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9月9日グレゴリオ聖歌入門 (東京)
9/9 10時
祐天寺のフォンスフローリス古楽院にて、花井先生のご指導のもと、
グレゴリオ聖歌の概要についての復習からはじまり、入祭唱、キリエ、グロリア、キリエのトロープスを歌い、
アレルヤ唱1,2,続唱の説明までを受けました。


☆グレゴリオ聖歌の概要の復習
・10世紀ごろにネウマ譜で記譜され成立
・基本的に無拍であるが、詞句のリズムから三拍子で歌えるものもある。
・8つの教会旋法に大雑把に分類できる。
・ミサは固有唱、通常唱からなる。

☆キリエのトロープス
・各節三回繰り返すのは三位一体の現れ。
・"御言葉が肉となった"とはヨハネ福音書から

☆アレルヤ唱2
・第二旋法であるが、途中で第一旋法にいわば「転調」する。
・写本中のヴィルガがほぼ全体にわたって釘の頭みたいになっている場合は、
 エピゼマではなくその写譜者の筆跡と判断。

☆続唱
・同じ旋律を二回ずつ歌う。
・しばしば韻を踏み、リズムパターンは一定。
・その日の典礼の内容を説明するもの。

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by fonsfloris-k | 2017-09-09 10:00 | 講座レポート
7月8日 グレゴリオ聖歌入門講座(東京)
祐天寺のフォンスフローリス古楽院で第4回目のグレゴリオ聖歌入門講座が実施されました。
講師は渡辺先生です。
前半は"Regina caeli" (資料15頁)、後半は聖霊降臨の大祝日 
日中のミサの入祭唱"Spiritus Domini"(資料4頁)を歌いました。

☆通称「聖母のアンティフォナ」と呼ばれるグレゴリオ聖歌が4曲あり、
"Regina caeli"はそのうちの1曲。聖母のアンティフォナには他に、
"Alma redemptoris mater"(救い主を育てた母)、
"Ave regina caelorum"(めでたし 天の元后)、
"Salve regina"(めでたし 元后)がある。

☆聖母のアンティフォナは、聖務日課のうち一日の最後に行われる「終課」という
祈りの後に歌われる伝統があった。教会暦の時期によって、どれを歌うかが決まる。

☆"Regina caeli"は第6旋法の聖歌。第6旋法のフィナリス(終音)は「ファ」、
ドミナントは「ラ」。この二つの音程を意識する。
付点や音符の上の横線によって、ファとラが強調されている部分に注意。

☆3段目の"alleluia"の"al"や"lu"に見られる小さい音符は、
有声子音"l"や、二重母音"ui"の2つ目の母音"i"を歌うための音符。

☆"portare"の"por"や"Ora"の"O"など、同じ音節内で、同じ音を繰り返すところ(「反唱」と言われることがある)を練習。息を一回一回送るように、しかし音と音の間に空白(無音)は無いように。

☆"Spiritus Domini"の楽譜には、四角符の上下に、四角符よりも古い時代のグレゴリオ聖歌の楽譜が併記されている。上にあるのが9世紀フランスの写本(ラン市立図書館239写本)、下にあるのが10世紀スイスの写本(アインジーデルン修道院図書館121写本)からとられた楽譜。

☆反唱する部分が、古い時代のネウマ譜でどのように書かれているか確認。ランの方では「点・点・横線」、アインジーデルンの方ではアポストロフィのような記号が複数並ぶ。アインジーデルンでは、エピゼマと呼ばれる付加記号によって繰り返しの最後の音の音価の拡大をしている例がある。また、"terrarum"の部分では繰り返しの最後の音を示す記号が下に長くなっており、"r"の有声子音の発音を明瞭に行うことを示すのではないかと考えられる。

☆1段目のreplevitの"ple"の部分は、四角符によれば「ラド→ドレ」となっているが、アインジーデルンの古いネウマが示す旋律とは一致しない。同様に、"terrarum"の"rum"も。いずれもランの古いネウマが示す旋律とは一致。

次回は久々の哲郎先生の会です!皆さん体調をととのえてご出席下さい(^^)

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by fonsfloris-k | 2017-07-08 10:00 | 講座レポート
6月3日グレゴリオ聖歌入門 (東京)
祐天寺のフォンスフローリス古楽院で第3回目のグレゴリオ聖歌入門講座が実施されました。講師は渡辺先生です。
キリエのトロープス"Lux et origo"を前半に、後半はグロリアを歌いました。

