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3月26日 ラウダを歌う(東京)
☆9回の講座と発表会出演。発表会を見据えて講座を進めましょう。やったことを忘れないように、自宅で復習してください。

1.講座の初めに、名簿を頂き、杉本先生と初対面のメンバーのみ自己紹介。

2.杉本先生のラウダとのかかわり
聖フランシスコの霊性に共感して、音楽を愛した聖フランシスコと音楽が交わるところ(ラウダ)を生涯の研究テーマにしようと思った。日本には先行研究者がいない。本講座では、ラウダの最古の写本であるコルトナ写本を使用する。コルトナ写本には45曲のラウダが収められている。

3.ラウダとは? Lauda<laudare ほめたたえる
  13世紀のサリンベネの『年代記』の記述によれば、人々は夕方、マリア像の前に集まって歌っていた。歌う人々はラウデージlaudesi と呼ばれた。イタリア語の詩による歌。

4.聖フランシスコと音楽
フランシスコの詩による有名な歌・・・「太陽の歌」/「被造物の歌」(laudatoと繰り返す)
気持ちが高揚するとフランス語でほめ歌を歌った(母はフランス出身)
病弱だった彼は、病の時に美しい音楽を聞きたがった。
“私は主の吟遊詩人”と語っていた。

フランシスコ会は創立者の影響から、15~19世紀に多くの音楽家を輩出。
(cf. 同時代に設立されたドミニコ会もラウダを大切にしたが、その後に音楽家はほとんど出ていない。)

5.シェリング『音楽史年表』の記述
  1225年 フランシスコが「太陽の歌」を歌った(楽譜なし)。1270頃に発達したラウダのもとになった。
  1270年 イタリア語で世俗的な単旋律の聖歌(ラウダ)がトスカーナとウンブ    リアで盛んになり、ラウデージたちにより歌われた。


6.単旋律のうた・・・一つの音で。

7.お話の後で、コルトナ・ラウダの第1番のマリア賛歌(マリア・ラウダ)を練習。
  「ことば」が大切。10回ことばを唱えてから1回歌うのが理想的。

ということで、まず、口頭伝承oral tradition でことばを覚えることになった。
  リプレーザ(tuttiで歌う部分)のことばを繰り返す。
    Venite a laudare per amore cantare
 (ここまで一息で。per amoreはリエゾンして一語のように発音する。)
l’amorosa vergene Maria
その後、メロディーを付けて歌う。
  (楽譜無しで短いメロディーと歌詞を覚えるのがこんなに難しいなんて!)
  次に、1節の歌詞とメロディーを口頭で練習。(更に難しい!!)

その後(やっと!)プリントが配布されて、非定量の角型記譜法によるコルトナ写本の楽譜を見ながら、口頭で練習した部分を歌う。(非定量なので、音符の長さが分からない。また、写本は汚れがひどくて大変読みにくいが、口頭練習後だったので何とか読むことが出来ました。)

歌詞は15節ある。各節の最後の音節が次の節の最初の音節として繰り返される「しりとり」の形式になっていて面白い。今日は2節まで歌った。

リプレーザを覚えたところで、ソロ部分を全員が交代で歌ったり、下のドローンと上のドローンを付けたりしながら、次第にテンポを上げて繰り返し練習した。

8.次回
  今日の続きからステップアップする(今日のことを忘れないように復習を!)。
  もう1曲、別のマリア賛歌を練習する。

(Y.H.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-26 13:00 | 講座レポート
3月25日 アンサンブルクラス(関西)
於ノワ・アコルデ音楽アートサロン

オケゲム ミサ「カプト」

1)クレド

○まずはi-wiで最初から最後まで歌う。

*フレーズが収束するところを感じながら歌う。終わりは始まり!
(旋律の始めと終わりを感じて、わかるように歌う。)
*BassとTenのオクターブ、5度をしっかり聞いて鳴らす。
*「ミ」は緊張の音。そういう意識を持って鳴らし、次の音(「ファ」は弛緩)を目指す。

○次に後半(Et incarnatus est~)を歌詞をつけて歌う。

*歌いだしは「吸い込むスピード感」が大切。声帯をぶつけない。
 しっかり歌おうと意識しすぎてアクセントがついてしまう。
*練習番号13の「ドミソ」の和音を大切に。
 Supの「ミ」は高めで良い。Tenの「ソ」がBassの「ド」に対し正しい5度の音程で鳴らすことが大切。

