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6月27日 ルネサンス音楽入門 (東京)
・レスポンソリウムの構造について

レスポンソリウム本体(R)と、ヴェルスス部分(V)があり、(R)-(V)-(Rの後半)という順番で歌います。
歌詞でいうと、Tanquam-Quotidie-Cumque-Quotidieという順番です。
朝課は三つの夜課から成っています。それぞれの夜課は3つの朗読と3つのレスポンソリウムから成っていますので、合計9つのレスポンソリウムがあるという事になります。今回歌うのは第4・第6レスポンソリウムですので、第2夜課の、1つ目と3つ目のレスポンソリウムという事になります。各夜課の3つ目のレスポンソリウムは、通常の繰り返しのあと、レスポンソリウム全体をもう一度繰り返します。
つまり、(R)-(V)-(Rの後半)-(R)という順番になります。 歌詞でいうと、Animam meam - Quia non est – Insurrexerunt – Quia non est – Animam meamという事になります。



・ヴィクトリアの音楽

計量記譜の最後期の作品。ポリフォニーと言いながらも、ホモフォニックな部分も多く、そのまま小節線を入れても差し支えないような音楽。小節線のない最後期とも言える。しかし小節線が無いことによって、横の流れ、旋律が縦割りにならない感じがとらえやすい。

レッスン前半は、各パートごとに音と言葉を確認しながら、第4アンティフォナを練習しました。
前回やったように、ヴィクトリアの音楽はミーントーンで演奏します。ミは低く、ファは高くとります。
特にファが低くならないようにしましょう。カデンツ(ペヌルティマノータ)での5度は純正にとりましょう。
15世紀の音楽は、旋律がより重要視された音楽でしたが、ヴィクトリアの時代の音楽は、言葉の流れと、音楽の抑揚とリズムが一致しています。gladiisの付点音型や、etで音程が下がる箇所などを利用して、言葉を表現しましょう。テキストの語感と内容が音楽に一致するように作っていきます。

後半ではひとパートずつ取り出しながら、第6アンティフォナを練習しました。なんとか最後まで通しましたが、まだまだ慣れが必要だと思います。
特にアルトの方に、シャープの音が苦手な方が多いようです。シャープは現代の♯という書き方と少し違い、Xが2つかぶったような形をしています。シャープの音はソルミゼーションではミの音なので、低めにとりましょう。
また、フラットのついている音をナチュラルにするためにシャープがついていることもあります。ソルミゼーションで言えば、シャープがついていればその音はミと読んで、フラットがついていたらファと読めばいいという事になります。
少しずつ音楽の構造を覚えて、他のパートと一緒に出るところ、遅れて入るところなどを把握していくようにしましょう。長い休符を数える手間が省けます。



(G.S.)
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by fonsfloris-k | 2015-06-27 15:45 | 講座レポート
6月14日 パリ・ノートルダム楽派の音楽(東京)
・まず椅子に座ったまま呼吸の練習を行いました。
横隔膜や肋骨の動きを感じて、お腹だけでなく首や背中の方、身体の後ろ側まで柔らかく、緩めるように。

・四度と五度の音程関係の練習としてムジカエンキリアーディス(Musica enchiriadis,
オルガヌムについて書かれた現存する最古の書物)よりRex Caeli Domineを歌いました。
V.P.(プリンチパル)とV.O.(オルガヌム)に分かれて練習。
オルガヌムが五度や、四度で平行に歌う練習をしました。
五度と四度、それぞれの時の響きの違い、上と下の役割の違いをしっかり頭と耳で理解しておきましょう。
音程については基本的にプリンチパルが主導権を取り、オルガヌムが合わせるのですが、特に下降の時に一つずつ音のピッチを自分で取っていきがちになるので、自然な流れで。半音は狭めに。

・単旋律の"Benedicamus Domino"を全員で歌いました。
まとまりとしては5度や4度、そしてその中の全音と半音をしっかり感じ、歌いましょう。

・以上の注意点を踏まえて、三声の"Benedicamus Domino"の練習を進めていきました。
Triplum、Duplum、Tenorのパートのうち二声での練習も行いました。
Rex caeli
Domineの練習の際にも「流れるように」という注意がありましたが、音と音の間の流れ、動いている途中を見せても良い、とのこと。
常に細かな動きがあることに慣れ、それが当然であると感じられるように、逆に流れや響きが止まってしまっていたら違和感をおぼえらるようになりましょう。
今日は、おおよそ全体の三分の一にあたるところまで、"Carentem principio."まで進みました。

