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1月30日 15世紀のミサ(東京)
Missa Ecce ancilla Domini 第10回

いよいよ最終回となりました。発表会に向けて、1年間練習したデュファイのKyrie Gloriaのアンサンブルを深めていきました。


まずは i-e で ソ―ドの4度を歌いながら響きを揃えて、グレゴリオ聖歌を念頭に置きながら、キリエ・グロリア1回なんとか通してみました。

*ieie~ iaia~の発音・響きの確認はこの講座では定番になりましたね。フランス風の発音をするため、フレーズ感を出すため、そして豊かな倍音を含んだシャープな響きで声を合わせるためにも、この確認はとても重要です。先生に言われるからやるのではなく、各自が準備運動として取り入れて、その口の形や舌の位置など定着させておいてください。

とりあえず通した後の先生のお言葉は「…大騒ぎな感じですね。せめて小騒ぎくらいに…。」でした―。
何とか通るようになってきて音に慣れてくると、逆に譜読み出来ることに安心してしまって、自分勝手に歌ってしまいがちです。また人数も多いので、ついついガツンと”合唱”をしてしまいがちですが、慣れてきた今こそ、他のパートの音や流れ、また自分と同じパートの人の音もよく聴き、動きを感じながらみんなで一つの音楽を作るという原点に立ち返りましょう。

Kyrie:
出だし、Ctのフレージングを再度確認・練習しました。常に一筆書きで曲線を描いているようなイメージで。ずーっと同じ感じで音を動かすのではなく、スピード感に違いがあります。グレゴリオ聖歌やそのネウマを思い出しましょう。
S/Ctのデュオのリズムがなかなかかみ合いませんでした。聴くことはとても大事ですが、聴き過ぎても出遅れてしまいます。(聴かずに自分のペースで歌うのは論外!)瞬間瞬間で出ている縦の音を確認するのではなくて、お互いの動きを感じて次の流れを予測しながら、同じテンポ感を共有して進んでいきましょう。

Christeの練習番号⑦Ct/Bのデュオお互いの音と動きをよく聴きあいながら、オクターブやユニゾンをしっかり一つの響きにして、そこからまた新しい動きを始めていきましょう。カクカクならないように!Ctは次の練習番号⑧から今度はSとのデュオになり、上の役割から下の役割に変わります。しっかり切り替えましょう。また、後半-ste以降はSのオクターブ下での模倣になります。Sの歌い方をしっかり耳で捉えてマネしていきましょう。練習番号⑨のBのリズムがずれがちです。予め裏と表をしっかり頭で把握しておいて、焦ったり逆に遅れたりすることなく、落ち着いて他のパートと合わせましょう。

第2Kyrie:Tが他のパートとは違うテキストを歌っていることをみんなで良く感じましょう。明るいaの母音、特に最後のAlleluia/eleisonはお互いよく意識して母音の違いは明確に、しかし響きが1つの柱になるように!

Gloria:
出だし、et の母音をスパッと!S次の動きのミファが低くなってしまうので注意。さらにpax hominibusの低め音に下りてくるときに声がふにゃふにゃにならないように。CtはこのSの動きにぴったりくっついて、フレーズの終わりで一緒(ユニゾン)になって幸せになれるようにしましょう。Ctも出だし3つ目の音ミがバラバラです。高いミで全員が揃うように!
練習番号①の前のtisの長さ、既に何度も指摘されていますが、SとCtで伸ばす長さが違います!お互い自覚してつられないように、自分の役割を果たしましょう。特にS、しっかり伸ばすこと。同じようなパターンは他のところでも、他のパートでも現れます。各自改めてチェックしておいて下さい。(例えば次のフレーズのBeneditimus te やAdramus teも SとCtで伸ばす長さが違い、どちらが長いかも毎回違います。適当にならないように!)
Adramus はS/Ct同時に出ます。お互い良く聴き、また気配を感じてください。
練習番号②から2ブレビスの間、全員がソの響きを共有しましょう。特にBはTのソと完全に同じところから入って離れていきます。
Gratiasはグラスィアスです。こういう〈si〉のような子音を使って音が繋がっていくようにしましょう。
練習番号④Ct/Bのデュオ悪くないですが、コキコキしない音が硬くならないように。そして何度も言いますがミ(シ)は高くしないと合いません!要注意。
練習番号⑥以降のTutti、TとBが一緒になって交差しながら支えになります。BがTより上をいくとき、バッと出過ぎないように!(勢いで上がらない。)広い跳躍の時にピッチを当てに行かないように。どのパートも大きな一つの響き・動きの中で絡みあって進みましょう。

後半Quitollis~:
悪くないのですが、ああくればこう!という掛け合いがまだはっきり聴こえてきません。例えばかなり細かいことですが、MundiのSとCt、Sが先にセミブレビスでさっと言った直後に同じ音で今度はブレビスで引き延ばされてCtが歌います。こういう小さな動きにもいちいち反応して歌ってください(また発音モンディです気をつけて!)。その後はかなり分かりやすい模倣があります。前になったり後になったり、掛け合いをま良く楽しみましょう。
練習番号⑧からBも参加し、Tを迎える準備をします。SとCtブレビスずれでSuscipeで始まりますsをシャープに〔y〕の母音をしっかりと。Sは音も高めなので流れが直線的に高い音に向かって硬くなりがちです。Ctの模倣ということとワフンの感覚を忘れずに。
練習番号⑨からのリズムがなかなかかみ合いません。特にBはもう一度徹底的にリズムをチェックしておいて下さい(全体的に付点がくるといつも怪しいです)。練習として全員がding dingを使って、リズムの徹底とお互いの絡みを確認しました。これはこの講座の最初の頃にもやったことがありましたね。これだと頭・頭となって、いつも言っていること(頭にこない!)とは逆になるのですが、この掛け合いの認識(リズム感)が実は根底にあります。きちんと頭の中を整理しておいてくださいね。
練習番号⑭以降、TとCtAlleluia/Amenの入れ替り、まごつかないように!歌うメロディー・テキストが変わるだけでなく、役割も変わります!しっかり自覚して歌いましょう。TのAlleuiaの音を他の3パートはしっかり耳に入れながら、最後の音に収斂していきます。みんなが幸せに終われるようにしっかり気持ちを合わせましょう。


