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10月31日 聖母のモテット(東京)
ビュノアのシャンソン
・初めに全員で定旋律を歌ってから、コントラテノール、次にスペリウスと合わせ3声で練習しました。言葉は付けずにヴォカリーズで。
・お互いの声部のリズムを聴きあって、リズムが絡み合うように歌えるようになるとよいと思います。
・またミを高く、ファを低くとる、ピタゴラス音律を用いた歌い方にも、そろそろ慣れてくるといいと思います。
・このシャンソンの歌い方は、まず1枚目を歌ったら、次に2枚目のスィーニュム(点テンピュ)、まで歌います。そこで一旦終止(ouvert)したのち、もう一度2枚目の頭に戻ります。その後2枚目を最後まで歌った(clos)のち、最後にもう一度1枚目に戻って終わりです。
 ABB’Aという定型です。
・こういった、詩と音楽が一体となった定型のことを、Formes fixesといい、その代表はロンドーです。ロンドーは、ABaAabという定型を持っています。

ムトンのモテット
・前半を歌詞をつけて練習しました。
・例によって定旋律をまず全員で。その後1声部ずつ増やしていきました。
・細かい歌詞割の確認を経て、最終的に全員で合わせることが出来ました。
・セミミニマは軽く歌って、遅れないように、細かい音を見たら、その音がどこに向かっているかを判断して、その音に向かって良く流れるようにしましょう。
・フレーズがどこからどこまでか、新しい歌詞はどこから始まっているか把握しましょう。そしておさまるフレーズはよくおさめて、新しい歌詞で入ってくるパートに道を譲りましょう。
・フラットの出てくるセクションは、全体に柔らかく表現しましょう。
・定旋律を軸に、常にそのパートに対して自分のパートの立ち位置を感じましょう。
・最後に、後半を歌詞なしで一通りおさらいしました。

(G.S.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-31 15:45 | 講座レポート
10月31日 ミサ固有唱 (東京)
Heinrich Isaac 第6回

今回は花井先生のご指導でした。2ヶ月の間に合わせておいたAve Mariaを1節ずつみていただきました。

まずはグレゴリオ聖歌から。ソレム版をみてTractusの Ave Maria 6節を全て歌っていきました。
ポリフォニーのTenorのピッチに合わせて、4度上げのGからで歌いました。
トラクトゥスはいくつかある定型のフレーズが繰り返し現れますが、特に節の終わりの一つ前の言葉(plena/benedictus/ejus/Angelus /Altissimi/vocabitur)の部分のフレーズはチェックしておきましょう。音節が変わる部分のファソ→ファのところが、最高音のソに向 かって一気に駆け上るのではなく、まずひとつ前のファへ向かっておいて(クィリスマを使って)から、次のソファへと動いていくのがポイントです。またAngelusとAltissimiは音節が一つ多いので定型に音が加わっていること、最後のvocabiturは後半が変形してシ♭まで盛り上がっていることも確認しましょう。
同じようなフレーズが出てきて安定感があるからこそ、言葉の意味をよくかみしめながら歌うことも大切です。
ポリフォニーでは変形されたり装飾されたりして出てきますが、しっかり元のメロディ ーを思い出して、中心になる音が捉えられるように、このグレゴリオ聖歌をしっかり頭にいれておいてください。

次にいよいよIsaacのポリフォニーです。
第1節から。これはアシスタント講座では出来ておらず初めてでした。テノールとバスのデュオです。
まずテノールを歌ったあと、バスを重ねました。基本的にはテノールの方がより元のメロディーをなぞって動いていきますが、バスも同じフレーズを追いかけたり して2つが密接に絡み合いながら進んでいきます。①付点の点の部分をよく感じましょう。②ミファ(半音)の部分特にフィクタのミ♭はしっかり意識して。
テノールは下降の途中のミは基本的にフィクタ(♭)をつけましょう。最後の2つtecum tecumのところだけフィクタなしでナチュラルです。(1回目のteはフィクタあり)
テノール、Plenaのna、最後のtecumのcumはフレーズの終わりの音につけてください。

