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1月28日 ラウダを歌う(東京)
出席者6名

◎最終回のまとめ

音楽史の文章の中でラウダについて書かれたものを先生が読んでくださり、
あらためてラウダというものについてとらえる。

・13世紀。はじめてイタリア的な音楽の証言として残されたものである。
・母国語で、一般の人々の情感に触れる言葉で、神を賛美する作品によって
 人々の宗教心を駆り立てた。
・大げさなメリスマや知識のひけらかしでない自然な音楽で、よりイタリア的といえる。

◎2月11日の発表会の練習

曲:Venite a laudare/De la crudel morte de Cristo/Amor dolce senca pare

※発表会に出演できなくなった受講生もあり、構成を少々変更し繰り返しおさらいする。

※楽器を担当するもの、ソロを歌うもの、ドローンで支えるもの、それぞれが補い
 あいながらより互いに呼応した演奏を求められる。
※言葉により敏感に感じながら各部分を表現することを求められる。

★先生より来年度の講座について前回同様のご説明あり。今年、大変素晴らしい1年間の
 講義でしたが、さらに深まりそうな内容に魅力を感じながら、まずは発表会を
 目指してそれそぞれの課題を持ち帰りました。

(T.I)
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by fonsfloris-k | 2013-01-28 14:30 | 講座レポート
11月26日 ラウダを歌う(東京)
出席者:6名 配布物:以下の2曲

36)Laudar vollio
*損傷もなく音符も角型で見やすく、F-clefで見やすい楽譜

リプレーザ(R)
A)Laudar vollio per amore,
lo primer frate minore

Laudar 5度跳躍でラウダすることを強調
vollio 音符がひとつ、1拍の中で短くヴォイオ、という
per amore perに音がひとつ、amoreで下降のメリスマ(下降形で強調、下に向かってしぼまない、さらにメリスマなので、2重の強調
loのあとのクストスは次の段のレの音を示す(フランシスコ会はクストスを大事にする、典礼写本には正確に美しく記載されていて、修道会の厳しい鉄則を表す、音をまちがえずに歌えるように~中部イタリアは早くからクストスが発達した~パリのドミニコ会にも伝搬していく)
primer (最初の、という意味)frate 3つのリガトゥラ、 minore ひし形で降りてくる形でメリスマの強調(最初の小さき兄弟→フランシスコのこと)
*フランシスコ会修道会の正式名称はordo fratrum minorum「小さき兄弟会」という

ストロフェ
A)San Francesco, amor dilecto, (San Francesco(固有名詞) 音域を上げることで強調)
B) Cristo t’a nel suo cospecto,
A) perho ke fosti ben perfecto
e suo diricto servidore

*ABBAA(当時の舞曲などの世俗の形式、必ずR(リプレーザ)にダカーポする
*わかりやすいRのAのメロディーを覚えれば、ストロフェの後半を簡単に歌える
*まん中のBは同じ旋律の組み合わせ、同じようなネウマの形状が並んでいてわかりやすい
*ただし、音価はあってないようなもの、拍節的にはすすめない
*メロディーは耳から聞いて覚えた素朴なものであった
*13世紀コルトナラウダの写本はこれ一冊しか現存しておらず、
他に伝承があれば比較検証できるのに、それは不可能
おかしなところがあってもミスなのか正しいのか問題は山積している
学者にも解読の仕方にいろいろな説がある
たとえば1)Venite a laudare もリプレーザからストロフェに行くときに6度上がるか(杉本説、途中で旋法が変わり、曲のカラーが変わる)、オクターブ上がるか(有力説、旋法の混迷が少ない)、ふたつの説がある
ラウダは口頭伝承であり、この写本は「作曲した物」ではなく、聞いたものを書きとめたものであり、書きとめた人の音感、音の把握能力にもよるのでこれがすべて13世紀以前から残っていて正しいものだ、というものでもない。
そもそもこれは歌うための楽譜ではない~一冊しかないし、とても小さい~みんなで歌うためのものではなく、覚書程度のものである
14世紀フィレンツェ写本に伝承しているものもたくさんあるので、それで比較検討することしかできない

リプレーザとストロフェを覚えて、9番まで順番に歌った

37) Sia laudato San Francesco

この曲は、映画(ブラザーサン・シスタームーン)で使われて、一般的にもとても有名
だが、写本をそのまま読むとメロディーがマイナーになっていてちょっと違う、しかしフィレンツェ写本を見ると、現在知られているメロディーと同じメジャーの楽譜になっているので、杉本説ではメジャー説をとっている
*曲の作りはちょっと複雑な構造で、リプレーザとストロフェがとてもよく似ているが、少しづつ変奏され、発展していく、ラウダには珍しいタイプ
*フランシスコ会士しか書けない内容の詩