デュファイを歌うには少し大所帯で、繊細な動きを実現していくためには、全員のしっかりした理解と、集中力が必要になります。
以前先生が「こういう音楽は何か1つあやふやなことがあると、すぐに崩れて行方不明になって、白くなってしまう。だからといって指揮者で合わせるのではなく、各自が良く聴き、動きに反応し(そのためにはテクニックとそれに反応できることが重要)て、合わせるのではなく“合ってしまう”ようになりましょう。」とおっしゃっていました。
発表会で少しでもそこに近づき、音楽を楽しめるように、出来る限り各自準備をしておいて下さい。
KyrieとGloriaしか出来ませんでしたが、とても深い内容を学んできたと思います。一年の成果が発揮できますように。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-31 15:45 | 講座レポート
1月31日 ノートルダム楽派を歌う(東京)
※補講の内容も混じっています。

まず、グレゴリオ聖歌「聖ニコラスの…」を同音で唱えて言葉の抑揚を確かにした。それからメロディをつけた。意味を感じながら歌うように。
注意点は、一番高い音を天井にしてしまわない事(そこでおしまいにならない)、laudantes の tes で音色が落ちないように。
音が高くなっても、響きのポジションを変えずに歌う。
グレゴリオ聖歌は歩きながら歌う事になった。

Benedicamus の始め、先生が音を取ったら、全員でハミングしてから始める。
Benedicamus と Domino はちょっと離す。

Benedicamus から Beatis nos adhibe へはアタッカで。

Beatis は、歌っているうちに段々「三拍子」になってきてしまうので、そうならず、ずっと流れる様に。
1節ごとに、新しいものが始まり、最後で全員でまとまり、また次に流れていって新しいものが始まる様に続けて行くこと。
tenor の音が主なので、duplum と triplum は tenor と不協和音になる時に、tenor にぶつかって行かない様に。
tenor を聞いて、自分は収まる様に。
最後まで、集中力と自制を保って歌う様に。
Domino の、リズムモードに変わった後の部分では、音を一音一音歌わないで、固めないで、うねって流れる様に。

Beatis から Deo gratias へもアタッカで。

Deo gratias は晴れやかに歌う。ただし最初からどっかーんと声を出さない。
上の方で目立っている所と、下で支えている所が、それぞれのパートでかわりばんこに来るので、自分がどういう機能を
持って歌っているのか分かりながら歌う様に。
triplum は、下2声が休んでいる時も歌っているので、そこの音をつないでください。

声は、張らない。口の中やのどを開け過ぎない。力を抜き、しかし響きは高く鼻に集めて歌う。同時に、声は体の中を
通って足から地面に入って地面を響かせる感覚をずっと持っている事。

(MW)

~以下講師より~

最後にもう一度メロディー抜きでテキストをよく読み、意味を確認しておきましょう。

一年間で作り上げ共有してきた、中世音楽への理解やアイデア、そして響き―。
それら学んだことを、発表会で他のみなさんに伝えられるといいですね。
なにより、自分たちがその響きを楽しむことができますように!
(安邨尚美)
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by fonsfloris-k | 2016-01-31 14:00 | 講座レポート
1月30日 さまざまな聖歌をうたう (東京)
グレゴリオ聖歌 第10回

いよいよ最終回となりました。2月11日の発表会に向けての練習をしていきました。

本番での演奏を想定しながら流れに沿って練習し、何度か通しました。

☆正面向かって左側が先生側(男4女1)、右側がアシスタント側(女8)で、2列になり入り口から中央を通り自分の位置まで静かに歩いていきます。
先生とアシスタントが最後尾で入場します。


①Deus in adjutorium~R.Domine~(最後はAlleluiaではなくLaus tibi~に行く)
*全音下げ。先生の先唱のあと全員でDomine以降を唱えていきます。

毎回フレーズの後(テネーレや付点のある音、あるいはその一つ前のペスとの組み合わせの言葉に向かっていきましょう。
ペスの下(初め)の音を掘らないように、上の音に向かっていきます。また、そのペスの後にくる最終音節が押して強くならないように。
最後のLaus tibi Domine Rex aeternae gloriae.のところは Domineで一旦おさめますが、間をおかずすぐに Rexへ続いてください。

②Ant.1 Missus est→ Ps. Dixit Dominus(1.2.9.10)→ Ant. 戻る。
*全音下げ。男性の先唱のあと全員でアンティフォナを歌う。Ps.先唱は先生。奇数節・先生側 偶数節・アシスタント側。

例えば、アンティフォナのGabriel Angelusのところで、-el Ange~ の部分をelとAを繋げます、また、Anの nの分少し伸び、重みも音節と音にあります。みなさんの歌い方の傾向としては、An よりも次の ge の方が強くまた長めに聴こえるので、しっかり意識してAngelusと歌います。
4線譜の四角い音符全てが同じ重み長さにならないように、古ネウマをもう一度良くチェックし、かつメロディー抜きでテキストを発音してみるなどして、何となく一音一音を歌ってしまわないで、よく全体の流れや言葉を感じながら歌える(=唱える)ようにしましょう。

③Ant.2 Ave Maria→ Ps. Laudate pueri(1.2.9.10)→ Ant.戻る。
*楽譜どおりのピッチ。第1音をミ→ファに変更(結果,前のアンティフォナの最終音と同じピッチから始まることになりました。)
女性の先唱のあと、全員でアンティフォナを歌う。Ps.先唱はアシスタント。奇数節・アシスタント側 偶数節・先生側

アンティフォナは前のものより、ネウマがよりシンプルでどのように歌うかは、少し分かりにくいですが、言葉のアクセントやそこから付けられたメロディを生かして、gratia plena Dominus tecum benedicta tu in mulieribusのようにメリハリをつけて歌いましょう。
詩編唱の2節目の後半 ex hoc nunc, et usque in saeculum. の部分はもう一度しっかり音読して発音の練習をしておきましょう。たどたどしくならないように、usque のusにむかって流れていきましょう。
アンティフォナの最初の音がファに変更になりましたので、詩編唱のあと続ける時も最終音 ソ→ファ になります。チェックしておきましょう。

④Ant.5 Ecce ancilla Domini→ Ps.Lauda Jerusalem(1.2.10.11)→ Ant.戻る。
*全音下げ。男性の先唱のあと全員でアンティフォナを歌う。Ps. 先唱は先生。奇数節・先生側 偶数節・アシスタント側

