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6月30日アンサンブルクラス 中世の音楽(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:10名(S3、A3、T3、B1)

内容
<1>グレゴリオ聖歌の昇階唱Benedicta et venerabilis es
・元歌のDomine, praevenisti eumを歌ってみる。大事な音、目的地に向かう勢い、などに気をつけて。
・posuistiの-stiのネウマsalicusはソを強調するためのもの。次のin capiteにむかう流れ。
・lapideの最後のsalicusも同じような働き。ソを強調して、pretiosoにむかう。「高価な石」という意味がつながるように。
・Gradualeは現在は繰り返しをしないが、もとは繰り返しをしていた。この曲も繰り返しをしないとレで終わってしまい、旋法と違う終止音になってしまう。
・Benedicta et venerabilis esの方で歌ってみる。
・言葉の区切れかたが元歌と違うところがあるので気をつける。
・clausit visceraのところも元歌のdierum in saeculumと区切れる場所が違うので注意。
・14世紀の写本で歌ってみる。フランスの写本。マショーと同時代のもの。音符の書き方も何となく似ている。
・virgo mariaのvir-、inventaの-ven-の最後の音、salvaのsa-はbrevis plica。元歌をみるとliquescensになっているところ。これから見てもliquescensがplicaに変化していったということが推測される。そうでないという学者もいるが。
・inventa est は inventa es に直す。
・楽譜の最後が切れているので、「ファレミレ」を付け足す。ちなみに最終段の途中にヘ音記号があるので注意。
<2>Machaut, la messe de nostre dame, Credo - 1枚目~3枚目
・基本的な声の鳴らし方のイメージを変える。もっと繊細なものと思って。ずっと途切れない、唱え続けるイメージ。
・続けるためには、フレーズごとに言葉を終える。そこで一回宙に浮いて、また始まる。
・Et resurrexit tertia die secundum scripturas.やEt vitam venturi seculi.のところは3拍子のようになっている。
<3>Machaut, la messe de nostre dame, Credo - 4枚目(Amen)
・tenorとcontratenorのtaleaは前半と後半が入れ替わるだけの同じもの。どちらも練習番号2に入るまでが一つのtaleaで3回くりかえされる。
・ホケトゥスの歌い方:休符の後の音を合わせる。休符の前のwi-wi-の間で切れないように。しかし休符では切る。
・最後にCredoを全曲通しました。9分余り。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2013-06-30 13:30 | 講座レポート
6月29日総合講座 グレゴリオ聖歌とフランドル楽派のポリフォニー(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:23名(S10、A6、T4、B3)

内容
<1>グレゴリオ聖歌でアレルヤ唱を歌う。
・14世紀イギリス、ソールズベリーの写本。当時はフランスとかなり共通していた。
・最後のDavidの旋律がマショーの「ダヴィデのホケトゥス」の定旋律に使われていることからも、フランスでも歌われていた聖歌と思われる。
・聖母誕生の祝日(9月8日)のアレルヤ唱。
・歌詞は:Alleluia. Nativitas gloriosae virginis mariae ex semine Abrahe orta de tribu Juda clara ex stirpe David. Alleluia.(アレルヤ。アブラハムの子孫、輝かしいユダの部族から起こったダビデの家系からの、栄光あるおとめマリアの誕生。アレルヤ。)
・前半は第8旋法(finalisはソ、dominantはド)、後半は第7旋法(finalisはソ、dominantはレ)。いずれにしても、大事な音はどこか、目的地はどこか、を意識しながら歌うことが重要。
・JudaのJu-の最後の方、ファラシラは、tritonus(三全音)、別名diabolus in musica(悪魔の音程)を避けるため、ファラ♭シラにする。fa supra la(ラの上はファ)という法則でもある。
<2>グレゴリオ聖歌で入祭唱Gaudeamusを歌う。
・まずネウマ付きの楽譜で。
・Dominoのmi-の歌い方は何度も出てきているので注意。ギザギザのネウマquilismaの前の音は長めに。エネルギーをためておいてquilismaで勢いをつける感じ。
・diemの-emやcelebrantesの-bran-のpesが短くなっているのは語尾の子音を鳴らす歌い方で。言葉を表現し、リズムを出すための指示。
・15世紀の写本で歌う。
・言葉のまとまり、音をつなげること、目的地はどこか、を意識する。
<3>グレゴリオ聖歌でMissa IVのAgnus Deiを歌う。
・第6旋法。finalisはファ。dominantはラ。
<4>Josquin, Missa De beata virgine - Agnus Dei(Agnus IとAgnus III)
・Agnus I:tempus perfectum
・Agnus III:tempus imperfectum diminutum(alla breve)
・最初にテノールとカノンのみ、そこにバッスス、コントラ、スペリウスを順々に重ねて歌いながら譜読み。
・音の変わるタイミングをあいまいにしない。
<5>Josquin, Missa De beata virgine - Sanctus(Sanctus~Osanna)
・コワイヤブックで歌う。
・SanctusのSan-など、[a]の母音を明るく。
・San-の[a]から-tusの[y]の母音に変わった時に響きが下に落ちないように。
・tempus imperfectum diminutum (alla breve) のPleni suntはbrevisを感じる。
・目的地に向かう勢い。
・各パートが関係し合っていることを聞き合って。特に付点のところでは周りを聞いて、先に行かない。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2013-06-29 13:30 | 講座レポート
6月26日グレゴリオ聖歌演奏(東京)
聖母ミサの
15c. バチカン版写本 Editio Vaticanaと17c. メディチ版 Editio Medicaea
を歌い比べた。