リプレーザとストロフェを練習して、四苦八苦しながら5番まで歌った

☆来年度は中世音楽全般のことと関連しながら、13世紀の、旋法やクレフやクストスの不明な楽譜の解読とか、また13世紀コルトナ写本と14世紀フィレンツェ写本の比較して問題点を発見したりなど、歌いながらも一曲一曲を文化史的に深めるクラスにしていきたい、とのことです。ぜひ、続けて受講してくださいね!発表会もがんばりましょう。

(K.M)
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by fonsfloris-k | 2012-11-26 14:00 | 講座レポート
7月23日 ラウダを歌う(東京)
配布物 マグダレーナのラウダ
出席者 7人

★コルトナラウダ1番

しあげのつもりで。
お休みの方の分は先生が歌ってくださいました。
・ドローンはあまりしゃべり過ぎず、大きう歌わずに。
・家で何度も読んでくる
・しかし「イタリア語を読む」というのから脱却するこ。
3節目・特に朗唱から朗読への移行は歌の雰囲気を忘れずに。
tutta la nostra villaniaに入る前は(a音)その前を大きく言い切って、
かなり間をとり、大きくブレスして入ります。
・次にみんなが入りやすくなるようにつないでいくこと。

★De la crudel mort de Cristo
・先唱の後、一息ついてからtuttiで入る。
・メリハリをつける
・5節、全員でやるとき、≪ここから始まるMoia~からゆっくりしない
「すぐに殺せ!~~」と切羽詰った感じを出すためだろう。
・8節目dicendo:の後はソロの人もドローンの人も「ピタッ!」ととまる
・これから何を言うのでしょうね?と聞き入るのを待って始める
・カンマがついているのを生かす
・たっぷりあけて、セリフのように劇的に、声のトーンのレベルを
①Trista②lassa③dolente!と上げていく
・ドローンは「泣き」のイメージを入れて、
これを聞いて心無い人たちまでもが泣いてしまうかのように効果を出す

★マグダレーナのラウダ
(CDもたくさん出ていますとのこと)
聖書の中の聖人とはだれか?
・マグダラのマリア
・大天使ミカエル
洗礼者ヨハネ
ラウダが成立した同時代の人では
・アッシジのフランチェスコ
・パドバのアントニオ
(古代ではアレキサンドリアのカタリナ)
フランシスコ賛歌・・・・伝記などに基づいてあるいは、聖務日課なども参照して作られた。
コルトナラウダ・・・・当時、演奏上は♯や♭が存在したが、記譜はされておらず、その理由は定かでない。


~「西洋音楽をやるときに必要なこと」~

①聖書の知識
②ギリシャ古典とキリスト教の教養が必要
マグダラのマリアが聖書の中でしたこと
・涙でキリストの足を濡らし髪の毛で拭いたこと・・・・繊細な愛の行い・・・絵画では長い髪をまとった絵がある
・7つの悪を持っていたが悔悛のシンボルとなる(骸骨を触る)・・・・乙女の合唱にまで参加できる
・怖がる男どもをしり目に、キリストのお墓に行くが遺骸はすでになく、勇気をもって告げに行く・・・・キリストを求める気持ちが強い・・・復活した時は一番に会いに来て「マリア」と呼びかけて。
・香油との結びつき
キリストとマグダレーナの友情・・・・などなど。


<楽譜>

・写本を見るとリガトゥーラが多い。
・発音ではマグダレーナと「レ」にアクセントが来るが、楽譜では「ダ」についている・・・しかし、その後の下降も弱くならずに。語尾を広げる。
・degnaから軽くしてメリハリをつける。
・laudare、nominata、meritataは4つまとまった同じリガトゥーラで形状されている。
・リプレーゼの二行目Semper degge Dio~とストローフェのIesu’ Cristo~は同じ旋律(ネウマ)
・同じものを使って統一感を出す
・Dio大文字と思いがちだが、中世では小文字で書くのが通常であった。
・Dioまで重くせず歌いきる
・思いのほかテンポは速いので、なおさら息を流して歌うのがよい
・ストレーフェを先生について歌う。♭つけない。
・54番まである(次回配布)
・1人ずつ、楽譜見ないで歌ってみることに挑戦


~~先生のつぶやき~~

次回は今までの4曲をまとめてやります。
秋風が吹くまで忘れずに~~~。
残暑乗り越えお元気にお目にかかりましょう。
発表会に向けてGO!(厳しくなるかも・・・・・)
このほかフォレンツェで作られたラウダもやってみましょう。
13Cと14Cでは全く違って作られています。
コルトナの同じテキストでもフィレンツェでは舞踏曲風になっています。
カンツォーネみたいなのがあったり、
ベルカントの発祥の地、その基礎となっているのはと言われています・・・・・と。