アンティフォナ:ancilla にあるペスですが、ペスは上の方へむかい、上の音のほうが長くなります。下の音が重くならないように!fiatは最初のクリビスと次の1つ目の音までが一括り、次の音は分けてさらに次のmihiの音へと繋がるイメージです。つまりatの同じピッチの2つの音を一つ目はプンクトゥムのように軽く、2つ目は少し長めにして、その間で動きが分かれるように感じて歌いましょう。また最初のクリビスの下の音ミが低くなりがちです、意識して高めに取ってください。最後のtuumの発音も注意!(テュオンのような音)
詩編唱の最後のペスはしっかり、ラの音に伸びて離しましょう。そしてアンティフォナに戻る時は、頭がドなので、準備をしておいて下さい。

⑤Capitulum. Ecce ~→ R.Deo Gratias
*全音下げ。KさんによるCapitulumのあと、全員でDeo Gratias。
☆その後大きい楽譜へ移動します。

⑥Resp. Missus est (Vs無し)→Ave Maria~→ R.Dominus tecum
*4度下げ。アシスタントの先唱のあと全員で斉唱。終わるとすぐにアシスタントがAve Maria~そのあと全員でDominus tecum。
☆2列の隊形に戻ります。

もう一度、古ネウマをしっかりチェックしながら流れと繋がりを確認しておきましょう。

Mariam Virginemのところの -am やVir-についているリクエッセンスをしっかり!またVir-のドの音が落ちないように注意。
desponsatam Joseph の流れ、指示文字cのところはさらっと素早く、その後にいくつかあるエピゼマできちんと重みを感じます。また後半のほうのファ・ソ・ラの音はすべて全音ですのでしっかり幅を取り、上がりきりましょう。
verbum の-bumもネウマ、特にエピゼマの位置をしっかりチェックしてゆったりとした流れ方を考えましょう。
expavescitのところのトルクルス(レファミ)の先にエピゼマを書き足しました。3つ目の音ミの半音を丁寧に取り、かつ次のクィリスマの準備をします。クィリスマを使って勢い良くソまで行きますが、そこで終わらず、大きな流れとしては次にもう一度くるde lumineの方のエピゼマ付のソの音へと向かっていきます。(「光に驚きました」というところ)
3段目と4段目の変わり目で場面も転換します。(4段目は天使の言葉「おそれるなマリア~」)流れていかず、区切りをいれましょう。
5段目Dominumド-ラの短3度が下り過ぎないように。-mi-のところエピゼマの音でしっかり準備したあと勢い良くクィリスマで上がっていきましょう。
et paries の-riesあたりのラが低い。その周辺の全音の幅もことごとく低くなるので、広い全音のイメージをしっかり持ちましょう。
6段目vocabitur ドの音が続いているところは2つ目の音がいつも低くなってしまいます。気をつけて!
Altissimi の -ss-を使ってしっかり準備してラの音へ下ります。音程をきちんと、また押しつけて音量が大きくならないよう注意してください。
最後のFilius、 -li-の3音はサリクスと思って動きを持って歌いましょう。このあたりの全音もしっかりとって最後はゆったりとフィナーリスの ソに降り立ちます。

このように、色々あるのですが、最終的にはテキストの内容をしっかり理解し、唱えるように歌っていきましょう!
大きな楽譜で全員が同じものを見て歌いますので、一体感を持って歌えると思います。みんなの気配も感じながらひとつの流れ・響きになるように!

⑦Magnificat → Ant. Gabriel →Cant.Magnificat(1.2.11.12)→ Ant.戻る。
*4度下げ。男性の先唱のあと全員でアンティフォナを歌う。カンティクム先唱はアシスタント。奇数節・アシスタント側 偶数節・先生側

アンティフォナ:5度ジャンプ(ソ-レ)し、さらに上がって下りていくという大きな流れの中で、テンションを感じるところ、あるいは流れいくところのメリハリ・流れを大切に歌っていきましょう。また旋法は違いますが、先ほどのアンティフォナAve Mariaのメロディーと、このアンティフォナの後半 Ave gratia plena以降は、かなりの類似性があります。言葉の自然なイントネーションや、(当時の人たちの中での)このメロディーの認知度などもあったのかも知れませんが、興味深いポイントです。歌い比べてぜひチェックしておいてください。
カンティクムでは、毎回導入部のメロディーをきちんと付ける事をわすれないように。ペスのところでしっかり上へ向かい、音が上がりきるように!そして一番最後のペスの下の音シ(半音)が落ちすぎないように注意してください。

⑧Kyrie ~R.Christe ~. →Pater noster→ Et ne~ R.Sed liberanos a malo.
⑨Dominus~ R. Et cum spiritu tuo → Oratio Deus, ~ R. Amen
*4度下げ。先生のお唱えのあと、全員でR.部分を斉唱。

⑩Benedicamus Domino→R.Deo Gratias
*記譜どおりのピッチ。アシスタントの先唱のあと全員でDeo gratias。

☆先生とアシスタント側の人から静かに退場します。

実際の詳しい動きについては、当日リハーサルでしっかり練習します。そのときにまごつかないためにも流れをしっかり頭に入れて、準備をしておきましょう。

聖務日課というのは、文字通り”日課”-日々の祈り-ですから、一つ一つの聖歌をしっかり上手く歌う事も、もちろん重要ではありますが、それらが当たり前のように、滞りなく静かに進み、祈りの時間・空間を形成することも、とても重要なことだと思います。
この一年を通して学んだ、ミサ、そして聖務日課のグレゴリオ聖歌とその典礼の流れを、もう一度各自で復習し、グレゴリオ聖歌の役割というものをしっかり自分なりに確認した上で、発表会で学んだことが発揮できれば良いのではないかと思います。
発表会では、私たちがオープニングを務めます。単声の音楽、そして祈りの音楽であるグレゴリオ聖歌の素晴らしさが、聴いてくださる方に伝わるように頑張りましょう!

(N.Y.)










