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4月27日 ルネサンス音楽を歌う[2]バードのモテット(東京)
ウィリアム・バード『グラドゥアリア』より「聖母お潔めの祝日のミサ固有唱」
William Byrd (1543?-1623) - Gradualia, Proprium missae de Purificatio Beatae Mariae Virginis

配布資料: 名簿/レポート担当表

[本日の講義] 
 ◇ Gradualiaの解説と時代背景
 ◇ 白色計量記譜法の解説
 ◇ 楽譜( 1曲目) を歌いながら音符や記号の確認
 ◇ 歌詞(1曲目)の読み方
 ◇ 連絡事項
      
(便宜上、実際の講義進行と順不同の部分もあります。)

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Gradualia

* Gradualiaについて

バードの芸術の集大成とも言えるもので、第1巻(1605年出版)、第2巻(1607年出版)で構成されている。
「聖母お潔めの祝日のミサ固有唱」は第1巻に収められている。
ミサの中で歌われるものには「通常唱(注1)」と「固有唱(注2)」があるが、Gradualiaには教会歴1年分の「固有唱」の全てがポリフォニーで作曲され収められている。

(注1) 通常唱:どのミサでも必ず歌われる通常文
    
(注2) 固有唱: 祝日毎に固有の曲から成り、時季により構成が異なる。
Introitus (入祭唱)
Graduale (昇階唱)
Alleluia (アレルヤ唱)/Tractus(詠唱)
Sequentia (続唱)
Offertorium (奉献唱)
Communio (聖体拝領唱)

(この講座で現在配布されている楽譜は、「聖母お潔めの祝日のミサ固有唱」の
Introitus、Graduale、Alleluiaにあたる)

<3大ミサ固有唱曲集> (年代順に)
① オルガヌム大全「マニュス・リーベル・オルガーニ」(Magnus Liber Organi)
12世紀にパリのノートルダム楽派、レオニヌス(Leoninus)によって作られ、
後にペロティヌス(Perotinus)によって大幅に改良拡大された。
② 「コラーリス・コンスタンティヌス」(Choralis Constantinus)
フランドル楽派、イザーク(Heinrich Isaac、1450頃-1517)によって着手され、後に弟子のゼンフル(Ludwig Senfl、1486頃-1542)により完成され、1555年に出版された。
③ バードのGradualia
このGradualiaは、全てポリフォニーで作曲されている。
元々ミサ曲は単旋律のグレゴリオ聖歌で歌われていたものであるが、様々な作曲家によって、ある部分をポリフォニーで作曲されたものはあったが、その全てがポリフォニーで作曲されていることは偉業と言える。


*バード[William Byrd(1543?-1623)]の時代
 
バードの生きた時代は、音楽的にはルネサンスからバロックへ移行する時期で、彼の曲にはルネサンスとバロックの両方の特徴が現れている。
当時のイギリスではバージナル(チェンバロ)が流行っており、バードはバージナルのヴィルトゥオーソとしても名を馳せ沢山の鍵盤楽曲を残している。
晩年にはバロック様式の特徴である、通奏低音(伴奏)や独唱曲を使った曲も多く作曲された。

イギリスではヘンリー8世(在位1509-1547)の時代に、ローマ教皇を首長とするカトリックから、イギリス国王を首長とするイギリス国教会へと改宗令が出された。バードは敬虔なカトリック教徒であったが、芸術を擁護しカトリックにも寛容であったエリザベス1世(在位1558-1603)に重用され、王室礼拝堂の楽員を勤め、国王から認めらた者だけが持つ楽譜出版の特許も与えられていた。 その目的は国教会の為の曲の出版であったが、カトリックの典礼用と思われるミサ曲も素晴らしいものが3曲書かれている(3声/4声/5声のミサ)。地方部にはカトリックを信仰し擁護する貴族もまだおり、カトリックの典礼用であるGradualiaは、これら貴族の私的な礼拝の為に使われた。

