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8月30日 パリ・ノートルダム楽派の音楽(東京)
■予備練習
ハミング「n」を出しやすいピッチから始めて、遠くの方へ投げるような感じでピッチを下げていく。落ちていくイメージだが、加速はしないようにする。
低いところまで行ったら、来たときと同じ道を通って元のピッチまで戻ってくる。
次に、"Benedicamus"を非常にゆっくりと、"Beee-neee-diiii-caaa-myyyyys"
のような感じで発音してみて、息の流れや体の使われ方がどうなっているかを確認した。
スローモーションのようにしてやってみることで、子音から母音へ、母音から子音へ変化するときの動きが「かたまり」ではなくて連続的な曲線のようであることがわかった。

■歌い方のイメージについて
先生のお話で印象的だった点:
・ティッシュの箱からティッシュをすっと一枚引き抜くときの瞬間。子音を発音するときが、ちょうどそのイメージ。
・自分の耳から聞こえてくる自分の出した音をコントロールしようと思うと音が硬くなってしまう。
耳に聞こえてくる時点で遅れが発生しており、体の状態は発音したときから変化している。
だから、その状態でコントロールしようとしても、もう遅い。出した音は離してしまうという感覚でよい。
・大縄飛びのような回転運動をイメージしてみる。
たとえば、大縄跳びは回転の速さが一定では無く、早いところと遅いところがある。
ちょうど地面に近づいたところで加速する。そこの加速の勢いに乗せて息を送っていく感じ。

■Beatis nos adhibe/Benedicamus Domino
予備練習でやったことを思い起こし、一つの流れの中で歌うようにする。
・テノールの周りをくるくると回っている感じで。
・テノールが何の母音を歌っているかは常に意識する。
・フレーズの終わりで全パートの母音がそろうことも忘れず意識する。
・デュプルムが「ミ」の音を歌うとき、低いことがあるので注意。他のパートの「ソ」の音に引っ張られて純正の「ミ」にしようとする傾向があるとのこと。
この時代の「ミ」は不協和音だったことを思い出し、低くならないよう心がける。

■まとめ
今回は「Benedicamus」 のみ。2枚目右ページの2段目「~In summo cenobio,」まで歌詞付きで歌った。


~講師より一言~
次回はぜひ最後までさらって、曲を通せるようになりましょう。
また、3声のオルガヌムの方もやるつもりですので、そちらも眺めておいてください。
自分のできる範囲で構いませんので、しっかり予習・復習をして講座に臨んでください。

(TO)
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by fonsfloris-k | 2015-08-30 14:00 | 講座レポート
8月29日 ミサ固有唱(東京)
ミサ固有唱 Heinrich Isaac 第4回

前回のTractus(詠唱)の続きと復習をしました。
今回・次回と2回アシスタント講座が続くため、復習だけでなく、まだ歌っていない節も進んでいきます。

まず、第4節目のSとCTのDuoから始めました。

先に出るCTから。始まってすぐにオクターブの跳躍や5度の下降があり、その後少しゆっくりまたは早めの動きで順次進行(下降)しつつ元の音(ソ)に戻ってきます。そこまで(練習番号8の前まで)が大きな1つの流れですが、それまでに、小さなフレーズがいくつかあります(言葉毎のフレーズ)。それぞれのフレーズがどの音に向かっているのか、行き先をよく見通して、そこまで音の流れが細切れにならないように歌っていくことが重要です。短い音から長い音へとむかう感じを大切にしましょう。

オクターブ跳躍する時やその後の5度降りるところ、そういう時に、常に響きの中から進むべき音を導き出しましょう。(別々に勝手に音を歌わない。そこにある響きの中から次に歌うべき音を感じそこへそっと音を置くようなイメージで。いつも繋がりを忘れないように。)また、セミミニマのような細かい音符の時も、キーボードを叩くように一つ一つの押さないで、常に流れを止めないように注意しましょう。特に最後の istud のフレーズはとても長いですが、細切れにならないように、終わりそうで終わらない感じをしっかり味わってください。

