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7月25日 グレゴリオ聖歌入門 第4回
第4回 (アシスタント回)

前半【Viatimae paschali laudes の復習とアンティフォナ Laeva ejus】

◎Viatimae paschali laudes (pp. 8-9)

  • まず一通り歌った後、歌詞を読みました。
  • 楽譜の区分線は、歌詞の意味の切れ目とよく対応しています。(日本語訳の「、」のときには小区分線、「。」のときには中区分線や複縦線というように)
  • 第一旋法の響きを確認しました。ハミングでフィナリス(=レ)とドミナント(=ラ)の響きを共有しました。曲の中では、この2つの音を柱として、その周りを旋律が漂うようなイメージで歌うと良いでしょう。
  • 「常にハモっている感覚」
    →2つのグループに分かれ、片方のグループがハミングでフィナリスやドミナントの響きを作り、もう片方のグループがその響きと「常にハモっている感覚」で旋律を歌う、ということをやりました。グレゴリオ聖歌はユニゾンの音楽ですが、歌う際には自分自身の心の中で「フィナリスやドミナントを想像」して、その想像上の響きと「常にハモっている感覚」で歌うと、より美しく歌えるのではないかと思います。この感覚の効果でしょうか、皆さんと良い響きを共有できた気がしました。音程が跳んだり高くなったりするときに、ハモる感覚が失われやすいので気を付けましょう。

◎アンティフォナ Laeva ejus (p.10)

  • テキストのp.9まではミサで歌われる聖歌でしたが、p.10からは聖務日課で歌われる聖歌となります。
  • 聖務日課はミサとは異なる典礼で、一日をいくつかの時間区分に分け、その決まった時刻に行われる祈りです。中世では一日に8回行われていました(p.10参照)。その中で今回は「晩課」と呼ばれる、夕方の聖歌日課で歌われる聖歌、さらに言うと、特に聖母を記念した晩課(聖母の晩課)で歌われる聖歌を学びます。
  • 聖務日課の重要な要素は、「詩篇を唱えること」です。詩篇は旧約聖書の祈りの言葉で、全部で150篇あります。中世においては、一週間の聖務日課で150篇全てを唱えました。
  • 詩篇はメロディーというか、比較的単純な節を付けて唱えます。そして、詩篇の前後には、「アンティフォナ」と呼ばれる短めのグレゴリオ聖歌が歌われます。p.10 の下にある楽譜は、「聖母の晩課」の中で歌われるアンティフォナ Laeva ejus です。
  • 「アンティフォナー詩篇ーアンティフォナ」というセット
    →アンティフォナ Laeva ejus を歌うとそのまま、p.11にある詩篇(Dixit Dominus…)に続きます。そして、この詩篇を第10節(…saecula saeculorum. Amen.)まで唱え、唱え終わると、p.10 のアンティフォナ Laeva ejus に戻り、もう一度このアンティフォナを歌います。したがって、「アンティフォナー詩篇ーアンティフォナ」というのが一連のセットになります。晩課においては、このセットを4セットないし5セット行います。
  • 休憩前に、このアンティフォナを歌いました。第4旋法で、フィナリスは「ミ」、ドミナントは「ラ」となります。この2つの響きをハミングで共有し、旋律を歌いました。"et dextera" のところで音が4度飛びますが、降りた音が「ガツン」となりがちです。降りた音も常にハモっている感覚で歌うと良いでしょう。
  • 楽譜の2段目にある"T.P."というのは、"Tempore paschalis" の略で「復活節」の意味です。復活節の時期には、ここにある「アレルヤ」も一緒に歌われます。
  • また、楽譜のアレルヤのあとにある"E u o u a e"ですが、これは歌うところではありません。これは、p.11にある詩篇の最後の部分、"saeculorum. Amen."の母音のみを取り出したものなのです。なぜそんなものが必要なのかというと、"E u o u a e"に付された旋律が、詩篇を唱えるときのメロディーの付け方を教えてくれるからなのです。詩篇の唱え方にはいくつかの方法があるのですが、このようにアンティフォナの最後に"E u o u a e"で示すことによって、どんな節回しで詩篇を唱えれば良いか分かるわけです。