第2節Benedicta、今度は3声です。
まずはグレゴリオ聖歌を確認のため歌いました。
ここではコントラとテノールはセミブレビスずれの5度平行でカノンになります。コントラが先行しますが、この曲の中で中心になっているグレゴリオ聖歌本来のピッチを歌うのは後から追いかけるテノールです。そこで、テノール、コントラ、バスの順に練習していきました。
歌詞の付け方が変更になった箇所があります。以下確認しておきましょう。
T・Ct:Benedictaを繰り返さないで休みのあとはずっとtuにする。 et benedictusの dic は細かい動きの後のレのセミブレビスに入れてください。
また、そのすぐ後にあるドの♯はコントラのみ有効。テノールはフィクタなしで歌います。
B:上のパートと同様、休みの後はtuにしますが、その次の休みの後にbenedictaを付け加えます。
練習番号5の後、fructus ventris tui の-tris と tu の位置をひとつずつ前にずらします。(trisはファのセミブレビスに tuはシのミニマに。)

第3節Ecce、これはまず発音を確認。音読してからグレゴリオ聖歌を歌いました。フランス風のラテン語特有の発音がたくさん出てきますので注意してください。
(無理矢理カタカナで書くとこんな感じ:エッセ コンシピエs エ パリエs エ フィリオン ヴォカビテュー〔y:〕ル ノーメネージュs エマニュエル)


これは、最初がSとCtのデュオで始まり、TとBが加わってきます。

これも出だしのS/CtのデュオがCt先行で4度上からセミブレビスずれでSが入ってきますが、本筋のピッチとしてはS(但しオクターブ上)です。
練習番号6までは、S/CとT/Bで動いていましたが、6のところet pariesでCtとTが同時に言った後、S、Bが模倣して加わってきます。この-riesの4度の跳躍はグレゴリオ聖歌の旋律からきていますね。確認しておきましょう。
また、TとBのfiliumの歌詞はfiで伸ばしてliはミニマの音、その後の2つのセミブレビスでumを言います。Tのejusのjusも最後の2つのセミブレビスに入れましょう。BのEmanuelはEで伸ばしてファとミ♭のミニマでmaを入れてください。
Ct最後のEmanuelのmaのところ、ファドと跳ぶ下のドの音が低くならないように気をつけましょう。

第4節Quomodo グレゴリオ聖歌から。出だしのQuomodoで勢いをつけてソまで上がり、inquitのソラソラ・・へつなげましょう。quoniamやvirumのペスの感じを出して、またミは高めに。しっかり音・動き・言葉を捉えていきましょう。

SとCtのデュオです。Ctから出てSのオクターブ上の模倣で始まります。その後はお互いが絡み合っていきます。
そして、歌詞の位置が変わりました。
Ct:Quomodo のdoがシ♭ドのリガトゥーラのところへ、t次のソ-ソのオクターブジャンプのミニマで in、そのまま伸ばして休符前のレのセミブレビスが quit。また、non cognosco のnonは最初のミニマのみで次のリガトゥーラがco その後のミニマからgnoが始まり、最後の2つのミニマでscoを歌います。2度目も同様に。これは元のグレゴリオ聖歌のメロディーとテキストに合わせることにしたからです。
S:最初のフレーズにQuomodo in quitと、in quitを入れます。初めのリガトゥーラ(ドレ)がin 休符前のソのブレビスがquit。そして non congoscoは、Ctと同様に nonは一音のみ次のリガトゥーラが co、その後 gnoで伸ばし、最後のセミブレビスがsco。節の最後のin trabit のinはセミミニマのドの音から始めて下さい。

なお、このintrabit(入って来て)はグレゴリオ聖歌ではdixit ei(彼女に言った)となっていて、テキストに違いがあります。

第5節Spiritus Sanctus グレゴリオ聖歌から。聖霊という特別な言葉を、特別なメリスマで歌います。in teのメリスマの初めファソファレレドや節の最後の tibi のbiのレドレドラ、のようなミ(半音)が抜かれたメロディーはグレゴリオ聖歌でよく使われる旋法的なメロディーです。よく味わって歌いましょう。