○次に前半を歌詞をつけて歌う。

*練習番号1のあとに出てくる Jesum Christum は響きを変えて!
 ここはBass.には Jesum Christum の歌詞はない。Bass.は変わる響きを感じて。
*練習番号3は練習のやり直し!
*練習番号6、7は難しい。オケゲムたる所以?!・・・練習要

*Sup.全部とおして、ラ低くならならないように。
*Sup.他のパートと特に合わせて決める箇所を意識する。
 例えば、2の10拍目、3の1拍目、6 salutem (救い) のtem 等

2)キリエ・グローリア

○さっと復習した。

*グローリアのTen.のGratias は注意。
Ten.は全体的に音の変わり目をはっきりとらえること。「ミ」が低くなる傾向がある。

次回はサンクトゥスとクレドの復習です。
発表会で全曲通して演奏するかどうかの判断もしたいとのこと。
頑張りましょう。

(E.A.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-25 13:30 | 講座レポート
3月24日 ルネサンスのモテットを歌う(関西)
於母の家ベテル
受講:23名(S9、A7、T4、B3)

内容
<1>Josquin, Praeter rerum seriem
・クリスマスのモテット。
・左上がソプラノ、右上がアルト1、右中がアルト2、左中がテノール、左下がバス1、右下がバス2。
・短三度上げ。
・このmensura(O2)は、tempusはimperfectumだけれど(brevisはsemibrevis 2つ分)、longaはbrevis 3つ分。longa休符がbrevis 3つ分になっているのでわかる。ただし、この曲に出てくるlongaはほとんど不完全化されてbrevis 2つ分(4拍)となっている。
・フランドル楽派ではファは低めに、ミは高めに。ミファは狭く。ビクトリアやフランス・バロックで純正な長三度を作るためにミを低くしたのとは逆で、純正な五度が中心となる。ただし、フランドル楽派でも長三度の和音が長く続くような時には三度を純正にすることもある。
・アルト1の練習番号4の直前のlongaについている点は付点ではなくて、分割点 punctum divisionis、あるいは完全点 punctum perfectionisという。
・ソプラノの練習番号3の直前のbrevis休符は不要(練習番号2の前のlongaは6拍)。
・1枚目をmamama....で譜読み。

<2>Josquin, Inviolata, integra et casta es Maria
・左上がソプラノ1、左下がテノールとソプラノ2のカノン、右上がアルト、右下がバス。
・ソプラノ2はテノールのパートのsignum congruentiaeのところでテノールの五度上で入る。
・短三度上げ。
・1枚目をmamama....でコワイヤブックで歌う。
・カノンの2パート用にコワイヤブックをもう1冊作る。

<3>Josquin, Praeter rerum seriem(再度)
・1枚目をmamama....でコワイヤブックで歌う。
・ソプラノとテノール用にコワイヤブックをもう1冊作る。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-24 15:50 | 講座レポート
3月24日 グレゴリオ聖歌(関西)
於母の家ベテル
受講:32名

内容
<1>グレゴリオ聖歌とは
・ラテン語の祈り。教会の典礼(ミサと聖務日課)で歌われる。
・言葉は祈りが典礼で発音されたもの。典礼の理解も大事。
・グレゴリオ聖歌を歌うのに最も大切な三つのものは、言葉、旋律(旋法)、リズム(ネウマ)。
・旋律は教会旋法による。和声の概念はない。旋法は8つ。もとはたくさんあったものがだんだん8つに分類された。旋法を決める上で大事な音はfinalis(終音)とdominant(旋法を支配している音)。
・リズムは周期的な拍子とは異なる概念のもので、ネウマで表される。ネウマは、1つ、2つ、3つ以上の様々な音程で表され、ネウマごとに一つの音としてとらえる。

<2>P.3のKyrieを歌いながら第1旋法を感じてみる
・第1旋法のfinalis(終音)はレ、dominant(旋法を支配している音)はラ。
・finalisとdominantが5度になっているのが正格の旋法(第1、3、5、7旋法)
・伝統的にはKyrieを3回、Christeを3回、Kyrieを3回歌う。現代は2回ずつになっている。
・2つのグループに分かれ、複重線(大区分線)毎に交互に歌う。最後のKyrieは*印でも交替し、**印からは両方一緒に歌う。