~休憩~
後半【詩篇唱】

  • 既に書きましたが、詩篇とは旧約聖書の祈りの言葉です。唱える際にメロディーが付きますが、それは歌というよりもまさにお唱えです。
  • まず1節から10節まで歌詞を読みました。各節はアスタリスク(*)によって前半後半に分かれています。詩篇をよどみなく唱えるには、とにかく言葉がするすると読めることが肝心です。
  • 各節とも、文字がイタリックになっているところや太字のところがありますが、そこで唱えるときのメロディーが動きます。動き方については、上の楽譜が示しています。
  • 唱え方ですが、楽譜の黒い音符を原則歌います。白い音符がありますが、これはここに音節がある場合に歌います。つまりここでは、3音節(Fi-li-oなど)の場合には白い音符を歌うということになります。
  • 詩篇を唱えるポイントとして、歌いだしはチョロチョロと優しく始め、太字のところに向かって流すようにすると良いです。また、アスタリスク(*)の部分ですぐにブレスを吸わないようにしましょう。少しだけ無音の時間を作り、それからブレスを吸い、節の後半を唱えます。

【次回】

  • 次回は最終回となります!
  • 今回学んだ詩篇唱は、次回も復習すると思いますが、特に言葉に慣れる必要があります。個人的に、するすると言葉が出るように練習すると良いと思います。また、p.13のマニフィカトも詩篇唱と同様のスタイルの聖歌ですので、こちらも予習として言葉を見ておくと良いでしょう。
  • テキストの残りの部分(pp.12-15)も聖務日課で歌われる聖歌です。今回に引き続き、最終回の次回も聖務日課の聖歌を学んでいきましょう!


(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2015-07-25 13:00 | 講座レポート
7月19日 パリ・ノートルダム楽派の音楽(東京)
三声のBenedicamus Dominoを中心に練習しました。
低めの音を力まずきちんとならせるようエクササイズもしました。
高い音も低い音も基本的にはコンパクトに省エネで歌いますが、どの音のときにもいちいち微調整をしてバランスをとっていくことが必要です。
一つの位置に固定しない。常に動いていることに慣れていくということを言われました。

オルガヌムのBenedicamus Dominoも少し練習しました。(A4の楽譜で下にモンペリエ写本とあります)
オルガヌムを歌うにあたって、リズムモードとリガトゥーラの関係についての説明がありましたが、最初のうちは理屈で考えるよりも、とにかくメロディーごと覚えてしまいましょうとのことでした。

発表会ではこの2曲を演奏するとの事。
今のところ、コンドゥクトゥスの長大なBenedicamus Dominoを歌った後、続けてオルガヌムの方をDeo gratiasで歌う予定です。
(Benedicamus DominoとDeo gratiasは対になっていて、本来は同じメロディーで呼応するものなので)

三声のBenedicamus Dominoは2ページ目の一番下の段まで進みました。

1音ずつ音を刻まない事、音を止めずに流れるように歌うようにと何度も先生は言われていました。

歌うパートも決まりましたので音程や言葉を復習して慣れる事。

そうすれば4度や5度の音程を感じて歌う事ができるようになると思います。

なかなかたくさん進めませんし、響きがあってくるのにもまだまだ時間がかかりますが、少しずつみんなで感覚を共有できるように努力して
いきましょう。ということでした。そのためにも自分で出来ることはしっかり予習・復習しましょう。

次回も両方の続きを進んでいきます。

(TT)
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by fonsfloris-k | 2015-07-19 14:00 | 講座レポート
7月18日 聖母のモテット(東京)
【ビュノワのシャンソン】