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by fonsfloris-k | 2016-01-30 13:00 | 講座レポート
1月30日 古ネウマ研究(東京)
2015年度 第10回

【総括】
・講座としては今回が最終回でした。あとは2/11の発表会です。
・前半は、3/25の「聖母のお告げの祝日」のミサで歌われるグレゴリオ聖歌を、ミサの形式に沿って歌うということをしました。
・後半は発表会で歌う “Tollite portas” と “Diffusa est” を練習しました。

【前半】
・今年の発表会のテーマでもある「聖母のお告げの祝日」のミサ。そこで歌われるグレゴリオ聖歌については、トリプレクスの553ページに載っています。(Die 25 martii)
・In Annuntiatione Dominiとありますが、これば第2バチカン公会議以降の現代的な呼び方で、伝統的にはIn Annuntiatione Beatae Mariae Virginis でした。
・ここにはミサ固有唱のみが載っています。通常唱については、聖母に関するミサということで、聖母のミサで歌われる通常唱を歌います。トリプレクスの場合、9番あるいは10番の一連の通常唱が聖母のミサで歌われるものです。(ただし、時代や地域によって他の通常唱が聖母のミサで歌われることもあった)

ミサの形式に沿ってグレゴリオ聖歌を並べると以下のようになります。
①入祭唱 Introitus: Rorate caeli desuper
②キリエ
③グローリア
④昇階唱 Graduale: Tollite portas
⑤詠唱 Tractus: Audi filia
⑥クレド
⑦奉納唱 Offertorium: Ave maria gratia plena
⑧叙唱 Praefatio(pp.809-810に叙唱の際の司祭との問答の旋律が載っている。)
⑨サンクトゥス
⑩主の祈り Pater noster(司祭が唱え、最後の “sed libera nos a malo” のみ全員で歌う。旋律はpp.812-814。)
⑪聖体拝領唱 Communio: Ecce virgo
⑫閉祭唱 Ite missa(イテ・ミサはキリエの旋律に、“Ite missa est – Deo gratias.” という言葉を付けて歌った。“Ite missa est” は司祭のみ歌い、それに応えるような形で全員で “Deo gratias.” と歌う。)

・本来はこの途中途中に、司祭による祈祷や聖書の朗読などが入ります。例えば、グローリアの後には使徒書や福音書の朗読、聖体拝領唱の後には聖体拝領後の祈り、などです。

~休憩~

【後半】

・発表会で歌う “Tollite portas” と “Diffusa est” の練習をしました。
・どちらも昇階唱 Gradualeで、技巧的な歌です。一人一人、可能な限りで復習をして、言葉と旋律に慣れることが大事かと思います。
・大事な音と軽く流れる音の違いを理解するようにしましょう。大事になる音にはエピゼマが付いていたり、それが言葉のアクセントや旋法上の大事な音(ドミナント)になっている場合が多いです。反対に、軽い音はネウマではプンクトゥム(点々)の図形で書かれていたり、指示文字のc(チェレリテル)が付いていたりします。
・また、軽く流れる音は、ひとつの息に複数の音が乗るようなイメージで歌うようにしましょう。例えば、3音の流れるクリマクスを歌う場合に、3音とも息を1回1回使うのではなく、初めの音を歌ったその息使いのまま、2音目3音目も歌えると良いと思います。

発表会までの残りの時間を使って出来る限り復習をしていただき、発表会では伸び伸び歌えるよう頑張りましょう!

(W.K.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-30 10:00 | 講座レポート
1月23日 グレゴリオ聖歌入門【後期】 (東京)
2015年度グレゴリオ聖歌入門【後期】 第5回 2015/1/23

【総括】
・早いもので今回が最終回でした…!
・後期はミサの聖歌に特化して学びましたが、最終回となった今回は、ミサの一連の流れに沿って聖歌を歌うことを体験しました。

【前半】Sanctus, Agnus Dei, Ite missa
ミサの中で歌われるグレゴリオ聖歌は、「ミサ固有唱」と「ミサ通常唱」という2つに分類することができます。前半は、「ミサ通常唱」の中からSanctus・Agnus Dei・Ite missaの3曲を学びました。

○Sanctus

・第8旋法の聖歌。フィナリスは「ソ」、ドミナントは「ド」で、フィナリスの下の方にも旋律が伸びていく。このSanctusは第8旋法の典型的なものと言える。
・曲の中で、同じ旋律が異なる歌詞で付けられていることに注意したい。例えば、2回目の “Sanctus” は、3段目の“Benedictus qui venit” と同じ旋律。このように、同じメロディーが音節数の違う言葉に付けられていることから、いわゆる「古ネウマ的」な歌い方にはこだわる必要がないかもしれない。
・2段目、“caeli” と“terra” の1音目は、アクセントの音節であるので少したっぷり目に歌うと良い。
・5段目、「ラドソミファミレ」から「ラ」に行く進行に注意。それまでのパターンでは、「ラドソミファミレ」から「ファ」に行っていた。

○Agnus Dei
・第6旋法の聖歌。フィナリスは「ファ」、ドミナントは「ラ」。所々ドミナントより上に旋律が伸びていたり、フィナリスより下の音が「ミ」しか出てこないなど、それほど第6旋法らしくはない聖歌。→旋法は便宜的なもの。
・フレーズのまとまりを意識。“Agnus Dei”、“qui tollis peccata mundi”、“miserere nobis”という3つのまとまりを感じて歌う。

○Ite missa

・ミサの終了を告げる聖歌。
・伝統的には、その日のミサで歌われた “Kyrie” の旋律に “Ite missa est. –Deo gratias.” という歌詞を付けて歌う。
・歌詞の “Ite missa est.” の部分は司祭が歌い、それに応えるような形で全員で “Deo gratias.” と歌う。
・復活の季節には、「アレルヤ」という言葉が加わる。

~休憩~

【後半】ミサの流れで歌う
・後半では、これまで学んだ聖歌の復習の後に、実際のミサの流れに沿う形で全ての聖歌を順番に歌いました。
・繰り返しになりますが、ミサの中で歌われるグレゴリオ聖歌は、「ミサ固有唱」と「ミサ通常唱」の2つに分類できます。後期学んだ聖歌を分類すると以下のようになります。

◆ミサ固有唱
・イントロイトゥス:“Ecce advenit”
・アレルヤ唱:“Alleluia-Vidimus stellam”
・コムニオ:“Vidimus stellam”

◇ミサ通常唱

・キリエ Kyrie
・グローリア Gloria
・サンクトゥス Sanctus
・アニュス・デイ Agnus Dei
・イテ・ミサ Ite missa

ミサで歌われる聖歌はもう何種類かあるので、これで全てではありませんが、これらをミサの式次第に沿う形で並べると、以下のようになります。

①イントロイトゥス:“Ecce advenit”
②キリエ Kyrie
③グローリア Gloria
④アレルヤ唱:“Alleluia-Vidimus stellam”
⑤サンクトゥス Sanctus
⑥アニュス・デイ Agnus Dei
⑦コムニオ:“Vidimus stellam”
⑧イテ・ミサ Ite missa

・実際にこれらの順番で歌いました。一気に歌ったので疲れたと思いますが、本当は途中途中に司祭の聖書朗読などが入るので、ずっと歌いっぱなしというわけではありません(苦笑)。ミサの流れが少しでも感じられたなら良かったと思います!