なお、印刷楽譜はパートブック(part book/各パート毎の冊子)として印刷されていた。教会で聖歌隊が歌う時に使用する楽譜はコワイヤブック(choir book/見開き両面に各パート譜が書かれている) で、パートブックから演奏用に書き起こされた。Gradualiaもパートブックで出版され、コワイヤブックは現存しない(或いは発見されていない)。

 (参考:音楽史的背景として、こちらもぜひご参照下さい↓)
  古楽院レポート:「ルネサンスの音楽史を学ぶ(東京)2011年1月15日  http://kogakuin.exblog.jp/15687528/ (C.T.さん担当レポート)




(Mensura) (白色計量記譜法資料p3)
楽譜の最初に記されている「C」は音価の間の関係を表している記号で、現代譜のような拍子記号(4/4拍子) ではない。

計量記譜法は、音価の間の関係を表す事を基本としている記譜法。
古くは楽譜というものは無く、歌は覚えて歌われていたが、グレゴリオ聖歌を各地で共通の認識で歌う必要性から10世紀頃に「ネウマ譜」が生み出された。 単旋律で言葉をゆっくり唱えていくグレゴリオ聖歌ではこれで良かったのだが、やがてポリフォニー(多声) で細かい音を付けて歌われるようになると、一定の長さの1つの音に対してそれを幾つに分割して音を当てはめるかということが必要になってきた。
 
現代の楽譜では、全てが2分割であるが( 全音符/2分音符/4分音符/8分音符…)
計量記譜法の時代では、教会における神聖な数字は「3」(三位一体) なので、3分割が「完全な分割」(modus perfectus)とされ「○」で表された。
2分割は「不完全な分割」(modus imperfectus)とされ、○の一部が欠けた「C」で表された。
15世紀までは、基本形である3分割「○」が多用されていたが、16世紀中頃になると7~8割が2分割「C」となった。バードの頃になると9割方が2分割となった。
しかし計量記譜法ではまだ「小節線」や「拍」の概念は無い。

*  ( 白色計量記譜法資料 p1)
元々は(longa)と、(brevis)しかなかった。
更に細かい分割の音符が必要となり、brevisを分割(semi)したsemibrevis( セミブレビス)ができ、更に細かいminima( ミニマ:最小単位の意) 、更にそれを分割したsemiminima(セミミニマ) 、fusa(フーザ:恐らく「瞬間」ぐらいの意?辞書によると「射撃」等の訳が出ます)と、小さい音価の音符ができた。

* この講座( バード) では、便宜上、基本的にsemibrevisを1タクトス(tactus:指揮の振り下ろし↓& 振り上げ↑で、 1拍) とし、 semibrevis2つで1小節、の感覚で練習する。
(ちなみに、アラ ブレーベ(alla breve) 「¢」は、brevisを1タクトス単位で音楽を数える。)


(1)

高音部より、
 Superius( スーペリウス) 、Medius ( 英語読みで、ミーディァス) 、
 Contratenor (コントラテノール)、Tenor (テノール)、Bassus (バッスス)

(楽譜は高音部になる程難しくなるので、まずBassusより、歌詞は付けず「マママ~」で練習した。)

<Bassus>
*音部記号は、へ音記号。(白色計量記譜法資料p5の中程を参照)
 へ音記号の位置に注意。5線の真ん中に付いている「:」の間が「ヘ音(ファ)」
 最初の休符( 上下の線にくっ付いている縦線) はbrevis休符
 次の、線から下にぶら下がっている休符は、semibrevis休符
 (休符の付けられる位置は、5線内の決まった位置ではなく、前後から読みやすい場所に付けられている)
最初のsemibrevis ◇の音符は「レ」

*各段の最後に記された「W」のような記号は、custos()
 次の段の始めの音の高さを示す記号。( 資料p5 最下段を参照)