<3>P.3のGloriaを歌いながら第7旋法を感じてみる
・第7旋法のfinalis(終音)はソ、dominant(旋法を支配している音)はレ。
・Gloriaの歌詞を読んでみる。この講座ではラテン語はイタリア語式で。母音は明るく。母音毎にアーティキュレーションしないでつなげる。
<4>P.5のJubilate Deo
・第5旋法のfinalis(終音)はファ、dominant(旋法を支配している音)はド。
・最初のJubilate Deoについているネウマを簡単に説明。音の高低を表すもの、演奏法を指示するもの。軽く早く歌うところ(丸くくるんとなっている)、しっかり歌うところ(棒状になっていたり、鋭角になっていたりする)。
・DeoのDe-のネウマに付いているのはepisema。現代のテヌートのような「長く」「しっかり」という演奏法の指示。そこについている指示文字のpはparvulum「少し」。つまり、De-は「少し長く」歌う。

配布プリント
・「フォンス・フローリス古楽院 関西講座2012 グレゴリオ聖歌」 3枚(6ページ)

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-24 14:40 | 講座レポート
3月24日 ルネサンス音楽入門(関西)
受講:27名(S11、A9、T3、B4)

内容
<1> フォンス・フローリス古楽院で学ぶこと
・古い音楽の持つ深い霊性と高貴な精神性を、特に声と声のアンサンブルで響きを共有しながら学ぶ。
・共同体の中で歌うことが音楽であった、そのことをアンサンブルしながら体験するためにもコワイヤブックを囲んで歌う。
・古い楽譜を読むことは本質にたどるための道順。

<2> 白色計量記譜法
・現代の楽譜では読み取れない概念はあるものの、グレゴリオ聖歌のネウマ譜(最古のものはおそらく9世紀末)から計量記譜法を経て現代の楽譜まで同じ発展上にある。
・もとは楽譜はなく、歌は覚えていた→覚え書きとしてネウマを記すようになった→音の高さや長さも書き記すようになった→楽譜を「見て」歌う時代になった、という歴史。
・最初のポリフォニーであるオルガヌムのまとまったレパートリーが楽譜として定着してのが12世紀。それ以前に何らかのポリフォニーは存在していたことが理論書などから伺える。盛んに行われたのはパリ。グレゴリオ聖歌に対旋律をつけることから始まる。
・グレゴリオ聖歌とは違い、音符と音符の間に数比関係がある(計量できる)ので、計量記譜法というが、もとはグレゴリオ聖歌の音符を利用している。
・基本の音符はlonga(長い)とbrevis(短い)。semibrevis(さらに短い)。その後、minima(最小)ができ、さらにsemiminima、fusaと小さい音価の音符ができていった。
・となりあう音価は現代のように2対1だけではなく、特に古い時代にはいろいろあったが、だんだん3対1(完全)と2対1(不完全)に統一された。
・15世紀に黒色計量記譜法が白色計量記譜法に。フランドル楽派。ルネサンス音楽の始まりとされる。
・小節線はない。そのような概念が始まるのはバロック時代。バロック音楽の最大の特徴(ルネサンス音楽にはなかったもの)は通奏低音。旋律と低音とそれをうめる和音。
・パレストリーナは計量記譜の最後の時代。
・もとはlongaが基本であったが、ルネサンス時代はだいたいbrevisが現代の一小節分(semibrevisが一拍分)、16世紀後半になるとsemibrevisが現代の一小節分(minimaが一拍分)くらいになった。ただし、あくまでも現代のような小節や拍の概念はまだない。mensuraとは、何拍子かではなく、何分割かという概念。
・brevisとsemibrevisの間の関係をtempusといい、この関係が3対1の場合を完全テンプスtempus perfectum、2対1の場合を不完全テンプスtempus imperfectumという。

<3>Palestrina, Missa Aeterna Christi munera, Kyrie
・これは印刷譜。1501年に楽譜の大革命が起こる。ヴェネツィアのペトルッチによる印刷譜の出現。その後、ヨーロッパ各地で続々印刷譜が作成される。他の2曲は手書きの楽譜。
・スラーのように見えるものは元の楽譜には存在しないもので、スラーではない。歌詞の音節の区切りの提案を後から記したものにすぎない。まだ解釈の余地があるので、変わることもある。
・ligatura(連結譜)の説明。グレゴリオ聖歌のネウマから発展した歴史(白色計量記譜法P.1~2参照)。基本形はB(brevis)L (longa)、つまり「短い・長い」。様々な形とその覚え方の目安がありますが、パレストリーナの時代にも残っていてよく出てくる「左上に棒はsemi/semi」だけは覚えましょう。
・ mamama…..で第1キリエを譜読み。
・ Cantusの2段目の最後あたりのligaturaは「左上に棒はsemi/semi」。