この節は歌詞の位置がどのパートもたくさん変わりましたので、しっかり確認しておいてください。
S:Spiritus Sanctusの Sancで引き延ばします。2回繰り返していたのを1回にして、練習番号11のところのセミブレビスでtus。 次の2回のSpiritusを消してSanctusに変更。11休符の後の4つの音がSanc、後の2つがtus。次の休符の後も Sancでずっと伸ばし、練習番号12のセミブレビスが tus。 練習番号13の最初のミニマのみet、続く3つのミニマがvir、最後のミニマがtus。次の2回目のet virtusは消して、一つ目のミニマにal 次の音からtis で伸ばす。休符前のミニマとセミブレビスでsi mi を入れます。

Ct:2回目のSpiritusを消して Sanctusに変更。Sancで伸ばして休符前のソミドのブレビスと2つのセミブレビスがtus。その後の3回のSanctusはそのままです。練習番号13の後のet virusを消して、altissimiを2回にします。最初のミニマがal、次の音から細かい音符の後のファのセミブレビスまでがtis、ミのミニマがsi、次のセミブレビスがmi。続いてレのミニマがal、ソファがtis、レのミニマがsi、最後のセミブレビスがmi。

T:Spiristusの後の、休符から次の休符までに2回歌っていたSanctusを1回にします。tusは最後のブレビスに。次のSanctusはそのまま歌いますが、その後の2回のSpiritusをSanctusに変えます。休符から休符までのフレーズは全てSanctus。tusはフレーズ最後の音につけます。in teの後、練習番号13から最初のミニマがet、その後の3つのミニマがvir、tusはレのミニマに入れます。次のセミブレビスとミニマがal、次のシ♭から tis で伸ばし、シ♭ドのリガトゥーラでsi、次のセミブレビスでmiを入れます。

B: Tと同じで最初の休符から2つ目の休符までのフレーズに2回あったSanctusを1回。tusは最後のセミブレビス。次のSanctusはそのまま歌い、その後のSpiritusを Sanctusに変えます。4つのミニマと次のセミブレビスまでがSanc、次のソのセミブレビスがtus。続いてもう一度Sanctus、Sancで伸ばして練習番号12のセミブレビスが tusです。
主にSpiritus Sanctusを変更した理由は、元のSanctusの長いメリスマと対応させるためです。(グレゴリオ聖歌では短くSpiritusといった後、長いSancのメリスマが続き最後の音がtusになっています。ですからポリフォニーでもSpiritusは最初の1回にして繰り返すの止めました。

今回はここまでで時間になりました。


こんな風に、この時代の音楽を演奏する時には、フィクタをつけたり、テキストの歌い方を変えたりすることがよくあります。楽譜は完全ではなく、その場の歌手たちや、作品の解釈によってその場その場で作り上げられるものなのです。そんな考え方にも触れられた今回の講座だったと思います。

次回は、今回出来なかった第6節から始めます。これで、一応今回の講座で学ぶ曲を全て見終えることになります。これからは、いよいよアンサンブルを深めていく段階に入れますね。そこに向けて各自しっかり復習をしておいてください。

(Y.N.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-31 13:00 | 講座レポート
10月24日グレゴリオ聖歌入門【後期】 (東京)
2015年度グレゴリオ聖歌入門【後期】 第2回