CTの2ブレビス後に、1オクターブ上で模倣します。最初のフレーズは全く同じメロディー・リズムです。それが分かったら、楽譜を読むのでなく、CTのそのときそのときに出す音・響きに反応して、歌い方も含めて模倣するようにしましょう。また、出だしもセミブレビス4つを数えて出るのではなく、CTのフレーズのここまで来たら歌い始めるのだという風に覚えていきましょう。出来るだけ楽譜を読むことをやめて、そのときに出ている音や響きから音を紡いでいきましょう。

ユニゾンに反応しましょう。例えば、Superiusのフレーズの最後の音(休符の前の音)の裏からCTの次のフレーズが入ります(S:QuomodoのdoとCT:fietのfi /S:fietの終わりとCT:istudの始まりの i )が、同じ音です。お互いにきちんと意識して、一瞬ですが全く同じ響きになるように、Sの音をCTが引き継ぐように、しっかり聴き歌いましょう。

以上のように、1つ1つのフレーズについて、各パート毎にまた2つ合わせた響きや音程関係について、細かく確認していきました。

練習番号8~9 Qquoniam virum non cognosco はお互い畳み掛けるように、CTの出だしの音は取りにくいのでよく練習しておいてください。またnonの音形はCT5度のジャンプに対して、Sは4度です。うっかり間違えないように。

練習番号9~は天使の応答で、今までのマリアの言葉からチェンジします。それが音にも現れていますから、しっかり自分の中でも転換しましょう。練習番号10の前でCTは先に終わりますが、Sはまだ終わっていません。お互いの流れを良く聴いて2つで1つの流れを作るように反応しあいましょう。練習番号10から最後までは、ずっとミニマ分ずれた形で追いかけていきますので、乱れやすい箇所です。お互いをしっかり聴きつつ遅れないように、テンポ感を共有しましょう。

第4節は2声とは思えないほど、豊かな響きやリズムの掛け合いが見られます。お互いに繊細に、敏感に動き合って、一つの音の流れを作りあげましょう。

次に、第5節目。今度は4声です(が、今回はBassusが居なかったので3声でした。)

CT/T/Bの3声で始まりますが、CTの早めの動きとT/Bのゆったりとした動き、お互いにその違いを提示しあい聞き合いましょう。また、T/Sの関係では、Tenorの動きをSuperiusが模倣します。しかし次のフレーズを先行するのは、今度はSuperiusの方でTenorが追いかけます。さらに進むと、練習番号12のあとはSuperiusとTenorは同時に入り終わりはユニゾンになった後、またTenor、ミニマ後にSuperiusが追いかける。この構造を覚え、耳で確認しながら歌いましょう。またお互いの音程関係も同時にしっかり聞き取りましょう。男声と女声の場合ユニゾンでも気付きにくかったりしますので、注意してください。

CTはその間に常に絡んでいきますが、その中で ソ-ファ#-ソ という音形(カデンツ)が何度も現れます。カデンツを一緒に作っている声部をよく聞き取って、どのように振舞うべきか考えながら歌いましょう。(音形が同じでも、他の声部の動きや音程によって歌い方は違ってきます。)CTはほとんど休みがなく、また細かい音や跳躍なども多いですが、そうやって骨になる声部に常に寄り添いながら、全体の色を変えていくのがCTの醍醐味です。大変ですが、楽しむためにも頑張って練習しましょう。


丁寧に確認していくうちに、少しずつ聞きながら歌う・歌いながら聞き、他の音に反応することが出来るようになり、音楽の構造が耳で捉えられるようになってきました。しかし、どのパートも取りにくい音がいくつかありましたね。各自練習しておいてください。そしてこの感覚を忘れないようにしましょう。

次回は、まだ歌っていない2節目、できれば1節目にも進んでいければと思っています。予習もぜひしてきてください。
次回はいつもどおり祐天寺です!