☆グレゴリオ聖歌は移動ドの世界。先唱者の高さに合わせる。

☆構えずに流れに身を任せて歌う。

☆トロープスとは、聖歌のメリスマ部分に新たに歌詞を挿入した曲、歌詞も旋律も新たに作りそれを既存の聖歌に追加したものを言う。挿入された歌詞そのもの、あるいは旋律そのものもトロープスと呼ばれる。

☆今回取り上げたキリエ"Lux et origo"では、KyrieやChristeのメリスマ部分にラテン語歌詞が挿入され、主の説明を付加する内容になっている。

☆トロープスの語源は古代ギリシャ語の言葉が元になっていて( τρόπος) 、訳語には「変化」という単語がある(英語のa turn)。

☆繋がっている音符は一息で歌うイメージ

☆一つの音節で同じ高さ音を何度も繰り返す場合には、息は一回ごとに送られる。

☆in excelsisの「l」は音が乗る子音(有声子音)→小さい音符で書かれている。古ネウマの時代からこの記譜は存在し、子音に対する配慮がこのころからされていることがわかる。

☆Agnus Deiの"gnus"はネウマ譜だと「クリマクス」という音符で書かれている。3つの音で一つのグループを成すので、これも一息で歌う。

☆喋るように歌うこと。
(H.I)

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by fonsfloris-k | 2017-06-03 10:00 | 講座レポート
5月6日 グレゴリオ聖歌入門(東京)
2017/5/6 10:00
祐天寺のフォンスフローリス古楽院にて
グレゴリオ聖歌入門講座の第二回目が櫻井先生のもと
行われました。

今回は、実際の歌い方のテクニックに重点を
置いた指導をうけながらキリエとグローリアを
歌いました。


☆ドミナントが来たらその音にとどまるイメージ。
☆音程が変わる時に喉で切らないように。
イメージとしては急速なポルタメント。
有声子音の時も同様。

☆ピタゴラス音律
純正な五度を取っていくと
平均律より2セント広いために、オクターブに収めるために
余計な24セント分をAsとCesの間に寄せる音律。
単旋律においてこの音律を使用するのは、半音はより狭く、
全音は広いために旋律のキャラクターがはっきりするので使用する。

☆音程が気になるときは、息を増やす。
☆ずっと基準音を心の中に鳴らしておくとよい。

☆"あ"の時の舌の位置より低くしない。
”お”、"う"は口をすぼめ、舌が下がらないようにすること。
→音程が低くなり、高い音程をとりづらくなるため。

(H.I.)

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by fonsfloris-k | 2017-05-06 10:00 | 講座レポート
4月8日 グレゴリオ聖歌入門(東京)
【グレゴリオ聖歌入門】4/8 10:00-12:30
4/8祐天寺のフォンスフローリス古楽院にて
グレゴリオ聖歌入門講座第1回目が花井哲郎先生の指導のもと行われました。


ミサの固有唱と通常唱の区別について。
聖歌隊が歌う歌について。
聖歌というのは典礼のためにあり、教会暦に則る。

☆グレゴリオ聖歌としては、楽譜に記載されている内容は10世紀以降時代と共に徐々に単純化。それと同時にポリフォニーの発展がみられる。

☆トロープス:一音に対し一音節。
挿入句として聖歌のメリスマ部分に加えられたり、
全く新しい音楽とともに新しい詩が加えられることも。

☆アンティフォナの旋法によって
次に唱える詩編の歌い方が変わるので、旋法の分類が必要とされた。

☆今日は聖霊降臨の大祝日から、
キリエ
サンクトゥス
主の祈り
アニュス・デイ
閉祭唱
を歌いました。


(ひとこと)
第1回目お疲れ様でした!
2/12の発表会には皆さん忘れずに予定を空けておいてくださいね。(H.I)

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by fonsfloris-k | 2017-04-08 10:00 | 講座レポート
3月20日 春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」 第2日目(東京)
3/20 10:00-13:00
春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」
第2日目

【総括】
聖歌の歌われる場についてと
"サルヴェ・レジーナ"、"聖母マリアの奉献唱"を題材に、
引き続きネウマ譜の歌い方について花井哲郎先生が説明してくださいました。