【アシスタントよりまとめ】

5回にわたる後期の入門講座、お疲れ様でした!
四角譜を中心に様々な種類のグレゴリオ聖歌を歌った前期とは異なり、後期の講座ではミサの聖歌に特化し、かつ、四角譜以前の「古ネウマ」を参考にしながらグレゴリオ聖歌を学びました。月1回全5回の講座では、古ネウマについて網羅的に学ぶには時間がないということもあり、理解が及ばない部分もあったかもしれません。ただ、ポイントポイントを押さえながら、古ネウマが促している歌い方をお伝えしたつもりです。また、エピゼマや融化形のネウマ、指示文字、など古ネウマの楽譜を見るにあたっての重要なポイントは少なくともお伝えできたのではないかと思います。
後期で取り上げたミサは、1/6の主の公現の祝日のミサでした。もちろん、ミサというのは他にももっと存在し、その中で歌われるグレゴリオ聖歌も「膨大」なほどたくさんあります。また、ミサの他に重要な典礼として「聖務日課」というものがあります。そして聖務日課の中で歌われるグレゴリオ聖歌というものもあります。したがって、「グレゴリオ聖歌」と一口に言っても本当に色々な種類のものがあり、気の遠くなるような曲数でもありますが、もし今まで「グレゴリオ聖歌」というものがどれも一緒に見えていたとしたら、今回の講座によって少し区別・分類がなされたのではないかと思います。
 今回の講座が受講者の皆さまにとって有意義なものであったなら幸いです。来年度は、入門クラスの他、「ミサの聖歌を歌うクラス」と「聖務日課の聖歌を歌うクラス」が設けられる予定です。ご興味ございましたら、ぜひご検討下さい。ちなみにアシスタント渡辺は入門クラスでアシストします!(笑)
 半期の間、ありがとうございました!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-23 13:00 | 講座レポート
1月16日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第9回

講座も今回を含めてあと2回となりました。発表会も近づいてきましたので、発表に向けて流れも確認しながら練習をしていきました。

まず、発表会の流れについて以下、確認しました。

この講座は第1部のミサ部分の固有唱、入祭唱と詠唱を担当します。
Introitus入祭唱: Rorate caeli desuper 天よ上から露をしたたらせ
Tractus 詠唱:Ave Maria アヴェ マリア

まず、私たちが入祭唱を(グレゴリオ聖歌→イザークのポリフォニー)で演奏して、一旦退場。
その後、ルネサンス2講座により、通常唱 キリエ・グロリア(Dufay)が歌われる。
次に、グレゴリオ聖歌1講座により、昇階唱Graduale:Diffusa est gratia が歌われる。
そして、再度私たちが登場し、詠唱(イザークのポリフォニーのみ)を歌う。

各曲の詳しい歌い方・構造についても再度確認しました。(*これは前回をレポートを読み直してみてください。)

その後、クワイヤブックを囲んでグレゴリオ聖歌・イザークの曲を順番に沿って歌っていきました。

今回の講座全般(グレゴリオ聖歌・ポリフォニー両方)を通じて、注意すべき、テーマが登場しました。
それは、“クィリスマ/クィリスマ・ペス” に象徴される動き、音の流れです。(ギザギザピュッという形で表されるネウマ)クィリスマは経過音で使われるネウマで、下から上へと登っていく音形で出てきますが、勢いがあり、また見た目の通り動きやエネルギーが内包されています。
声もそのように、勢いを持って力強く、しかし押し付けたり止まったりしないで、軽やかに伸びやかに歌っていきましょう。
また、言葉と言葉のアーティキュレーションをしっかり付け過ぎないで、言葉から言葉へと繋がっていくフランス風の流れのイメージを常に持つことも再確認しましょう。(ぶつ切れにならないこと!)

グレゴリオ聖歌
前述のとおり、言葉と言葉を繋げて歌うことをかなり意識してください。(語尾の子音を次の語頭と一続きで歌います。)
先生についていくのでなく、全員で動きを共有して一緒に動く気持ちで歌いましょう。動きの初めにしっかり勢いをつけて、また下へジャンプする時(例:Salvatorem Sal-vaのところなど)にボンと落ちないように、準備して声の響きはシャープなままで、しかしふわりと降りてきましょう。
そして、そのまま最後の~rem の響きを小さく、しかししっかりと聖堂の天井まで届けるようなイメージで歌います。(その響きが、次のポリフォニーの導入にもなります。)

Isaacポリフォニー
Superius(アシスタント)の先唱から始まります。その最後のレの響きを受け継いで、同じ レ (但し1オクターブ・2オクターブ下)から歌いだします。準備をしっかりと始めてください。
詩編唱の部分も、前半を先唱者が歌い、続いてポリフォニーになります。出だしをぶつけないように、下から響きを立ち昇らせるようなイメージを全員で共有した始めましょう。B:Tとの音程関係をよく意識して歌いましょう。T:anuntiat は他のパートと違う動きをします。言葉とリズムをしっかり確認しておきましょう。A:ラ の連続が下がってきてしまいます。押し付けないように、軽めに歌いましょう。S:Aと同じく レの連続ですが、下の動きをしっかり聴いて縦の響きに反応しながら歌いましょう。
Gloria Patri ~の後半はSuperiusのみが歌います。高めの音なのでキンキンしないように、また言葉を大切に歌いましょう。
その後、頭に戻ります。


Isaac/Ave Maria
1節:T/B=女/男 で歌います。人数が多いので安心して歌えますが、その余裕をフレーズを繊細に歌い、お互いの動きを聞き合うことに使いましょう。(自信を持ってガンガン歌わないように!)

