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6月28日ルネサンス音楽2 ジョスカンの神秘的なモテット(東京)
・パートについて
コントラテノールパートを女性のアルトとは思わないこと(当時はすべて男性で歌っていた)。
コントラテノールはアルトゥスといわれるがいわゆる「アルト」ではない。
アルトゥスは「高い」という意味であり、
コントラテノールはテノールに対する対旋律ということ。
もともと14~15世紀ではコントラテノールとテノールは音域が同じで
音程を交差しながら補い合って音楽を作っていく関係だった。

14世紀には上の方に高い旋律があった。
15世紀になってもう一つの声部が追加された。
イギリス音楽の影響で長三度を組み込み、鳴らすことを盛んにやっていた。
フランスにはそれまでなかったが15世紀に低音の支えの上に和音を構築する感覚が少しずつ入ってきた。
コントラテノールでも下の方ばかりを歌うパート(コントラテノールバッスス)が定着してきた。
※バッススは「低い」の意味
ここで普通のコントラテノールは「高い方を歌う」コントラテノールアルトゥスになった。

テノールとコントラテノールは基本的に同じ音域のパートだが、役割が異なる。
テノールは「テネレ(保つ)」という動詞から来ていて「本来の旋律(グレゴリオ聖歌)を保って歌う人」の意味。
テノールはしっかりとした旋律を歌う人(中心となる旋律=グレゴリオ聖歌)。
コントラテノールは上の方の声部とテノールの間を行ったり来たりする、あとから付け加わったオマケのパート。
基本的に高い声部とテノールで成り立つ二重唱に色合いをつける、足りない部分を補うのがコントラテノール。
この形は16世紀にも残っている
フランドルのジョスカン・デ・プレやオブレヒト、ピエール・ド・ラリュー、オケゲムなど。
ミサ曲ならば定旋律をテノール、和音の基本となるバッスス、華やかに旋律を歌うスペリウス。
コントラテノールはその3つの声部のあちこちいき音域的にも旋律的にも3つのパートを補う。
このためコントラテノールの旋律だけみると辻褄が合っていないことが多い(旋律的、リズム的に不自然な動きになる)。
リズムも他の声部の間に入って音楽を作る(味付け係)

この形式がジョスカン・デ・プレあたりから少しずつ変化していく。
それぞれの役割を持っていたパートが均等な役割分担に移行していく。
全てのパートが同じモチーフ(旋律)を模倣し、重ねて歌っていくスタイルに変わっていった。(パンジェリングァなど)

今回の講座の曲は両方の要素がある。
新しいスタイルの部類に属するが、、過渡期であるためまだ古いスタイルが残っている
このためコントラテノールは音域が広く不自然な動きも残っている。
音楽を仕上げるのがコントラテノールである。
男性が歌うのも難しいし、女性だと出ない音がある。
また音楽的素養が必要とされる。
男性の高めの声部の人と女性の低めの声部の人はテノール、コントラテノールの両方を歌えるようにしておくこと。

・グレゴリオ聖歌
詩篇があって、その後にアンティフォナを繰り返す。
繰り返しの時にジョスカンのモテットを歌う。
このアンティフォナは1/1に歌われる。
典礼の形式は挽歌(vespre)で、聖務日課のひとつ。
朝ミサに出て、夕方聖務日課にでる伝統があった。

母音できちんとアーティキュレーションをしない事が大事。
語るように歌う。話すのと同じように言葉を歌う。
また言葉と言葉をつなげて歌う。(喋っているのと歌が違うものにならないこと)
和音をつくるのではなく旋律を歌う(音の横のつながり)

・O admirabile commercium
冒頭の「O」はOが2つある事が大事。ふたつをくっつけない
dignatus イタリア語にように「にゃ」にならない。gを言って次にすぐnに

歌う前に響きを作らない。
何もないところにふわっと入ってくる感じで
付点が短くならないように気をつける。
長い音を歌っている人が違う音に行くということはすごく意味がある

付点は旋律の流れの中での付点。
一個一個が たたん、たたんとならないように(この時代の音楽はぴょんぴょんしない)
ただしふにゃふにゃしない。付点の点を感じ、そこで響きを保つ

