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2月6日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第10回

講座もいよいよ最終回となりました。
発表会に向けて、そして今年度の講座の総仕上げとして聖歌とイザークのポリフォニーを歌っていきました。

まず、本番同様に出入りの流れも確認しつつ、止まらずに演奏してみました。
途中で音や拍子が分からず止まってしまうというような問題はなく、それなりに通すことは出来るのですが、「少しずつ、パート毎あるいは個人での発音・発声や意識の違いにより、本当の意味で一つの響きや流れになりきれていない。」という花井先生からのご指摘でした。

例えば、入祭唱のポリフォニーの最初の入り、どのパートも”レ”の音から歌いだしますが、そのすべての音(先唱の最後の音も含めて)が、そのピッチの”レ” を歌っているかに限らず、同じ音色・響きで始められるように。(もちろん”Ce”の発音も含めて!)
それが出来ると、急に一体感が生まれ、音楽が次々と湧き出してくるような、常に響きに包まれているような安心感・ワクワク感がでてきました。
よい意味での緊張感と集中力をもって、第1声でその響きを立ち昇らせることが出来るように、そしてその流れを継続して行けるように、良く聴き、歌いましょう。

ペヌルティマを確認し、しっかり注意して歌いましょう。
ペヌルティマはフレーズ(カデンツ)の最後の一つ前の音でした。普通はそのペヌルティマで緊張感が高まり盛り上がって、最後のハーモニーへと収束し、その響きの中からまた次のフレーズが湧いてくるわけですが、イザークでは全体の流れとしてのペヌルティマで自分のパートが終わってしまい、他のパートへ最後の音を託すという形が頻繁に見られます。そして、そのように終わりそうで終わらない感じ、意外な音へと向かっていく感じがイザークの面白さの一つと言って良いかも知れません。
ですから、自分のパート中での最後の音が、全体の中でどのような意味を持っているのか、もう一度チェックして、自分たちだけで終わってしまわないように。あるいは他のパートから託された流れをしっかりと感じながら最終音に向かえるように、各パートの役割をしっかり果たしていきましょう。

また、上記のように、全員で明確に”終わる”という箇所が少ないので、気をつけないと、だらだらと音楽が流れていってしまいがちです。お互いの動きを良く感じながらカデンツをしっかり感じると共に、次のフレーズの始まりもみんなで共有して大事にしましょう。(どのパートから始めるのか聞き逃さないこと。また自分たちが初めの場合は、前のフレーズと気持ちの上でしっかり別けて、新たな気持ちで大切に歌い始めていくこと!)

詠唱の方は、1節から6節まで、様々な組み合わせのDuoやTrioそしてTuttiが出てきます。クワイヤブックでは、ページによって自分が歌う楽譜の場所が違ったりすることもあります。また、節の最後の音から次の節の出だしの音がイメージしにくい箇所も各自あると思いますので、繋げて歌う練習もしっかりして、迷子にならないようにしましょう。

全体を通して、前回もテーマになったクィリスマ(ペス)のイメージを忘れないように、全ての音がべたっとならないように、大事な音、柱になる音に向かって流れていくこと、そしてお互いのパートを響きや流れの中に”入れてあげる”ことを忘れないように、みんなで一つの音楽を作り上げていきましょう。


期せずして、人数的には非常にコンパクトなアンサンブルになりましたが、お互いの顔が見える・お互いの声が聞きあえることを生かして、しなやかで繊細な音楽を、発表会で演奏できるといいですね。
個人的に、またパートとしては、発声などの面でまだまだ難しい点はたくさんあると思いますが、このグループで一年間学び、深めてきたことが、表現として少しでも多く結実するように、準備をしっかり、また体調を整えて発表会に臨んで下さい。頑張りましょう!

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-02-06 13:00 | 講座レポート
1月16日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第9回

講座も今回を含めてあと2回となりました。発表会も近づいてきましたので、発表に向けて流れも確認しながら練習をしていきました。

まず、発表会の流れについて以下、確認しました。

この講座は第1部のミサ部分の固有唱、入祭唱と詠唱を担当します。
Introitus入祭唱: Rorate caeli desuper 天よ上から露をしたたらせ
Tractus 詠唱:Ave Maria アヴェ マリア

まず、私たちが入祭唱を(グレゴリオ聖歌→イザークのポリフォニー)で演奏して、一旦退場。
その後、ルネサンス2講座により、通常唱 キリエ・グロリア(Dufay)が歌われる。
次に、グレゴリオ聖歌1講座により、昇階唱Graduale:Diffusa est gratia が歌われる。
そして、再度私たちが登場し、詠唱(イザークのポリフォニーのみ)を歌う。