2節:各パートの旋律に動きがないとつまらなくなってしまいます。今日のテーマのクィリスマを思いだして、ハーモニーを静的に捉えないでつねに動いていこうとするエネルギーを感じましょう。

3節:出だしのEcce, et paries, et vocabitur, Emmanuel など、エの母音で始まるフレーズがたくさんありますが、シャープな母音で始められるように各自練習しておきましょう。前に飛び出すのと同時に後ろ向きににも引っ張られるような両方の向きの力を感じて母音を発音しましょう。緊張感を持って、ぼやっとした音にならないように。

4節:細かい音が多いですが、常にウラも感じてフレーズに動きが出るようにしましょう。アルトは特に音域が低いところがたくさんあるので、そういうところほど落ち着いて密度のある声で歌えるように頑張りましょう。

5節:コントラのテキストet virtus altissimiの部分が変わり(削除していた et virtus をもう一度付けたし)ました。特に男性はエやアの母音の時にひらき気味になり、喉の奥のほうで響きがちになります。また喉で音程を作ってしまう傾向があるので、響きを前に集めて歌いましょう。

6節:練習番号⑭以降からのエンディングの流れを全員で共有して一つになって終われるようにしましょう!コロルのところでリズミカルになりますが、あまり跳ね過ぎないように(特にコントラ)滑らかに動きましょう。
最後の⑮からは、まだ一度ですっと通りませんでした。各自もう一度しっかり前後の流れを確認しましょう。しっかり楽譜を正確に読もう!と頭で理解することを第1に考えるより、メロディーを覚えてしまって、他のパートの動きを感じながら合わせていくほうが良いかもしれません。楽譜上でなく実際に聴こえてくる音に反応して歌えるようになりましょう。


だいぶ歌えるようになってきました。他のパートも聴けるようになってきていると思います。後は一人一人の地道な努力で、今までのクセを矯正して、響きを前に集めることや、動きを常に持ち続けること(クィリスマのイメージを大切に!)、個々の問題点(難しい音程や、発音の場所)をもう一度さらって、より面白いポリフォニーのアンサンブルになるように(ガチッとした合唱にならないように)、練習しておきましょう。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-16 13:00 | 講座レポート
1月9日 15世紀のミサ (東京)
1月9日 15世紀のミサ Missa Ecce ancilla Domini 第9回

今回は欠席者が少し多く、アシスタントもアンサンブルに加わって歌いました。
お立ち台もなかったので、いつもの眺めや響きと少し違ったと感じた人が多いかも知れません。
どのような場合でも、出来る限り無理のない姿勢で楽譜を見て歌える位置を確保して、クワイヤブックだけを見て歌うクセをつけて下さい。
みんなで1つの楽譜を見ることにより、目線が上がり視野が広がって他の人の気配をよりたくさん感じることができて、響きの一体感も自然と増します。ちょっとした意識の違い、姿勢の違いで音は変わっていきますので、集中しつつ広い視野(聴くほうも含めて)を持って常にみんなの動きをキャッチしながら歌っていきましょう。

講座の流れとしては、いつもどおり、まずグレゴリオ聖歌を全員で歌い、その旋律の特徴を確認・共有してから、キリエ・グロリアを細かいニュアンスなどを学びながら通していきました。

グレゴリオ聖歌については、花井先生より、”響きがだいぶ整ってきましたね。少ない回数で合うようになってきました!”という言葉を頂きました。
狭い母音を、音そのもののイメージ(シャープで豊かな倍音が含まれた音)と、身体の持っていきかた(口・顎を開けない、舌先を使う、前面・鼻の方を意識する)の両方の面から記憶して、出来るだけ第1声から響きが揃えられるように。これもやはり集中力だと思います。

母音の面で、特に注意をされる点は、E と Uの発音。共に”狭く・前で”。Uは〔y〕。(”ウ”と一人でも発音すると響きが失われてしまいます。)
音程の面では、”広い全音・狭い半音”。

グレゴリオ聖歌をそのメロディーとテキストに慣れ覚えるだけでなく、”みんなで歌った響き”や”みんなで作った動き”のイメージも含めて思い出しながら練習して(もちろん発音・発声等の注意点も含めて)身体に入れておくと、ポリフォニーで合わせやすくなるはずです。急がばまわれで頑張りましょう!


ポリフォニーについては、自分の声部の楽譜にリズムの面でも音程の面でも、もう問題点はないと思います。問題は、どう合わせていくかですね。
この講座の初めのほうで花井先生がよくおっしゃっていたのは、
”まず、グレゴリオ聖歌を、フランス語風の発音と繋がりを持って流れを作りつつ、旋法をしっかり感じて歌う。そしてその旋法の雰囲気・流れをポリフォニーでも同じようにしっかり感じて歌うこと。それがDufayの作品の全てです。” ということでした。

さて、旋法って何でしたか?フランス風の発音・音のつながりとはどういうものですか?
(少しでも?が浮かんだ人は、ぜひ以前のレポートを読み返してみてください。)
それらが、自分のポリフォニーのパートを歌っているときに意識できていますか?

初めのうちは、たくさんの新しい情報が入ってきますので、例えば発音・発声・旋法・メンスーラ・リズム・音程…など、一つ一つのことを別々にインプットしてこられたと思いますが、それらは本来は切り離して考えられるものでなく、音楽の中で一体となって存在しているものです。
特に、計量記譜の読み方は、最初はなかなか難しいので、メロディーの音程とリズムが疑問なくきちんと歌えるようになるまでにとても時間がかかり、そこに集中していると、いつの間にか楽譜を読めてスラスラ歌えることがゴールのようになってしまいがちです。けれども、そこを超えて、グレゴリオ聖歌を歌うときのような旋法的な動きからくる自然な流れ・歌いまわしの感覚を、どれだけポリフォニーの旋律の中でも感じ、表現することができるかということが最も重要な課題なのです。そのように色々なこと結び付けて考えることが出来るようになれば、自然と細かい動きの歌い方、あるいは長く伸ばしているときの歌い方、カデンツへの持っていき方などが、見えてくるはずです。そして、”他の人の音や流れに反応しながら歌う”ことの意味がしっかり分かるようになると思います。

細かい注意点などは、すでに以前のブログにたくさん書かれていますし、おそらくみなさんの楽譜にもたくさん書き込まれているでしょうから、それらを改めて、現在の視点でもう一度読み直して復習してみると良いのではないかと思います。一つ一つのピンポイントの指摘ではなくて、それら全ての中に通じる根本的な考え方やアイデアを発見してください。