ラテン語の詩を読めるように、予習・復習共にしておくこと。

(SN)
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by fonsfloris-k | 2015-06-14 14:00 | 講座レポート
6月13日 聖母のモテット(東京)
 譜読みを進めながら基本事項の復習をしました。

【Busnoysのシャンソン】
・マママで歌いました。メンスーラ記号の確認、分割のしかた、ディミヌートゥムの時のタクトゥスの取り方を確認しました。
 コントラテノールのパートにはメンスーラ記号がありません。

・セミブレビスを一拍として数えていますので、コントラの最初のブレビスは二拍と数えます。

・音律の説明もしました。5度を純正にとるピタゴラス音律を基本にしながら、ところどころ3度を純正にするところも作ります。

・歌うときに気を付けるのは、ミとファを狭くとるようにするという事です。

・Penultima notaの説明もしました。最後の音の一個前の音を大事に、そこにみんなで集合して緊張感を高め、最後の音で弛緩する。

・ポリフォニー音楽ですので、パート同士がお互いのリズムを補完し合っている場合が多いです。自分が音を伸ばしている時に、
 相手のパートがどう動いているかを聞くようにしましょう。

・音程の練習もしました。5度を純正にする音律を使っていますので、5度の練習をしました。5度を広めにとるということは4度を狭くとるということなので、4度を歌うときはそのように意識しましょう。

・旋律の歌い方にも少し触れました。拍の裏の音をよく歌って表の音を抜くということをいいました。それはフランス語の語感から、またグレゴリオ聖歌のネウマから来ています。

・この力学関係は通称「ビヨン」と呼ばれております。「ビ」が緊張、「ヨン」が弛緩です。「ヨン」は2回続けてくることがありますが、「ビ」が続くことはありません。

・コロルの説明もしました。もともと白い音符を黒くすると不完全になります。

・一応一通り最後まで譜読みしました。

【Moutonのモテット】
・録音が前半で切れていました。ここから先は記憶だけで書こうと思ったのですが、あんまり覚えていませんでした。すみません。

・シャンソンに時間を使いすぎて、モテットをやる時間があまりありませんでした。

・言葉は結局つけられませんでしたが、譜読みを最後まで確認したんだと思います。記憶が曖昧ですみません。

【次回】
・ムトンのモテットに言葉を付けていくと思います。言葉の確認をしておいてください。

(GS)
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by fonsfloris-k | 2015-06-13 15:45 | 講座レポート
6月13日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac

〈配布プリント〉…4枚
①Tractus 詠唱 グレゴリオ聖歌 
②パート譜 Superius + Tenor
③パート譜 Altus
④パート譜 Bassus

今回はアシスタント講座でした。
前回進んだ入祭唱をもう一度丁寧に見直し、さらにポリフォニーを演奏する時に必要な音の聴き方・歌い方について学びました。また、Sup.とAlt.のパート分けをしました。

まず歌を始める前に姿勢や身体の不必要な緊張についてチェックしましょう。頭の重みが首を通ってきちんと背骨に乗っているか、またその背骨を伝わって座位では骨盤に、立位では膝を通って足の裏に重みが届いているかを確認してみると少し落ち着きます。また少し身体をブルブル震わせてみて、その震えが末端に自然に伝わっているかチェックしてみるのも有効です。呼吸も意識して行ってみましょう。吐く時は伸びる(背面を意識)息が入る時は身体の特に背面が緩みます。(息を吸うのではなく“入る”イメージ)

以上のような準備は、各自できるだけ講座の前に行っておいてください。また普段も気付いた時に少しやってみるとバランスがよくなってきます。

入祭唱 Rorate caeli グレゴリオ聖歌の復習
Graduale Novum版を歌いました。

前回チェックしたネウマの動きや中心になる音を再確認しつつ、その動きを実現させるために必要な歌い方について学びました。普段の合唱などでは、1つ1つの音をしっかりきちんと鳴らすことを求められることも多いと思いますが、決して大きな音を求めず、むしろ小さい音を出そうとする時に使う細かな筋肉や感覚を活用していきましょう。その上でネウマの動きやたちのぼる響きをしっかり意識すればうまく音と言葉が進んでいきます。また、今回はフレンチ風ラテン語ですので、口の中の空間や口先(唇・舌)の基本的な位置・動かし方についても注意しましょう。(フレンチではCa・Ga がキャ・ギャのような音になることを参考にするとわかりやすいかも知れません。)