厳しくもあり、楽しくもあり、次回への期待もあり、
9月の講座を楽しみに復習にいそしみましょう。

(R。H.)
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by fonsfloris-k | 2012-07-23 13:00 | 講座レポート
6月25日 ラウダを歌う(東京)
出席 8人
配布物 コルトナラウダ44番(説教ラウダ)“Amor dolce senza pare”

<前半>コルトナラウダ1番“Venite a laudare”と23番“De la crudel”の練習
言葉は、何度も何度も反芻しこなれたものとして発する。
美声よりも、言葉の中身・思想を伝える。


“Venite a laudare” 先生としては仕上げ。「本番のゲネプロのつもりで!」
Ripresa(以後R)1回目はソロとドローン女声
2回目は全員とドローン男声・女声一部
☆ドローンは伴奏という意識でソリストを引き立てるように、遠くでこだましている感じで。
Strofe(以後S)“Maria・・・” ソロ
R 全員とドローン男声・女声一部
S “Pietosa・・・” 上と下2人のソリ 
☆下のふしは上に引きずられず信念を持ってまっすぐ歌う。
☆“medicina ke sana aiutae per tua cortisia”は、つんのめるようにcresc.でavanteで。下のふしは歌おうとするのではなく、ひと息で抑揚を付けずに歌う。
☆“pertua cortisia”は、上下の違うふしが「一緒になりたい、一緒になりたい、なりたい、なりたい、あーっ一緒になった!」という感じで終わりの同じ音に到達し、 そして次のRの“Venite・・・”を誘い出す。
R 全員とドローン男声・女声一部
S “Cortese・・・” 朗唱とハミング
☆宣言するように、威厳をもって、揺れずにまっすぐに言う(唱う)。
☆次のSの朗読へ、しりとりのように渡す。
S “Villani・・・” 全員で朗読
☆「罪人」というの言葉に引きずられて俯かないように。罪を乗り越え前向きな気持ちで。この世で迷っている私たちを守ってくださる方への信頼があるのだから、落ち着いて暗い感じにしないで言う。
☆言葉が血となり肉となり自分の内から発するようになるまで、何度も反芻し慣れてこなれたものにしなければならない。そもそも、昔の修道士たちは耳で聴いたものを身体の中に染みこむまで何度も何度も反芻して唱え聖書の文言を覚えた。これはルミナティオ(ruminare反芻する)と言い、牛など有蹄類が口の中でモゴモゴするのは祈りのメタファーでもある。
R 全員とドローン男声・女声一部
S “Vigorosa・・・” ソロ
―Pause 短い黙想―
R  1回目は全員とドローン男声・女声一部
2回目はソロとドローン女声 

“De la crudel morte de Cristo” 次回は仕上げのつもりで。      
R 先唱→全員
☆“De la crudel”先唱は、前のSのソリストがやる。 
S “Quand Iuderi・・・” ソロとドローン
☆もっと憎々しげに、内容を考えて。
R 先唱→全員
S “Tutti gridaro ・・・” 全員、d音始まりとa音始まりに分かれる
☆“moia ’lveloce!”のふしに注意。
☆単語ごとに細かく切れないでレガートに続ける。
☆中世の音楽はまだ声楽的な技法ができていないというか必要ない時代のもの。美声よりも言葉の中身を伝えるのが重要で、そしてそれが自然と音楽となっていった。だから、言葉の内容を考えて歌うこと。例えば“Moia ‘lfalso・・・”などは、群衆の落ち着かない平和のない様子を表現できるとよい。
☆13・14世紀にイタリアで発達した典礼劇のはしり。<受難>は劇になりやすく、衣装をつけたり振りも激しくなるなど次第にエスカレートし、華やかに派手なものになっていった。 
R 先唱→全員
S “Lo santo・・・”  ソロとドローン
R 先唱→全員
S “San Iovanni・・・” ソロとドローン
☆言葉がもっと繋がるとよい。
R 先唱→全員
S “Li soi・・・“  5度で重ねて2人のソリ、ドローンなし
☆息を流し、止まらないで歌う。
R 先唱→全員
S “Molt’era trista・・・“ ソロとドローン
☆“dicendo”で息を止めドローンも止める。《Trista,lassa,dolente!》はマリア様の初めて発した言葉で民衆がはっとして聴いているのだから、「どソロ」で。それまでの低い音域から一転し、息も絶え絶えに一言ずつ区切って発する。 
―極まった悲しみの中で黙想―  そして R 先唱→全員
<後半>説教ラウダについてお話を聞き、44番を譜読みし歌った。