「音とリズムは一人で歌えるようになった。後は講座で先生に導いて頂こう!」というだけではDufayはなかなか微笑みかけてはくれないようです。各自が一歩進んで、旋法的な音の流れ、フランス風の音の繋がりについて積極的に考え準備してきた上で、集中力を持ってアンサンブルに臨めるようこころがけて下さい。


今回は、アシスタントの私もアンサンブルの中に参加して一緒に歌っていたこともあり、レポートというよりは、感想のような内容になってしまいましたが、ここまで来たら、一つ一つの細かいポイントを指摘していくよりも、もう少し全体的な意識を共有することのほうがより高いレベルのアンサンブルになっていけるように思います。”自分が”出来るか出来ないか、ではなくて、”みんなで”何を求めて音を重ねていくのか、ということを各自が考え、それぞれのレベルでそれを表現し、お互いが反応しあうことで1つの音楽が出来上がるといいですね。理想を高くもって頑張りましょう!


その上で、今回の講座で特に指摘された各パートの注意点を最後に挙げておきます。

スペリウス:細かい音や小さなかたまりがあることは良いのですが、それらがぶつぎれにならないようにしたい。とのこと。それには発音(狭いところで響きを保つ)に気をつけることも重要だと思います。そして、音を引く(押さない)ことと音がぼやけてしまうことは違います。小さくてもシャープな響き・エネルギーを保つことに注意してください。

コントラ:とにかく音域が広く常に歌っているので自分のパートの音を読む・歌うことだけに集中しがちですが、逆に耳を外にいっぱい広げて、一緒に歌っている相手のパートを探しましょう。また、全体の響きにスパイスを利かせるのがコントラの役目ですから、特に4声揃ったときなどは注意して全体の響きを捉えるようにしましょう。

テノール: ゆっくり引き伸ばされている音の中にも、グレゴリオ聖歌の旋法感を常に持って歌います。伸ばしている間にへなってこないように、しかし音がきつく固まってしまわないように、たっぷりと余裕をもって全体の(他のパートの)流れを把握しつつ、骨になってあげましょう。(音が長い分、母音の発音はすごく大切です。EやAが広くならないように!)

バス: S/Ctのデュオから始まることが多く、長い休みのあと出ることが多いので、意外と出だしが難しかったりします。こういう練習はみんなで合わせていないとなかなか出来ませんが、練習番号を活用して、他のパートの音を楽譜でも確認しておいて、準備を出来る限りしておきましょう。ゆったりした動きの部分はリガトゥーラなども見ながらフレーズをしっかり感じ、フレーズが終わったところは息継ぎもしましょう。また、細かい動きの時には他のパートと共に軽やかに動きましょう。

*テノールとコントラが入れ替るところは、まだ慣れていないようでしたので、忘れないように! 復習を怠らないように、スムーズに入れ替れるよう練習しておいてください。

先生が初めの頃におっしゃっていたことに、
”デュファイは各声部の役割が比較的しっかりと決まっています。”というものもありました。
テノールの”骨”にバスが絡んでしっかり土台となり、その上をスペリウスが優雅に動き、その間をコントラが縫っていきます。また今回の曲では、スペリウスとコントラのデュオも大きな柱になっています。その各自の役割をしっかり意識しながら、発表会に向けても、充実したアンサンブルを目指しましょう。

次回はいよいよ最終回です。しっかりした準備と集中力を持って講座に臨んでください!006.gif

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-09 15:45 | 講座レポート
1月9日 さまざまな聖歌をうたう(東京)
グレゴリオ聖歌 第9回

今回は3月25日聖母マリアのお告げの祝日の晩課の全容を学び、一連の流れを感じながら歌いました。
そしてその中から、発表会で演奏する部分を確認し、発表会バージョンの練習に取り組みました。

講座自体の流れとは前後しますが、まずは発表会に関係する部分からレポートしていきますので発表会に向けての準備のために確認してください。

まず、晩課の流れにそった楽譜作製。
(前回の講座で配られたプリントは数字でナンバリングしましたので、今回はアルファベットで区別しておきます。) 

A 右半分だけのプリント(Deus in adjutorium meum intende)
B アンティフォナ5曲(Missus est)<前回の①>
C 詩編(Dixit Dominus/Laudate pueri)<前回の③>
D 詩編(Laetatus sum/Nisi Dominus)<前回の④>
E 詩編(Laudate Jerusalem)+Capitulum+Res.br
F 賛歌(Ave Maris stella)<前回の⑤>
G レスポンソリウム+マニフィカトのアンティフォナ
H マニフィカト<前回の⑥>
I キリエ~べネディカムスドミノ/デオグラツィアス

以上9ページを糊付けして製本しました。
*これに黒の表紙を各自付けておいてください!

<発表会で歌う曲とその流れ>
①Deus in adjutorium~R.Domine~(最後はAlleluiaではなくLaus tibi~に行く)
②Ant.1 Missus est→ Ps. Dixit Dominus(1.2.9.10)→ Ant. 戻る。*先唱・詩編奇数節=男声
③Ant.2 Ave Maria→ Ps. Laudate pueri(1.2.9.10)→ Ant.戻る。*先唱・詩編奇数節=女声
④Ant.5 Ecce ancilla Domini→ Ps.Lauda Jerusalem(1.2.10.11)→ Ant.戻る。*先唱・詩編奇数節=男声
⑤Capitulum. Ecce ~→ R.Deo Gratias
⑥Resp. Missus est (Vs無し。楽譜はすでに抜いてあります)→Ave Maria~→ R.Dominus tecum
⑦Magnificat → Ant. Gabriel →Cant.Magnificat(1.2.11.12)→ Ant.戻る。*先唱・カンティクム奇数節=男声
⑧Kyrie ~R.Christe ~. →Pater noster→ Et ne~ R.Sed liberanos a malo.
⑨Dominus~ R. Et cum spiritu tuo → Oratio Deus, ~ R. Amen
⑩Benedicamus Domino→R.Deo Gratias

*詩編唱とアンティフォナの部分では、ページが行き来するのでしっかり流れを確認しておいて下さい。また、詩編唱とカンティクムは初めの1・2節と最後の小栄唱(Gloeia Patri~)の節のみを歌います。これも要チェックです!