【前半】
☆グレゴリオ聖歌の歌われた場について
☆アレルヤ唱の復習
☆サルヴェ・レジーナ

☆グレゴリオ聖歌の歌われた場について
 ・10世紀の歌い方に近いものはわからないが、計量的に歌うのだけは違うはず。
 ・グレゴリオ聖歌以外にもモサラベ聖歌やアンブロシオ聖歌があるが、
  曲自体の差異はわずかであり、よほど知ってないとわからないはず。
  違いとして認識できたらそれは演奏法の違いによる可能性が高い。
 ・聖歌を歌うのは聖務日課とミサ以外に、祭日に街中を練り歩く行列で
  歌うためのものがある。中世には典礼劇が早朝の日課の終わりに執り行われ、
  劇中で単旋律の聖歌に乗せて歌うこともあった。
 ・その昔1月1日は無礼講の日とされ、司教の役目を若者が担い、
  あまり酷さに何度となく禁止令が出されたが、廃止されず残り、
  やがて典礼劇をつくるきっかけとなる。
  よく演じられる演目にダニエル物語などがある。
 ・グレゴリオ聖歌は千何百年もの間、
  毎日欠かさずどこかで歌われてきたものであり、これは注目に値する。
 ・夜課:中世には夜に三回祈っていたが大変なので、
  朝課にまとめるようになったが、今度は朝が大変なので、
  前の日の夜に寝る前のお祈りに加えるようになる。
  →聖週間には蝋燭の火を一本ずつ消していくテネブレの典礼も行われた。
 ・一般の人も祝日は朝課と晩課にでていた。
 ・旧約聖書には150の詩篇があり、苦しい時の祈り、悔い改めの祈り、
  病気などから回復した時の感謝の祈りなど様々な詩編がある。
  聖務日課で唱えるだけでなくいろいろな聖歌の歌詞としてよく使われている。
 ・中世の修道院では1週間で150全て読むようにスケジュール
  されている。アンティフォナという何曜日の何番の詩篇につながるか
  決められた短い歌がある。
  アンティフォナは祝日によっても微妙に内容が異なり、
  アンティフォナのfinalis、dominantによって詩篇の唱え方も
  影響され変化する。
 ・ミサの形式としては、それぞれの祝祭日に固有の"固有唱"
  どのミサでも歌詞が変わることのない"通常唱"からなる。
  "通常唱"は、言葉は同じでも祝日の内容によって固有の旋律があてがわれているものもある。


☆アレルヤ唱の復習
 ・ペスは二音の間の音程の相互関係において上のほうの音を長くするようになる。
 ・グレゴリオ聖歌は音域が狭いので、旋律の動きや跳躍を敏感に
  感じ取ることが大事。→4度と5度の違いなど。
 ・ペスの隣に点々の指示がある場合は軽く歌う。横棒線の場合はテヌートする。

☆サルヴェ・レジーナ
 ・夏の半年、いちにちの終わりの終課の最後に演奏される。
 ・14-16世紀にはギルド、組合などでプライベートなチャペルを作り、
  神父や歌手を雇い、晩課のあとでサルヴェ・レジーナが演奏された。
 ・配布された譜面にはイクトゥスという20世紀ならではの記号が付加され、
  これは19世紀末から歴史的な検証を行った結果、
  今までやってきた音楽より複雑になってしまい、歌いづらくなったので、
  フレーズの区切りを示すものとして付加された。
  しかし誤解を生む元となったので今ではすでに廃止されている。
 ・哀しみを表す4度の下降が頻繁に現れる。

〜〜休憩〜〜

【後半】
☆聖母マリアの奉献唱
 ・奉献唱とは、聖体拝領のパンとぶどう酒を祭壇に準備する際に歌うもの。
  中世にはその他を信者がお供えすることもあった。
 ・5-6世紀から聖母マリア崇敬が広まる。
  10-12世紀にはさらなる拡大を見せ、宗教改革前夜の15-16世紀には
  最高潮となる。
 ・付加文字"s"→スルスム(sursum):"高い"という意味
  付加文字"c"→チェレリテル(celeriter):"早く、軽く"(アッチェレランドど同じ)
  付加文字"m"→メディオクリテル(mediocriter):"中庸"の意味(モデラートと同じ)
 ・オリスクス→次の音を大事にし、次の音に勢いよく向っていくように歌う
 ・ネウマが記載されていない箇所はこの歌が元あった聖歌の替え歌からできていて、
  ザンクトガレンのネウマ譜に載っていないために、ネウマが記載できないから。


【ひとこと】
皆様グレゴリオ聖歌とネウマ譜に親しまれたことかと思います。
個人的にはネウマがもともとニュアンスを示すものということが目から鱗でした。
盛り沢山の2日間、お疲れ様でした!(H.I.)