各曲の詳しい歌い方・構造についても再度確認しました。(*これは前回をレポートを読み直してみてください。)

その後、クワイヤブックを囲んでグレゴリオ聖歌・イザークの曲を順番に沿って歌っていきました。

今回の講座全般(グレゴリオ聖歌・ポリフォニー両方)を通じて、注意すべき、テーマが登場しました。
それは、“クィリスマ/クィリスマ・ペス” に象徴される動き、音の流れです。(ギザギザピュッという形で表されるネウマ)クィリスマは経過音で使われるネウマで、下から上へと登っていく音形で出てきますが、勢いがあり、また見た目の通り動きやエネルギーが内包されています。
声もそのように、勢いを持って力強く、しかし押し付けたり止まったりしないで、軽やかに伸びやかに歌っていきましょう。
また、言葉と言葉のアーティキュレーションをしっかり付け過ぎないで、言葉から言葉へと繋がっていくフランス風の流れのイメージを常に持つことも再確認しましょう。(ぶつ切れにならないこと!)

グレゴリオ聖歌
前述のとおり、言葉と言葉を繋げて歌うことをかなり意識してください。(語尾の子音を次の語頭と一続きで歌います。)
先生についていくのでなく、全員で動きを共有して一緒に動く気持ちで歌いましょう。動きの初めにしっかり勢いをつけて、また下へジャンプする時(例:Salvatorem Sal-vaのところなど)にボンと落ちないように、準備して声の響きはシャープなままで、しかしふわりと降りてきましょう。
そして、そのまま最後の~rem の響きを小さく、しかししっかりと聖堂の天井まで届けるようなイメージで歌います。(その響きが、次のポリフォニーの導入にもなります。)

Isaacポリフォニー
Superius(アシスタント)の先唱から始まります。その最後のレの響きを受け継いで、同じ レ (但し1オクターブ・2オクターブ下)から歌いだします。準備をしっかりと始めてください。
詩編唱の部分も、前半を先唱者が歌い、続いてポリフォニーになります。出だしをぶつけないように、下から響きを立ち昇らせるようなイメージを全員で共有した始めましょう。B:Tとの音程関係をよく意識して歌いましょう。T:anuntiat は他のパートと違う動きをします。言葉とリズムをしっかり確認しておきましょう。A:ラ の連続が下がってきてしまいます。押し付けないように、軽めに歌いましょう。S:Aと同じく レの連続ですが、下の動きをしっかり聴いて縦の響きに反応しながら歌いましょう。
Gloria Patri ~の後半はSuperiusのみが歌います。高めの音なのでキンキンしないように、また言葉を大切に歌いましょう。
その後、頭に戻ります。


Isaac/Ave Maria
1節:T/B=女/男 で歌います。人数が多いので安心して歌えますが、その余裕をフレーズを繊細に歌い、お互いの動きを聞き合うことに使いましょう。(自信を持ってガンガン歌わないように!)

2節:各パートの旋律に動きがないとつまらなくなってしまいます。今日のテーマのクィリスマを思いだして、ハーモニーを静的に捉えないでつねに動いていこうとするエネルギーを感じましょう。

3節:出だしのEcce, et paries, et vocabitur, Emmanuel など、エの母音で始まるフレーズがたくさんありますが、シャープな母音で始められるように各自練習しておきましょう。前に飛び出すのと同時に後ろ向きににも引っ張られるような両方の向きの力を感じて母音を発音しましょう。緊張感を持って、ぼやっとした音にならないように。

4節:細かい音が多いですが、常にウラも感じてフレーズに動きが出るようにしましょう。アルトは特に音域が低いところがたくさんあるので、そういうところほど落ち着いて密度のある声で歌えるように頑張りましょう。

5節:コントラのテキストet virtus altissimiの部分が変わり(削除していた et virtus をもう一度付けたし)ました。特に男性はエやアの母音の時にひらき気味になり、喉の奥のほうで響きがちになります。また喉で音程を作ってしまう傾向があるので、響きを前に集めて歌いましょう。

6節:練習番号⑭以降からのエンディングの流れを全員で共有して一つになって終われるようにしましょう!コロルのところでリズミカルになりますが、あまり跳ね過ぎないように(特にコントラ)滑らかに動きましょう。
最後の⑮からは、まだ一度ですっと通りませんでした。各自もう一度しっかり前後の流れを確認しましょう。しっかり楽譜を正確に読もう!と頭で理解することを第1に考えるより、メロディーを覚えてしまって、他のパートの動きを感じながら合わせていくほうが良いかもしれません。楽譜上でなく実際に聴こえてくる音に反応して歌えるようになりましょう。