【総括】
・今日はアシスタント回でした!
・前回で学んだ内容を復習するとともに、アレルヤ唱《Vidimus stellam》の予習も行いました。

【前半】~前回内容の復習~
○教会旋法
・まず、教会旋法を復習しました。グレゴリオ聖歌の旋律を分類すると8つの旋法に分類でき、終音(フィナリス)は4種類、それぞれの旋法にドミナント(支配的な重要音)があります。第1, 3, 5, 7旋法は「正格旋法」ともよばれ、旋律が上の方(ドミナントを超えてフィナリスのオクターブ上くらいまで)に伸びる傾向にあります。反対に、第2, 4, 6, 8旋法は「変格旋法」とよばれ、旋律が下の方(フィナリスよりも下の音域)に伸びる傾向にあります。それぞれの旋法を実際に歌ってみて、その特徴を感じました。変格旋法のドミナントの覚え方、もう覚えられたでしょうか?!(笑) 「2, 4, 6, 8 は『3, 4, 3, 4』!!!」です!

○入祭唱《Ecce advenit》
・主の公現のミサ (In Epiphania Domini) で歌われる入祭唱(Introitus, イントロイトゥス)です。始めに旋律を思い出すように歌ってみた後、主に古ネウマを復習しました。
・復習の中では、旋律のどこを軽く歌うか⇔どこを丁寧に歌うか、ということを中心に扱いました。古ネウマではそれらの違いが分かりやすく書かれています。
・ネウマが点で書かれているところは軽く、反対にネウマにエピゼマが付いているところや、指示文字 t (tenere) が書かれている部分は丁寧に歌いましょう。これらは四角譜には反映されていない場合があり、特に軽く歌う部分についてはなかなか四角譜から読みとることが出来ません。
・エピゼマが付いているのか、そうでないのか、という違いについては、ネウマの表を参照すると良いでしょう。表の中では、各ネウマの基本形とエピゼマ付きの場合とが区別されて載っています!
・前回の講座で直した《Gloria Patri》の旋律を確認しました。また、詩編唱の部分(Ps. と《Gloria Patri》)の歌い方のポイントとして、初めは比較的優しく歌い始め、フレーズの終わりの方に向かって進むように歌うことを説明しました。

~休憩~

【後半】~アレルヤ唱《Vidimus stellam》の予習~
・ミサの中では福音書朗読の前に歌われるのがアレルヤ唱。「アレルヤ」と言えない時期(悔悛の時期や死者の記念の際)には省略され、代わりに詠唱(Tractus, トラクトゥス)が歌われます。
・アレルヤ部分(全員で歌う)の後に、Versus (V.) と呼ばれる独唱部分が続きます。
・“Alleluia. Vidimus stellam ejus.” までの旋律とネウマを確認。
・入祭唱《Ecce advenit》に登場しなかったネウマとして、トルクルス(表の6番)とトルクルスのエピゼマ付きを確認。
・“ejus” 中にある、クリマクス(表の7番)の群化を確認(表のクリマクスの行の左から5列目)。この場合、2音目が長くなります。
・同じく“ejus” 中にある指示文字 c (celeriter…素早く) を確認。ポレクトゥス(表の5番)とポレクトゥス・フレクスス(表の9番)の部分に2個書かれています。“c” が付いている部分は、素早く流れるように歌いましょう。

【次回(11/21)】
・次回は哲郎先生の回となります!
・今回少しですが、アレルヤ唱の予習が出来ました。次回、先生から最後まで解説いただけると思います。
・言葉を読むことと、四角譜を頼りに音程を確認しておくことを予習としてやっておかれると良いと思います。ネウマの学習もよりスムーズに行えるでしょう!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-24 13:00 | 講座レポート
10月17日 15世紀のミサ(東京)
Missa Ecce ancilla Domini 第6回

今回は3ヶ月ぶりの花井先生の講座でした。アシスタント講座で、2回かけてやっとグロリア前半を学んだのでしたが、今回は1回でグロリア後半を通すというハードな内容となりました。

まずはグレゴリオ聖歌から歌い始めました。テノールパートが担う、曲の骨の部分です。
旋律やテキストに慣れることと同時に、響かせ方(発声・発音)もしっかり身につけていきましょう。
大きな声・立派な声を出す必要はなく、響きの位置は常に前の方にもっていきます。

