを歌い終える時には真っ暗になります。Tenebrae(暗闇)と呼ばれる由縁です。

(ろうそくを消してゆくシーンが印象的な花井先生おすすめの映画「めぐり逢う朝」のご紹介がありました。)

暗闇の中で跪いて歌うChristus factusはミサのgradualeで歌われるもので、聖週間の聖務日課では毎日歌われますが、日ごとに歌う部分が長くなっていきます。今回は金曜日なので掲載されている所まで。

Miserereは奇数節をポリフォニーで、偶数節を我々がまっすぐ一つの音(低いA音)で一本調子に歌います(Recto tono)。暗闇ですから、長い歌詞を暗譜する必要があります。

休憩後は、第1夜課の3つのresponsoriumの実践的な練習でした。いずれも、ネウマを参考に、流れない音は丁寧に響かせ、流れる音は軽めに動きを見せ、大事な音以外を経過的に歌う、旋法的な歌い方を指向しています。

次回は10月20日(水)。
第1夜課の3つの詩編(資料p.3~5,9~10)を練習します。

(EK)
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by fonsfloris-k | 2010-09-08 19:00 | 講座レポート