*次回はMissaのKyrieの続きを歌いますので譜読みしてきてください。発表会では基本的にSuper flumina BabylonisとJubilate Deoを歌う予定です。

配布プリント
・Palestrina, Missa Aeterna Christi munera, Kyrie&Gloria 3枚
・Palestrina, Super flumina Babylonis 4枚
・Palestrina, Jubilate Deo 4枚
・「白色計量記譜法」3枚(新規の方のみ)

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-24 13:30 | 講座レポート
3月21日 ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)
出席10名 (欠席なし)
配布 プリント4枚
   ・講座10回の内容タイトルと取り上げる曲
   ・グイードの手
   ・グイードの手が語ることを縦や横の並びで表す3つの図
   ・中世の移動ドに関する参考文献

1.自己紹介

2.イントロダクション
 《講座の目標》
 ・中世の移動ドで歌えるようになる
 ・旋法を理解しながら歌う

《中世の移動ドを新しい音階のよりどころに》
 ・なぜある時音が取れるようになったのか?数人ずつで話し合う。
 ・ドレミファソラシドをあたりまえのように身につけていることに気付く。
 ・ドレミファソラシドではなく UT RE MI FA SOL LA の世界で感じ取る身体に
  なっていこう。

3.ヘクサコード
 《半音を全てMI-FAで読む》
 ・UT RE MI FA SOL LA
  【アテンション!】
   MI FA の位置を知るということで、それぞれの音が単独でそこに存在して
   いるのではない。
   ある音がMI FA だと分かったら、その前後に UT…LA が存在していること
   を忘れてはならない。
 《オクターブ以上をヘクサコードで歌う》
 ・ドレミファソラシド、即ちミファとシドに半音があるという並びを、半音を
  ミファだけにして歌ってみる。
  【上行する音階】
   →次のヘクサコードの RE の位置で読み替える ①SOL=RE ②LA=RE
   の2パターン
  【下降する音階】
   →次のヘクサコードの LA の位置で読み替える ①RE=LA ②MI=LA の
   2パターン

4.グイードの手の図を観察する
 ・図に描かれていることを観察し気付いたことを発言する。
 ・自分の左手のひらを見て、右手で指差しながらその図の並びを理解する。
  【説明】
  →親指先:①Γ(ガンマ)、②8・Grave(低い)
  →親指腹:ナチュラル記号のようなもの=b、もしくは四角いb
  →小指付け根:Fの上にあるのはヘ音記号
  →小指第1関節横:7acut(高い)
  →薬指先:C=ハ音記号
  →人差し指第2関節下:G=ト音記号
  →中指第1関節:(線でぐーっと上方人差し指先あたりまで伸ばしながら)
5・superacuta(超高い)
 【ポイント】
  ①1~20までの数字が示されている(中指先上に20)
  ②数字を追ってみると、ガンマ、A、ナチュラル?、C、D…という並び
   をみつけることができる
  ③その隣には ut、re、mi、fa ut、sol re、と、1つの音が書かれたもの
   から3つの音が書かれたものまでみられる
  ④それぞれその上に、音符(全休符のような黒い四角いもの)が、線の上だっ
   たり、線の間だったりに音の数だけ存在する

5.組み立てるとグイードの手の図になるであろうその展開図とも言うべき表を観察する
 ・プリント上方にある一番大きな図を観察する
  【語の説明】
   riga:線
   spatio:間
   dedut.:一連のつながり(deductio)
  【ポイント】
   ①左列はクレフを、真ん中列は音名、右列は階名による7つのヘクサコー
    ドの位置関係が示される
   ②横線は即ち楽譜の線とみることができる
 ・左下の図はリュートのフレッド、右下は3つのdedutを取り上げ5線符で表
  した図