◎コルトナ写本の説教ラウダについて 
教会暦に従って言った後、自分たちの言葉でキリストの愛はどういうものであるかを説くのがお説教だが、とても人気があったので伝承資料が沢山残っている。あちこちに伝承していて、また長いものが多い。現在私たちが言う「お説教」のイメージと違い、この頃の民衆はお説教が大好きであった。聖フランシスコ会の修道士たちは、詩と音楽で布教・宣教活動を行ったのだが、教会に入りきらない人々は外で、つまり野原や辻々での説教も楽しみにしていた。当時、説教は長ければ長いほどよく、1~2時間は普通であった。説教をして鍛えられ、未だに腐っていない聖アントニオの声帯なども現存しているくらいだ(これはまがい物でなく本物)。イタリアは識字率が高く、人々は聞いたお説教を書き留め回覧板のようにして皆で読んでいた。ヨーロッパの他の国では宗教的な文書はラテン語でしか残っていないが、イタリアだけはイタリア語で残っている。都市に住む商人など新興ブルジョア層にフランシスコ会は人気があり浸透していった。

コルトナ写本には、5つの説教ラウダがある。
32番“Tropppo perde ‘ltempo” 「愛は甘くて食べると蜜の味。五感を総動員して、それを感じなければ誰も神について話してはいけない。」などと、誰にでもわかる言葉で、神は「愛、愛、愛です。」と全体では36回も“愛”が出てくる。
33番“Stomme allegro et latioso” 前曲から一転、「神は厳しい裁きをします。」と最後の審判の怖さを説く。地獄・煉獄の恐ろしさを描き、「神は救い主だが厳しい裁きもするのだ。ああ悪かったとそこで後悔してももう遅い。」などと歌う。
34番“Oime lasso fredido lo mio core” 再び愛を強調。
35番“Chi vole lo mondo” 死について説く。「免罪符も薬も医者も意味が無い。死は誰でもタダで貰える贈り物。誰にでも何処へでも分け隔てなくやって来る。」当時の人々は以外にもこのような死についての歌をとても好んで歌っていた。楽譜なしの52・53番も死をテーマにしていて、とても長く直裁な表現をしている。
44番“Amor dolce senza pare” 再び「愛」が頻出。

以上のように、「愛」「愛」と信者を甘やかすのでなく、甘味と苦味を交互にして警告を混ぜ込み悔悛を促し、信仰教育のテキストとなっているのである。現在のカソリックでは「裁きの怖さ」について絵画や書物など見るものの表現はよいが、歌ってはいけない、聴いてはいけないことになっている。今の信者は甘やかされているのかもしれない。かつては、たとえ王侯・貴族の死の典礼にあっても、情け容赦ない文言が並び大変厳しいものであった。  

“Amor dolce senza pare” 
☆3番”Ave donna santissima“と似た音型―4つ連続の下降音型は天から、つまり神の恩寵が降ってくることを視覚的に表している。
☆2番“Lauda novella”にもあったが、中世に滅多に見られない6度の下降跳躍が
“se’tu padre”「あなたは父である」の箇所にあるのは、キリストの謙りを表している。
☆“Amore”が21回、そのうち12回は冒頭にくる。dolceという形容が7回、dolce amoreと擬人化されたキリストを指すのが4回と、「愛」が強調されている。
☆4つ・3つ・2つまとまりの形状の四角符があるが、「Amore」のような大事な言葉のメリスマではなさそう。これは、まとまりで1拍と数えて奏するとイタリア舞曲の感じになるという解釈もある。舞曲の影響は当然受けていただろうし、そのような歌い方もあるだろう。最後の締めのこの曲では楽しく甘く踊るようにという配慮があったかもしれない。  
☆写本の略号 よく使う言葉は略号になっている。
XpoはCristo、staはstanza、spuはspiritu

Strofe3・13・14・19がソロ

1分の残り時間で“Magdarena degna da laudare”を先生について歌った。

次回の予定
・“De la crudel morte de Cristo”の仕上げ
・“Amor dolce senza pare”の復習
・聖人ラウダを耳で覚えて歌う

(K.I.)
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by fonsfloris-k | 2012-06-25 13:00 | 講座レポート
4月23日 ラウダを歌う(東京)
□配布物 計2枚
「コルトナラウダコンテンツ」のプリント(1枚)
コルトナラウダ2番 “ Laude novella sia cantata “
コルトナラウダ3番 “ Ave donna santissima” (2曲で1枚)