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-08-29 13:00 | 講座レポート
8月29日 グレゴリオ聖歌入門(東京)
2015年度グレゴリオ聖歌入門 第5回 (前期最終回)

【総括】
・5回にわたった前期グレゴリオ聖歌入門、今回が最終回でした。
・今回は聖務日課の聖歌を学びました。
→「アンティフォナ」「詩編」「マニフィカトのアンティフォナ」「マニフィカト」「賛歌:Ave maris stella (めでたし海の星)」「聖母のアンティフォナ:Regina caeli (天の元后)」
・最後に、後期への導入 (?) として「Ad te levavi」(6ページ) を歌いながら「古ネウマ」を復習しました。

【前半】「アンティフォナ」「詩編」「賛歌:Ave maris stella (めでたし海の星)」
・アンティフォナは詩編に先だって歌われる聖歌。
・アンティフォナの旋法によって、詩編の唱え方が決まる。⇔詩編の唱え方は旋法によって異なる。
・アンティフォナの最後についている「E u o u a e」は詩編唱の最後の「saeculorum. Amen.」の母音を取出したもの。全ての詩編唱には、「Gloria Patri, et Filio, et Spiritui Sancto.」と「Sicut erat in principio, et nunc, et semper, et in saecula saeculorum. Amen.」が付く。
・「賛歌:Ave maris stella (めでたし海の星)」は、聖母の晩課で歌われる賛歌。賛歌は、有節形式のグレゴリオ聖歌で、同じメロディーに異なる歌詞が「1番、2番、3番、…」と付いていくのが特徴。
・聖歌隊が二群に分かれ、各節を交互に歌うのが習慣。
・“Ave maris stella” は第1旋法の聖歌。冒頭、フィナリスの「レ」の音から始まり、“stella (星)” という言葉でオクターブ上の「レ」の音に到達するのが特徴的。
・賛歌の歌詞の各節は、4つの部分から成り、前半2つと後半2つに分けられる (“Ave maris stella” の1番で言えば、 「Ave maris stella, Dei mater alma,」が前半、「atque semper virgo, felix caeli porta.」が後半)。前半と後半との間で一呼吸置くようにする。また、前半の間、後半の間それぞれに「,」で区切れるところがあるが、そこはあまり間を空けず、むしろ旋律的にはつながるように歌う。

~休憩~

【後半】「マニフィカトのアンティフォナ」「マニフィカト」「聖母のアンティフォナ:Regina caeli (天の元后)」
・晩課においては、「賛歌」の後に「マニフィカト」が歌われる。マニフィカトは「ルカによる福音書」の中の聖母マリアの祈りをテキストにしており、新約聖書の言葉であるが、詩編に準ずるものとされ詩編唱のように唱える。⇔「詩編」は旧約聖書の言葉。
・マニフィカトの前にはアンティフォナが歌われる。このアンティフォナは特に「マニフィカトのアンティフォナ」と呼ばれ、詩編唱に先立つアンティフォナよりも長い。また、「マニフィカトのアンティフォナ」の旋法によって、マニフィカトの唱え方が変わる。
・マニフィカトの場合、詩編に比べて唱え方が装飾的。また、詩編のときには1節目と2節目以降の唱え方が異なっていたが(詩編では2節目以降全て「朗唱音」で唱え始める)、マニフィカトの場合には全ての節で1節目の唱え方が適用される。
・「聖母のアンティフォナ」は、聖務日課の中でも一日の最後の祈りである「終課」の最後に歌われる。中世においては、一日の終わりに聖母を讃える「聖母のアンティフォナ」を歌うのが慣例であった。聖母のアンティフォナには4曲あり、時期によってどれを歌うのかが決まっていた。

①「Alma redemptoris mater (慈悲深い救い主の御母)」
→待降節直前の土曜日 (11月末頃) から聖母のお清めの祝日 (2月2日) まで。
②「Ave regina caelorum (めでたし、天の元后)」
→聖母のお清めの祝日 (2月2日) から聖水曜日(復活祭直前の水曜日) まで。
③「Regina caeli (天の元后)」
→復活祭 (3月下旬~4月下旬) から聖霊降臨祭後の金曜日 (5月初旬~6月上旬) まで。
④「Salve Regina (めでたし、元后)」
聖霊降臨祭後の金曜日以降、待降節の直前まで (6月上旬から11月末頃)。

・「Regina caeli (天の元后)」は復活祭の時期に歌われる華やかな雰囲気の聖歌。これも聖歌隊が二群に分かれ、楽譜の複縦線の部分で交替する。最後の “alleluia” では、まず「*」で聖歌隊が交替し、「**」の後は全員で歌う。