講座では、まず晩課全体の流れを確認し通してみました。
前回はアンティフォナや詩編唱・賛歌・マニフィカトなど、いわゆる聖歌の部分は全て学びましたが、今回はお唱えや朗読なども含めた完全な流れを勉強しました。

・冒頭句 Deus in adjutorium~で始まります。みなはR. Domine~から唱和します。3月25日はほとんどの年で復活節にはあたりませんので、最後はAlleluiaではなくLaus tibi~を歌います。

・続いて5つの詩編唱とアンティフォナ(交唱)を歌っていきます。

・その後Capitulum(小聖書朗読/小課)へ移ります。朗誦の仕方(メロディー)は決まっていますが、内容は晩課毎に違います。(メロディーはEの右上の楽譜、テキストはその下〈イザヤ書〉Ecce virgo concipiet,~。朗読が終わると、全員でDeo Gratias と唱和します。

・続いてレスポンソリウムブレビス(小レスポンソリウム)。
(*前回のレポートの歌い方(順番)の説明が間違っていました。すみません。今回の講座でも改めて歌いましたが、正しくは以下です。前回レポートは訂正済みです。
先唱者がAngelus Domini Nuntiavit Mariaeと歌うと、全員で同様にAngelus Domini Nuntiavit Mariaeと繰り返す。
続いて先唱者が V. Et concepit de Spiritu Sanctoと歌い、全員で*以降 Nuntiavit Mariae と歌う。
それから先唱者がGloria Patri et Filio et Spiritui Sanctoを歌い、全員でAngelus Domini Nuntiavit Mariaeと歌う。
最後にもう一度全員で Angelus Domini Nuntiavit Mariaeを歌って終わる。)

・さらに賛歌Ave Maris stellaを交唱し、すぐに小句Ave Maria, gratia plenaへ続き、みなでDominus tecumと唱和します。

*(この、小レスポンソリウム+賛歌+小句が古い時代には レスポンソリウム+小句 に置き換えられていたことがあったそうで、今回の発表会では、そちらのヴァージョンで歌います!)

・その後、聖母マリアのカンティクム(マニフィカト)とアンティフォナへ進みます。

・Kyrie eleison/Christe eleison/Kyrie eleison を唱えます

・Pater noster の後、声に出さず沈黙の中で各自祈りを捧げ、Et ne nos inducas in tentationemの後、 Sed liberanos a maloと唱和します。

・Oratio(祈祷文)が唱えられ(Capitulumと同じくテキストは I の左下、メロディーは右上) Per omnia saecula saeculorumの後、Amenと唱和。

・最後に、Benedicamus Dominoに Deo gratiasと唱和して、晩課は終わります。

以上の流れを省略することなく、最初から最後まで通し、そこに流れる祈りの時間・空間というものを少しですが感じることができたように思います。
各聖歌の歌い方等の注意点は前回のレポートでもう一度復習しておいてください。
全体としては、やはり、一つ一つの音や言葉をぶつぶつ切ってしまわないこと。抑揚を感じること。また、音律(広い全音・狭い半音)のイメージを全員が共有し、常に意識しながら歌う事(何となく歌ってしまわない!)そして、柱になる音(特にフィナーリスやドミナント)の響きをキープすること。
音符やテキストを読むのに必死になっていると、上記のことに気がまわらず、音がどんどん下がっていってしまいます。(今回もキーボードが登場してしまいました・・・。)このあたりの注意点を、特に発表会で歌う部分を中心に各自何度も復習しておいて下さい。
いよいよ次回は最終回です。晩課の流れについてはだいぶ理解が深まったと思いますので、次回は音の響きやテキストについて、みなで合わせることに集中できるよう、準備をしっかりして臨みましょう。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-09 13:00 | 講座レポート
1月9日 古ネウマ研究(東京)
2015 年度古ネウマ研究 第 9 回

【総括】
・ネウマを一つ一つ学んでいくのは今回で最後になりました。21. pes quassus、 22. quilisma、を主に学びました。
・後半はグラドゥアーレ “Diffusa est”と“Tollite portas”を大きな楽譜で練習しました。なお、"Diffusa est"のヴェルススは
男声、"Tollite portas"のヴェルススは女声が担当する予定となりました。

【前半】
○ペス・クワッスス pes quassus
・長さは「流れないペス」と等価と考えられる。流れないペスの第1音部分がオリスクスになっているとも考えられる。
→初めは流れないペスだったところにオリスクスを追加して、ペス・クワッススに修正しているものがある。GT266,2
・言葉(歌詞)を区切るときに使われることがある。

○クィリスマ quilisma
・ギザギザ部分にヴィルガが結合した2音を含むネウマの場合、クィリスマ・ペス(quilisma pes)と呼ばれることもある。
・ギザギザが2つの場合と3つの場合があるが、カルディーヌによれば、Cantatoriumという写本(ザンクト・ガレン修道院図書館359写本)
においては、前者が全音に、後者が半音に用いられている。
・クィリスマの音(ギザギザの音)は経過的に扱うものと考えられている。ただし、その部分で装飾的な歌い方がされていた可能性は高い。

~休憩~

【後半】
○ “Diffusa est”
・ヴェルススは男声が担当。
・とめどなく流れていく部分に注意したい。例えば、1段目から2段目に移るところなど。
・ストローファのネウマの部分は音がつながってしまわないように。声の強弱を繰り返すようにすると良い。
・冒頭"est"にあるフラットの付いた音の音程を合わせたい。
・3段目冒頭"dixit"のクィリスマの音は、それまでずっとフラットの付いていた音がフラットでなくなるところなので注意。転調したような感じになる。

○ “Tollite portas”
・ヴェルススは女声が担当。ヴェルススはソリスティックに歌いたい。
・"Diffusa"に比べるとこちらの方が慣れている感じがあった。

【次回 (1/30) 】
・発表会まで残り 1 回となりました。次回は発表会で歌う2曲に集中して練習すると思います。
・発表会では大きな楽譜で歌います!一人一人楽譜を持って歌うときには感じられないアンサンブルが出来ると思いますが、そのためには
一人一人が旋律に慣れておく必要があるでしょう。
・ヴェルススの担当も決まりましたので、ぜひ復習をして次回の講座に臨めると良いと思います!頑張りましょう!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-09 10:00 | 講座レポート