☆先生の一言アドヴァイス:“いやな顔、くさいものを嗅いでしまったときのような表情で歌ってみましょう。
 あまり楽しいイメージではないのですが、確かにそのような表情で歌ってみると響きが良くなりました。
 鼻の奥の方の空間も意識できますし、顎も縦に開かず狭い感じをキープできました。時々思い出してやってみましょう。

上記のことなどに注意しつつ、Ecce ancilla Domine とBeata es Maria、両方を旋法を感じながら全員で歌いました。

次に、グロリア後半の歌詞を音読しました。前回も練習しましたが、フランス風ラテン語は全体的に口先で、どの母音でも狭い感じを保ち響きがあまり変わらないように発音します。一語一語の発音もですが、それらが途切れず、次の語へつなげる感じも重要です。リエゾンすることも多いので気をつけましょう。

その後、Superiusから、いきなりテキスト付でメロディーを確認していきました。前半は完全テンプスでしたが、
後半は不完全テンプスですので、ブレビスを1つで感じましょう。(前半ではセミブレビスを1と捉えるので、
最初は少し混乱しますね。各自練習して慣れてください。)細かい動きなどは楽譜を読んでいては遅いので
リズムごと覚えて、グレゴリオ聖歌を歌うときのように、かたまりで捉えていくと良いと思います。そして旋法的に歌うことを忘れないように。“終わりは始まり”です。テキストを音読したときと同じように、次へ次へ、短→長の流れを意識しましょう。

次にCtを歌いました。練習番号8までは、SとCtのデュエットで始まります。短いフレーズの模倣・追いかけっこが出てきます。Ctが先行していますが、お互いよく聞きあい感じあって楽しんで歌いましょう。

S/Ctのあとは、TとBを合わせました。上2声に比べてゆったりした動きで響きを作っていきます。テノール定旋律はグレゴリオ聖歌を思い出して、引き延ばされていても、旋法的な流れを大切に歌いましょう。バスは下方へのジャンプの時、4度か5度かなど、意外と間違いやすいので、常に行き先をしっかり確認しておきましょう。バスは先生がテキストを書き直されている部分が多いので、歌詞が読みやすいですね。
他のパートはアルファベットがパッとわかりにくいものが多いですが、テキスト自体を何度も唱えて、ぜひ覚えてしまってください。

その後全員で練習番号12まで合わせたところで、一旦休憩。

後半は一番量が多くて、大変なCtをもう一度復習して、練習番号13からさらに合わせていきました。どのパートも音と言葉の位置を確認しつつ歌いましたが、特にCtはシやミにフィクタがついたりつかなかったりしてたくさん出てきますので、よく確認して練習しておいてください。
どのパートもゆったり動く時は音が止まらないように、細かい動きのときは次へ次へと、ワフンの感じを取り入れて歌いましょう。

後半を全て確認して合わせたあとは、さらに、グロリアの前半も復習し、グロリアを全て通しました!

今回は、音と歌詞付けの確認が主体でしたので、まだアンサンブルの響きや全体の流れを感じるところまでは、皆さんいけなかったかもしれませんが、次回までに各自しっかり復習をして、これからデュファイ独特の響きを深く学んでいけるように、準備しておきましょう。
細かい動きなどは、パッと見てすぐイメージしにくいリズムもありますので、前述しましたが、かたまりとして覚えてしまうことも大切です。

合わせの最初の段階は、音・言葉・他のパートの動きと注意することがたくさんあって、頭がフル稼働で疲れますが、なんとか通すことが出来ましたので、次回からしっかり合わせ・絡みを楽しめそうですね。そのためには各自の準備も必要です。頑張ってください!