通常唱(バチカン版写本)
キリエ
・割り振りが特徴的なところがある。

トロープス付きグロリア
・歌詞対訳の下線のところがトロープス。
・最初のトロープス“Spritus et alme orphamorum Paraclite”により、
このグロリアのことを“Gloria Spritus et alme”と呼んだりする。
これを元にしたポリフォニーも、チッコーニアやジョスカンなどによって
書かれている。
・音部記号がころころ変わるので注意しましょう。

固有唱
入祭唱 Suscepimus Dues,
 Triplex P543
 バチカン版・・同じ高さの反復が減らされている
 メディチ版 P39・・templiのところのようにアクセントではない音節が
 強調されない様になっている(イタリア的)

拝領唱 Responsum accepit Simeon
 Triplex P544
 バチカン版・・大きな違いはない
 メディチ版 P41・・Simeonの音域が高くなって意味が強調されている他、
          明快なところが多々

昇階唱 Suscepimus, Dues,
 Triplex P360・・“tuam”で音の反復が効果的に使われている
 バチカン版
 メディチ版・・“in monte sancto eius”などの箇所など、大きく変わっている

★予習しておくこと
P544のAlleluiaにP516を見てネウマを書き込んでおく。
他にも、P625, P250, P517にも同じパターンあり。

(AT)
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by fonsfloris-k | 2013-06-26 19:00 | 講座レポート
♪グレゴリオ聖歌夏季合宿♪
フォンス・フローリス古楽院
グレゴリオ聖歌夏季合宿
参加者募集


072.gif8月4日追記072.gif
おかげさまで定員一杯のお申し込みがありました。
ありがとうございました。


八ヶ岳を臨む美しい自然に恵まれた信州富士見高原で3日間にわたる合宿を行い、グレゴリオ聖歌を徹底的に学びます。毎日練習の最後には修道院などで伝統的に行われてきた就寝前の祈り「終課」Completorium を唱えます。そして最終日には富士見にある三位一体ベネディクト修道院の御ミサにて、練習した聖歌を奉唱します。日頃、古楽院講座で学んでいる内容を実際の体験を通して、その精神的理解を深める良い機会となることと思います。キリスト教信仰の有無に関わらずどうぞご参加下さい。(院長 花井哲郎)

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日程: 8月21日(水)午後2時~ 23日(金)午後2時
準備講座: 8月11日(日)午後2時~5時 (古楽院)
費用: 参加費 15,000円
宿泊費 一泊:7,800 円(夕食コース料理、朝食付き) 
     他に交通費と昼食代
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詳細はどうぞお問い合わせください。
窪田道子 m-kubota@fonsfloris.com
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by fonsfloris-k | 2013-06-25 23:50 | その他
6月22日オルガヌムを歌う(東京)
〇最初に、平均律、純正律、ピタゴラス音律を、数字で表し説明くださいました。
しかし、 これについては当時はピッチを測るなどはあり得ない(不可能)。
理論としてこうであっても、実際歌っている時にはそれらの細かい数字を考え
ながら歌うことにはほとんど意味がないので、数字については忘れてくださって
結構ということです。(なので数字はメモしていません)
数字については気にする事はありませんが、それらの音律が目指す響きや考え方は
知っておき、ある音についてなぜ高めに、低めにと指導されるのかを知っておく
事は大切です。