★グイードの手は覚えてしまいましょう

(TI)
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by fonsfloris-k | 2012-03-21 19:00 | 講座レポート
3月3日 ルネサンス音楽を歌う[1]ジョスカン・デ・プレ(東京)
1.講座の概要と「聖母ミサ」の解説
●ジョスカン・デ・プレの「聖母ミサ」を歌う。最初はSanctus, Benedictus, Agnus Dei を練習する。練習が順調に進めば、Kyrie、Gloria(4声)、Credo(4声、途中から5声)も歌う予定。
●ジョスカンの聖母ミサは中世以来の聖母ミサのように、グレゴリオ聖歌の通常唱からとった異なる主題がそれぞれの楽章で使われている。(キリエとグロリアは、9番のミサ曲、クレドは最も一般的な1番のクレド。サンクトゥスとアニュス・デイは現行の聖歌集にある9番の聖母ミサではなく、4番のミサ曲の旋律。)ルネサンス時代の世俗曲・宗教曲では珍しい。(普通は、楽章が違っていても同じ主題が使われる。パロディーミサ(もじりミサ)という。)
●そのため、楽章ごとに「旋法」が異なる。Kyrieは第1旋法、Gloriaは第7旋法、Credoは第4旋法、Sanctus,は第8旋法、Agnus Deiは第6旋法、が使われている。
(補足1)~番のミサ:現在では一般的に20世紀に出版された聖歌集に従い、ミサ曲は番号を付けて分類される。そしてあるミサ曲は、特定の祝日と関連付けられている。たとえば9番のミサ曲は聖母のミサであり、(現在は)聖母の祝日、あるいは聖母の随意ミサには、この旋律が歌われるようになっている。
(補足2)先生の話の中で「2468は3434」と言う言葉が出た。それは、次の意味がある。(旋法について)
●変格の第2、4、6、8 旋法の支配音(ドミナント)はそれぞれ、終止音(フィナリス)の3度、4度、3度、4度上の音であるという意味。(古楽院では「2468は3434」と覚える。)まとめると、次の内容らしい。

第2旋法(変格) ヒポドリア 終止音レ 支配音ファ 第2旋法の支配音は、終止音レの3度上のファ
第4旋法(変格) ヒポフリギア 終止音ミ 支配音ラ 第4旋法の支配音は、終止音ミの4度上のラ
第6旋法(変格) ヒポリディア 終止音ファ 支配音ラ 第6旋法の支配音は、終止音ファの3度上のラ
第8旋法(変格) ヒポミクソリディア 終止音ソ 支配音ド 第8旋法の支配音は、終止音ソの3度上のド

●「通作ミサ」ができる前、15世紀初頭、「ペアミサ」が作られた。(KyrieとGloria、CredoとSanctus) デュファイなども作曲している。15世紀前半、イギリス人たちが、1つの主題を元にして5楽章一緒に作曲されるミサを流行らせた。大陸の人たちがそれを真似し「通作ミサ」の様式が始まった。
●今回の「聖母ミサ」は先ほど述べた「ペアミサ」の伝統を感じさせるような形式になっており、KyrieとGloria、SanctusとAgnus Deiはペアとして作られている。
●Credoは別にまとめてあって、他のミサ曲に当てはめていた。それはおそらくCredoが典礼に採用されたのが中世でも比較的後の方で、新しいジャンルに属し、旋律もそれほど多くはないからと思われる。
●「聖母ミサ」は、ジョスカン自身によって構想されたのではなく、もともと別の作品として作られていた個別のミサを他の人が組み合わせた、という説もある。
●Gloriaでは聖母に関する言葉、トロープス (tropus:挿入句)が加えられている。ジョスカンの曲でもそれをそのまま引き継いでいる。トロープスは16世紀後半のトリエント公会議で禁止されてしまった。

3.フランス語風ラテン語の練習
●配布されたグレゴリオ聖歌「聖母のミサの通常唱」ミサ4番Sanctusの楽譜をみながら、フランス式ラテン語の練習を行った。
●先生によると「発音も大事だが、抑揚(イントネーション)はもっと大事.。どちらかというと低いところから初めて、言葉と言葉が続いてゆく感じで発音する。アクセントをなしに、長く続けてゆく感じ。」とのこと。
(参考)発音
練習をよく聞いて、発音練習するほうが有効だと思われるが、発音を書き留めると下記のように聞こえた。
Sanctus:an, [ ɑ̃ n] アの口で鼻腔に響かせる。uは[y]。(イを発音しながら唇を丸める。ユに近い。)
Dominus:uは[y].。(イを発音しながら唇を丸める。イに近いユ。) 
Deus.:uは[y].。(イを発音しながら唇を丸める。イに近いユ。) 
Sabaoth:語末の子音字t、h は発音しない。
Pleni sunt:un [ œ̃n ] 鼻にかかった「アー(ン)」。 ([ œ̃ ]鼻母音。曖昧な発音を鼻に抜く。)
suntの語末の子音字tは発音しない。
caeli et terra:caeセ[se]。 etの語末の子音字tは発音しない。
Gloria tua.:uは[y]. (イを発音しながら唇を丸める。ユに近い。) Glori atuaのように読む。
Hosanna:h 発音しない。sa [ zɑ̃ ] sは母音に挟まれるので[z]、aはアの口で鼻腔に響かせる。
in excélsis.:excélsisのxは発音しない。eはセ[se]。
Benedictus:cは発音しない。uは[y] . (イを発音しながら唇を丸める。イに近いユ。) 
qui venit:qui キ [ki] 。 venitの語末の子音字tは発音しない。
in nomine Domini.:om [ ɔ̃m]オの口で鼻腔に響かせる。