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by fonsfloris-k | 2017-03-20 10:00 | 講座レポート
3月19日 春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」第1日目(東京)
3月19日 (10:00-13:00)フォンスフローリス古楽院 春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」

【総括】
・「初めてのグレゴリオ聖歌」2日間のうちの第1日目をえびらホールにて開催しました。
・グレゴリオ聖歌やネウマ譜の変遷、修道院の生活について、花井先生がベネディクト会派の修道院を訪ねた際のお話を交えながら解説してくださいました。

【前半】
☆グレゴリオ聖歌の成り立ち
☆ネウマ譜の変遷
☆修道院の生活
☆言葉
☆8つある教会旋法

☆グレゴリオ聖歌の成り立ち
・グレゴリオ聖歌は、一千年前に編纂されて以来ずっと歌い継がれてきたが、歌い方が一様であるとは思えない。そのため、これが正解と言えるものはない。
・そもそも、グレゴリオ聖歌というのは、
10世紀ごろにグレゴリウス一世が西ヨーロッパの聖歌の歌い方を統一しようとしてできたもので、それまでに歌い継がれてきた聖歌をまとめ、歌い方を示したたものである。
・もとの聖歌については、誰がいつ作ったものかわかっていないし、聖歌そのものが生まれた時にはまだ楽譜が存在していないはずである。即興的に歌い継がれてきた歌い回しが徐々に固定化されたと思えるものたくさんある。

☆ネウマの変遷
・そもそもネウマ譜というのは、みんながすでに知っているの聖歌の歌い方のニュアンスを示したものであり、旋律の音高をあらわすものではは無かった。
・1100年頃には、そうしたらフレーズのニュアンス以外に音の高さを示す線が入り、1600年頃にはニュアンスが省かれ音の高さと長さしか示さなくなる。
・19世紀にはソレム修道院が、失われたものを調べようとするロマン派の機運に乗り、全欧のネウマ譜を調べる。20世紀には、ラン(Laon)とサンクトガレンの10世紀のネウマ譜から歌い方のニュアンスを併記したネウマ譜が復活された。2つの修道院は1000キロ離れているが、9割がた一致している。

☆修道院の生活
・修道院における日々の祈りとは、典礼の言葉をみんなで歌うこと。
・グレゴリオ聖歌とは修道士からすれば、
(ローカルの聖人の祝日など細かい違いはあれど)全世界共通の、日々の典礼におけるお祈りであり、一年ぶんいつ何をやるか全部書いてあるものである。
・修道院での生活は、全てがみっちりスケジュールが組まれており、休みはないが忙しくて目が回るということもない。祈りに集中して向かえるようにスケジュールが組まれている。
・1日8回の鐘が鳴り、その鐘ごとに聖務日課があり、その聖務日課において、グレゴリオ聖歌が歌われる。

☆言葉
・聖週間は食生活も質素でひもじい思いをするが、それにつぐ復活祭の時は鐘がガンガン鳴り響き、華やぎ、嬉しいものである。
したがって、"復活"という言葉にはドミナントが当てられることが多い。このように強調する言葉としない言葉のメリハリをつけることも大事である。
・祈りの言葉、グレゴリオ聖歌を歌い継いできた先輩方、ソレムの歌い方などから、いろんなものを総合して良いと思えるものを提供しようと考えている。


☆8つある教会旋法
・グレゴリオ聖歌で使うのは、ピアノの白鍵の音7つと黒鍵のシ♭の音のみ。
・終音(finalis)とドミナント(dominant)
の音程関係からグレゴリオ聖歌の曲をいずれかの教会旋法に分類することができる。
・聖歌が元にあり、理論は後付けなので完璧に一致はしなくても消去法で分類が可能。
・終音はレ、ミ、ファ、ソのいずれか。
・正格旋法(第1,3,5,7旋法)は終音の5度上に、
変格旋法の第2と第6旋法は終音の3度上、
第4と第8旋法は終音の4度上にドミナントがくる。→2468は3434と覚えよう。
・時代の趣味によって調性的な旋律になるように直されたことも。