  • 前回しっかり練習しただけあって、かなり慣れてきた感じがありました。間違いが少なくなってきましたね。
  • ソプラノの高いところが少し高くなりすぎてしまう傾向があるようです。ファは低く、ミは高くとります。ファは意識的に低めに、またミも高すぎないように気を付けましょう。
  • 音は取れてきて、間違いが少なくなってきたので、歌い方をフランス風に出来るように注意したほうがいいと思います。大事な音はしっかり歌いますが、そうでない音はもっと抜くような感じで歌いましょう。特にセクションの終わりの音は気を遣って丁寧に歌いましょう。
  • 第二部(B部分)は、合流記号と前回お伝えしたスィーニュムの部分で、一回目は終わるそうです。A-B-B-Aの形式で、二回目のBは最後までいって、そのあとAを繰り返します。


【ムトンのモテット】

  • 後半の楽譜を配布しました。同じように定旋律+4声の5声です。アルトは前半と後半で、定旋律のチームとコントラテノールとを入れ替えます。
    ・曲の構造を理解するためには、定旋律を手掛かりにするのが早いです。定旋律のどの部分にどのような対旋律がつけてあるかというところから理解を深めていきましょう。
    ・最後の音はロンガですが、最後の場合は4拍というわけではなく、「長い」という意味ですので、終わるまでとにかく伸ばしておいてください。
  • コントラテノールは低くなる傾向があるようです。ミとラを高くとるように心がけましょう。上行もですが、下行するときもミとラは高めにとりましょう。
  • 3枚目、スペリウスの5個目の音はナチュラル、コントラの6個目の音もナチュラルになりました。
  • 7番の前、バスの二つのミニマはフラットになりました。六度からオクターブに解決するとき、あるいは三度から一度に解決するときはどちらかを半音にするという規則があるからです。
  • 5度とオクターブを純正にきめる感覚を身につけましょう。何にも考えなくても5度とオクターブが出てきたら勝手にその音にピタッとハマるようになるといいですね。
  • 定旋律は、いまのところ他のパートと同じ歌詞を歌うことにしていますが、シャンソンの歌詞をそのままフランス語で歌うという可能性もあります。15世紀にはまだそういった、声部によって違う歌詞を歌う習慣が残っていました。
  • 各パートごとに、歌詞をつけかたを確認しました。あまり馴染みのない書体で書かれていますので、歌詞対訳と見比べながら確認しましょう。この時期vとuの区別がなく、現代ではvと表記するところもuで書かれています。例えばciuitatemは、現代ではcivitatemと表記します。またsがfみたいな形をしているのも慣れるまでは難しいかもしれません。


次回は歌詞をつけて合わせて歌うと思います。また新しく配布された楽譜も予習しておいてください。

G.S.
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by fonsfloris-k | 2015-07-18 15:45 | 講座レポート
7月18日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第3回

配布プリント 1枚(A4) Tractus(詠唱)現代版

今回はTractus(詠唱)を学びました。
前回に写本に残る楽譜を渡しましたが、写本版は全節揃っていないこともあり今回現代版が配布されました。

まず、テキストを音読して、聖書の訳を確認し比べました。
興味深い点:イザヤ書(旧約)の中のEmanuelが、ルカによる福音書ではJesum
Christumになる(→預言の成就)がこのグレゴリオ聖歌のテキストではEmanuelのままになっている。
Tractus(詠唱)は悔い改めの季節(四旬節・待降節)にAlleluiaの代わりに歌われ、普通は詩編の中から
取られているが、このTractusは福音書のテキスト。

次にTractus(グレゴリオ聖歌)を歌っていきながら、メロディーや構造の特徴を学びました。
・Tractusには定型のパターンがたくさん登場する。(Ex. Maria- in mulieribus- filium … etc.)
・各節の終わりのフレーズも全てほぼ同じ(最後がレミミレで1・3・4節パターンと2・5節パターンがある。最終節のみ違う。)
・全体的には第2旋法で レ-ファ が中心だが、ところどころ第1旋法のように レ-ラ になっている(Ex. Ecce concipies
~-Quomodo in quit~-non
cognosco-Spiritus Sanctus etc.)これらはテキストと関係していて、セリフの中の特に重要な言葉などについていて、
ただ単に定型パターンの組み合わせということではなく、手がこんでいる。