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-17 15:45 | 講座レポート
10月17日 さまざまな聖歌をうたう(東京)
さまざまな聖歌をうたう グレゴリオ聖歌 第6回

配布資料 A4 2枚 聖務日課のアンティフォナ 

今回は前回までで一通り学んだ、ミサで歌われるグレゴリオ聖歌の総復習をしていきました。

入祭唱 Rorate caeli全体的には、勢いをつけるところはしっかり、ふんばるところや準備の部分が大切。そしてその分、速く軽く動くところは流れていけるように。
一つ一つで区切れないで、次(の言葉)へ次へと繋がっていく感覚がとても大切です。いちいち切らないようにしましょう。
フィナーリス レ とドミナント ラ  の響きをしっかり歌いみんなで気持ちを合わせましょう。
例: 
冒頭 Rorate ― 2音節目のra に向かい レ をしっかり響かせてから 5度上の ラ へ。深い祈り・願いを持って力強く始まります。
justum ― 最初のエピゼマ付のクリビスの ファ の音をしっかり鳴らせてその響きの中で次の動きを転がすように歌います。
aperiatur terra ―単語のアクセントがある a のところやterraの最初の音などは重要ではるけれども、気をつけないと音がどんどん
下がってしまいます。注意しましょう。
salvatorem ― vaのところは遅くならないように、逆に次の to のところはゆったりと、古ネウマや重要な音を意識してメリハリをつけましょう。

☆ 歌っていく中で、どうしても音程が下がってしまい、直らないので、試しにキーボードで レ・ラの音をキープして鳴らし、よく聴きながら歌いました。

キリエ・グローリア
男女に分かれて交唱しました。
これらの通常唱は固有唱に比べてメリスマ等もほとんどなく、平易で、みんなで歌っていたものなので、特にグロリアの中にあるペスやクリビスなども、わりと淡々と一音一音同じようなペースで歌っていたのではないかと考えられます。ですので、ネウマの動きの時に速くしたり遅くしたりはあまりしないようにしましょう。固有唱のときのような動きのメリハリではなく、言葉の意味をよく感じながらしっかりとみんなで気持ちを合わせて
歌う事が重要です。

昇階唱 Diffusa est
入祭唱と同じですが、ためるところ、停まるところを探しましょう。エピゼマ・テネーレ(t)・エクスペクターレ(x)のあるポイントへ向かっていく感じを覚えましょう。軽い部分はがむしゃらに速く歌う必要はありませんが、一つ一つの音をべたべた押さないように!音のかたまりを感じて、軽くするところは軽く、メリハリが大切です。
・3段目 in aeternum in のエピゼマの音とその後のクリビスのはじめの音は同じ音ですが、くっつけてしまわないように。歌い直しましょう。
num エピゼマ付のアポストロファも同様。ここが、前半の動きと後半の流れの分かれ目になります。つなぎの意識をしっかり持ちましょう。
・5段目 mansuetudinemの長いメリスマでは、5音ずつのかたまりで動いていきます。行き先をしっかり目指しフレーズの最後をまとめます。
・justitim ここもフレーズの最後をゆったりと歌いましょう。
・deducet 長いメリスマの中のエピゼマに注意。ここも前半と後半の分かれ目です。この後はさらっと進んでいきます。
・7段目 tua tuから aへ行く直前のエピゼマ。ミ→ファへの動きを大事に音節の変わり目でもあります。ここでファに行ったあとは軽く響きを確認 しながら、終わりに向かいます。

詠唱 Audi fillia
テキストをしっかり音読した後、歌っていきました。
この曲は定型フレーズがたくさん出てきます。
・1段目 videの
deのはじめ、クィリスマで勢いをつけてエピゼマのところまで流れていき、エピゼマのミファの半音を大切に歌いましょう。
・2段目concupovitの vitのところ、クィリスマは後の音に向かうこと、そのかたまりの最高音である ソ ではなく、1つ手前のファの音が目的地。
ファは第2旋法のドミナント、フィナーリスの レ と共に、2つの音をよく感じて。他の音は繋ぎのような形と捉えましょう。
・7段目tibiの終わり、ファソソファ、最初のファ(フィナーリス)の音が一番重みがあり、あとは軽めに、おまけ・付け足しのような感じで。
全部をしっかり歌いすぎないようにしましょう。
・最後の2段、小区分線などでがっつり息継ぎをして流れを止めないように注意しましょう。段が変わるところも止まらず続けていきます。
regisのメリスマ部分はかたまりを捉えると共に、全体の流れも考えないといけません。練習として、フレーズの後ろから少しずつ遡って歌ってみました。