細かい部分に気を使うことも重要ですが、静かな祈りのお唱えだということを忘れず、気持ちの良い響きを持続させること、そこに身をゆだねることも大切です。

Isaacポリフォニーの復習とパートわけ上2声(女声)のパートわけをするとともに、声の使い方・歌い方について説明しました。

高音に行く時も、低音に行く時も声帯を開け緊張させる方向にいかないように、むしろ閉じて息を少なくするイメージで歌いましょう。大きな声は要りません。小さくてもきちんと息が声(振動)になっている音が出せたら、そこから少しずつ音を広げていきましょう。特にSupeirusはずっと音が高いので抜きすぎて上ずっていかないように。(全体の響きの柱から容易に離れていっていまいます。)

Tenorも高いところが多いですが、こちらは張り過ぎないように。特にメロディーの最高音は多くの場合ボリュームはそれほど必要ありません。Altoは低いので頑張り過ぎないように。出そうとしすぎて押してしまうと低くなっていくので注意。周りの響きを良く聴き上の倍音を感じるように。Bassusは全ての音を律儀に歌わないこと。細かい動きが多いので、ピッチを一つ一つ確認するように歌ってはついていけません。他のパートと同じく、重要な音に向かって流れていくことが重要です。

また予期ししづらい音に行くこともありますのでしっかり音を復習するとともに変わり身をすばやくしましょう。

全員で全てのパートを歌い各パートのメロディーをしっかりと知った上で4声で合わせました。まずは、クワイヤブックであることを活用して、あるパートのフレーズが最終的にどの音に向かって動いているのか、先を見通しながら歌う(楽譜を読む)事を学び、練習しました。その後、合わせていく中で、模倣されているフレーズはどこか、そのフレーズに絡んで動くパートはどこか、しっかり目と耳で捉えつつ歌うことに挑戦しました。模倣している場合は文字通り先に出た人の歌い方を“まねる”こと!

それに絡む人も含めて、常に今出ている“音・響き”に“反応”出来るように歌い、聴くことが大切です。そしてカデンツにむけていつも余裕を持って、スペースをあけておいてあげて、“次”の動きに繋げていきましょう。

また、発音にも注意。母音の響きを揃えれば全体の音がすっきりして、わかりやすくなると同時に、他のパートの動きも聞きやすくなります。口を大きく開けなくともクリアな発音が出来ることを少しずつ学んでいきましょう。

練習していくうちに、少しずつ耳で響きが整っていくのを感じることが出来てきました。
お互いの動きや音程関係を具体的に知っていると響きは自然に合ってくるので、いつも他のパートがどんな風に動いているかアンテナを立てて歌いましょう。歌う事と聴く事のバランスをとることが重要です。

今回は時間をかけてゆっくりと復習することで、クワイヤブックで学ぶこと、耳を使って合わせていくことの重要性と、そのためにどのように歌っていけばよいかということが少し分かってきたのではないかと思います。そして講座をより楽しむためには、予習・復習をして自分なりに準備をしておくことが必要だということもわかりますね。このレポートなども参考にしながら、ぜひ予習・復習をして次回の講座に臨んで下さい。

今回配られた新しい楽譜はトラクトゥス(詠唱)です。グレゴリオ聖歌とパート譜で4枚ありますので、確認しておいてください。

(N.Y.)








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by fonsfloris-k | 2015-06-13 13:00 | 講座レポート
6月6日 15世紀のミサ(東京)
今回はアシスタント講座で、前回の復習にじっくり取り組みました。また、その中で具体的な歌い方や聴き方・合わせ方について学びました。

まず歌を始める前に姿勢や身体の不必要な緊張についてチェックしましょう。
頭の重みが首を通ってきちんと背骨に乗っているか、またその背骨を伝わって座位では骨盤に、立位では膝を通って足の裏に重みが届いているかを確認してみると少し落ち着きます。また少し身体をブルブル震わせてみて、その震えが末端に自然に伝わっているかチェックしてみるのも有効です。呼吸も意識して行ってみましょう。吐く時は伸びる(背面を意識)息が入る時は身体の特に背面が緩みます。(息を吸うのではなく“入る”イメージ)