〜休憩〜

【後半】
☆ネウマ譜の読み方について
・グレゴリオ聖歌は1つの音節に対し音がいくつ組み合わさっているか、またその音の相互関系がどのようになっているかを示している。
・付加文字のtやクリヴィスやトルクルスの上についている棒はテヌートの意味。
・ヴィルガという記号がついている箇所は前の音より高く。四角い音符の上に点のついた箇所は、次の音節の音を少し入れる。
・図形は音を膨らませるところは膨らんでいたり、元気良く歌うところは勢いのある線であったり、直感的にわかるような図になっている。
・よどみなく切れ目なく、フレーズのつながりを意識しながら歌うのが目標。


【ひとこと】
第一日目にしては、かなり内容の濃い講義だったと思います。皆様お疲れ様でした。(H.I.)
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by fonsfloris-k | 2017-03-19 10:00 | 講座レポート
1月30日 古ネウマ研究(東京)
2015年度 第10回

【総括】
・講座としては今回が最終回でした。あとは2/11の発表会です。
・前半は、3/25の「聖母のお告げの祝日」のミサで歌われるグレゴリオ聖歌を、ミサの形式に沿って歌うということをしました。
・後半は発表会で歌う “Tollite portas” と “Diffusa est” を練習しました。

【前半】
・今年の発表会のテーマでもある「聖母のお告げの祝日」のミサ。そこで歌われるグレゴリオ聖歌については、トリプレクスの553ページに載っています。(Die 25 martii)
・In Annuntiatione Dominiとありますが、これば第2バチカン公会議以降の現代的な呼び方で、伝統的にはIn Annuntiatione Beatae Mariae Virginis でした。
・ここにはミサ固有唱のみが載っています。通常唱については、聖母に関するミサということで、聖母のミサで歌われる通常唱を歌います。トリプレクスの場合、9番あるいは10番の一連の通常唱が聖母のミサで歌われるものです。(ただし、時代や地域によって他の通常唱が聖母のミサで歌われることもあった)

ミサの形式に沿ってグレゴリオ聖歌を並べると以下のようになります。
①入祭唱 Introitus: Rorate caeli desuper
②キリエ
③グローリア
④昇階唱 Graduale: Tollite portas
⑤詠唱 Tractus: Audi filia
⑥クレド
⑦奉納唱 Offertorium: Ave maria gratia plena
⑧叙唱 Praefatio(pp.809-810に叙唱の際の司祭との問答の旋律が載っている。)
⑨サンクトゥス
⑩主の祈り Pater noster(司祭が唱え、最後の “sed libera nos a malo” のみ全員で歌う。旋律はpp.812-814。)
⑪聖体拝領唱 Communio: Ecce virgo
⑫閉祭唱 Ite missa(イテ・ミサはキリエの旋律に、“Ite missa est – Deo gratias.” という言葉を付けて歌った。“Ite missa est” は司祭のみ歌い、それに応えるような形で全員で “Deo gratias.” と歌う。)

・本来はこの途中途中に、司祭による祈祷や聖書の朗読などが入ります。例えば、グローリアの後には使徒書や福音書の朗読、聖体拝領唱の後には聖体拝領後の祈り、などです。

~休憩~

【後半】

・発表会で歌う “Tollite portas” と “Diffusa est” の練習をしました。
・どちらも昇階唱 Gradualeで、技巧的な歌です。一人一人、可能な限りで復習をして、言葉と旋律に慣れることが大事かと思います。
・大事な音と軽く流れる音の違いを理解するようにしましょう。大事になる音にはエピゼマが付いていたり、それが言葉のアクセントや旋法上の大事な音(ドミナント)になっている場合が多いです。反対に、軽い音はネウマではプンクトゥム(点々)の図形で書かれていたり、指示文字のc(チェレリテル)が付いていたりします。
・また、軽く流れる音は、ひとつの息に複数の音が乗るようなイメージで歌うようにしましょう。例えば、3音の流れるクリマクスを歌う場合に、3音とも息を1回1回使うのではなく、初めの音を歌ったその息使いのまま、2音目3音目も歌えると良いと思います。

発表会までの残りの時間を使って出来る限り復習をしていただき、発表会では伸び伸び歌えるよう頑張りましょう!