以上のような部分を確認しつつ、男女で交唱して全てを歌いました。
全体的にいえることは、とにかく、全ての音を一生懸命歌いすぎないこと。いつも、3メートル先を見て歌う!(今歌っているところを左→右へと移動しているだけではダメ。)そして、個人的には四角い音符ばかりを追いかけて しまっている印象を受けました。古ネウマと同時に視界に入れるように楽譜を見られるように気をつけて下さい。

今回はここまでで時間切れでした。復習ではあるものの、なかなか思うように音が進みませんでした。グレゴリオ聖歌の繊細な動きは頭では何となくこうしたいと思っていても、実際に歌って音として実現するのは難しいですね。聴き方や歌い方、発声等の個々の問題もあり、音程を保つのもなかなかままなりませんでした。今回は鍵盤の音を鳴らしてみたりして、自分の中で思う音を実際の音のギャップに、具体的に気付くことができました。
即効性はないかも知れませんが、各自の地道な努力で、少しずつ響きは変わってくるはずです。お家での復習にもしっかり取り組んでください。

次回は残りの曲の復習を終えて、今度は聖務日課の曲に取り組みます。
福音書のテキストと今回配布されたプリントのテキストを読み比べて、チェックしておいてください。
聖書はギリシャ語からラテン語に訳されていきましたが、その過程では様々なバージョンが並存していた時期があり、グレゴリオ聖歌はそのあたりのテキストでできているため、時々食い違いがあります。(その後、ブルガタという標準版が確立し、現在は統一されています。)

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-17 13:00 | 講座レポート
10月17日 古ネウマ研究(東京)
2015年度古ネウマ研究 第6回

【総括】
・今日は久々の哲郎先生の回でした。
・前半では新たに13. stropha, 14. distropha, 15. tristropha, 16. trigon, 17. bivirga, 18. trivirgaを学びました。
・後半では、来年2月の発表会で歌う予定の聖歌 “Tollite portas” を練習しました。

【前半】
○13. stropha, 14. distropha, 15. tristropha
・stropha (ストローファ) はアポストロフィのような記号(’)。軽い表現。
・2個連なるとdistropha (ディストローファ)、3個連なるとtristropha (トリストローファ) になる。いずれも「同音の反復」を示すネウマ。
・古ネウマの研究が進む以前は、ディストローファやトリストローファは「つなげて」歌われていた (ソレム唱法、同じ音で伸ばしていた)。しかし、古ネウマの研究によってこれらが反復して歌われるのは明らか。
→例えば、ディストローファの1個目がエピゼマ無し、2個目がエピゼマ付き、というような場合、1個目は軽く、2個目は重くというニュアンスの違いが生ずる。反復して歌えばその違いを表現できるが、つなげて歌ってしまうと違いは表現できない。(例 172,2)
・反復して歌うときのポイントは、声の強・弱を交互にすること。音と音の間が無音にならないように。
・ストローファは、ディストローファに先行して使われることが多い(低い1音と、高い同度2音)。また、旋律の間に入り、前後をつなぐような役割を持つこともある。(例 265, 8)

○16. trigon
・トリゴン trigonは三角形状の3つの点から成るネウマ。同度2音と低い3音目からなり、軽い動きを示す。(ただし、始めの2音の音程関係については実際のところ不明確で、研究者によって意見が異なる)
・旋律の頂点でトリゴンが書かれている場合があり、その部分は声を張らずに軽く歌うべき。(例 36, 9)
・点が横棒(トラクトゥルス)になると、その部分を重く歌う。下行旋律での第3音強調の例が多いが、この場合3音目がトラクトゥルスになる。