そして、Isaacのポリフォニー版(パート譜)に取りかかりました。
・イザークはTractus全ての節をポリフォニーにしている。(⇔Sequentia続唱は、2節ずつ同じ旋律を繰り返しているので、
グレゴリオ聖歌とポリフォニーを交互に歌う形。)
・印刷譜は今回渡したようにパート譜の形になっていて、当時演奏する際は、これを基にクワイヤブックに書き直して使用していた。
・全ての節が色々な組み合わせで作曲されている(cf. Superiusの始めを読むと Ave Maria&Benedicta
tacentと書かれている→お休み。また4節QuomodoのところにはDUO. →二重唱と書かれている。)

Sup: 3・4・5・6節  Tenor: 1・2・3・5・6節  Ct: 2・3・4・5・6節  Buss: 1・2・3・5・6節  
全声部で歌うのは3・5・6節だが、これらの節の中にも2声や3声の部分あり。

全員でやる3節から歌いました。
Ct/Sup
1ブレビスずれ4度上で模倣しDuoの後、今度はB/Tが同じように1ブレビス・4度ずれで加わる。
1声ずつ確認した後4声で合わせて歌った。

次に6節。
今度はT/Ctのデュエットから始まり、練習番号14からバスも加わる。そしてその途中から音符がコロルになり、分割の仕方が2→3へと変わる。
Supが入ってくる練習番号15からは全ての声部のメンスーラ記号が違い、T/B:ミニマとSup:セミブレビスとCt:ブレビスの長さが同じになる。
そして練習番号14途中からのコロルにより3分割になっているテンポをSupがそのまま受け継ぐ。
つまり、練習番号15までのコロルのセミブレビスの長さ=Sup:セミブレビス/Ct:ブレビス/T・B:ミニマとなる。
見た目には全然違う速さに見えるが、練習番号15から、それぞれの基準となる音符18個分+ロンガですべてのパートは終了する。

*↑は、分かってしまえばそれほど難しくはありませんが、見た目でびっくりして迷子にならないように、しっかり復習して、歌って覚えてしまいましょう。

最後に第2節の解説がありました。
Tenorのパート譜に、Alt in diapente とあり、ファの位置にセミブレビス休符とクストスが書かれている。(CTの楽譜にも、Tenor in diapente とあり。)
Ctの楽譜は、第2節がドから始まっているので、これは、Ctの五度下から一拍遅れてカノンにするという意味。
第2節はCt/Tのカノン+Bの3声の曲になります。

ここで時間切れとなりましたので、実際歌うことは出来ませんでした。

8月・9月は2回続けてアシスタント講座となります。
Tractusの残りの節を進むとともに、これまでの復習もしていきましょう。各自の予習・復習も忘れずに!

尚、次回8月29日の講座は会場が、八雲住区センターとなります。間違えずに「都立大学」で下車してください。

N.Y.
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by fonsfloris-k | 2015-07-18 13:00 | 講座レポート
7月11日 総合講座 グレゴリオ聖歌とルネサンス音楽を歌う(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
「総合講座 グレゴリオ聖歌とルネサンス音楽を歌う」
受講:16名(S8、A5、T1、B2)