(W.K.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-30 10:00 | 講座レポート
1月23日 グレゴリオ聖歌入門【後期】 (東京)
2015年度グレゴリオ聖歌入門【後期】 第5回 2015/1/23

【総括】
・早いもので今回が最終回でした…!
・後期はミサの聖歌に特化して学びましたが、最終回となった今回は、ミサの一連の流れに沿って聖歌を歌うことを体験しました。

【前半】Sanctus, Agnus Dei, Ite missa
ミサの中で歌われるグレゴリオ聖歌は、「ミサ固有唱」と「ミサ通常唱」という2つに分類することができます。前半は、「ミサ通常唱」の中からSanctus・Agnus Dei・Ite missaの3曲を学びました。

○Sanctus

・第8旋法の聖歌。フィナリスは「ソ」、ドミナントは「ド」で、フィナリスの下の方にも旋律が伸びていく。このSanctusは第8旋法の典型的なものと言える。
・曲の中で、同じ旋律が異なる歌詞で付けられていることに注意したい。例えば、2回目の “Sanctus” は、3段目の“Benedictus qui venit” と同じ旋律。このように、同じメロディーが音節数の違う言葉に付けられていることから、いわゆる「古ネウマ的」な歌い方にはこだわる必要がないかもしれない。
・2段目、“caeli” と“terra” の1音目は、アクセントの音節であるので少したっぷり目に歌うと良い。
・5段目、「ラドソミファミレ」から「ラ」に行く進行に注意。それまでのパターンでは、「ラドソミファミレ」から「ファ」に行っていた。

○Agnus Dei
・第6旋法の聖歌。フィナリスは「ファ」、ドミナントは「ラ」。所々ドミナントより上に旋律が伸びていたり、フィナリスより下の音が「ミ」しか出てこないなど、それほど第6旋法らしくはない聖歌。→旋法は便宜的なもの。
・フレーズのまとまりを意識。“Agnus Dei”、“qui tollis peccata mundi”、“miserere nobis”という3つのまとまりを感じて歌う。

○Ite missa

・ミサの終了を告げる聖歌。
・伝統的には、その日のミサで歌われた “Kyrie” の旋律に “Ite missa est. –Deo gratias.” という歌詞を付けて歌う。
・歌詞の “Ite missa est.” の部分は司祭が歌い、それに応えるような形で全員で “Deo gratias.” と歌う。
・復活の季節には、「アレルヤ」という言葉が加わる。

~休憩~

【後半】ミサの流れで歌う
・後半では、これまで学んだ聖歌の復習の後に、実際のミサの流れに沿う形で全ての聖歌を順番に歌いました。
・繰り返しになりますが、ミサの中で歌われるグレゴリオ聖歌は、「ミサ固有唱」と「ミサ通常唱」の2つに分類できます。後期学んだ聖歌を分類すると以下のようになります。

◆ミサ固有唱
・イントロイトゥス:“Ecce advenit”
・アレルヤ唱:“Alleluia-Vidimus stellam”
・コムニオ:“Vidimus stellam”

◇ミサ通常唱

・キリエ Kyrie
・グローリア Gloria
・サンクトゥス Sanctus
・アニュス・デイ Agnus Dei
・イテ・ミサ Ite missa

ミサで歌われる聖歌はもう何種類かあるので、これで全てではありませんが、これらをミサの式次第に沿う形で並べると、以下のようになります。

①イントロイトゥス:“Ecce advenit”
②キリエ Kyrie
③グローリア Gloria
④アレルヤ唱:“Alleluia-Vidimus stellam”
⑤サンクトゥス Sanctus
⑥アニュス・デイ Agnus Dei
⑦コムニオ:“Vidimus stellam”
⑧イテ・ミサ Ite missa

・実際にこれらの順番で歌いました。一気に歌ったので疲れたと思いますが、本当は途中途中に司祭の聖書朗読などが入るので、ずっと歌いっぱなしというわけではありません(苦笑)。ミサの流れが少しでも感じられたなら良かったと思います!