○17. bivirga, 18. trivirga
・2つあるいは3つのヴィルガ virga から成るネウマ。2つの場合ビヴィルガ bivirga、3つの場合トリヴィルガ trivirga。
・ディストローファやトリストローファと同様、同音の反復を表す。ただし、軽く歌うのではなくしっかり歌う。
・しっかり歌うことを強調する場合には、両音にエピゼマが付く。片方に付くことはない。

~休憩~

【後半】
・発表会のテーマは「聖母のお告げの祝日(3/25)」。ミサ固有文については、トリプレクスの553頁に掲載。“In Annuntiatione Domini”「主のお告げ」とあるが、これは20世紀以降の表現で、伝統的には “In Annuntiatione B. M. V. (Beatae Mariae Virginis)”「聖母のお告げ」。
→古ネウマ研究のクラスではグラドゥアーレ “Tollite portas” (25頁) を歌う予定。
・第2旋法のグラドゥアーレ(Graduale、昇階唱)。類似したメロディーのグラドゥアーレがたくさんある。
→27, 30, 32, 33, 38, 42, 72, 101, 155, 347, 427, 428, 455, 510, 520, 646, 670(トリプレクスの掲載ページ)
・2段目冒頭 “stras” の音節上、スカンディクス(3音目にエピゼマ)とクリマクス(celeriter付き)が続けて出て来る。ヴィルガが2個並ぶのでビヴィルガのようにも見えるが、そうではないので注意。
・反対に、4段目冒頭には、通常のヴィルガと第1音にエピゼマの付いたクリマクスが続けて出て来る。ここは、結果的にビヴィルガのような表現になる。(同じ音でしっかり繰り返す)

【次回 (11/14)】
・次回以降は、oriscus と oriscus を含むネウマ(pressus や virga strata)などを学んでいくことと思います。これらは、「特殊ネウマ」あるいは「装飾ネウマ」と呼ばれるジャンルのネウマで、通常のネウマとは少々異なる特殊な演奏法、装飾的な歌い方がなされていたのではないかと考えられるネウマ群です(実を言うと、今回学んだトリゴン trigon も特殊ネウマに分類されることがあるのですが…笑)。哲郎先生の歌い回しをよく聴いて、声の使い方なども併せて学んでいけると良いと思います。
・また今回の講座から、発表会で歌う予定のグラドゥアーレを練習し始めました。一般的にグラドゥアーレにはメリスマ部分が多く、その分ネウマも多く複雑です。予習復習をして、今のうちからネウマと旋律に少しずつ慣れていくと良いでしょう。

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-17 10:00 | 講座レポート
10月3日 総合講座 グレゴリオ聖歌とルネサンス音楽を歌う(関西)
13:30-17:30 於母の家ベテル
受講:17名(S8、A5、T2、B2)

内容
<1>Introitus: Rorate caeli desuper(グレゴリオ聖歌、Graduale novum)
・justumのjus-のuに[u]の音が入らないように。
・caeli desuperは言葉の意味の上でも旋法的にも切れないように。
・Gloria Patriの最後のAmenはPatavienseのfirmamentumの最後にあわせて、ファミファレとする(2回目の変更)。
<2>Isaac, Rorate caeli desuper
・発表会では、グレゴリオ聖歌でversusの前まで歌い、イザークを歌う。途中でGloria Patriを入れる。
・イザークの先唱部分は安邨先生独唱で。
・Gloria Patri〜は安邨先生とsuperiusで。
<3>Tractus: Ave Maria
・発表会では安邨先生のソロで。
<4>Isaac, Ave Maria
・全曲通し。
<5>Communio: Ecce virgo concipiet(グレゴリオ聖歌、Graduale novum)
・etの融化音からparietへの流れ、ejusのe-の融化音から-jusへの流れが途切れないように。
<6>Isaac, Ecce virgo concipiet
・イザークの先唱部分は安邨先生独唱で。
<7>Ite missa(グレゴリオ聖歌)
・Deo gratiasを全員で歌います。

(N.I.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-03 13:30 | 講座レポート