3.グレゴリオ聖歌(4番のミサ旋律)Sanctus
グレゴリオ聖歌のSanctus を歌い、各パートの言葉(発音)とSanctusの主題の確認を行った。

4.「聖母ミサ」Sanctus
各パートを旋律を歌いながら、各パートの言葉(発音)と音符の長さの確認を行った。
●白色計量記譜法に関しては、講座で配布した資料に記載されているので、説明は省略。
●Sanctusのメンスーラ(Mensura)は、modus perfectum / temps perfectum / proratio minorで、記号oで表記される。
●Tenorのパートに、”Yeunabis quattuor tempora.”と書いてあるのは、「4つの時の間、断食していなさい。(brevis4個分、歌わずに待つこと。)」と言う意味。Tenorの部分は2声のカノンになっており、低いTenorが旋律中の①の合流記号(signum congruentiae)に来たところで、高いTenorが5度上で追いかける。ムジカ・フィクタの音が、楽譜に記載されているように、先のTenorとあとのTenorでは異なるので注意。
●後半では、コワイヤブックを囲んで歌った。

(S.M.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-03 23:22 | 講座レポート
3月3日 中世の音楽を歌う(東京)
出席者 S:3人、A:4人、T:3人、B:2人 欠席者 B:1人

1、受講生紹介

2、イントロダクション「リガトゥーラはお好き?」
 Ligaturaの数え方の基本的な説明 (白色定量譜と原則は同じ)
 2つの四角音符(brevis)のLigaturaの場合を例に。
 基本は、B-L       (B:brevis、L:longa)
  上昇音型の場合、2つの音符を縦に重ねて書く、もしくは2つ目を右にずらして、
  さらに右下に線を書く。
  下降音型の場合、1つ目の左下に線が付く。
 B-Bになる時
  上昇音型の場合、2つ目の音符の右下の線は無い。
  下降音型の場合、1つ目の音符の左下に線あり、2つの音符を斜めに繋ぐ(obriqua)。
 L-Bになる時
  上昇音型の場合、1つ目の音符の右下に線が付く。
  下降音型の場合、1つ目の音符の左下に線は無い。
 L-Lになる場合
  上昇音型の場合、2つの音符のどちらにも右下に線が付く。
  下降音型の場合、2つの音符はどちらも四角、どちらにも線は無い。
 まとめ
  上昇音型の場合、右下に線があったらlonga
  下降音型の場合、降りてきた四角の音符はlonga

  brevisの右下の非常に短い線がある場合はbrevis plica、装飾的な音型。

3、Machaut messe de nostre dame Agnus Dei III
   modus perfectum L = B x 3、
   tempus imperfectum  B = S x 2、
   proratio imperfectum  S = M x 2
    (L:longa、 B:brevis、 S:semibrevis、 M:minima)
 注意点
  不完全化: longaはB3つ分だけど、前後のbrevisに1拍取られて2拍になる。
   (白色定量譜と同じ、分割点の有無に注意すること)
  倍化: 3拍づつ組で数えて、2拍目のBの次にLがある場合、Lは常に1拍目に
   なるので、その前のBは倍化(2拍)。
    例 B(1拍目)― B ― L というようなLigaturaの場合、2つ目のBは
      2拍分で、最後のLは次の3拍組へ。
   1拍目が小さい音価のグループでも、また休符でも、同じように倍化する。

4、Machaut Felix virgo / Inviolata genitrix / Ad te suspiramus
  Iso-rhythm 同じリズムを繰り返す
   talea (譜面の下に小さく I、II、III、と書かれた部分で、リズムの反復)
   color (譜面の上に小さく A、A1、A2、と書かれた部分で、旋律が反復)

   tenorとcontratenorのA節の部分のmodusの変化
    黒い音符、modus perfectum L = B x 3
    白い音符(本当は赤い)、modus imperfectum L = B x 2
   tenorとcontratenorのB節の部分のtempusの変化
    黒い音符、tempus perfectum B = S x 3
    白い音符(本当は赤い)、tempus imperfectum B = S x 2
   AとBの部分、どちらもsemibrevisの長さは黒も白も同じ。