〇Rex Caeli DomineをVP,VOに分かれて歌ってみる。
注意点
 ・例えば、1番の”ミ”で終わるとき、不安定な音であることや、次にどこに
  行くのかというようなことをきちんと感じながら歌う
 ・2番9番の歌詞では音が高くなっていく意味を感じながら、また高くなること
  で頑張らないように。必要以上に大きい声は出さず、耳で周りを感じるよう
  にしてください。
 ・声の大きさは、返ってくる音が聞こえる程度を意識してください。
  等々…。

〇ウィンチェスター・トロープス集より、
 アレルヤ唱 Te Martyrum のプリントを配布
  こちらもVP 、VOに分かれ歌ってみる。
 ・Rex Caeli Domineより動きのヴァリエーションが増えた分、お互いあう音を
  聞きながら進むように。

〇次回への宿題
 ・Rex Caeli Domineの言葉をよく読んでくること
 ・ウィンチェスター・トロープス集のアレルヤ唱で右上に、四線上にネウマが
  記載されているの楽譜があるので、出来るだけネウマを見ながら歌えるよう
  に練習してみてください。

 (KO)
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by fonsfloris-k | 2013-06-22 18:00 | 講座レポート
6月22日中世の音楽を歌う(東京)
出席:9名(S3、A2、T3、B1)

<内容>
1.Sanctus、Benedictus(復習)
・Triplum、細かい音で音楽の動きを作るため、はっきりと。
・純正5度の感覚を皆で共有する。
・ファ、ラの3度の感覚は、レに対して純正5度。
・ミ・ファは、ファに向かう意識をもって歌う。(14世紀の音楽の1つの柱)
・最後に大きな楽譜を囲んで初めて歌った。

2.AgnusDei
・元の聖歌の旋律を確認。
・AgnusDei1:Motetusの練習番号3付近のbrevis plicaはなし。
・AgnusDei2:Triplumの練習番号1付近のbrevis plicaはなし。

<復習>
AgnusDeiを復習してくること。

(KM)
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by fonsfloris-k | 2013-06-22 15:30 | 講座レポート
6月22日ルネサンス音楽を歌う[2]バードのモテット(東京)
《練習内容》
・入祭唱を”マ“で歌う
・入祭唱の発音を花井先生が説明
・言葉を付けて歌う

《この曲の構成》
左ページ上部中央に(Ⅰ)、右ページ上部中央に(Ⅰ.Ⅱ.)とあり、同ページ中央(Sicut・・・)に(Ⅱ)と書かれている。これは、最初(Suscepimus・・・)がⅠ前半、右ページ中段(Sicut・・・)がⅡの意味である。
左ページの最初からVersusの前までが Introitus 本体部分で、これは Gradualeの前半と歌詞が同じなので、共通。右ページの中段ⅡのSicutからAlleluia唱の前までがGradualeの後半である。Gradualeは昇階唱といって、gradus は階段の意味で、かつて先唱者が朗読台の階段を中間まで昇って歌ったことに由来している。Gradualeが入祭唱の歌詞と同じなので、Introitus の Versus、Gloriaの次に、Graduale の後半部分を続けている。その次が Alleluia唱。

《発音》
Su-sce- pi-mus, De- us, mi-se-ri-co’r- di- am tu- am,
ス シ(1) ピ ムs  ディ(1) ウs ミ ゼ リ コr ディ アm テュ アm
in  me’-di- o  templi   tu- i:
イn ミ(1) ディ オ テm プレイ(2) テュ エイ(2)
se-cu’n-dum no-men tu- um De- us,
セ コン ドm ノー メn テュ- オm ディ(1) ウs
I-  ta  et  laus  tu- a in  fi- nes ter-rae:
エイ(2) タ  エt  ロs  テュ ア イン フェイ(2) ニs テ リ(3)
ju-  sti- ti- a ple- na  est  de’x- te- ra tu-a.
ジュ(4)sティ スィ(5) ア pリ(1) ナ  エst デx テ ラ テュ ア 

・この曲のラテン語は英語的発音をする。そのため、注意する点を以下に示す。
(1)”イ”に近い”エ”
(2)“イ”ではなく”エイ“
(3)これも”イ”に近く発音する
(4)楽譜では”I”のように見えるが、”J”である
(5)”ティ”ではなく”スィ”なので要注意