【古ネウマの復習】「Ad te levavi」
・どこを軽く歌い、どこを重く歌うか、古ネウマはその情報に長けている。
・「点」で書かれたネウマは軽く。また、「c」という指示文字 (celeriter: 素早く) の付いているところも軽く歌う。
・エピゼマや「t」という指示文字 (tenere: 保つ、留まらせる) の付いているところは重く歌う。

【アシスタントよりまとめ】
5回にわたる入門講座、お疲れ様でした!グレゴリオ聖歌と一口に言っても、典礼上の機能によって様々な種類があります。今回の入門講座では、ミサ・聖務日課という異なる典礼でそれぞれ歌われる聖歌のうち、いくつかを体験しました。次から次に色んなグレゴリオ聖歌が出てきて、戸惑ってしまった方もいたかもしれませんね…(>_<)笑
ただ、グレゴリオ聖歌は典礼中の機能と不可分の関係にあります。キリエやサンクトゥスといったおなじみのミサ曲もそれ自体独立した音楽なのではなく、祈りの儀式の中で歌われるべきタイミングがあります。そういった、グレゴリオ聖歌と典礼との関係性については常に意識しておく必要があるでしょう。
グレゴリオ聖歌特有の四角譜には慣れることができたでしょうか?四角譜を見る際には、まず「ド」や「ファ」の位置がどこなのかを押さえましょう。「ハ音記号」や「へ音記号」がそれを教えてくれます。また、縦や横につながっている音符(連結音符)があるのも、グレゴリオ聖歌の四角譜の特徴です。縦につながっている音符は「下から上に」。これは四角譜以前の「古ネウマ」の伝統を引き継いでいるものですが、連結音符を歌う際には、ぜひレガートに、旋律の動きを大切にして歌いましょう。
グレゴリオ聖歌を歌う際には、言葉の持つリズム・抑揚を大切にすることも重要です。とりわけ詩編唱のようなレパートリーの場合、言葉がするすると出て来ることが肝心。メロディーを付けて歌う前に言葉を読み、そこで生まれるリズムを聖歌の中でも反映できると良いでしょう。特に伸ばして歌うところについては、四角い音符の上に横棒 (テヌートのような線) があったり、点が付いていたりしますので、それを参考にすると良いでしょう。
 ただ、一つお伝えしておきたいことですが、四角譜というのはグレゴリオ聖歌独特の記譜法にも関わらず、グレゴリオ聖歌の歌唱についての情報には乏しいのです。つまり、旋律をどういう風に歌うべきか、という情報を四角譜は私たちにあまり与えてくれません。その点については、四角譜以前の「古ネウマ」の方がずっと豊富なのです。四角譜が歴史に登場する前、グレゴリオ聖歌は「古ネウマ」という線状の記号によって記譜されていたわけですが、この古ネウマの方がずっと、私たちに「どう歌うべきか」の情報を与えてくれるのです。これは、実際に体験なさって感じられたことと思います。四角譜を使ってグレゴリオ聖歌を歌う際にも、可能な限りで古ネウマを参照したり、あるいは古ネウマを想像しつつ歌うということはとても有意義です。古ネウマについて興味を持たれた方は、今後さらに学習なさると良いと思います。
 今回の入門講座が、今後さらにグレゴリオ聖歌に取り組むきっかけになっていれば幸いです。受講いただいた皆さま、ありがとうございました!

(W.K.)
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by fonsfloris-k | 2015-08-29 10:00 | 講座レポート
8月8日 15世紀のミサ(東京)
Missa Ecce ancilla Domini 第4回

今回はアシスタント講座でした。Dufay の続き、Gloria を歌っていきました。
Gloria も、Kyrie と同じように、Ecce ancilla Domine が定旋律のところ(前半)と、Beata es Maria が定旋律のところ(後半)があります。
前半はペルフェクトゥム、後半はインペルフェクトゥムです。今回は前半を歌いました。

まず全員で、定旋律を歌って確認しました。
ペルフェクトゥムですが、ほぼブレビス単位で動くので、リズムが難しいとろこはありません。それよりも、いつも同じですが、引き伸ばされていても惑わされることなく、基のグレゴリオ聖歌を思い描きながら第八旋法を良く感じて歌いましょう。
上下への4度・順次進行のときの全音・半音の意識をしっかり持って、そして響きが落ちずに、いつも同じ場所に戻ってくるよう、発声・発音に注意しましょう。
どのパートの人も、このメロディーをよく歌い覚えて、ポリフォニーの中で出てきたときには、しっかり聴き取れるようにしましょう。