前半 コルトナ・ラウダ1番 ” Venite a laudare “ を発表会形式で練習
後半 コルトナラウダに関する解説
“ Laude novella sia cantata“ “ Ave donna santissima” を練習

■第二回講座詳細
<前半>
・前回習ったコルトナ・ラウダ1番 ” Venite a laudare “ を練習。
発表会本番と同じ歌い方・順番で歌いました。

・杉本先生から、歌い方・順番について指示が有りました。

1. 曲の歌い始めでは、リプレーザを2回歌う。
1回目・・・女声のみ  主旋律は独唱(指名された人)
  その際、指名された3名はDドローンを歌い、他の人はAドローンを歌う。

2回目・・・男声も女声も全員で歌うが、指名された女声2名と男声1名
=計3名はDドローンを歌う。
  以降、リプレーザを歌う時は、上記「2回目」の編成で歌う。

※リプレーザとは下記の箇所
(曲の最初と、1・2・4・15番の後に歌う一節)
Venite a laudare,
per amore cantare
l’amorosa vergene Maria

2. 1番( Maria gloriosa, biata … al tuo filiol virgo pia ) は
女声独唱(指名された人)。

3. (ダ・カーポして)全員でリプレーザを歌う(指名された人3名は
Dドローンを歌う。)

4. 2番( Pietosa regina sovrana, …. Aiutane per tua cortisia. ) は
女声二重唱。(指名された人)

5.(ダ・カーポして)全員でリプレーザを歌う(指名された人3名は
Dドローンを歌う。)

6. 3番( Cortese, ke fai grandi doni, ………. Tutta la nostra villania. )
は女声1名で朗誦。
その間、指名された人は、リプレーザ最後のMaria の a の音をハミング。

7. ここだけリプレーザは歌わず(ダ・カーポ無し)、すぐに全員で4番
( Villani peccatori semo stai ……degendane la tua gran bailia. )
を朗読する。

8.(ダ・カーポして)全員でリプレーザを歌う(指名された人3名はDドローン
を歌う。)

9. 最終の15番( Vigorosa potente beata, ……… La piu fedel ke mai sia )
へ。女声独唱。

10. 3~4秒黙想の後、リプレーザを2回歌う(指名された人3名はDドローンを歌う。)

1回目・・・男声も女声も全員で歌うが、指名された女声2名と男声1名=計3名
はDドローンを歌う。

2回目・・・女声のみ 主旋律は独唱(指名された人)
 その際、指名された3名はDドローンを歌い、他の人はAドローンを歌う。


!注意点!
・誤植箇所有り。4番歌詞2行目:amando la carne e li 「 peccati 」が正。
  ※今回発表会では歌わないが5番歌詞1行目に誤植有り。
Bailia ne dona e 「 potentia 」が正。

・上記演奏順6. の、3番( Cortese, ke fai grandi doni, ……) は数秒黙想の後、朗誦。

・上記演奏順 7.の、4番歌詞朗読(Villani peccatori…… )の際は、
悔悛の意を込めるように、謙虚に呟くかのように読む。3番の朗誦と対照的に
なるように。

・ドローンは少し抑え気味の音量で歌う。

・曲の終わりのリプレーザ(女声のみ)は静かに終わる。
 ※コルトナも含めた中世の多くの街には、たくさんの広場が有った。
それらの広場はいくつもの細い道でつながっていたが、ラウダはそれら多く
の広場の「辻」の様な場所で歌われた。
ラウダを歌う集団=ラウデージは、複数の広場を移動してラウダを歌ったの
で、曲の最後は「ここを立ち去って次の広場へ移動していく」ような感じで
静かに閉じたい。(歩きながら歌うこともあった)
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<後半>
コルトナラウダに関するお話
コルトナラウダ2番“ Laude novella sia cantata“
3番 “ Ave donna santissima”の解説と練習

コルトナラウダについて
・コルトナラウダは、フランシスコ教会の中の信徒会で作られたもの。
 ヨーロッパでも、ラウダのCDが出されているが、その中の解説書には必ず
 フランシスコ会のことが書かれている。

・フランシスコ教会と密接な関係の中活動していた「ラウデージ」と呼ばれる
 人達がいた。その中のサンタマリア・デ・レ・ラウデという信徒会の人達が
 中心になって、ラウダの写本を編纂した。そのラウデージの活動が下火に
 なっていった頃に、それらの写本も忘れられていったと思われる。

・ナポレオンの時代にいろいろな教会の中のものが破壊されていったが、
 その時にラウダの写本は教会の外に持ち出された。
 19世紀の末に、それが偶然発掘され、学識有る図書館長により貴重な
 ものであると判断、認識され、保存されることとなった。
(ピアッツァ・カザーリ(現在エトルスク・アカデミーが建っている場所)
 の資材置き場とされていた場所に置かれていた。)