《注意事項》
・出のフレーズがずれている場合、出をはっきりと
・fusa(♪)の連続しているフレーズは意識して歌う

《次回》
 最初から、Alleluia唱まで言葉を付けて歌えるように練習しておく。

(K.)
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by fonsfloris-k | 2013-06-22 15:30 | 講座レポート
6月19日ソルミゼーション~中世の移動ドで歌う(東京)
配布物:
C.モンテヴェルディ『オルフェオ』より CHORO(ニンフと羊飼いの合唱)2枚

講義内容:
5声に分かれてオルフェオのchoroを歌ってみる。

1.ポイント
(1)楽譜の1ページ目にあたる冒頭部分は①Ut re mi fa sol la のみで歌える
   合唱 と②ドローン で構成されている。
(2)楽譜2ページ目は、冒頭にb(丸いb・フラット)が付いているので、
   1ページ目とは連が変わる。
   連が変わると音楽(旋律)の進む方向、そして音楽全体が変わることに
   なるので重要。

2.読み方
(1)1ページ目のソプラノ1・2の最初の音は高いg sol re ut。アルトは
   低いG sol re ut。3声ともut。
(2)1ページ目のテノールの音はD sol re。reだが、5声の全体の中では
   Utとしてとらえたほうがとりやすいか。
(3)2ページ目はそれぞれ丸いbが付いていることに注目する。丸いbはファ。

宿題:
特になし。

(MS)
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by fonsfloris-k | 2013-06-19 19:00 | 講座レポート
6月15日グレゴリオ聖歌入門(東京)
6月15日 グレゴリオ聖歌入門(2013年度2回目)
(配布資料: 旧年度からの参加者に、本年度から参加者用資料のp3が配布された)   

[本日の講義]
◇ テキスト「GRADUALE TRIPLEX」について
◇ ネウマの復習-聖母お潔めの祝日のミサを練習しながら
◇ 質疑応答とお知らせ

==========

◇ テキスト「GRADUALE TRIPLEX」について

Graduale:狭義には「昇階唱」を意味するが、広義には『ミサ用聖歌集』を意味する。
Triplex:「3種」の楽譜が記載されている。
⇒ 四線譜だけに簡素化された楽譜「GRADUALE ROMANUM」に、ランの写本(上方に黒字で記載:Marie-Claire Billecocqによる)と、ザンクトガレンの写本(下方に赤字で記載:Rupert Fischerによる)が書き加えられたもの。第二バチカン公会議(1962~1965)で改定された新しい教会歴に従いソレム修道院(仏Solesmes)にて編纂された。

* 最古の楽譜であるネウマ譜が書かれる以前にも、グレゴリオ聖歌は長い年月を掛けて変遷を遂げてきており、その後も現在に至るまでに変遷や単純化を経てきているが、現在我々が知り得る最古の形であるネウマを研究することで、グレゴリオ聖歌のその最盛期の精神に一番近づけるのではないかと、研究が進められている。GRADUALE TRIPLEXが出版された後に、より修正が加えられた新版も出ているが、それはまだ第一巻までしか発刊されていない。

<使用されている写本とその略号> (序文のページを参照)
L (Laon239)【ラン】(北仏) 930年頃記譜された写本。
C (St. Gallen 359)【ザンクト・ガレン修道院】(スイス) 10世紀初頭の写本。[Cantatorium] 独唱者カントールが歌う曲だけが集められている。グレゴリオ聖歌の記譜としては最古だが最も詳細。
E (Einsiedeln 121) アインズィーデルン修道院(スイス)で書かれたザンクトガレン系、11世紀の写本。独唱者の為の曲だけでなく入祭唱・奉納唱・拝領唱・交唱も納められ、指示文字も豊富。
以下G、SG、H もザンクトガレン修道院所蔵の写本。B(Bamberg修道院所蔵) もザンクトガレン系の写本。 他。
 ⇒ どの写本が使われているかは、各曲冒頭の欄外に四角で囲って書かれている。
例: 楽譜最初のページ、1行目の欄外の四角内、 上「L7」…ランのp7、
下「SG376 p83」…ザンクトガレン写本376の83ページ

<主な項目> (資料p5を参照)