クワイヤブックを使ってポリフォニーを歌うときには、自分のパートがどのような動きをしているのか、それに対して他のパートがどのように絡んでくるのかしっかり示し、しっかり聞き取ることが重要です。歌う事に必死になって身体が固まってきてしまうと、他のパートが聞こえなくなり、また自分の声も硬くなって響きの中に入れなくなりますので、不要なところに余計な緊張をさせず、頑張らずに歌えるように、気が付くたびに緊張を解きましょう。特に、講座が始まる前や歌い始める前には気をつけてみてください。

とはいえ、まずは譜読みがあやふやだと、響きを合わせるどころではありませんので、全員でテンポ感やフレーズ感を確認するために、まず不完全テンプスのChristeを1パートずつチェックしていきました。

ChristeはKyrieの完全テンプスのように食う・食われるなどの関係がないので、音符の長さという面ではあまり難しくありませんが、ブレビスを1と捉えるのでのんびりしていると置いていかれてしまいます。完全テンプスと不完全テンプスのテンポ感の違いをしっかり確認しましょう。(Kyrieは完全テンプス、セミブレビスを1と感じる)

リガトゥーラの始めやブレビス・ロンガなどは必ず拍の頭に来るわけではありませんので、そういうところでまごつかないように、今歌っている音だけに集中しすぎないで、先を見通すことが重要です。リズムの面だけでなく、どの音に向かって進んでいくのか、そのフレーズの中のどのあたりを自分は今歌っているのか
意識しながら歌いましょう。(小節線がなくパートごとに書かれているクワイヤブックは視覚的にそれらを確認しやすいですから有効活用しましょう。)
どうしてもリズムがわかりにくい箇所は、拍(ブレビス)の頭にくる音に印をつけてみるなどして、各自で出来る限り解決しておきましょう。

とりあえず、各パート(3声)をすべて全員で歌っていき、合わせましたが、かなり苦戦しました。
各パート何箇所か間違いやすいところがありますので、次回までにしっかり復習してきてください。

何度も歌っていくうちに他のパートとの掛け合いが聞こえてくるようになりました。相手の動きに反応して一緒にひとつの流れを共有する感覚が少し学べたと思います。自分のパートが歌えていれば良いのではなく、他のパートと一緒に動くこと、自分の始まりや終わりは他のパートから受け継いだり他のパートに受け継いで
いることが多いので、常に動きを止めないように、響きを保てるように注意しましょう。

響きを保っていくために、発音もとても重要です。Kyrie Christe では i e で伸ばしていることが多いですが、i は口を横に引かない、e は舌が奥に引っ込み過ぎないように、音が平べったくならず常に豊かな倍音が含まれる響きを目指しましょう。顎の位置・舌の位置・口のあけ方など、動かし方や感覚などを慎重に観察して少しずつ癖を自覚しコントロールできるように練習しておきましょう。
全体的には口の中をコンパクトに、響きを拡散しないようように気をつけると良いと思います。

続いて第1Kyrieを練習しました。こちらは意外とあっさり通すことが出来ました。食う・食われる、倍化、コロルなど忘れないようにしておきましょう。またこの理解を基に、第2Kyrieの譜読みを各自しっかりしておいてください。(少なくともどこが分からないかを明確にしておいてください。)

第1Kyrieは4声で、Tenorが定旋律を歌います。グレゴリオ聖歌、そしてTenorのメロディーをもう一度全員でしっかり確認しました。そして、各パートのどこでTenorが入ってくるのか、どこでいなくなるのか、そして定旋律のリズムがゆったりしている箇所、細かく動く箇所それぞれで、全体としてはどのように動いているのか、しっかり聴き、感じながら自分のパートを歌う練習を繰り返しました。


ゆっくり、じっくり粘り強く復習したので、だいぶ音楽の形が見えてきたと思います。時間はかかりましたが、この感覚はとても重要ですので、ぜひ維持していきましょう。また、音楽を作ってくにはこのようにとても時間がかかりますので、出来る限り講座が有意義な時間になるように、お家での予習・復習をしっかりしておきましょう。
まずは、今回出来なかった第2Kyrieの譜読みを各自できちんとして、次回の講座に臨んで下さい。
(テノールとコントラの人は両方を見ておきましょう。また、定旋律のあるものは、他のパートも必ずテノールの定旋律をしっかり確認しておいてください。)

(Y.N.)