内容
<1>Tractus: Ave Maria(グレゴリオ聖歌)
  • Tractus(詠唱)はAlleluia(アレルヤ唱)が歌われない季節(四旬節)にAlleluiaの代わりに歌われる。マリアのお告げの祝日は四旬節にあたることが多いので、これもTractusになっている。Tractusは通常第2旋法か第8旋法が多く、また、悔い改めの言葉を延々唱えるために定型メロディーが続くものが多い。
  • Tractusは詩編が多いけれど、このAve Mariaはこの日に読む福音書が使われている。
  • へ音記号。
  • 歌詞のつけかたが変わっている。たとえば、Dominus、benedictusなどの最後のsやfilliumなどの最後のmがそれぞれ実際に発音される箇所に書かれており、これではその前のuの発音をどうするかわかりにくい。もしかすると、この写本ではフランス風には歌っていなかったかもしれない。が、講座ではイザークに合わせてフランス風に発音します。
    <2>Isaac, Ave Maria
  • tenorの2節に書いてあるBenedicta tu in Alto in diapente.は、Benedicta tuはあるとの5度下を歌う、の意味。
  • contraの練習番号14のsanctumの最後の音は黒いminimaでなくて白いminima。
  • 6節の練習番号14後半のcolor:それまでsemibrevisにminimaが2つ入っていたのがminimaが3つになる。
  • contraの練習番号15の最初の音は黒いlongaでなくて白いlonga。
  • 6節の練習番号15以降Filius Deiは4パートに3種類のメンスーラ記号が書いてある(もしかして、三位一体を表す?)。テンポリレーションは次の通り。superiusはそれまでのsemibrevisとsemibrevisが同じ。superiusのsemibrevis=tenorのminima=bassusのminima=contraのbrevis。

    (N.I.)
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  • by fonsfloris-k | 2015-07-11 13:30 | 講座レポート
    7月4日 15世紀のミサ(東京)
    Missa Ecce ancilla Domini 第3回

    今回も、DufayのKyrie。前回までのKyrie I ・ Christe の復習と、Kyrie II を学んでいきました。

    まずは定旋律の元歌のグレゴリオ聖歌から、もう一度歌詞の発音の確認。
    フランス風の読みで、つながり流れていくことがとても重要。それが、ポリフォニーの旋律の流れにもなるので、よく感じで歌う。
    Dufayの曲で学んで欲しいこと・目標・目的は、この流れと旋法を感じて歌い表現することにつきる。忘れないこと。

    ・出だしは吸うような感じで、のどでならさないように!
    ・a などが奥に入る人が多い。レーザービームを前に出すように、常に前を意識する。
    ・一語一語分けて読まずに、語尾の音と次の語頭の音を繋げていく。リエゾンもたくさんあるので注意。

    Kyrie I

    細かい歌い方などについて注意しながら1パートごとに練習。

    S:音の立ち上がりをはっきり、そのあとは一筆書きで。(グレゴリオ聖歌で練習したことを応用する。)
    高い音はひっくり返す。 ミニマ休符のあとは遅れないように。 短い音から長いほうへ(ワフン・ターティヤン・ビヨーンなどのように動きを捉える)
    ie の発音に気をつけること(広くならない・前で発音)。 
    Christeのブレビス一拍の感覚に慣れること。セミブレビス休みを急がないように。
    練習番号9前後の動きについて、リガトゥーラ毎の動きを感じつつ、さらにそれらのリガトゥーラを繋げながら流れていく。


    Ct:練習番号5の出だし、Spから始まるが、その次のCtの音がSpの動きのきっかけ(付点部分)を作る。お互いが影響しあって流れていく。
    その後Kyrieのeのドのブレビスの後の休符はほぼブレスだと思って、次にむかっていく。フォーブルドンを落ち着いて確認しながら歌うこと。
    長いフレーズが続く時、みんなで同時に一斉にブレスして切らないこと。 カデンツの場所(ex.練習番号7の前)、最終音のひとつ前の音を
    しっかり、そして最後の音へとむかって。
    リガトゥーラの特にペスの形の時(2音上行)下から上へエネルギーを感じて。ネウマの動きを意識すること。


    B:練習番号1~2の間の3音のリガトゥーラをしっかり意識して、一つの流れでのびる感じ(ビヨ~ン)。2つ目のleisonのところの4度のジャンプを事前にしっかり意識して準備しておく。
    ミニマ2つからブレビスなどへいく形、短→長へのエネルギーを感じて。
    Christe練習番号7のところ、steの位置リガトゥーラの2つ目の音に入れること。
    全体に倍音が出る音を歌うこと。特に長い音のびる音で響きが止まったり中に入ったりしないように。(eは開かない)
    音の変わり目はとても重要、流れやエネルギーを感じ、表現できるように。