・PROPRIUM DE TEMPORE‐聖節の部 (proprium=固有 tempore=季節) p13~
  教会歴での季節(聖節)に固有の曲が収められている。
p15~ TEMPUS ADVENTUS - 待降節 (教会歴の1年は待降節より始まる)
 HEBDOMADA(週) PRIMA(第1) ADVENTUS(待降節) - 待降節第1週の固有唱
以下、p38~ TEMPUS NATIVITATIS – 降誕節、p185~ TEMPUS PASCHALE – 復活節、等。
聖節は復活祭を基準に決まるが復活祭はその年によって変わるので、その年によって祝日は変わる。
聖人の祝日は日にちが固定されているが、キリストの祝日は、クリスマス(12月25日)と主の公現日(1月6日)以外は日にちが固定されていない。

* p257~ TEMPUS PER ANNUM - 年間の(特定の祝日ではない)日曜日の曲を集めた部
 古くは、三位一体の主日(日曜日)以降の日曜日を第1、第2、と数えていたが、第二バチカン公会議以降は、主の公現日(1月6日)以降、年間の特定の祝日ではない日曜日を第1、第2、と(年間第34週日曜まで)振り分けるようになった。
P388~Dominica ultima per annum(年間最後の日曜日-第34週)
 D.N. IESU CHRISTI UNIVERSORUM REGIS(全宇宙の王なる我らが主イエスキリストの日)

・ COMMUNIA - 共通の聖人の記念 p393~
  教会献堂式、聖母マリア、複数の聖人を同時に祝する為の曲。12使徒、殉教者(使徒、教皇、司教、司祭)、その他博士、聖女、等一般聖人で、同じカテゴリーに属する複数の聖人達は同時に祝することができる。(p395 Communiaの目次を参照。)

・ PROPRIUM DE SANCTIS - 聖人の部 p533~ 
  1月より12月までの、それぞれの聖人の祝日の為のミサ。 どの曲(固有唱)を歌うかが記されている。略字[ IN(入祭唱)、GR(昇階唱)、AL(アレルヤ唱)、OF(奉納唱)、CO(拝領唱)]については資料のプリントを参照のこと。

・MISSAE RITUALES AD DIVERSA ET VOTIVAE - 諸儀礼のミサ p641~
・LITURGIA DEFUNCTORUM - 死者の為のミサ p667~
  いわゆるRequiem (Requiemで始まる)

・CANTUS IN ORDINE MISSAE OCCURRENTES – ミサ式文中の諸歌 p705~
  KYRIALE p709~
Kyrieから始まるミサ通常唱(Kyrie, Gloria, Credo, Sanctus, Agnus Dei)
新年度からの人は資料p1、旧年度からの人は資料p2の表を参照。
Credoは別にまとめてある。 P769~

・APENDIX – 付録 p829~ 
  LITANIAE 連梼、Te Deum 感謝、主の奉献(2月2日)、等
・INDEX – 索引 p191~


◇ ネウマの復習-聖母お潔めの祝日のミサを練習しながら

* 資料のプリント「ザンクトガレン系ネウマ記号一覧表」を参照。
(基本ネウマのごく簡単な説明は、前年度のレポート、2012年6月9日の前半部分 「◇基本の復習」もご参照下さい。(私がレポート担当した回です)⇒http://kogakuin.exblog.jp/17780950/ )

  前回に続いて、p539~の2月2日、聖母マリアのお潔めの祝日(新しい典礼の言い方では「主の奉献」(IN PRAESENTATIONE DOMINI)と言う)の復習から。

Ecce Dominus‐まず初めにろうそくの祝福があり、ろうそくの行列が歩き始める時に歌われる歌。
* 第三旋法。 finalis(終音)はミ。dominant(曲を支配する音)はシ。
(第三旋法のドミナントはシとドがあるが、時代により変ってきた。古いものはシ、新しいものはド。(同じ曲でもシをドに換えて伝わっているものもある。)

* 楽譜2段目に小区分線があるが、ネウマに従えば、これは本来要らないもの。
(区分線(小・中・大・復縦線)は、ソレム修道院にて区切り方の1つのアドバイスとして四線譜に書き加えられたものである)
この場所の下に記されたネウマの指示文字「st(statim)」は『切らないで次の言葉に続ける』の意味。
⇒区分線を無効にするために、その上に͡を付けておく。