   上声部2声のtriplumとmoteusは、proratio perfectum S = M x 3
     S ― Mの組み合わせ(SはMに拍を取られる)と休符とMの組み合わせの
     複雑なリズムの注意。

   perfectum(完全:3拍子)か、imperfectum(不完全:2拍子)か、
   どちらなのかは休符を見れば判る。
     longaの休符が5線の間の3段分に書かれている場合、modusは完全、
                2段分の場合には不完全。
   上2声部の譜面は、休符2個とminima1個の3つで組になっているので、
     proratioは完全。

5、次回は2ヶ月後なので、忘れないように復習すること。

(MO)
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by fonsfloris-k | 2012-03-03 15:30 | 講座レポート
3月3日 音楽史講読「ノートルダムの音楽」 (東京)
2012年度第1回3月3日 10時〜12時

2011年度に学んだことをざっと振り返った上で、今回はp.109 The night service: festal Matins and Lauds から始め、p.132 第2行目までを読んだ。

 【2011年度に学んだことの振り返り】
 I Introduction
現在のノートルダム寺院は3代目の建物で、p.8には、チャペルの名前の表が載っており、左は中世の名前、右が現代の名前である。P.9のjube (ジュベ)石造りのスクリーンのことで、その奥が内陣で、教会の中にもう一つ教会があるようなイメージ。内陣には布や旗などが飾られていた。現在はジュベはない。聖職者たち The clergyは、チャプターハウスに共同体の規則に従って住んでいた。(p.18)
 p.23の地図では、下部の横長く描かれているのがノートルダム寺院で、他に4つのチャペル(教会)が描かれている。
 p.28のシテ島 Il de la Cite の地図にあるように、The cloister / cloître と呼ばれる居住区内で聖職者たちは共同生活を行い、議論や教育もここで行われた。参事会員 canonたちはその中に家とプライベートなチャペルを持っていた。

II Chant and liturgy 聖歌と典礼
 フランス固有のガリア典礼は、8・9世紀シャルル大帝の頃、徐々に廃止されローマ典礼に取って代わられていった。その特徴のひとつは、メリスマが多く、豊かに言葉を引き延ばすところに現れる。(例:P.55カプトの原曲)
 教会暦も発達し、有力者がそれぞれ聖人を祝い、聖遺物(p.69)が奉納されるたびに祝日を作り、カンタベリーのトマスやアシジのフランチェスコなど新しい聖人も増えて、祝日の数が増えていった。P.74に祝日の一覧がある。duplex聖歌を復唱(リフレインをちゃんと歌う)する日が大祝日である。それぞれの祝日の歌以外にノルマのように挿入される曲もあった。
 Kyriale 通常唱(p.81)については、現在のように5つのセクションがまとまっていたわけではなく、いろいろな組み合わせを使いまわしていたが、12〜13世紀には何曜日にはどのキリエ、などのように徐々に固まり現在のようになってきた。
P.98〜99には、典礼をどのように進めるか、どこにどういう人が座っているかが描かれている。黒■は書見台で他の人は楽譜を見ていないことが分かる。1:首席司祭 4:カントール(首席歌手) 11:中心になって歌う人たち、先唱者に最初の音を伝える(のちにはオルガンで)。

【今年度】
The night service: festal matins and lauds( p.109)
 聖務日課のスタンダードは、朝課Matins=Matutinum、賛課Lauds=Laudes、1時課、3時課、6時課、9時課、晩課、終課、夜課である。
朝課は深夜に行われる。P.113にあるように、復活祭には最後に、キリストのよみがえりの情景を現したセクエンツィア(続唱:アレルヤ唱の後)を基にした典礼劇が行われた。<マリア:天の人よ、ナザレのイエスを探しています。天使:皆に伝えよ、よみがえりましたと。弟子たち:マリア言いなさい、何を見た? マリア:生きているキリストの墓を見ました。・・・> p.114<信じるに値するのはマリアの言葉、ユダヤの人ではない>の部分は、トリエント公会議後に削除され、現代の続唱にはない。次いで、キリストのよみがえりは私達には喜びであるから、感謝をこめてTe Deumテ・デウムを歌った。
*ここはみんなで歌いました。
*以前カペラで歌った典礼劇の楽譜にはト書も入っており、ヨハネは若いから先に墓に向かって走り、ペテロは後になどと書いてあったとのこと。
p.115 パリでは他と違っていた。普通はBenedicat vos omnipotens Deus…Deo grasias で終わるところを、これをとばしてLauds 賛課が続いた。
*2-3時間かかっていたかも。4月は寒いのに。
現代ではマリアのアンティフォナは1日の最後に歌うが、14世紀頃から復活祭とその1週間後の朝課-賛課にRegina caeliが加わった。それは年間へと広がった。土日にはSalve regina やAve reginaも加わった。
p.119新しい典礼が始まった。p.120 パリのミサ典書にある15世紀のご聖体行列の絵。楽譜はO salutaris hostia(「ああ、救いのホスチア」)の最初の旋律で続唱として歌われ、17世紀にはポリフォニーのモテットへと変わっていく。
p.121キリエはカントールかレクトールが歌い、グロリアは司式の神父が歌うがレクトールが加わりピッチを修正した。(*今と変わらない?)またグロリア・クレドはすべてのミサにあるわけではない。パリでprosaと呼ばれていた続唱は特別な日に歌われた。また16世紀後半ごろまでパリでのレクイエムには続唱はなかったが、望まれ、可能であればDies iraeが挿入された。グラドゥアーレやアレルヤはソリストが歌い、その間聖職者は座ってもよいがあとは立っていた。(もたれてもよい)