    T:定旋律、元のグレゴリオ聖歌の流れを忘れないように。引き伸ばされているところ、特にコロルの部分などは細かく感じておくことが重要。
    他のパートと違うテキスト、それが分かるように。骨になること。



    以上のようなことを意識しつつ、全てのパートを丁寧に見たあと、あわせました。
    その後、第2Kyrieを歌詞をつけて1回ずつさらい、全員であわせてみました。

    こういう音楽は、何か1つあやふやなところがあると崩れて行方不明になり、白くなってしまいます。
    だからといって、指揮者で合わせるのではなく、各自がお互いの音を聴き反応していくことが重要です。
    そのために、自分のパートだけでなく全てのパートをしっかり聴き、覚えて、動きに反応できるようになりましょう。
    細かな部分での模倣などもしっかりお互いに感じ合うこと、きっかけを与えあうこと、倍音豊かな声で、お互いの音程関係に耳を傾けられるように。
    最初に書いたように、流れと旋法を感じて、それを表現できることが目標です。口で言うほど簡単なことではありませんので、各自自分で出来ることはしっかり予習・復習をして講座に臨みましょう。

    次回とその次の2回はアシスタント講座です。Kyrieの復習とできればGloriaへと進みたいと思いますが、曲を進むことより上に書いたような音楽を互いに共有できるようになることに重きをおいていきたいと思います。

    (N.Y.)
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    by fonsfloris-k | 2015-07-04 15:45 | 講座レポート
    7月4日 さまざまな聖歌をうたう(東京)
    さまざまな聖歌をうたう グレゴリオ聖歌 第3回

    配布資料:Ave Maria 詠唱と奉納唱の楽譜(p7.8) A3一枚

    ミサ全体の流れをもう一度確認して、Introitusから歌っていきました。

    入祭唱 Introitus Rorate caeli

    *固有唱の中で、入祭唱は1曲1曲が“きちんと”作られている、音楽の構造として練られている傾向がある。
    それに対してGraduale(昇階唱)はより即興的な動きを持つものが多い。Offertorium(奉納唱)は分析が一番難しい。

    ネウマの歌い方について 
    ・点々が見えたら(Ex. justum / terra ザンクトガレン系・下の方のネウマ)軽く歌う。
    ・丸みのあるふにゃとっとした感じのネウマのとき(Ex. nubes / pluant)流れを大事に歌う。
    ⇔直線的なもの(Ex. germinet)各音をゆったり、しっかり目に歌う。

    全体的に、さらっと流れていく部分と、しっかりゆったりする部分を、ネウマや旋法(重要な音)・言葉などをチェックしながら確認し、
    構造を理解して歌っていきましょう。

    Kyrie・Gloria(通常唱)

    両方を交唱形式で復習しながら歌いました。
    全体としての注意点は、“ミを高く、ファは低めに” “旋法を考えて歌う”です。
    Kyrieは第1旋法(Finalis:レ) Gloriaは第8旋法(Finalis:ソ)。
    2つの旋法からくる雰囲気の違いをしっかり感じましょう。
    細かいところでうっかり間違いやすい音があったりしますので、しっかり確認しておきましょう。

    昇階唱 Graduale Diffusa est

    昇階唱は聖歌の中で最も難しい部類の曲。メリスマ・反復(声の装飾・動き)が多いが、口先をしっかり使って響きを保ちつつ言葉を繋げ、流れを止めない・停滞しないことがとても重要。

    ・ labiis tuis ― 点々+C(eleriter) に注意する。頑張らず軽く流れていく。全部がべったりしてしまわないように!
    ( )内の小区分線にとらわれず一息でつなげていくイメージで。
    ・ propterea ― 今度は T(enete)やX(expectare) に注意。このパートはゆったりめになる。
    ・benedixit te Deus ― 上と同じように、benedixit te(あなたは祝福された)の部分はゆったり(Tenete)、Deusの部分はさらっと(Celeriter)というように、リズム(速さ)の違い/対比を感じること。

