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5月27日ルネサンス音楽を歌う[2]バードのモテット(東京)
《演奏のテンポについての解説》
 記譜上のメンスーラ記号とテンポの関係
  ①C(tempus imperfectum)
brevis=semibrevis ×2 / semibrevis=minima×2
   * minima 2個をペアとしてtactus ↓↑(1拍の概念)を感じる

  ②Cに縦線が入った記号(tempus imperfectum alla breve)
* semibrevis 2個をペアとしてtactus ↓↑を感じる

 15~16世紀前半では①②の違いがはっきりしているが、16世紀後半に
 なるとあまりとらわれなくなる。Byrd は17世紀に入っているが、①の
 記譜なので、ゆっくりめに歌うこととする。

《演奏上の留意点》
 ・付点音符:付点の伸びの部分に動きがあり意味があるので、その音楽上
  の意味を常に考えて歌う(例 superius 冒頭2番目の音符)

 ・5度はルネサンス音楽の基本。その基本から外れる時に表現が生まれる。

 ・♭と♯:♭はfa →高めに、♯はmi→低めに(半音の間隔は一定ではない)
  また、基本的に♯の付いている音符のみに有効(例 contratenor の一段目)

 ・古楽は小さなフレーズの積み重ね。一つ一つに終りがあり、それがまた
  次のフレーズの始まりとなる。それは、歌詞と関連し、カデンツで
  示される。(例 medius:練習番号3 tuum 3段目最後から4段目の始めの音)
 
 ・tenor 練習番号2 tui の低音はbassus と逆転し、最低音となっている
  ので注意。支える意識で歌う。

 ☆アンサンブルではお互いの気配りが必要。他のパートとの兼ね合いで
  自分のパートの動き方を意識し覚える。全体の響きの中で自分の音を
  感じ取り、旋律の絡み合いに合わせる。

《次回に向けて》
 言葉を付けて歌いながら、通模倣様式の各パートががどのように重なって
 いるか解って歌えるようにすること。
 ☆まとめのキーワード“5度を聴く”
 
(YK)
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by fonsfloris-k | 2013-05-27 13:00 | 講座レポート
5月22日 グレゴリオ聖歌演奏法(東京)
「聖母のおきよめの祝日」のミサ固有唱および通常唱のバチカン版写本の
プリント(4枚)を歌った。

バチカン版写本(Editio Vaticana)
15世紀、グレゴリオ聖歌の終に近いネウマ写本
Graduale Triplexから500年近く後の楽譜にもかかわらず、ほとんど変わらず、
元のネウマの形を保っているのは驚くべきこと。

プリント1枚目
入祭唱 ”Suscepimus Dues,” (Triplex p.543)
昇階唱 “Suscepimus, Deus” (Triplex p.360)

プリント2枚目
奉献唱 “Responsum accepit Simeon” (Triplex p.541)

プリント3枚目
In festivitatibus virgins Marie 第9のKyrie(Triplex p.741)
トロープス付きGloria
歌詞対訳(プリント2枚目に掲載)
下線部はGloriaにない言葉。
その最初の挿入歌詞により “Gloria Spiritus et alme” と通称される。
ジョスカンの聖母ミサに同じ旋律と言葉が使われている。

プリント4枚目
Sanctus, Agnus Dei
Ite missa est. Kyrie の旋律と同じことが多いが、この曲は違っている。

・Credo が入っていないのはなぜか?
Credoはミサ曲に含まれない。曲数が少ない。

他に、メディチ版写本(Editio Medicea)がある。
16世紀末、パレストリーナの弟子により出版されたが、普及しなかった。
反宗教改革(トリエント公会議)の時代で、グレゴリオ聖歌の単純化を試み、
過度のメリスマや、語のアクセントと音の跳躍の不一致などを排除しようとした。

次回はメディチ版写本を歌ってみる。

(IH)
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by fonsfloris-k | 2013-05-22 19:00 | 講座レポート
5月15日ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)
5月15日ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)

●前回の復習

●楽曲を使ってソルミゼーション
 Io mi son giovinetta, et volontieri (Domenico Maria Ferrabosco) p.150一頁5月15日ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)

●前回の復習

●楽曲を使ってソルミゼーション
 Io mi son giovinetta, et volontieri (Domenico Maria Ferrabosco) p.150一頁
 ・seconda pratticaで書かれたマドリガーレ…歌詞優先の音楽
 ・Gがfinalisのドリア旋法(偉大・堂々とした印象)
  ※実質はエオリア旋法(リリック・情緒的な印象)
 ・4小節目から歌詞に合わせてテンポアップ
 ・7小節目4拍目から読み替える(やわらかいヘクサコルドへ→音楽がやわらかくなる…愛の表現)