* 1段目最後の中区分線は正しい。
前のetに指示文字「χ」(expectare:待つ)が付けられているので、少し間をあけて次へ進む。

* 1段目 Domi-musのDoに付けられたネウマは「ペス(pes)」『下から上へ、2つの音を流れるように』
* 同じペスだが、2段目servo-rumのvoと、al-le-lu-iaのalに付けられた角ばったペスは、「ペス・クワドラートス(pes quadratus)」『2つの音を流れず一つづつゆっくり歌う』

* 1段目最後のve-ni-etのniに付けられたネウマ「∩」(クリヴィスcrivis)は『上から下へ』
* そのクリヴィスの上に付けられた指示文字「c」(チェレリテルceleriter)は『早い・軽い・軽やかに』
(* cの逆は「t」(テネーテtenete)『ゆっくり』)

* 2段目最後のalleluiaの-lu-の上に、同音の音符が2個ついているが、1つを取り1個とする。
下のネウマでは音は1つ。/(virga)の先端に゚(liquescent:そこで次の子音を言う為の記号) がついたもの。
Liquescent(融化)については、本日配布された資料プリントp3を参照のこと。
融化とは、間に入っている子音を滑らかにして音節を続ける為に、どこに子音を付けるかを指示する記号。


P543 入祭唱 (ここからがミサ)
* 第一旋法。 finalis(終音)はレ。dominant(曲を支配する音)はラ。

* SUCEPIMUSのあとの「*」は、そこまで先唱者が歌う、という印。

* De-usのネウマは、ランとザンクトガレンとでは違う指示。両方を確認すると、片方だけでは分らない事を補い合っている場合がある。どちらか分らない場合は古楽院ではザンクトガレンの方を基本としている。

* 1段目、cor-di-amのcorに付けられた2つ目のネウマは、/(virga)の先端に゚ (liquescentが付けられたもの。ここでは、「co(ドの音)」の高さで続く子音「r」を付けるという意。

* cor-di-amのdiに付けられたネウマ、クリヴィスの上に「-」(エピゼマepisema)が付けられている。エピゼマは『2つの音を流れず両方しっかり歌う』の意。

* 2段目、me-di-oのmeに付けられている4音のネウマは「トルクルス レスピヌス(torculus resupinus)」 トルクルス(∽)+1音、の形。最初の3音を滑らかに歌い、最後の1音をしっかり歌う。

* 2段目、templiのliに付けられたネウマ、Mのような形は「ポレクトゥス フレクスス (porectus flexus)」クリヴィスを2つつなげたもの。

* 2段目tu-iのネウマは複合ネウマ。「トラクトゥス( _ )+クリマクス( /・.)+クリヴィス(∩)」最初の音だけ長く、あとは全部早く。
クリマクスの変形で「 /-_ 」の場合は3音とも長く。「 /・_ 」は最初の2音を早く3音目を長く。

* 2段目 se-cundumのcunの音符は、融化形で、小さく下に付いた音で子音「n」を言う。

*3段目 no-menのnoのザンクトガレンのネウマの上、3つ目の音に書かれた指示文字は、「t+b」(テネーテベーネtnete bene)『ゆっくりのばす』

* 3段目 tu-umのtu-に付けられた「 ’’’」(トリストロファtri strophe)は、3つ細かく続ける。(tri=3)
*四角譜で4つ目の音にザンクトガレン(赤字)でカッコが書かれているが、これはザンクトガレンでは音が無いということ。(ランのネウマでは音があることになっている)ここではザンクトガレンの方を採用する。

* 3段目 i-taのi-にエピゼマが先端に付いたヴィルガが2つ、これを「ビヴィルガ(bivirga)」と言う。(bi=2)

* i-taのtaにつけられたネウマは、トルクルス(∽)の変形。引き延ばした形で『3音全部を流れずにゆっくり長く』更に3音目が低く下がるという指示。

* 3段目 tu-aのaの前のギザギザの音符は、装飾音のようなもので、前の音を長めにとり、ギザギザの音は軽く流す。 これは、こぶしを付けて歌うなど、当時は特定の歌い方の指示だったではないかと考えられるが、解明されていない。

* 4段目 fi-nesのfiに付けらたネウマは「サリクス(salicus)」上に向かって3つ目の音が強調される。
* fi-nesのnesからter-raeのterまでは2段目のtempliのpliからtu-iまでと同じ形。

* 4段目 大区分線の下に、ネウマでは「st(statim)」が付けられているので本来は切らない。(区分線無効マークが既に付けられている。)