* 3段目、7つ目の音符と8つ目の音符の跳躍… このような離れた跳躍は殆どの場合「1オクターブ」である。

*5線の上に時々ある

<Tenor>
*音部記号は、ハ音記号。上から2線目の音が「ハ音( ド) 」
 最初の縦長の休符は、longa休符。
 2つ目の線上に乗っている休符は、minima休符。
 最初のsemibrevis ◇の音符は「ラ」
 
*最初の音形はシンコペーションの形だが、現代譜のように小節線がないので、2つの音符をスラーで繋ぐということはない。(この当時、スラーはまだない。時々それと見られるものは先生が便宜上付けたもの。)

*4段目中ほどの「レ」の音に付けられた「X」は、#(今で言うシャープ)。
半音上げる、ここではフラット(b)が付いている音なのでナチュラルに戻す意味だが、本来は「半音上げる記号」ではない。
ヘクサコード(hexachord)では、ミとファが半音になる。
b」「」であることを表す。

<Contratenor>
*音部記号は、ハ音記号。真ん中の3線上が「ハ音(ド)」
 最初のsemibrevis ◇の音符は「ラ」

*b や#の記号は、付けられたその音1回限り有効。(現代譜のように小節内は何度でも有効ではない。そもそも小節線はない。) 近くに同じ音があっても惑わされないように。

3段目7つ目と8つ目の音符の間の「r」のような休符は、semiminima休符。

*3段目、歌詞で3回目の「tu i」のiのところの音符semibrevis ◇(レ)の上に、抜け落ちてました。

<Medius> (ミーディァス)
*音部記号はハ音記号。下から2線目が「ハ音( ド) 」
最初のsemibrevis ◇の音符は「レ」

<Superius>
*音部記号はト音記号。下から2線目が「ト音( ソ) 」
 最初の音符、semibrevis ◇は「ラ」

(ligatura)  (白色計量記譜法資料p1の最下段~p2)
楽譜6段目、最後から2つ目の音符が、その前の音符と連結されている。
(四角いbrevis□のような音符が2つ繋がっていて左側に棒が付いている。)
semibrevis
<<semi, semi>>


(1)

(カタカナはあくまで参考です。練習にて、耳で確認して下さい。)

Suscepimus, Deus,  スッピムス、ウス、
misericordiam tuam   ミゼリルディアム アム
in medio temple tui,  イン ディオ プレィ ェ,
secundum nomen tuum, Deus. セッドゥム メン ォム、ウス.

Ita et laus tua  タィ ェt ス 
in fines terrae:  イン ニス ルリ

Justitia plena  ジュススィァ プ
est dextera tua.  ェスt クステラ ァ.


* 楽譜に「ij.」と書かれているのは、前の句のの意味。





  基本的に、全員が全てのパートを歌えるように。
  アンサンブルをする上で、全てのパートを把握しておくことが大事です。
* ということで、次回までに
 (とは言え、最初から全部歌えるようになるのはムリ。。。
   ・・・ぼちぼち行きましょう・・・^^);
/
  練習中に先生がよく叫びます、とのこと。

* 次回は歌詞をつけて練習します。


(mm)
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by fonsfloris-k | 2013-04-27 13:00 | 講座レポート
4月24日グレゴリオ聖歌演奏法(東京)
今年度のテーマは、2月2日の祝日。永らく「幸福なるおとめマリアのお清めの祝日」(In Purificatione Beatae Mariae Virginis)として親しまれてきたこの祝日の現在の名称は、「主の奉献の祝日」(In Praesentatione Domini)。降誕祭40日後の祝日という位置づけで、クリスマスの一連の祝日の余韻を感じさせてくれる。

 「マリア様の光のミサ」(独・Mariae Lichtmeß) という別名でも祝われるとおり、このミサのキーワードは、「光」である。なぜなら、この祝日の中心に据えられている聖書物語がイエスとシメオンの出会いだから。マリアの出産後の清めの期間が終了したとき、初子を神に献げるために、ヨセフとマリアは幼児イエスをエルサレムの神殿に連れていく。メシアに会うまでは決して死なないという約束を神から受けていたシメオンは、聖霊に導かれて神殿に入り、幼児イエスを腕に抱いて神を賛美する。「主よ、今こそあなたはお言葉どおりこの僕を安らかに去らせてくださいます。わたしは、この目であなたの救いを見たからです。これは万民のために整えてくださった救いで、異邦人を照らす啓示の光、あなたの民イスラエルの誉れです。」(ルカ2章29-32節)