    ヴェルススの部分はさらに長いメリスマがあるが、1つ1つの音にとらわれすぎて停滞しないように、特に一番長いメリスマ部分(mansuetudinemのnem)のExpectareは前の音をゆっくり待つが、しかしそれを次へむかうエネルギーにして、前へ前へと進むように、遅くならずむしろaccel. するくらいの気持ちで。
    またmirabiliterのbiの部分では、エピゼマの付いている部分と点々やCの流れる部分、重・軽・重・軽~が交互に現れる対比をしっかり理解すること。

    全体的に全音を広く取ること、特に最後のフレーズの最後が息がなくなってきてフラット気味になるので注意しましょう。

    詠唱 Tractus Audifilia

    詠唱はアレルヤ唱の代わりに歌われ、1曲が非常に長い。定型フレーズが何度も登場し、たくさんの言葉を語り瞑想的なものになっている。
    (→華やかさを避ける季節に歌われることとも関係している。)
    2つのグループに分けて交互に歌う。

    ・定型(aurem tuamのtuamの部分とconcupivit)を探しつつ、1節ずつ確認して歌った。
    ・tuamの部分の点々に注意。軽く・繋いでいく感じ。重くならないように。
    ・concupivit の vit のところクィリスマは、この次の音に向かうという方向性を示している、目的地はファ(ソではない)。
    ・divitesのdi のネウマは、2つ目の音から3つ目の音へのびる感じで。
    ・in honore tuo 角ばったネウマはゆったりと歌う。
    ・ejus ヘアピンのようなネウマは、半母音や有声子音の場所に現れる。この場合はj の半母音に付けられていて、次への繋がりを強くいている。
    全体として、第2旋法 レ-ファ をよく感じて歌いましょう。ピタゴラス音律では短3度は狭いです(⇔長3度は広い)。ミを高く取る癖をつけて下さい。
    重要な音、目的地を感じながら、あとはつないでいく、流れていく感じを忘れないようにしましょう。
    たくさんの言葉出てきます。言葉の意味や発音などもしっかり確認しましょう。


    もうひとつの写本のTractusも参考のため歌いました。
    これは、Heinrich Isaacが作曲したCoralis Constantinusのなかに収められているこの日のTractusのポリフォニーの元歌です。
    当時の写本の楽譜はすでに(古)ネウマはありません。この曲も第2旋法で、歌詞は6ページ目の福音書のテキストそのままです。
    とりあえず一通り歌ってみましたが、これはあくまでも参考です。

    次の2回はアシスタント講座です。ミサの残りの曲へ進むと同時に今までの曲の復習もしていきます。
    たくさん曲がありますので、各自しっかり予習・復習してきて下さい。講座の中ではミサの流れや歌い方について集中できるように。
    この講座では1つ1つのネウマについては詳しく学びませんが、ネウマの形や指示文字などにも注意しつつ、
    旋法を感じてうまく流れをつかんで歌えるように練習していきましょう。

    (N.Y.)
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    by fonsfloris-k | 2015-07-04 13:00 | 講座レポート
    7月4日 古ネウマ研究(東京)
    第3回

    【総括】
    ・今日は久々の哲郎先生の回でした。
    ・6. Torculusを復習し、新たに 7. Climax、8. Scandicus を学びました。

    【前半】―6. Torculus の復習と7. Climax
    6. Torculus (トルクルス)
    ・トルクルスはペス (4. Pes) とクリヴィス (3. Clivis) が組み合わさった形と思って良い。
    ・ペスには第2音目に向かう動きがあるが、トルクルスでもその動きは反映され、第1音目から第2音目へと向かう。
    ・前回 (6/6のアシスタント回) で解説した「特殊トルクルス」(第1音目が非常に軽く、第2・3音目が重くなるトルクルス) は、概念としては既に使われなくなっている。なぜなら、第1音目より第2音目の方に力点が置かれることはトルクルスの自然な動きであり、特殊なことではないから。
    →現在では「initio debilis (イニツィオ・デビリス)」(日本語では「始部希薄 (しぶきはく)」) という言われ方が一般的。
    ・トルクルスのよく登場する聖歌 : “Gaudeamus omnes in Domino” (GT 545-546)
    →・おとめ殉教者聖アガタの記念日のミサの入祭唱。歌詞の「Agathae martyris」と「passione」の部分を変えることによって、他の記念日にも歌われる聖歌。(GT 591には8月15日の聖母被昇天のミサで歌われるバージョンが載っている)
     ・冒頭の「omnes」にあてがわれたトルクルスは「initio debilis」(始部希薄) のトルクルス。四角符ではトルクルスの第1音が欠落している。(ランのネウマは流れないクリヴィスを示している)