・ラウダの写本が発見された当初は音楽としてではなく、文学や言語学の方面
 で注目された。音楽の分野での研究が始まったのはもっと後のこと。
(現在もそれほど多くの研究者がいるわけではなく、研究も大きくは進んで
いない。)

・ラウデージたちが活動していた場所がフランチェスコ教会の中にある。
コルトナ出身の画家 ルッカ・シニョレッリはラウデージのメンバーでも
あった。
19世紀の終わり頃~20世紀初め頃、コルトナ市が、ルッカ・シニョレッリ
の遺骨発掘を望んだ。
ルッカ・シニョレッリはラウデージだったので、活動拠点だったフラン
チェスコ教会の地下に埋葬されているのではないか(シニョレッリの葬儀
がラウデージの集会所で行なわれたという記録が残っていた)とコルトナ
市が推測して、地下の発掘作業を進めたが、遺骨は出てこなかった。
しかし、かつて封鎖されたラウデージの祈祷所が発掘された。
(ラウデージであったと思われる、別のフランシスコ会士の遺骨は発掘され、
復元技術により復元されたりもしている)

・コルトナラウダは、46番までは楽譜がある。(配布物:コルトナラウダコンテンツ)
45番と46番はオリジナルのインデックスがなく、楽譜の紙のサイズも異なるの
で、後世に付け加えられたものと推測されている。

・楽譜がある46曲のうち、最初の15曲までが全てマリア賛歌で、18番から順に
キリストの降誕、ご公現、受難・・・という風に、キリストの生涯がほぼ教会暦
通りに並んでいる。

・31番(Alta Trinita beata)の三位一体まで終わると、32番からはキリストの愛、
悔悛の勧め、キリストの生涯などをテーマとした「説教ラウダ」が続く。

・36番からフランシスコ賛歌、アントニオ賛歌などの聖人賛歌が続く。
コルトナラウダはこの点からも、「フランシスコ会士により編纂された」事が
分かる。テキストを分析すると、フランシスコ会士にしか書けない内容が書か
れている。

・コルトナラウダは大きく分けて3つのパート:「マリア」 「キリストの生涯」
「聖人」で構成されているが、15番のマリア賛歌の後に二人の聖女の歌が続い
ており、一見した感じでは変則的な並びに感じられる。

15番までは全てマリア賛歌で、
●16番 Verigine doncella da Dio(アレクサンドリアのカタリナ に関する歌)
●17番 Peccatrice nominata(マグダラのマリア に関する歌)
18番 からはキリスト降誕に関する歌が続く。

コルトナラウダは、1番から順に歌っていくことにより、キリストの生涯を辿れる
配列なので、全部読んで歌えば完璧な信仰教育のテキストとなる。
したがって、一見して「変則的」と見える並びではあるが、フランシスコ会士が
"意図して"そのように編纂したと考えられる。

ラウダ研究の第一人者によれば:
・マリア賛歌が最初に来る理由は教会暦に照らして「待降節(アドベント)」だから。
(イエス・キリストを準備する者として)
・アレクサンドリアのカタリナに関する歌がマリア賛歌の次に並ぶのは、11月25日が
カタリナの祝日だから辻褄が合う。
・しかし、マグダラのマリアは祝日が7月なので、教会暦に照準を合わせると辻褄が
合わない。

ではなぜ、17番目に、マグダラのマリアに関する歌が並べられているのか?

[ 考察される意図、杉本先生の現時点での結論 ]
フランシスコ会士が書いた、「コルトナのマルガリータ」の伝記には次のように
書かれている。
コルトナラウダ51番(楽譜現存せず)で歌われている「コルトナのマルガリータ」
が、「私のような罪深い者でも天国に行けるのでしょうか?」とイエス・キリスト
に問いかけたところ、イエス・キリストが出現してマルガリータに応えた。
「天国の、処女(おとめ)たちの合唱隊の中で、聖母マリアとアレクサンドリアの
カタリナを除けば、マグダレーナ(マグダラのマリア)ほど偉大な者はない」

マグダレーナは元は娼婦であったと言われているが、マグダレーナも天国では
処女の合唱隊に属しているのだから、コルトナのマルガリータも天国に行ける、
という事を示唆している。

この伝記に基づき、コルトナのフランシスコ会士は、コルトナラウダにおいて、
聖母マリア
アレクサンドリアのカタリナ
マグダレーナ
の順に、”処女たちの合唱隊の中で一番の上位にいる女性たち3人” を
著したかったと考えられる。
(だから、17番目に、マグダラのマリアに関する歌が有る。)