●宿題
 ・講座で配布されている楽譜以外にもいい「Laの上のFa」の例があれば探す
 ・Io mi son giovinettaの続きを予習してくる

(SU)
 ・seconda pratticaで書かれたマドリガーレ…歌詞優先の音楽
 ・Gがfinalisのドリア旋法(偉大・堂々とした印象)
  ※実質はエオリア旋法(リリック・情緒的な印象)
 ・4小節目から歌詞に合わせてテンポアップ
 ・7小節目4拍目から読み替える(やわらかいヘクサコルドへ→音楽がやわらかくなる…愛の表現)

●宿題
 ・講座で配布されている楽譜以外にもいい「Laの上のFa」の例があれば探す
 ・Io mi son giovinettaの続きを予習してくる

(SU)
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by fonsfloris-k | 2013-05-15 19:00 | 講座レポート
5月12日アンサンブルクラス 中世の音楽(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:9名(S3、A3、T2、B1)

内容
<1>Machaut, la messe de nostre dame, Credo - 1枚目~3枚目をi-wiで。
・ミの音程の取り方、響かせ方。
・tenorとcontratenorが歌う"つなぎ"の部分は、前の響きの中から自然に生まれるような感じで。
<2>Machaut, la messe de nostre dame, Credo - 4枚目(Amen)
・isorhythmとは同じリズムパターンが繰り返されるという意味。isorhythmという言葉は中世からあったわけではないが、そのかわり、taleaとcolorという言葉があった。
・taleaとはリズムパターンのこと。
・colorとは音の高低のこと。
・このAmenはpanisorhythm(全アイソリズム)になっている。panisorhytumとは全ての声部を通じてisorhytumになっているということ。
・グレゴリオ聖歌はcolorであってtaleaの要素はない。それをポリフォニーにしていくために、グレゴリオ聖歌をある一つのリズムパターンにはめる必要があった。
・taleaとcolorの長さが違うのがおもしろい。
・tenorは練習番号2に入る前までが一つのtalea。3回くりかえされる。
・tenorの2段目の最初にbrevis休符があるので、その次の倍化はなし。
・contratenorも練習番号2に入る前までが一つのtalea。3回くりかえされる
・triplumは2から4までと4から最後までが同じ。2までは違うtalea?
・motetusは2に入る前までが一つのtaleaで3回くりかえされる。
<3>Machaut, la messe de nostre dame, Credo -3枚目を歌詞で。
<4>グレゴリオ聖歌の昇階唱Benedicta et venerabilis es
・4頁目の楽譜は14世紀の写本。発表会はこれで歌います。
・まず、5頁目の楽譜で歌ってみる。となりにあるDomine, praevenisti eumの替え歌。もとうたのネウマを書き写しておく(宿題)。
・すべてのネウマは共通していないが、いくつか大事な箇所がある。
・Benedictaの-taのところ、もとうたのDomineの-neのstropha2つの2つめにepisemaがついているのは大事。
・Virgo Mariaの-ria、pudorisの-ris、Salvatorisの-torisにあたる部分のネウマなどは大事なので丁寧に書き写しておくこと。
・次に14世紀の写本で歌ってみる。マショーの楽譜に似ていて、計量譜のように見えてくる。もしかしたら、当時の人もグレゴリオ聖歌を計量譜的に歌っていたかもしれない。ネウマの感じとリガトゥーラの感じも似ている。
・virgo mariaのvir-、inventaの-ven-の最後の音、salvaのsa-はbrevis plica。
<5>Machaut, la messe de nostre dame, Credo -1枚目を歌詞で。
・多くのフレーズがミで終わっているが、それはつまり、これは終止ではない。終わりは始まりのミ。次につながるように。

*五度を純正に取る練習をしっかりしましょう。
*ミに入る前に身構えてから入る練習をして、ミを意識することをつねに気をつける。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2013-05-12 13:30 | 講座レポート
5月11日総合講座 グレゴリオ聖歌とフランドル楽派のポリフォニー(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:21名(S10、A6、T2、B3)