【アシスタントよりまとめ】

5回にわたる後期の入門講座、お疲れ様でした!
四角譜を中心に様々な種類のグレゴリオ聖歌を歌った前期とは異なり、後期の講座ではミサの聖歌に特化し、かつ、四角譜以前の「古ネウマ」を参考にしながらグレゴリオ聖歌を学びました。月1回全5回の講座では、古ネウマについて網羅的に学ぶには時間がないということもあり、理解が及ばない部分もあったかもしれません。ただ、ポイントポイントを押さえながら、古ネウマが促している歌い方をお伝えしたつもりです。また、エピゼマや融化形のネウマ、指示文字、など古ネウマの楽譜を見るにあたっての重要なポイントは少なくともお伝えできたのではないかと思います。
後期で取り上げたミサは、1/6の主の公現の祝日のミサでした。もちろん、ミサというのは他にももっと存在し、その中で歌われるグレゴリオ聖歌も「膨大」なほどたくさんあります。また、ミサの他に重要な典礼として「聖務日課」というものがあります。そして聖務日課の中で歌われるグレゴリオ聖歌というものもあります。したがって、「グレゴリオ聖歌」と一口に言っても本当に色々な種類のものがあり、気の遠くなるような曲数でもありますが、もし今まで「グレゴリオ聖歌」というものがどれも一緒に見えていたとしたら、今回の講座によって少し区別・分類がなされたのではないかと思います。
 今回の講座が受講者の皆さまにとって有意義なものであったなら幸いです。来年度は、入門クラスの他、「ミサの聖歌を歌うクラス」と「聖務日課の聖歌を歌うクラス」が設けられる予定です。ご興味ございましたら、ぜひご検討下さい。ちなみにアシスタント渡辺は入門クラスでアシストします!(笑)
 半期の間、ありがとうございました!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-23 13:00 | 講座レポート
1月9日 古ネウマ研究(東京)
2015 年度古ネウマ研究 第 9 回

【総括】
・ネウマを一つ一つ学んでいくのは今回で最後になりました。21. pes quassus、 22. quilisma、を主に学びました。
・後半はグラドゥアーレ “Diffusa est”と“Tollite portas”を大きな楽譜で練習しました。なお、"Diffusa est"のヴェルススは
男声、"Tollite portas"のヴェルススは女声が担当する予定となりました。

【前半】
○ペス・クワッスス pes quassus
・長さは「流れないペス」と等価と考えられる。流れないペスの第1音部分がオリスクスになっているとも考えられる。
→初めは流れないペスだったところにオリスクスを追加して、ペス・クワッススに修正しているものがある。GT266,2
・言葉(歌詞)を区切るときに使われることがある。

○クィリスマ quilisma
・ギザギザ部分にヴィルガが結合した2音を含むネウマの場合、クィリスマ・ペス(quilisma pes)と呼ばれることもある。
・ギザギザが2つの場合と3つの場合があるが、カルディーヌによれば、Cantatoriumという写本(ザンクト・ガレン修道院図書館359写本)
においては、前者が全音に、後者が半音に用いられている。
・クィリスマの音(ギザギザの音)は経過的に扱うものと考えられている。ただし、その部分で装飾的な歌い方がされていた可能性は高い。

~休憩~

【後半】
○ “Diffusa est”
・ヴェルススは男声が担当。
・とめどなく流れていく部分に注意したい。例えば、1段目から2段目に移るところなど。
・ストローファのネウマの部分は音がつながってしまわないように。声の強弱を繰り返すようにすると良い。
・冒頭"est"にあるフラットの付いた音の音程を合わせたい。
・3段目冒頭"dixit"のクィリスマの音は、それまでずっとフラットの付いていた音がフラットでなくなるところなので注意。転調したような感じになる。

○ “Tollite portas”
・ヴェルススは女声が担当。ヴェルススはソリスティックに歌いたい。
・"Diffusa"に比べるとこちらの方が慣れている感じがあった。

【次回 (1/30) 】
・発表会まで残り 1 回となりました。次回は発表会で歌う2曲に集中して練習すると思います。
・発表会では大きな楽譜で歌います!一人一人楽譜を持って歌うときには感じられないアンサンブルが出来ると思いますが、そのためには
一人一人が旋律に慣れておく必要があるでしょう。
・ヴェルススの担当も決まりましたので、ぜひ復習をして次回の講座に臨めると良いと思います!頑張りましょう!

(K.W.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-09 10:00 | 講座レポート