だいぶ歌えるようになってきました。他のパートも聴けるようになってきていると思います。後は一人一人の地道な努力で、今までのクセを矯正して、響きを前に集めることや、動きを常に持ち続けること(クィリスマのイメージを大切に!)、個々の問題点(難しい音程や、発音の場所)をもう一度さらって、より面白いポリフォニーのアンサンブルになるように(ガチッとした合唱にならないように)、練習しておきましょう。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2016-01-16 13:00 | 講座レポート
12月19日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第8回

いよいよ発表会にむけて、本格的にクワイヤブックを使って合わせていく練習にとりかかりました。

Introitus:Rorate Caeli 本番では以下の流れで歌います。

①グレゴリオ聖歌を全員で斉唱(Graduale Novum版)
② Isaacのポリフォニー (グレゴリオ聖歌の4度上)
③Isaacの詩編唱 
④グレゴリオ聖歌でGloria Patri~
⑤ Isaacのポリフォニーに戻る

なお、Gloria Patri~の終わりAmenの menは、詩編唱の最後 firmamentum の tumの音型(レドレレミ)に合わせることを改めて確認しました。

・グレゴリオ聖歌
第1旋法の レ-ラ をよく感じて歌いましょう。また、desuper のように同じ音(ド・レ)が続いているような音形のところは、ネウマの形や指示文字などを参考にしつつ、重みがどこにくるのか考えましょう。決して全ての音を同じように押して歌ってしまわないように。また、同じ音型でも必ずしも同じように歌うとは限りません。(例えばterra とgermineの ne〈ファソファレ〉)
Rorate caeli→ desuper  pluant→ justum の→の部分はさっと繋げて歌いましょう。特にjustumは段が変わるところですが切れないように。et germinet→ Salvatorem も同様につなげます。germinetの終わりはゆっくり レ に降りてきますが、その レ の音を次の上昇への足がかりとして、しっかり準備しながら切れることなくSalvatoremへと向かっていきましょう。

・Isaacポリフォニー
出だしはCt の付点が動きを作り出します。低い音でも響きを保って歌えるように。
Superiusの desuper、付点の後の短い音を使って su(メロディーの最終音のひとつ前の音)で盛り上がってから最後の音に向かいます。
Bassus、1枚目の一番下の段 pluantのant の位置が変わりました。チェックしましょう。(テキストが書かれている ド の音ではなく、次のファに入れる。)

模倣のメロディーを最初に歌うパートは、自覚を持って出だしをしっかり、特にウラから出る場合に、休みの後の出だしが曖昧にならないように。そして後に続くパートは、最初に出た人たちと同じように歌って続いていきます。(常に自分が最初に出るのか、他のパートを追いかけてるのか分かっているように、自分のパートだけに集中しすぎないで、まわりの音をしっかり耳で捉えておきましょう。)

2枚目終わりのSalvatoremで動きが遅くなってしまいます。各パートリズムに気をつけて、さらりと合わせましょう。テノールのSalvatoremのvaの前の動きはファレファレなので間違わないように何度も確認しておいてください。(ファミファレと歌いたくなる。)
Bassus最後のSalvatoremのリズムに注意しましょう。

3枚目のはじめ、Superius以外は、Et opera で始まります。最初の飾り文字がCeのように見えがちですので、テキストの内容もしっかり理解しつつ、読み間違えないように気をつけましょう。
このページは、みながほとんど同じリズムで歌っていきますので、ただの音節の羅列にならないように、各自がしっかり言葉の意味と文章の流れを感じて共有した上で、発音等にも気をつけながら進んでいきましょう。manuum ejus はリエゾンします。(マニュオ~メージュスのような感じになります。)
最後の音は3声が ソ 、Ctのみ レ になります。ソのパート3声はしっかり合わせてCtが入りやすいようにしてあげましょう。またCtは下のソから5度をしっかり感じましょう。各自が勝手に音を歌うのでなく、いつもお互いの(音程)関係の中で一緒に動く意識をわすれないように!