次に、定旋律がある場所(練習番号2~4)をみんなで合わせていきました。

Bassus:Tenorの2セミブレビス後に同じ音から始まります。まずその音が完全にTenorの音から生まれてくること。
そしてその音がTenorが動くきっかけになり、次にオクターブになることをしっかり耳で確認しましょう。同じようにどの瞬間も常にTenorとの距離(音程)を感じながら歌います。特に5度やオクターブは逃さないように。低い音でも、Tenorの音の響きの中に入り込むよう、上の倍音を共有する気持ちでうたいましょう。(自分の音を響きの土台にするようにと、ガツンと歌わないこと!) Tenorと一体となって一つの動きを作りましょう。

Superius/Contra:下2声と同じように、お互いの細かい動きや音程を常に感じ、反応しあいながら歌い、一緒に動いていく感覚を磨きましょう。小さなフレーズやリズムがほんの少しだけずれて模倣されていたりしますので、そういうところを聞き逃さず、且つ先に出た方の動きに反応するように歌う(自分のメロディーを追うだけ、楽譜に書かれているからその通りに歌うのではなくて、実際その場で生まれてくる音や響きに反応する)ことを常に心がけてください。

合わせていくうちに、全体としてTenorのゆっくりとした流れにBassusが絡み、さらにSuperiusとContraが細かい動きでまわっていくという形が聴こえてくるようになったと思います。こういう構造が頭の中でも整理され、実際の響きの中でも耳で捉えられるようになると、音楽がとてもすっきりとスムーズに流れていきます。
その感覚を忘れないように、そのときの歌い方や聴き方を忘れないように回を重ねていきましょう。

今度は、2~4の前のSup/Contraのデュエットを合わせました。
出だしはKyrieとほぼ同じように始まります。しっかり確認しましょう。
Superiusは細かい動きや、後の時代の作品にはあまり出てこないようなリズムなどがあって、少し戸惑うかも知れませんが、そういうところはしっかり頭の中で先に整理した上で、何事もないように歌いましょう。一つ一つの音にとらわれ過ぎないで、大きなフレーズを感じ、それを声で表せることが重要です。また、低めの音が息もれしてぼやけてしまわないように、小さくてもきちんと声になるようにバランスを取っていきましょう。(上の方と同じバランスをキープしようとすると息もれしてしまいます。一音一音バランスをとりなおすような感じで、常に音や口の中が止まらずに動いているイメージを持ちましょう。)
Contraは、女声には低く男性には高い難しい音域を歌い、さらにメロディーも高いところや低いところを行ったり来たりします。
お互いにあまり無理して出さないで協力して1つのメロディーを完成させるような気持ちで歌ってください。(女声は低い音を無理して押してしまわない。男性は高めの音は早めに抜いて実声で張らない。)またSuperiusと同じく、長いフレーズを感じて行き先を見通しながら歌いましょう、カクカクしないように、また小さな塊を気にするあまりフレーズの途中で減速しないように。
2声の長いデュエットですが、そこだけで完結してしまわないように、あくまで導入と思って、TernorやBassusを入れてあげられるように、練習番号2のオクターブの音でしっかり響きの柱を作ってください。

ここで前半終了。後半も同じ要領で、練習番号6以降の4声の部分を先にあわせ、4のContra/Bassus、5のSuperius/Bassusのデュエットを合わせて、最後に全てを通しました。

後半のTenorがある部分(6以降)は、前半のようにすぐに4声にならず、ずっと3声で進行します。またTenorの動きも前半に比べて細かい動きがあります。それらをよく耳で確認しながら歌いましょう。(練習番号4からすると、2声(S/Ct)・2声(Ct/B)・3声(S/T/B)で最後で4声になります。)

全体を通して、音符の長さなどで複雑なところはほとんどありません。分割点やコロルなどでびっくりないように、また他のパートの動きをしっかり聴くためにも、自分のパートは覚えてしまうくらい練習しておいてください。