初めに、蝋燭の聖別と行列とともにEcce Dominus( Graduale Triplex, p. 539) が歌われ、主の到来を宣言する。この歌に対する応答としてシメオンの讃歌の一部である「諸民族とイスラエルを照らす光」というフレーズを繰り返し歌うことによって、祝日の主題が明確になる。続けて歌われるAdorna thalamumは、「シオンの娘よ、花婿キリストを迎え入れよ」という内容のアンティフォナで、歌詞の出典は不明だが、重要なキーワードがそこには凝縮されている。特に、音楽的にもハイライトになっているnovi luminisとadducens manibusとDominum eumの三箇所は、内容的にも互いに関連づけられている。つまり、幼児イエスを腕に抱いて神殿に入るマリアのイメージが蝋燭に新しい光をともす行為と、キリストを主とたたえる行為とに重ね合わせられている。これに加えて、歌詞の中盤に織り込まれているFilium ante luciferumは、子なるキリストが天地創造以前に父なる神より生まれたということを語っている。

シメオンの物語を想起したこれら一連の歌に応答する形で、入祭唱Suscepimus, Deusが歌われる。つまり、ここでシメオンの視点を「我々」にまで広げ、聖書の物語を典礼の中で再解釈することになる。Suscepimus, Deusの中に登場するfines terrae の箇所は、降誕祭のミサのCommunio唱(p. 50 )の余韻を漂わせている。

最近、Kyrieが省略されるようになったが、私たちは伝統的な様式に従って、聖母のミサで使用される第9のKyrieを歌う。

Commuio唱 Responsum accepit Simeonには、「主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない、とのお告げを聖霊から受けていた」 (ルカ2章26節)という言葉にふさわしく、連動的に展開する神秘的な旋律が付けられている。

(E.D.T)
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by fonsfloris-k | 2013-04-24 19:00 | 講座レポート
4月17日ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)
前回の復習

Ut Re Mi Fa Sol LaをVox (楽音)、C D E F G B AをLocus (場所)という。
Voxは単独ではなく、常に他の音と関係のあるDeductio(連)として存在。
Reの下には必ずUtがあり、上には必ずMiがある。
LocusではなくVox が同じであることを同じ音ととらえる。

前回の宿題 Gianetto(Giovanni Pierluigi) PalestrinaのVestiva i collie a5
 Secunda parte冒頭のソルミゼーション。

完全五度。半音(Mi Fa)の位置。
Re Mi Fa Sol La
Ut Re Mi Fa Sol
Mi Fa Sol LaRe Mi
Fa Sol LaRe Mi Fa

Fa Sol LaRe Miの四度は三全音となるため、それを避けるためLaの上を半音下げ、
Fa Sol La Faとする。Laの上のFa。

配布物
なし

宿題
前回配布された楽譜から、Laの上のFaを探す。

(D.A.)
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by fonsfloris-k | 2013-04-17 19:00 | 講座レポート
4月13日グレゴリオ聖歌入門(東京)
今年度で3年目を迎える「グレゴリオ聖歌入門」が今年も始動です。