    7. Climax (クリマクス)
    ・3音の下行形を表すネウマ。
    ・基本形は「ヴィルガ+プンクトゥム+プンクトゥム」。3音とも軽い。194,4「mo-ri-ar」
    ・3音目が低い場合には、第3音のプンクトゥムが斜めの線 (gravis: グラーヴィス) になる。73,7「la-que-o」
    ・1音目のみ長くなる場合、ヴィルガにエピゼマを付加。76,1「quo-ni-am」
    ・すべての音が長くなる場合、「ヴィルガ+トラクトゥルス+トラクトゥルス」と記譜。294,7「est」、197,4「bo-nus」
    ・第3音のみ長くなる場合、「ヴィルガ+プンクトゥム+トラクトゥルス」と記譜。148,4「il-lum」

    ※第1音目のヴィルガの音価は、第2音目が「プンクトゥム」の場合には「短く」、「トラクトゥルス」の場合には「長く」なる。
    →つまり、始めのヴィルガの音価は第2音のネウマによって決まる。
    (※ヴィルガにエピゼマが付加されているときは話は別で、第2音目のネウマに関係なく長い。)

    ・第2音目・第3音目のみ長い場合には、「クリヴィス (第2音目にエピゼマ)+トラクトゥルス」と記譜。75,5「la-pi-dem」
    ・4音以上のクリマクスもある (拡大版)
    →・75,5「la-pi-dem」(1・2音目が長く、3・4音目が軽い4音クリマクス)
    ・(捕捉) 16,5「me」(流れない5音クリマクス)

    ~休憩~

    【後半】―8. Scandicus―
    8. Scandicus (スカンディクス)
    ・3音の上行形を表すネウマ。
    ・基本形は「プンクトゥム+プンクトゥム+ヴィルガ」。単独で用いられることはなく、後ろにプンクトゥムを伴っている場合が多い。143,4「pro-nunti-an-tes」、143,5「ex-cel-sis」
    ・「トラクトゥルス+トラクトゥルス+ヴィルガ」の場合、流れない。601,3「in」、601,8「tri-bu-la-vit」(「ヴィルガ+ヴィルガ+ヴィルガ」の場合もある。231,3「be-ne-di-ci-te」)
    ・第1音目を強調する場合、「トラクトゥルス+ペス」635,4「vi-de-o」
    ・第2音目を強調する場合、「ペス+ヴィルガ」445,1「sta-tu-it」、281,4「fac-tus」
    ・4音以上のスカンディクスもある (拡大版)
    →・352,6「ad-iu-tor」(最後の音に向かう5音スカンディクス)
    ・285,2「Do-mi-no」(流れない4音スカンディクス)
    ・47,7「im-pe-ri-um」(後ろの2音のみが流れない4音スカンディクス)

    【次回 (8/8)】
    ・次回はアシスタント回です!
    ・クリマクスとスカンディクスについて復習し、その後「4音以上を含むネウマ」(9. Porrectus flexus、10. Pes subpunctisなど) に進みます!
    ・今回学んだクリマクスとスカンディクスには基本形以外の種類がたくさんあり、それぞれ意味が異なるので、上記の具体例を参照しながら一つ一つ押さえておきましょう!

    (K.W.)
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    by fonsfloris-k | 2015-07-04 10:00 | 講座レポート