(YS)
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by fonsfloris-k | 2014-06-28 13:00 | 講座レポート
6月22日アンサンブルクラス 中世の音楽(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
「アンサンブルクラス 中世の音楽」
受講:10名(S4、A3、T2, B1)

内容
<1>Machaut, La Messe de Nostre Dame, Sanctus
・tenorのSanctusの定旋律を全員でグレゴリオ聖歌風に歌ってみる。
・tenor: Dominus以降がisorhythmになっている。Benedictusの前まで11×6+1(最後の音)。Benedictus以降が11×4。
・gloria tuaの-aがtaleaの始まりなので、次のHosannaとの間が切れないように。ルネサンスや他の時代などでHosannaが新しい楽章やセクションになるのが普通なのと違って特徴的。現代の演奏家の中にはHosannaから新しいセクションのように歌う人たちもいて(「ビバ!合唱」参考)、それは時代錯誤なのではないかと思う。
・contratenor: Dominus以降Benedictusの前まで13×5+12。Benedictus以降が13x3+11。各taleaの始まりがtenorの始まりと一致している。tenorが休みのところをcontratenorが12個めと13個めの音で補って次のtaleaへの橋渡し役をしている。そこをきちんと意識して。
・tenor: Hosannaの出だしの旋律はSabaothの出だしの旋律と同じ、contratenorが同じ不協和音を歌っている。1拍目から不協和音にするのはオルガヌムの伝統から珍しい。かなり特別なこと。このことからしても、Hosannaから新しいセクションにする歌い方はおかしいといえる。
・triplumとmotetus: 完全なisorhythmにはなっていないが、ホケトゥスのところは全部同じリズム。
・triplumとmotetusにtalea番号が入っていないので入れる。
・taleaの直前の音はほとんどミ。tenorは休んでいる。triplumとmotetusは二重導音になっているのを意識する。contratenorは逆の動き。
・motetusのtalea番号viの直前の音(練習番号10の2つ前の音)はフィクタ。
・tenor: SanctusのSan-の最初の音が2回くりかえされるのをきちんと2回歌う。
・tenorのBenedictusの定旋律を全員でグレゴリオ聖歌風に歌ってみる。
・Benedictusを全員で。
<2>Machaut, La Messe de Nostre Dame, Kyrie, Gloria, Credo
・KyrieからCredoまで通してみました。
・ミは「高い」「固い」。ファは「柔らかい」。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2014-06-22 13:30 | 講座レポート
6月21日総合講座 グレゴリオ聖歌とフランドル楽派のポリフォニー(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:20名(S10、A7、T3、B0)

内容
<1>Antiphona: Ave Maria(グレゴリオ聖歌:楽譜の配布はなし)
・ホワイトボードにAve Maria gratia plena Dominus tecum, benedicta tu in mulieribus.という歌詞とネウマのみを先生が書き、それだけを見て歌う練習をしました。旋律(音の高低)は書き表せないので、覚えるしかありません。
・第一旋法のおさらい。レーラの響き。
<2>Josquin, Ave Maria ... benedicta
・グレゴリオ聖歌のAve Mariaの4度上。
・最初のA-の音は最初からきちんと開いて鳴らして、その残響の中から次の音-veが動き出すように。-veで落ちすぎないように。
・短ー長の音の組み合わせをひとかたまりにとり、最初のMariaのri-の動きはアクティブに。
・スペリウスのplenaはple-が響きの中心。
・Dominus tecumの-nusやte-で母音があいまいにならないように位置をキープ。
・コントラのgratiaのgra-は装飾的に。
・コントラのplenaのple-のような音型では、同じ音の反復の時に間でアーティキュレーションする。
・mulieribusのmu-の母音の発音をもっと前の位置で。
・benedictus fructus ventrisは雰囲気を変えて、ていねいに。
・2枚目の3分割のところ、3から1の動きを感じる。ヘミオラ(コロル)も裏から表(小さい2から1)の動きが大事。
・beata ubera tuaが途切れないように。
・quae lactaveruntのla-の子音[l]をきちんと発音して。乳を飲ませた、という大切な言葉。
・quae lactaveruntとregem regumの間で段が変わるけれど途切れないように。王の中の王に乳を飲ませた、という大切な言葉を意識する。
・テノールの練習番号3の直後のミニマ休みみたいなのはゴミ。
・コントラのregem regumのところ、他のパートがコロルになっているように、ヘミオラのようなつもりで。
・Dominum Deumのところ、歌詞のつけかたに変更あり。
・コワイヤブックで通しました。
<3>Introitus: Gaudeamus(グレゴリオ聖歌)
・festumとcelebrantesの間で切れないように。
<4>Obrecht, Salve Regina
・Usualis版(通常の)グレゴリオ聖歌、次にオブレヒトの地方で当時歌われていたと思われるグレゴリオ聖歌で、Salve Reginaの旋律の復習。
・オブレヒトのポリフォニーをコワイヤブックで復習。オブレヒト時代のグレゴリオ聖歌と交互に。
・コントラとテノール、dulcedoの歌詞のつけかたに変更あり。
・テノール(バッスス)、ad te suspiramusの歌詞のつけかたに変更あり。
・スペリウスとテノール、flentesの-tesに軽く入る。衝撃にならないように。
・Benedictumのところ、定旋律のコントラはスペリウスの動きを聴いて音の変わり目を感じながら。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2014-06-21 13:30 | 講座レポート
6月14日グレゴリオ聖歌2 ミサの聖歌(東京)
聖霊降臨の主日ミサ。