●私たちの目指す「グレゴリオ聖歌」および「古楽」へのアプローチ
初回ということもあり、講座の序盤は、グレゴリオ聖歌そのものの概説や、花井先生およびフォンスフローリス古楽院の「古楽」へのアプローチ、などが説明されました。以下それらについて簡単に報告しますが、レポート作成者の若干の解釈が入っていることをご了承ください。
グレゴリオ聖歌は、西方教会の典礼のための音楽なので、典礼における様々な機能を持ちます。最近では、グレゴリオ聖歌を一つの「芸術作品」として、鑑賞の対象とすることも少なくなく、演奏も観客を意識した演奏であることがあります。それ自体全く悪いことではありません。ただ、そのような聖歌へのアプローチは花井先生およびフォンスフローリス古楽院が本意とするものではなく、先生含め私たちが目指したいのは、様々なグレゴリオ聖歌が、それと不可分の関係にある「典礼」というコンテクストの中でどのように捉えられ、演奏されていたのか、ということを理解しながら学び、実践する、ということです。さらに、このようなアプローチは、グレゴリオ聖歌に限定されるものではなく、次のように一般化できるでしょう。すなわち、今から遠く離れた時代の音楽を演奏する際、その音楽を取り囲んでいた社会的・文化的な枠組み、あるいはその音楽が有していた実用的な機能との関係の中で音楽を理解し演奏する、というアプローチです。花井先生によれば、このようなアプローチこそが、先生自身およびフォンスフローリス古楽院の目指す「古楽」へのアプローチだということです。

~~~
ミサ9番(in solemnitatibus et festis B. M. V.(=Beate Mariae Viriginis))のキリエとグローリアを歌いながら、グレゴリオ聖歌の基礎知識を学びました。

●旋法
グレゴリオ聖歌のもつメロディーは、いくつかの異なる旋法に分類できます。これらの旋法は、まず大きく分けると4つになります。つまり、

①「レ」をフィナリス(終音)とする旋法
②「ミ」を   〃
③「ファ」を  〃
④「ソ」を   〃

さらに、それぞれの旋法は、正格旋法(フィナリスのオクターブ上まで広がる旋法。ドミナントは5度上の音)と、変格旋法(フィナリスの下4度と上5度に広がる旋法。ドミナントについては後述)とに分かれます。それらを踏まえて旋法を分類すると、

①「レ」をフィナリスとする正格旋法(ドミナント:5度上の「ラ」)
②「レ」をフィナリスとする変格旋法(ドミナント:3度上の「ファ」)
③「ミ」をフィナリスとする正格旋法(ドミナント:5度上の「シ」)
④「ミ」をフィナリスとする変格旋法(ドミナント:4度上の「ラ」)
⑤「ファ」をフィナリスとする正格旋法(ドミナント:5度上の「ド」)
⑥「ファ」をフィナリスとする変格旋法(ドミナント:3度上の「ラ」)
⑦「ソ」をフィナリスとする正格旋法(ドミナント:5度上の「レ」)
⑧「ソ」をフィナリスとする変格旋法(ドミナント:4度上の「ド」)

となります。
なお、変格旋法のドミナントの覚え方は、
「2, 4, 6, 3は、3, 4, 3, 4」
です!(笑) 左側はそれぞれの旋法の番号、右側はフィナリスに対するドミナントの音程関係を表します。合言葉として覚えてしまいましょう♪


●楽譜の読み方
・旋法
先生:「ミサ9番のキリエの旋法は何でしょう?」
生徒:「第1旋法!」
先生:「すごーい、何でわかるのー?」
先生&生徒:「かいてある~~!!」

という、お決まりの問答がありまして(笑)。 個人的にこの問答、非常に好きなのですが(笑)、それぞれの聖歌がどの旋法に依っているかというのは、曲の冒頭の大きくイニシャルにされた文字の上にローマ数字の形で示されています。つまり、キリエでは冒頭の「K」の上に「Ⅰ」とありますので、第1旋法ということになります。同様に、グローリアは第7旋法です。

・線上の黒電話
キリエの冒頭、一番上の線にかかれた黒電話の受話器マークは、ここが「C」、すなわち「ド」であることを表しています。したがって、キリエの冒頭は、「レ」から始まるということになります。グローリアは「ソ」ですね。

・音符の読み
直角に積み上げられた音符は、「下から上」に読みます。キリエの冒頭には、この音符が2回連続で出てきますが、「レ→ファ」「ソ→ラ」と読みます。それ以外の音符は、左から右に読めばOKです。

・アスタリスク(*)(**)