・コルトナのマルガリータ・・・悔悛して在世フランシスコ会に入り信仰生活を
送った。後に聖女とされ、コルトナで大変尊敬された。
コルトナには、マルガリータの遺体がそのままの状態で保存されている教会が
あり、いつでも見学できるように展示されている。

・アレクサンドリアのカタリナ・・・古代の聖女で、王族の娘。
幼いころから学問をして、素晴らしい弁舌で異教徒たちに説教をしたと
いわれる。
殉教録から有名になり、特に、パリで崇敬が高かった。
現在もパリ大学の保護聖女、さらに哲学と神学の保護聖女でもあり、パリ大学
の紋章もカタリナを象ったものだといわれている。
このことは、フランシスコ会が学問修道会化していく過程を示している。


マリア賛歌について
・フランシスコは、聖母マリアをとても大切にし、フランシスコ会ではマリア典礼を
発達させた。
フランシスコ会の会則・訓戒等には聖母マリアに関する記述はなく、イエス・
キリスト中心だが、フランシスコが書いた歌や詩の中では聖母マリアを讃える
言葉が(突然)出てくる。
 →ラウデージに大きな影響を与え、多くのマリア賛歌をのこした。

・フランシスコは、「ご受難の聖務日課」を自身で編纂したが、全ての時課の
アンティフォナや賛歌等の代わりに、「マリアのアンティフォナ」を歌うように
命じた。(聖務日課のお祈りで受難の詩篇を唱えても、アンティフォナに戻ると
聖母マリアを讃え祈る内容になる←当時のカトリック教会で定められていた
聖務日課の内容と異なった)


コルトナラウダ2番“Laude novella sia cantata “解説と練習

・リプレーザの歌詞 encoronata は、冠をかぶったマリアをあらわす。
(天国でキリストから冠を授けられた)

・5節の歌詞 Archa は、”契約の箱・聖櫃”(大事なものを入れておく箱)をあらわす。
マリアは大事なものを入れておく箱=イエス・キリストを宿す大切な御身
  という表現をしている。
Archaという単語はラウダによく出てくる。(アントニオのラウダ等)

・8節の歌詞 avocata “弁護者” の意、聖母マリアを示す称号の一つ。

・Laude novella sia cantata の写本(プリント)の3段目をよく見ると、
 グレゴリオ聖歌 Ave Maris stella の旋律に似ている。
(コルトナラウダ2番のベースにしているかもしれない?)
また、連結された四角譜の配列が視覚的にencoronata「冠」に見える
感がある。中世の人々は、視覚に訴えるものを好むので、もしかしたら
冠を模した記譜をしたかも知れない。

・高音への跳躍箇所に留意すること。(例:1節目2行目のprimo )


コルトナラウダ3番 “ Ave donna santissima” 解説と練習←ラウダの中
ではかなり有名な曲。

・リプレーザ:Ave, donna santissima, regina potentissima は、
アペルトで、「開いて」歌う。

・4節目解説
Quasi come la vitrera
quando li rai del sole la fiera
dentro passa quella spera
k’e tanto splendidissima,
太陽の光線が(音もなく)ガラスを突きさして、あなたの中に入った
 → キリストがマリアの中に宿ったことを詩的に表現している。
太陽は、イエス・キリストのメタファー。

・5節目解説
stando colle porte kiuse
en te Cristo se renchiuse:
quando de te se deschiuse
permansisti purissima.
あなた(マリア)は閉じた門である(旧約聖書 エゼキエル44章)
あなたの中にキリストが入った時も、出て行った時も、あなたは閉じていた。
清らかさを保ったままで。
 →マリアの無原罪を示していると思われる。
「閉じた門」は、教父たちによって好んで使われる表現。マリアのメタファー。

・9節目解説 ここからは聖母被昇天の事がテーマとなる。8節目まではキリストの降誕。
Dimandasti = 聖母被昇天
無原罪 と 被昇天 は結びついている為、同じ歌の中に有る。
死は原罪の結果であり、マリアは原罪を犯していないので、”死なない”と
いう、信仰が有った。

・10節目~(概要)
マリアは、自身の死期(被昇天)を悟った時、一人で死ぬのは寂しいので、
臨終の床に誰か集まってくれますようにと神に祈った。
そうしたところ、世界各地に宣教の為 散らばっていたキリストの十二弟子
たちが、瞬時にマリアの枕元へ帰って来た。(←伝承。この様子が絵画作品
としていくつものこされている)
キリストの復活を見られなかったトマスは、マリアの被昇天にも立ち会えな
かった為、大変嘆き悲しみ、泣いた。涙で顔を洗ったかのように。
この様子を見たマリアは、泣いていたトマスに
「トマス。 私は死んだのではありません、生きています、こんなに元気です。
この事を広め、使徒たちを慰めてください。」と、語りかけ慰めた。
  →無原罪と被昇天をしっかり結びつけた、神学的なテキストと言える。

・“ Ave donna santissima” は、フィレンツェにも同じ旋律のラウダが伝え
られているが、フィレンツェラウダでは音がたくさん装飾されていて、
とても華やかな表現で歌われる。(ベルカント唱法のルーツ?)