The feasts of the Late Middle Age (p.121)
中世後期に入ると、祝日は限りなくどんどん増えていった。随意ミサvotive Masses(特定のテーマに基づいたプライベートミサ)も多く行われた。中心になったのは聖母マリアである。美しい時祷書も多く作られ、典礼に付け加わっていった。14世紀には、賛課や晩課の最後に、土曜日、日曜日に、それぞれ決まったマリアの長いアンティフォナや続唱が歌われ日課の最高潮となった。北ヨーロッパでもマリア崇敬が高まっており、聖母被昇天なども祝われるようになっていた。そのなかではパリは中庸だったようだ。マリアの祝日は、お宿り・誕生・み告げ(告知)・訪問(エリザベト)・お清め・被昇天で6つ。後1つで7になるので、まとめの祝日が追加された。「ご奉献」Presentationがノートルダムで祝われたのは1471年11月21日だった。「エリザベト訪問」は1474年から。パリでは6月27日とした(7月2日はSt.Martialの祝日だったため)
p.124マリアの悲しみStabat mater dolorosa(続唱)は、1541年までにパリの写本に登場した。このころマリアの新しい3つの祝日以外に、ラザロなど他の聖人の日も組み込まれた。ラザロとヨセフは新約聖書やそのころ出版されたた伝承文学などによって良く知られ、晩課の賛歌で有名なPange lingua…は、ラザロのPange linguapreciosus Lazari commerciumやcontrafactum(替え歌)として再記述された。
p.127献堂式Dedicationは何処でも大切である。初代、ノートルダムⅡを経て、ノートルダムⅢは1182年に内陣が完成したが、他がまだであった。セレモニーに使うポリフォニーを含んだ『オルガヌム大曲集』には献堂式の曲が用意されていたが。15世紀末になっても聖堂は未完成だった。
p.128聖マルセルの聖遺物をノートルダムに持ってきた際、堂が完成するまでそこに置かれるべしとなっており、聖遺物の人気にあやかり返還しなくてもよいように屋根に穴があけられ、17世紀までそのままだった。そのようなわけで、ノートルダムではいまだに献堂式が行われていない。

Votive Masses(随意ミサ)
正規の典礼に含まれないが特別にしてもらうミサで、守護聖人、ご聖体、聖母、受難などがある。内陣ではなく周りの小聖堂で行われた。ミサを祝うことで、争いから逃れ、死んだ人を天国に近付け、終油の秘跡なしの人も安心して死を迎えることができる等とされ、そのことが盛んになったため、聖職者が多く必要になり、12世紀末には57人だった教会付き神父chaplainsは1539年には126名を数えるようになった。また司式の場所も主祭壇に周りの小聖堂を加えても収まらないので、各所で同時進行の形でミサが行われていた。1498年にカテドラルに教会暦の5つのサイクルを現したタピストリが奉納されたが、その5つは受難、復活,キリストの昇天、聖霊降臨、裁きの日である。
p.130は死者目録。主祭壇での日々のミサ、altar des ardents デザルダンの祭壇での新しく組み込まれた随意ミサ、ともに歌ミサであるがそれに加えて、5つの歌のないミサlow masses についても時間が決められ、パリの神父たちの責任となった。そして祝うべき8つものミサが、平日・祝日を問わず、さまざまな聖餐式、聖務日課の中で、時計のような正確さで行われなければならなかった。

(SWKM)
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by fonsfloris-k | 2012-03-03 10:00 | 講座レポート