入祭唱からサンクトゥスの手前まで、まず歌詞の意味や韻律の説明を受けたのち復唱。
それから聖歌をザンクトガレン及びランのネウマを手掛かりに一通り唱った。
入祭唱はGraduale NovumとTriplexと両方通した。またキリエ、続唱等は二手に
わかれて唱った。

次回はサンクトゥスより。

(YI)
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by fonsfloris-k | 2014-06-14 13:00 | 講座レポート
6月13日グレゴリオ聖歌1 聖務日課の聖歌(東京)
グレゴリオ聖歌1 聖務日課の聖歌 3回目

配布資料: P9-P10
       聖霊降臨の8日間(オクターヴァ)後の第一週の月曜日の第三レスポンソリウム

講座内容: 晩課の構成要素(資料p1)のうち、レスポンソリウム~終了唱の解説と練習
   最後に、最初から通して レスポンソリウムまで歌った。

★ 冊子資料「SUNDAY AT VESPERS(日曜日の晩課)」のページ番号が順番どおりではないので、
タグを付けるなど、分りやすくしておきましょう。

次回予定: 最初から最後まで、「立ち・座り」をつけて勉強する予定です。
   
<講座内容>

Responsorium (レスポンソリウム)

本日配布のレスポンソリウムを、ネウマの復習をしながら歌った。
  (旋法:第8旋法  終音:ソ  ドミナント:ド)
レスポンソリウムは、聖書朗読に対する応答歌。
現在は小答唱(Responsorium breve:短いレスポンソリウム)が歌われるが、
古い時代には長いレスポンソリウム(Responsorium prolixum)が歌われていた時代もあった。 
これはその長いレスポンソリウム。
本体部分とVersusの部分で構成される。
Versusは旋法によってメロディが決まっている。


Hymnus (賛歌)

Hymnus (冊子p256)の歌詞読みをしてから、左右2組に分かれて歌った。(対訳は資料p2)
Lucis Creator optime,までを先唱者が歌い、その後を節ごとに左右で歌う。
最後の5節は全員で歌う。


Versiculum (先唱句と応唱句)

HymnusのAmenの後、続けてp259一番下の段へ進む。 ここはまとめの部分である。
Vを先唱者、Rを全員で。


Antiphona-Magnificat-Antiphona (マニフィカトとアンティフォナ)

マニフィカトも前後にアンティフォナが付く。
アンティフォナはその日によって違う曲を歌う。 その日のアンティフォナによって旋法が違う。
マニフィカトは、その日のアンティフォナの旋法のマニフィカトを歌う。

今回歌うのは資料p4のアンティフォナ
「聖霊降臨後第13主日のマニフィカト・アンティフォナ」ルカによる福音書17章11-19節より
(旋法:第1旋法  終音:レ  ドミナント:ラ)
最初の句Unus autem ex illis,までを先唱者、続きを全員で歌う。
(マニフィカト12節を歌った後にもう一度歌うが、その時は、最初の句から全員で歌う。)