* 4段目ple-naのpleには「-」(episema)」付きの∩(crivis)、naには「c」(celeriter)」付きの∩(crivis) 
同じ音形が続いても、全く同じようにつまらなく歌わない。
* 4段目 最後dexte-raのraには「-」(episema)付きの∩(crivis)が2つ付いているが、これも同じように歌わず、ランのネウマを参考に、最初のクリヴィスをteneteで長めに歌う。

* 訳は次回にやります。


◇ 質疑応答とお知らせ

質問:「GRADUARE TRIPLE」の日本語訳はないでしょうか。
答:現代の日本のミサでは廃止されているので訳本はない。昭和30年代の「ミサ典章」には載っていたが、順番等は同じではない。
抜粋を載せたものはある。十枝正子著「グレゴリオ聖歌選集」(CD付、サンパウロ出版、2500円)
⇒2月2日 「聖母マリアのお潔めの祝日」に関しては、Graduare Triplexのp540、LUMEN (シメオン賛歌)のみが載っています。

お知らせ:古楽院夏合宿の参加者募集中 <8月21日(水)~8月23日(金)>
お問い合わせは、窪田道子さんまで⇒ m-kubota@fonsfloris.com

(mm)
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by fonsfloris-k | 2013-06-15 13:00 | 講座レポート
6月15日 ルネサンス音楽を歌う[1]ジョスカン・デ・プレ(東京)
■グレゴリオ聖歌 Kyrie

  ・響きを深くしないで上を意識する
   出した音の倍音が聞こえてくるような感じに
   →深い声と上の響きを出して比べてみる(違いがわからないとできない)
  
  ・「エ」の音で口を開きすぎない。

■Josquin 第1Kyrie

  ・同じ音で出る。みんなで正しい音で歌おうと思わないで、誰かが最初に歌う音
   と同じ音で歌う。
   これがグレゴリオ聖歌の斉唱の意味。前の人のピッチに合わせて入る。
   どこかを基準とした音程の取り方に慣れること。

  ・軟口蓋を上げる事をいつも意識する。鼻腔に響きを持ってくる。喉に持ってい
かない。

  ・コントラの"leyson"の音型はカデンツにつながる音型。音が細かくなっていて
   その分テンションが高まる。
   そこをなんらかの表現につなげる。

  ・コントラの"leyson"を、2段目をムジカフィクタなし、3段目をムジカフィクタあり
   で試してみる。
   半音にすると終止感が高まる(ムジカフィクタ)。バスかコントラのどちらかが
   半音になるようにする。
   ※どちらにするか、正解はない。

  ・ごちゃごちゃしているのを整理する。騒々しい感じがするのをどうしたらよいか?
   →テーマを潰さないようにする。誰がテーマを歌って歌ってるか意識する。
    フレーズの持っていき方。長い音が出過ぎてるとテーマをつぶしてしまう。
    動いている人は積極的に動く。ポリフォニーなのでみんなが旋律。出続け
    るものばかりだとうるさい。
    一つのフレーズの中で抑揚をつけていく。どこかに向かっていって、到達し
    たら抑える。
    フレーズを小さく取る必要がある。

  ・バスは和声的に支える部分があり、ほかのパートよりしっかり歌った方がい
   い部分が多い。

  ・リズムを際立たせる事を意識する。他の人が動いていないところで自分が動
   く時は積極的に動く。  
   聞いて、曲を知って、全体の働きを知る。

  ・男声Chisteのsteのところのテンションが高すぎる。
   お互いにリズムを感じ合って。

  ・Christeのsteに入るのが予感できない。響きをsteに向かってまわす。sを
   効果的に使う。
 
■Josquin 第2Kyrie

  ・他パートとの噛み合わせ(行ったり来たり)を覚える。

  ・練習番号7番のeの後、コントラはバスの5度下になるのでバスは少し軽め
   に歌う。

  ・コントラとバスが同じ音を歌うところがある。1つになった後で上向と下向する。
   音を1つにするように。
   (スペリウスとテノールにも同じ音型に同じところがある)

  ・動きを音で確認する(自分の楽譜は見ない)

  ・コントラとバスが一緒になっているときにテノールも

  ・同じ音になる時はそこで終わる

■余談
  ・目黒区のチャイムと第2Kyrieは同じ調

(Y.S.)  
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by fonsfloris-k | 2013-06-15 13:00 | 講座レポート