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by fonsfloris-k | 2015-06-06 15:45 | 講座レポート
6月6日 総合講座 グレゴリオ聖歌とルネサンス音楽を歌う(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:16名(S7、A5、T2、B2)

内容
<1>Isaac, Rorate caeli desuper
・これはIntroitus(入祭唱)。詩節の最後annuntiat firmamentum.まで歌ったら、その後のGloria Patri~はグレゴリオ聖歌で歌う。Isaacの方では先唱部分をスペリウスが担当するように作曲されているので、Gloria Patri~の先唱部分もスペリウスで歌う。その後、Isaacの最初に戻って詩節の前Salvatoremまで歌って終わる。
・Gloria Patri~の最後のAmen.の-menの音型をグレゴリオ聖歌(Graduale novum)のfirmamentumの-tumの音型に合わせて変える。
・コントラ1段目Caeliの-liの直前の音はフィクタにしない。なぜなら、テノールと二重道音になり、時代的には古めかしい感じになる。
・aperiaturのスペリウスとテノールの最後から3つ目の音をファにする。fa supra laの法則が適用されるのは下がってくる場合が多く、ここは上昇形で、例外的ではありますが。
・ミーファをいつも意識する。ミで鋭さを出して終止感を出す。
・詩節Caeli enarrant~のところ、先唱部分はグレゴリオ聖歌のまま、みんなで歌うところはポリフォニーになっている。ノートルダム・オルガヌムのころは先唱がオルガヌムでみんなが歌うところはグレゴリオ聖歌だった。後に、全部を聖歌隊が歌うようになり、逆転した。
<2>Communio: Ecce virgo concipietをグレゴリオ聖歌で歌う。
・Graduale novumとGraduale Patavienseで。
・大事な音と経過音とをいつも意識する。たとえば、Emmanuelの-ma-の音はfinalisで始まりdominantで終わり、その間は経過音。
<3>Isaac, Ecce virgo concipiet
・先唱部分はPatavienseのグレゴリオ聖歌と同じ。
・バッススの練習番号1の前ミニマの付点とセミミニマとなっているのは、この1575年の写本の特徴。他の写本はセミブレヴィスだけになっているので、ここもセミブレヴィスにする。
・Emanuelの歌詞付けを大幅に変更。ファソミファレの音型がPatavienseのEmanuelのE-にあたるところから、この音型はE-の1音節だけにする。
<4>配布されたグレゴリオ聖歌 Squentia: Ave MariaとIsaac, Ave Mariaについて
・ミサの中でTractusというジャンルに入る。四旬節中なのでAlleluiaのかわりに歌われる。
・配布されたものはパート譜。最終的にはコワイヤブックで歌います。次回はこの曲を学びます。

配布物:グレゴリオ聖歌 Sequentia: Ave Maria、Isaac, Ave Maria


(N.I.)








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by fonsfloris-k | 2015-06-06 13:30 | 講座レポート
6月6日 さまざまな聖歌を歌う(東京)
今回はアシスタント講座でした。
前回は初回ということもあり、たくさんの解説と歌を一気に進みましたので、今回はその復習を中心に、主にどのように歌っていくかという実技を学びました。

ミサで歌われるグレゴリオ聖歌には主に固有唱と通常唱があります。
(前回進んだところまででは、固有唱:入祭唱・昇階唱、通常唱:キリエ・グロリア)
今回は通常唱のキリエから歌っていきました。

まず始まりの音であり、フィナーリスでもある ”レ” の音のハミングから。グレゴリオ聖歌は歌であると同時にお唱えでもあります。言葉を唱えることの延長線上に自然に節がついてきたことを想像しましょう。響きがスッとたちのぼりそこに言葉が加わってきますが、それらは静かな空間の中で行われていたはずです。こう歌わなければならない。聞かせてやろう。ということではなく、個々の中で祈りの言葉を紡ぎだし、それがグループの声として集まり自然に一つの響きとなってしまう。というようなイメージを共有しましょう。そして、そのはじめの音 レ の響きに最後戻ってこられるように。