内容
<1>東京都美術館で開催中のダ・ヴィンチ展の「音楽家の肖像」はジョスカンの肖像ではないかと思われる話
・制作年が1485年頃で、当時のジョスカンの年齢30~35歳にも合っているように思われる。
・手に持っている楽譜に出てくる下降音型はジョスカンのモテット"Illibata Dei virgo nutrix"によく出てくる音型と思われる。
・Josqin(uは無し)という文字がうっすら見えなくもない。
<2>グレゴリオ聖歌でMissa IVのSanctusを歌う(前回の復習)
・第8旋法。finalisはソ。dominantはド。
・SanctusのSan-の最後のネウマepiphonus(融化音)で[n]の音を歌う練習。これは子音を大事にするという意味があり、それはすなわち言葉を大事に、かつ、音をつなげることを大事にする、という意味がある。
・第8旋法は変格の旋法でfinalisとdominantの関係は4度だが、5度が基本の音程であることは同じ。たとえば2つめのSanctusでfinalisの5度上まで上がった時にはその音が残響として残ってfinalisと5度の関係を感じられるような歌い方にする。
<3>グレゴリオ聖歌で固有唱を歌う(今回配布した新しい楽譜)
・今年は聖母の誕生の祝日(9月8日)の固有唱を歌います。
・最後のページのアレルヤ唱の最後のDavidの旋律はマショーの「ダヴィデのホケトゥス」の定旋律に使われている。カペラのマショーのCDにもこのグレゴリオ聖歌が含まれている。
<4>グレゴリオ聖歌で入祭唱Gaudeamusを歌う。
・1頁目の楽譜は21世紀の楽譜。20世紀の四線譜に10世紀のネウマを書き込んだもの。上段はLaonのネウマ、下段はSankt Gallenのネウマ。まずこの楽譜でネウマに気をつけながら歌う練習。
・3段目のsolemnitateあるいはfestivitateという歌詞になっているところは、そのどちらでもなく、nativitateと歌う。
・なお、Mariae Virginisやnativitateのところにネウマがないのは、ネウマが残されている楽譜がマリアの固有唱ではなく、別の曲(聖アガタの入祭唱)だったから。
・Dominoのmi-の歌い方は何度も出てきているので注意。ギザギザのネウマquilismaの前の音は長めに。エネルギーをためておいてquilismaで勢いをつける感じ。
・FiliumとDeiはつなげて。Filiumの-umの最後のネウマが融化形にになっているのは次のDeiにつながる意味がある。
・celebrantesの出だしのようなところにアクセントがつきがちなのでつかないように気をつける。その前のfestumの最後の音が2回繰り返しになっていることに意味があり、そこで準備する。
・ネウマのpesとclivisとtorculusの説明。torculusはpesとclivisの組み合わさった形なので、上昇して下降する。
・honoreの-reについているtorculusは上昇する方にはceleliterがついているので早く、下降する方にはteneteがついているのでゆっくり。
・sub honoreのネウマをnativitateに書き写しておく(宿題)。
・de cujusのcu-のpesの後の音が融化形になっているのはそこ次の[j]の音を歌う。
・2~3頁目の楽譜(15世紀の写本)で歌う。発表会はこちらで歌う。ネウマがなくなっているので、1枚目のネウマの感じをつかんでおいて参考にする。
・3頁目のGloria Patriの2段目のSicutの音符「ソファソラ」を「ファソ」に訂正する。Sic-の1つめの音ソと-utの2つめの音ラを消して、ファとソだけにする。
・1段目はヘ音記号、2段目はハ音記号。
・音符の間のあちこちに縦線が入っているのが興味深い。たとえば、Dominumの途中やfestumとcelebrantesの間など、ネウマで歌った時に注意した箇所に入っている。このことから、15世紀にはネウマがなくなっていたといってもネウマの歌い方は残っていたと思われる。
・なお、昇階唱のBenedicta et venerabilis esは右に並べてあるDomine, praevenisti eumの替え歌。これはアンサンブルクラスで歌いますが、上級者はネウマを書き写しておくこと(宿題)。
<5>Josquin, Missa De beata virgine - Sanctus(Sanctus~Osanna)
・コワイヤブックで歌う。
・タクトゥス↓↑↓↑↓↑(↓↑でsemibrevis)をつねに感じて歌う。特に裏↑から表↓への流れを感じることが大事。
・付点のついた音は付点のついているところで音楽が輝くのを忘れない。
・テノールやカノンが定旋律を歌い出す前にそのお膳立てをする音型を歌うパートがあるので、その役割にあたっているパートはそのことを感じて、定旋律を導くように。
・定旋律以外のパートは定旋律に対して即興的に対旋律をつけていくようなイメージで。いずれにしても、自分のパートだけの世界にひたらない。
・3分割系(SanctusとOsanna)では3から1への流れを感じる。
・Osannaではヘミオラがたくさん出てきて、中世とはかけ離れたとても新しい感じがする。その違いをよく意識して。
<6>JosquinのSanctusのメンスーラについて
・Sanctus:tempus perfectum
・Pleni sunt:tempus imperfectum diminutum(alla breve)
・Osanna:tempus imperfectum diminutum proportio sesquialtera
・結果的に、SanctusのminimaとHosannaのsemibrevisとが同じ音価になる。
・Pleni suntでdiminutumになった時に遅くならない。
・こういうリレーションがある、ということが大事。

次回はAgnus Deiに入ります。

配付資料:グレゴリオ聖歌(入祭唱、昇階唱、アレルヤ唱)の楽譜3枚6頁

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2013-05-11 13:30 | 講座レポート