・Ave donna から santissima に跳躍する際、同じ息のままで続けて歌う
ように、音が落ちないように注意。

・中世の音楽は「閉じない」ように、終わってもまだ続くかのように、曲の
終わりでしぼまずに「開いて」歌うよう留意。

●次回予定
・1番仕上げ
・3番
・23番:キリストの受難ラウダ(写本が損傷している為、五線譜を配布予定)

 (担当:J.I)
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by fonsfloris-k | 2012-04-23 13:00 | 講座レポート
3月26日 ラウダを歌う(東京)
☆9回の講座と発表会出演。発表会を見据えて講座を進めましょう。やったことを忘れないように、自宅で復習してください。

1.講座の初めに、名簿を頂き、杉本先生と初対面のメンバーのみ自己紹介。

2.杉本先生のラウダとのかかわり
聖フランシスコの霊性に共感して、音楽を愛した聖フランシスコと音楽が交わるところ(ラウダ)を生涯の研究テーマにしようと思った。日本には先行研究者がいない。本講座では、ラウダの最古の写本であるコルトナ写本を使用する。コルトナ写本には45曲のラウダが収められている。

3.ラウダとは? Lauda<laudare ほめたたえる
  13世紀のサリンベネの『年代記』の記述によれば、人々は夕方、マリア像の前に集まって歌っていた。歌う人々はラウデージlaudesi と呼ばれた。イタリア語の詩による歌。

4.聖フランシスコと音楽
フランシスコの詩による有名な歌・・・「太陽の歌」/「被造物の歌」(laudatoと繰り返す)
気持ちが高揚するとフランス語でほめ歌を歌った(母はフランス出身)
病弱だった彼は、病の時に美しい音楽を聞きたがった。
“私は主の吟遊詩人”と語っていた。

フランシスコ会は創立者の影響から、15~19世紀に多くの音楽家を輩出。
(cf. 同時代に設立されたドミニコ会もラウダを大切にしたが、その後に音楽家はほとんど出ていない。)

5.シェリング『音楽史年表』の記述
  1225年 フランシスコが「太陽の歌」を歌った(楽譜なし)。1270頃に発達したラウダのもとになった。
  1270年 イタリア語で世俗的な単旋律の聖歌(ラウダ)がトスカーナとウンブ    リアで盛んになり、ラウデージたちにより歌われた。


6.単旋律のうた・・・一つの音で。

7.お話の後で、コルトナ・ラウダの第1番のマリア賛歌(マリア・ラウダ)を練習。
  「ことば」が大切。10回ことばを唱えてから1回歌うのが理想的。

ということで、まず、口頭伝承oral tradition でことばを覚えることになった。
  リプレーザ(tuttiで歌う部分)のことばを繰り返す。
    Venite a laudare per amore cantare
 (ここまで一息で。per amoreはリエゾンして一語のように発音する。)
l’amorosa vergene Maria
その後、メロディーを付けて歌う。
  (楽譜無しで短いメロディーと歌詞を覚えるのがこんなに難しいなんて!)
  次に、1節の歌詞とメロディーを口頭で練習。(更に難しい!!)

その後(やっと!)プリントが配布されて、非定量の角型記譜法によるコルトナ写本の楽譜を見ながら、口頭で練習した部分を歌う。(非定量なので、音符の長さが分からない。また、写本は汚れがひどくて大変読みにくいが、口頭練習後だったので何とか読むことが出来ました。)

歌詞は15節ある。各節の最後の音節が次の節の最初の音節として繰り返される「しりとり」の形式になっていて面白い。今日は2節まで歌った。

リプレーザを覚えたところで、ソロ部分を全員が交代で歌ったり、下のドローンと上のドローンを付けたりしながら、次第にテンポを上げて繰り返し練習した。

8.次回
  今日の続きからステップアップする(今日のことを忘れないように復習を!)。
  もう1曲、別のマリア賛歌を練習する。

(Y.H.)
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by fonsfloris-k | 2012-03-26 13:00 | 講座レポート