具体的なテクニックとしては、口をあけすぎないこと、言葉を喋ることによって口の中・舌などが常に動いていることを自然だと感じること。(音を張り上げたり、かたくさせて止めてしまったりすることが意外とよくあることに気付き、違和感を感じられるようになりましょう。)一つ一つの音を歌い、かつその音一つ一つを耳で確認しないこと。(一音ずつが独立してしまわない。あくまで流れ・動きの一部であって、各音の集合したものがメロディーになるわけではありません。また自分が出している音をいちいち聴きすぎると音が止まってしまうので注意しましょう。)

キリエの場合は、第1旋法の重要な音 レとラを中心に音がまわっていきます。その響きを常にイメージの中に置いてそのほかの音とうまく繋げてフレーズを作っていきましょう。練習の段階では少し極端に音を引いてみたり、重要度の低い音を抜いてみたりしてみると良いかもしれません。四角い音符を見ているとどうしても一つ一つの音がイコールに見えてきて、引きずられてそのように歌ってしまいがちになることを自覚して、そうならないように各自工夫しよう!という気持ちをもちましょう。

グロリアは第8旋法でソとドを中心にまわっていきます。メリスマがなく、ほぼ一音節に一音という形でテキストも多いですので、より喋る(唱える)感覚をしっかり持たないと音に音節を当てはめていくような歌い方になってしまいますので注意しましょう。大きな全体の響きを一つにしておくためにも、まず一つ一つの母音について意識しましょう。( i は口の端を引っ張らない。 e は後ろにいかない。 a の口をあけすぎない。)

いつもと違う口の形・舌の位置でどうすれば母音が発音できるのか、細かな筋肉や感覚を研ぎ澄まして各自練習しておいてください。このようなシラビックな曲は、まず、言葉の意味をしっかりわかって喋ることが重要です。何度も喋る復習をしておきましょう。その上でメロディーを乗せていきましょう。その際細かなところでうっかり間違いそうな音(音程)が出てきたりしますので、注意して練習しておいてください。

ゆっくり何度も練習して声を合わせていくうちに、だんだん形がクリアになり響きが整ってくるのが感じられましたね。この感覚をぜひ忘れないようにしてください。

全体としての響きが感じられるようになったところで、今度は固有文唱です。固有文唱は通常文唱に比べて一般的にメロディックで複雑なものが多いです。そこで、ネウマをしっかり感じながら流れを考えていくことが重要です。しかし、そこに囚われすぎてせっかく共有できた響きの一体感を忘れてしまわないようにすることもとても大切です。

入祭唱はキリエと同じ第1旋法で、基本はレとラですが、途中ドに行ったり、ファに行ったりします。そのときの音のイメージ・響き(色)の違いをしっかり感じましょう。またフレーズの終わりで最後の音の2度上から降りてくるパターンが多くありますが、そのときに2度をしっかりとって、空間をあけた所に最後の音を着地させてあげましょう。個々のネウマや動きについては前回先生からの説明がありましたので、今回重点的にやった“流れを止めない”ということ結び付けて、復習しておいてください。

昇階唱はさらに音が複雑で、メリスマもたくさんあります。またこの曲では、すぐにミにbが付き、全体的に一音下がったような響きになったりして難しいですが、今までやってきた流れを止めないということと、重要な音のまわりを動いているということを意識して、あとはネウマをたよりに歌っていきましょう。特にVersusに関してはもともとソリスティックな部分なので、みんなで音を揃えていくというよりは、1人の人のインスピレーションによって、比較的自由に音が動いていきます。出来るだけ四角い音符を追わないで、ネウマの動き・形を見ながら音の動きをイメージすることが大切です。しかし、そのためにはまず音がきちんとわかっていないと歌えませんので、しっかり確認した上で、また最初に戻りますが、一つ一つの発音などにも注意を向けながら、歌っていきましょう。

技術的にもたくさんのことが必要とされますし、すぐに身につくものでもありませんので、少しずつ各自で積み上げていくことがとても大切です。しかしその上で、講座でみんなで声を合わせていけば、とても素晴らしい体験になると思いますので、ぜひ各自でしっかり予習・復習をして次回に臨んで下さい。

(N.Y.)






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by fonsfloris-k | 2015-06-06 13:00 | 講座レポート
6月6日 古ネウマ研究(東京)

古ネウマ研究 第2回


【総括】

・今日はアシスタント回でした。

・前回内容 (1. Virga から 5. Porrectus ) の復習。復習の中では捕捉を適宜行いました。そして今日は 6. Torculus を新たに学びました。

・捕捉資料として、アシスタント作成の「指示文字表」を配りました。ザンクト・ガレンとランの指示文字についてまとめてある資料です。


【前半】―前回内容の復習 ― (捕捉事項を中心に書いていきます!)