だんだんと、声の使い方や、全体の構造が分かってくると、何回も繰り替えさくても勝手に音楽が流れてくれるようになってきますが、そこまで行くためには、呼吸や発声、また音の聴き方・感じ方などたくさん気をつけないといけないことがあります。
特にパートの音域としては低かったり高かったりする部分は、他のパートと交差していたりしますので、しっかり役割を確認すること。
また、同じ音を歌っている瞬間(ユニゾンになっているとき)はしっかり耳で聴いて全く同じ“響き”になっているようにお互いに注意しながら声を出すことが重要です。
そういう細かなことに注意できるようになるためにも、事前の各自の準備をしておいてください。

今回は歌詞を付けられませんでしたので、次回は歌詞をつけて、またGloriaの後半にも進みたいと思います。
予習・復習をしっかりして講座に臨みましょう。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-08-08 15:45 | 講座レポート
8月8日 さまざまな聖歌をうたう(東京)
グレゴリオ聖歌 第4回

今回はアシスタント講座でした。ミサの流れやテキストについての細かい説明はせず、発音・発声など主に実際の歌い方の注意点を中心にミサの後半部分:Offertorium/Sactus/Agnus Dei を歌っていきました。

Offertorium(奉納唱): Ave Maria
前回のTractusの2曲目のほうでも出てきた、有名なテキストです。前半は天使ガブリエルがマリアに告げた言葉(但しルカの福音書では、Ave Maria gratia plena ではなく、Ave gratia plenaで始まっており、Mariaという呼びかけはない。)で、後半(benedicta tu 以降)はその後マリアがエリザベトを訪問したときに、エリザベトのお腹の子(洗礼者ヨハネ)がおどり救世主の到来を告げ、聖霊に満たされて、エリザベトがマリアに言った言葉です。

第8旋法(フィナーリス:Sol ドミナント:ド)をよく味わって歌っていきました。構造として小さなフレーズごとに、
フィナーリスSolの下へ上へと移ろっていきます。
その中で現れる4度や5度の音程を響きの中からしっかり捉えること、また下から上がってきても、上から降りてきても同じSolの音の響きに戻って来られるように、響きに耳を傾け、その響きを保ちながら歌えるような、歌い方・聴き方のバランスを各自でよく注意しましょう。
前回の講座でも学んだように、ゆったり大切に歌う部分と流れに沿ってさらっと歌っていく部分の対比を感じながら、しっかり歌い分けましょう。
小さなフレーズの終わりのほとんどが一音下がってくるパターン(La-Sol)か一音上がってくるパターン(Fa-Sol)です。
どちらも全音ですので広めに、特に上から降りてくるときはLaでしっかり明るい響きに持っていっておいてからふわりとフィナーリスに降りていきましょう。
一箇所だけ(in mulieribus) Si の音になっているところがあります。他のところとの違いをよく感じて歌いましょう。
長いメリスマの部分は流れを大切にすることはもちろんですが、言葉の一部でもあるので、メリスマをうまく歌う事に必死になりすぎないように、次の音節へきちんと繋げて言葉をしっかりかみしめましょう。

Sanctus 
第4旋法は一般にフィナーリス:Mi ドミナント:La ですが、このSanctusはMi-Solの間で動いているように見えます。
いずれにせよ、Mi モード独特の雰囲気をよく感じましょう。
つくりは、Mi の周り狭い範囲の動きで、シラビックなとてもシンプルです。こういう曲は、音に音節を当てはめるような歌い方になってしまいがちですが、言葉の抑揚がメロディーになっていることを忘れずに、テキストを大切に声と響きを合わせていきましょう。
ハミングで1フレーズずつ歌い響きを合わせメロディーを覚えてから、その響きを出来るだけ変えないように言葉を入れていきました。

Agnus Dei
同じく第4旋法、Mi モード。
こちらも同じようにメロディーをハミングしてから言葉を入れていきました。
短いフレーズをみんなで何度も歌っていくうちに、だんだん覚えてくるのと同時に、みんなの声が一つの響きに整っていくことを感じられるように、少しずつ耳を外にもっていくように練習していきましょう。決して自分の声や歌い方のみに一生懸命にならないように、みんなで歌っていることを常に感じましょう。
シンプルなメロディーでテキストも少ないですが、高めで不安定なミのまわりで動く音を一つずつしっかり味わいながら、最後は言葉の意味に戻って、”みんなで唱える”ことを大切に歌いましょう。