キリエの冒頭にある(*)は、そこまでは先唱者が歌うという指示で、その後から聖歌隊が加わることになります。キリエの最後にある(*)と(**)は、まず(*)の部分で聖歌隊のグループが交替するという指示、(**)からは全員で歌うという指示になります。

・複縦線で交替
キリエもグローリアも、聖歌隊は2つのグループに分かれ、複縦線ごとに交替して歌います。

~休憩~

休憩後は、2月2日の聖母お潔めの祝日の典礼で歌われる聖歌を練習しました。(G.T. pp.539-540)
●「Ecce Dominus」
○ザンクトガレン系ネウマの意味
・ヴィルガ(表の1番)
→相対的に高い音を表す。
・トラクトゥルス(表の2番)
→相対的に低い音を表す。
・クリヴィス(表の3番。曲では「veniet」の「ni」と「suorum」の「rum」にある)
→「高-低」からなる2音の動きを表す。基本的に速い動き。「veniet」の方では、指示文字「c : celeriter(軽く、速く)」によって、速さが強調される。「suorum」の方には、クリヴィスの上に線が入っている。この線のことを「エピゼマ」といい、両方の音に重みを乗せて歌う。
・ペス(表の4番)
→「低-高」からなる2音の動きを表す。「流れるペス」と「流れないペス」とがあり、冒頭の「Dominus」の「Do」に付されているのは「流れるペス」で、「servorum」の「vo」や、「alleluia」の「al」に付された角ばったペスが「流れないペス」である。

○指示文字(ネウマ以外に所々書かれている文字は「指示文字」であり、リズムや速度、音高に関する指示がなされている。)
・「c : celeriter(チェレリテル)」…軽く、速く(venietの部分)
・「x : expectare(エクスペクターレ)」…待って(1段目の終わり)
・「st : statim(スタティム)」…すぐに(oculosの前後)
・「a : altius(アルツィウス)」…高い(servorumの部分)

●「Lumen」
・詩編、(*)のところでブレスノイズを立てない。
・アンティフォナ(「Lumen」)→詩編(「Nunc dimittis~」)→アンティフォナ(「Lumen」)→詩編(「Quia viderunt~」)→アンティフォナ(「Lumen」)→詩編(「Quod parasti~」)→アンティフォナ(「Lumen」)という順番で歌う。

少々長くなりましたが、以上で報告終わります。
こうやってレポートを書いていると、かなりたくさんの知識を教えていただいていることに気付きます。きちんと復習して次回に臨みたいところです♪
次回はちょっと空いて6月です。頑張りましょう!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2013-04-13 13:00 | 講座レポート
4月13日音楽史講読「ノートルダムの音楽」 (東京)
7・ゴシックポリフォニー(236頁より258頁23行まで。)

本章ではゴシック時代のパリの興隆に伴う音楽的興隆、その最大の遺産たる
パリのポリフォ二ー~オルガヌム~について語られている。
その経緯と実像は当時のいささか破天荒な宗教的風習、「愚者のミサ」に
対するオド司教の批判文によって図らずも明らかにされている。
またその中では晩課にレスポンソリウムを唱えていた事など今日では失われた
風習を伺わせる記述もあり興味深い。
記述の後半では、オルガヌム大全の概要に加え、フスマンによる旧来の定説に
対する批判が詳細に記述されているが、時間の都合で省略された。

(Y.I.)
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by fonsfloris-k | 2013-04-13 10:01 | 講座レポート
今年も咲きました♪
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2013年度古楽院 追加募集中です060.gif
072.gifバードのソプラノ(メゾ)と男声
072.gifジョスカンの男声
申込み・問い合わせ先:窪田 m-kubota@fonsfloris.com

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by fonsfloris-k | 2013-04-11 17:22 | 古楽院の庭から