1. Virga、2. Tractulus, Punctum

・前者は高い1音、後者は低い1音を表すが、音程関係は「相対的」なもの。

・単独のプンクトゥムはザンクト・ガレン359写本 (通称:カンタトリウム Cantatorium, 922-925年頃成立) にのみ使われているネウマ。他の写本で、「指示文字 c (celeriter) 付きのトラクトゥルス」を見たら、単独のプンクトゥムと同じ表現と思って良い。(※ただし、カンタトリウムでも、単独のプンクトゥムを使っている部分と、指示文字c付きのトラクトゥルスを使っている部分があります。)


3. Clivis

・通常の形 (エピゼマなどが付いていない) の場合、軽く歌う。

・エピゼマは両方の音に付く場合と、第2音目にのみ付く場合があるので注意。


4. Pes

・クリヴィスと同様、通常の形では軽く歌う。

・四角いペス pes quadratus は両音をしっかり歌う。重要な言葉、アクセントの音節に用いられる場合がある。なお、通常の形のペスはpes rotundus (丸いペス) とも呼ばれる。


~休憩~

・指示文字表配布。


【後半】―5. Porrectus の復習と 6. Torculus―

5. Porrectus

・ポレクトゥスは「高-低-高」の場合と「高-低-低」の場合。なぜ?

➢ポレクトゥスと「クリヴィス+ストローファ stropha」

→全く同じ旋律がポレクトゥスで書かれている場合と、「クリヴィス+ストローファ」で書かれている場合がある (例えば 42,6 と39,1 の比較)。ストローファは前の音と同じ音を繰り返すときに使われるため、「クリヴィス+ストローファ」は第2音目と第3音目が同度であり、旋律の形は「高-低-低」となる。全く同じ旋律がポレクトゥスで書かれている場合があるが、この場合も第2音目と第3音目は同度になり、「高-低-低」となる。

➢「モンペリエ大学医学部図書館 H. 159写本」の例

→「モンペリエ大学医学部図書館 H. 159写本」は、1031年までには成立していたとされる、フランスのグレゴリオ聖歌写本 (ミサ用の聖歌集)。他の写本には見られないとても珍しい特徴として、音高の分からない古ネウマに加え、旋律の音高を示した文字譜 (アルファベット。現代で言うところの、C, D, E, F,…のようなもの) が一緒に書かれている!つまり、アルファベットで音高を確認しつつ、古ネウマがどのような旋律形を表しているのかを探ることが可能な資料!!

→ポレクトゥスについて、アルファベットによる音高を見てみると、「l-k-l (レ-ド-レの意)」の場合と、「l-k-k (レ-ド-ドの意)」の場合とがある。つまり、ポレクトゥスは「高-低-高」の場合と「高-低-低」の場合と両方に使われている。


6. Torculus

・「低-高-低」という旋律の動きを表す。

・3音ともゆっくり歌う場合は、「縦置き」になる。特にカデンツで使われることが多いが、274,1 ではカデンツ以外に使われている例。

・第1音を強調する場合には、「ヴィルガ+クリヴィス」あるいは「トラクトゥルス+クリヴィス」と記譜。(451,5)

○「特殊トルクルス」について

→・第1音目を軽く、第2,3音目を強調するトルクルス。

 ・他の写本、あるいは四角符においては、特殊トルクルスの第1音が欠落していることがある!重要な音ではないことを示唆?(673,7、189, 6)

 ・特殊トルクルスの形状は3種類で、①通常のトルクルスの左上にc (celeriter)、右上に t (tenete) が付いたもの (98,4)、②通常のトルクルスの右側が引き伸ばされたもの (457,5。t が付いていることもあり)、③通常のトルクルスの右側が角ばっているもの (196,1)。


【次回 (7/4)】

・トルクルスの復習をしてから次に進みます。

・新たに7. Climax, 8. Scandicus, 9. Porrectus flexus を学ぶ予定です。

・聖歌の中で実践できるよう、これまでに学んだネウマの復習もしておきましょう!


(K.W.)











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by fonsfloris-k | 2015-06-06 10:00 | 講座レポート