聖歌を歌うときに、聖歌の成り立ちや役割など、また旋法や音律などの知識を持つことはもちろん大切ですが、それらを生かして実際に音にするときには、歌う技術も必要です。姿勢や呼吸、発音際の舌の使い方などは、日常の生活の中で少しずつ意識しないとなかなか身につきませんので、講座のときだけでなく普段から注意したり練習したりしておいてください。そして講座の時には、みんなで一つの響きを作ることに集中できるといいですね。
今まで歌った曲の復習も各自でしっかりしておいてください。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-08-08 13:00 | 講座レポート
8月8日 古ネウマ研究(東京)
第4回

【総括】

  • 今日はアシスタント回でした。
  • 前回学んだ 7. Climax, 8. Scandicusを復習した後、新たに9. Porrectus flexus, 10. Pes subpunctis を学びました。


【前半】
7. Climax, 8. Scandicusの復習

  • いずれも、基本形はヴィルガとプンクトゥムから構成されます。
    (クリマクス…ヴィルガ+プンクトゥム+プンクトゥム。スカンディクス…プンクトゥム+プンクトゥム+ヴィルガ。)
  • プンクトゥムがトラクトゥルスになることによって、音価の拡大が生じます。
  • ただしクリマクスにおいて、第1音の音価は第2音目のネウマによって決まります。つまり、第2音目がプンクトゥムで軽ければ第1音目も軽く、トラクトゥルスならば第1音目も重くなります。
  • スカンディクスでは、分離による強調形も押さえておきましょう。「トラクトゥルス+ペス」なら第1音強調、「ペス+ヴィルガ」なら第2音強調です。

~休憩~

【後半】
9. Porrectus flexus

  • 基本形はクリヴィスが2個つながったような形です。音の動きは「上・下・上・下」が基本。含まれる音は4音ですね。
  • エピゼマ、指示文字等付いてなければ、4音ともサラサラと流れます。音高は色々で、256,1は「fa-mi-fa-re」、211,3「sol-fa-la-sol」、213,8「sol-fa-fa-re」。最後の例のように第2音目と第3音目が同度の場合もあるので気をつけましょう。
  • 後半2音にエピゼマが付く場合があります。テキストには207,7とありますが少々分かりづらいので、82,2をおススメします。
  • 捕捉ですが、後半2音を強調する方法としては、指示文字「t (=tenere)」を使うこともあります。例えば71,2では、前半2音に「c (=celeriter)」、後半2音に「t」が付けられています。
  • 分離によって第1音目を強調する場合は、235,3のように「ヴィルガ+トルクルス」となります。

10. Pes subpunctis

  • ペスの後にプンクトゥムが続くのが「ペス・スブプンクティス」ですが、ここでは、ペスの後に2個のプンクトゥムが続く「ペス・スブビプンクティス」を説明します。含む音は4音です。
  • 丸いペスに2個のプンクトゥムの場合は、すべて軽く歌います。275,3。
  • 音価の拡大については、①丸いペスか四角いペスか、②プンクトゥムのところがトラクトゥルスになるかどうか、③エピゼマが付いているか、に注目すれば基本的には良いと思います。
  • 注意が必要なのは、後ろの3音が長い場合で、「丸いペス+2個のトラクトゥルス」で書かれます。
  • 「ヴィルガ+クリマクス」の場合には、分離による第1音強調です。38,1。

【次回 (9/12)】

  • 次回もアシスタント回です!
  • 今回学んだ4音を含むネウマには、さらに11. Scandicus flexusと12. Torculus resupinusがあります。
  • 9. Porrectus flexusと10. Pes subpunctisも含めて、4音を含むネウマはこれまで学んだ基本的なネウマが元になっていて、それが理解できていればそれほど苦労はないと思いますので、今までに学んだネウマもきっちり押さえておきましょう!


(K.W)
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by fonsfloris-k | 2015-08-08 10:00 | 講座レポート