マニフィカト (冊子p207)
歌詞の太字の部分で音が動く。動き方は2節目の動き方に従って3節目以降を歌う。
斜体字の部分で音が下がる。
各節の最後の語の歌い方は、前後に歌うアンティフォナ毎に決まっており、
この日のアンティフォナはD2なので、p207のD2のパターンで歌う。

12節最後(saeculorum. Amen.)の終わり方も、アンティフォナ毎に決まっている。
⇒資料p4の3段目の最後参照。 E u o u a e とはsaeculorum Amen を母音で省記したもの。

詩篇の場合は2節以降の歌い出しは朗唱音(ドミナント)で歌うが、
マニフィカトは2節以降も1節と同じ音形で歌う。


Kyrie-Pater noster-Preces(oratio) 祈祷(キリエ、主の祈り、特定の祈り)

冊子p231の下半分
先唱者:Kyrie eleison.
全員:Christe eleison. Kyrie eleison.
先唱者:Pater noster.
このあと、沈黙の祈り。心の中で祈る。
先唱者:Et ne nos inducas in tentationem.
全員: Sed libera nos a malo.(上のEt ne nos…と同じ音形で)
今回はこれ以下は省略。

Oratio集祷文 (次のページ/ページ番号は付いていないページ)
先唱者:Dominus vobiscum.
全員:Et cum spiritu tuo.
先唱者:Oremus.
この後はその日によって違う。
⇒この日「聖霊降臨後第13主日」のものは資料p4の一番下のOratio。
その後、冊子の元のページの続きに戻る(4段目区分線のあと Per~)
全員:Amen. (このページの6段目最後)


Benedicamus Domino (終了唱)

冊子p126の一番下、V - On Sundays during the Year
先唱者:Benedicamus Domino.
全員:Deo gratias.

このあと冊子p261の下方へ戻る。
先唱者:Fidelium animae per misericordiam Dei requiescant in pace.
全員:Amen.

このあと本来は続けて終課(Completorium)を歌い、最後に聖母アンティフォナを歌うが、
終課へ進まない場合は、ここで聖母アンティフォナに進む。


聖母アンティフォナ

本日歌ったのは冊子最後のページp279のSalve Regina
先唱者:Salve Regina*
全員: *mater ~以降最後まで
先唱者:Ora pro nobis sancta Dei Genitrix.
全員:Ut digni efficiamur promissionibus Christi.

このあと続いて資料p7下方のOratio ad Salve reginaへ。
先唱者:Onmipotens ~ Sominum nostrum.
全員: Amen.(ミ・ファ、の音で)
先唱者:Divinum auxilium maneat semper nobiscum.
全員:Amen. (前の先唱者と同じトーンで)


最後に冊子のSUNDAY AT VESPERSを最初から Responsorium(本日最初にやったところ)まで通した。

(mm)
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by fonsfloris-k | 2014-06-13 19:30 | 講座レポート
フォンス・フローリス古楽院夏期合宿のご案内


フォンス・フローリス古楽院夏期合宿
日程:2014年8月8日(金)~10日(日)

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今年度もグレゴリオ聖歌を集中的に学ぶ夏期合宿を行います。
(今年度は、事前準備講習はありません。)
八ヶ岳の麓、長野県原村にある響きのよい木造りの教会で練習します。
夕方には聖歌による夕べの祈りを行い、
夜は原村のペンションに宿泊、親睦会もあります。
最終日には富士見のベネディクト会修道院にて神父様のお話を伺った後
練習した曲を御ミサで奉唱して合宿を締めくくります。

講習会場:八ヶ岳中央高原キリスト教会
    http://www.lcv.ne.jp/~nmajapan/
宿泊:ますやまペンション(1泊2食付 9,000円程度)
   http://www.lcv.ne.jp/%7emasupen
参加費:15,000円(9日昼食代込み、交通費別途)
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お友達とお誘い合わせてのご参加も歓迎いたします。
皆様のお申込みをお待ちしています。
お申込み、お問い合わせ:窪田:m-kubota@fonsfloris.com




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by fonsfloris-k | 2014-06-04 11:15 | その他