次に、本番では歌うかどうか分からない(多分歌わない) Communio:Ecce virgo concipiet もグレゴリオ聖歌→Isaacポリフォニーの順で歌いました。
短い曲ですが、各声部がわりと激しく動き、かつ動きがずれたり一緒になったり忙しいです。お互いをよく聴きながらさらりと流れに乗りましょう。
練習番号②の一つ前でCtが終わりますが、全体としては次の音(②の頭の音ソとド)に向かっています。Ctはそのことをしっかり理解して最後の音をBassus
に引き継ぐ感じでしっかり歌いましょう。
特に練習番号②以降のEmmanuelを取り上げて、SとCt、TとBで分けてしっかりと絡みを確認し、交通整理をしながら歌っていきました。

だいたいと通ったところで、休憩となりました。

まだ、各パート音が取りにくい場所や、言葉が入りにくい場所が見受けられました。これは各自練習しておくしかありませんので復習を忘れずにしておいて下さい。そしてみんなで合わせる時には、他のパートとの音程関係に注意を払って、少なくともユニゾン・五度・オクターブは聞き逃さないように、歌いながらチェックする癖(歌いながら他のパートの動きを一緒に感じる癖)を付けていけるといいですね。

後半はTractusを通していきました。

まずはグレゴリオ聖歌から。本来は交唱で歌うものですが、練習のため、全員で全ての節を歌いました。
少しずつ、慣れてきていて、繰り返し出てくる定型のメロディーなどもすらすら歌えるようになってきましたが、発音や音程など、まだ甘い部分も見受けられました。軸になる音の周りで動いているときなど、Introitusでもやったように、一音一音しっかり歌いすぎないで流れることや、軸になる音に来た時に同じピッチを保つことなど細かな部分まで気を配って歌いましょう。広い全音、狭い半音にもしっかり慣れていきましょう。
また、ポリフォニーにも慣れてきたと思いますので、グレゴリオ聖歌のメロディーを歌う中で、ポリフォニーにも使われているフレーズを思い出してみましょう。

続いて Isaacのポリフォニー。
・1節 Ave Maria は本来 T/B のデュエットですが、人数が少ないこともありますので、テナーパートをCtで、バスパートを男性全員で歌う事にしました。
・2節 Benedicta tu は、Ct/Tの1セミブレビス・5度ずれのカノンに、バスが対旋律を歌う3声になります。テノールは慣れてきたら出来るだけ楽譜から離れて、先行するコントラを直接聞いて追いかけるくらいのつもりで歌いましょう。それくらい一体になって動くことが必要です。声部が少ない分、縦の関係でユニゾン・4度・5度・オクターブになるとことは絶対に聞き逃さないように、お互いが気を使って歌っていきましょう。
・3節 Ecce concipies Ct/S のデュエットから始まり、あとからB/Tが加わっての4声になります。出だしのEcceや Et pariet あるいは Et vocabiturなど、グレゴリオ聖歌そのままのメロディーがしっかり感じられます。それらがさらに模倣されていきますので、全員でしっかり共有して歌っていきましょう。
・4節 Quomodo S/C のデュエットです。マリアの問い(下降音型) と天使の答え(上行音型)、テキストの内容がそのままメロディーにあらわれています。意味をしっかり感じ場面を想像しながら歌いましょう。
・5節 Spiritus Sanctus テノールとスペリウスの模倣をしっかりお互い感じながらうたいましょう。また、出だしのT/B、ユニゾンから5度への広がりをしっかり歌いましょう。ユニゾンは本当に1点から始められるように、意識を持つことが重要です。練習番号⑫のあと in te は S/T同時に始まります、お互い分かっておきましょう。
・6節 T/Ct のデュエットから始まります。最初は5度上での模倣ですが、et quodからは同じ音程になります。お互いよく聴きあって歌いましょう。また練習番号⑭の前テノールは終わりますが、その直前にバッススが入っていてコントラの終わりと繋がります。それぞれの役割をよく理解して絡んでいきましょう。
⑭以降はコロル(3拍子)があったり、各声部のメンスーラが違ったりと少し複雑な見た目になっていることもあり、まださっと通るようにはなっていませんでした。もう少し各自練習が必要ですね。楽譜の理解が難しい方は、音(フレーズ)として先に記憶してしまうほうが良いかも知れません。

こちらもまだ各パート毎にいくつか課題が残っていました。しかし、今回通せたことで、だいぶ各自の課題は明確になってきたのではないでしょうか?
特にこちらの曲は、みなさんの手許の楽譜がパート譜のみで、クワイヤブックを見て歌えるのは講座のときだけですので、しっかり復習して頭を整理しておいて、講座ではクワイヤブックの眺めになれることに集中できるようにしておきましょう。
また、Introitus、Tractusともに、歌う順番や声部の数など少し流れが複雑ですので、それらもまごつかないように、しっかり復習しておいてください。

全体としては、
S:音域などはそれほど大変ではないですが、時々出てくる高い音域がキンキンしないように、逆に低めの音がゆるまないように、どこでも充実した響きでうたえるようにしましょう。また、細かい音で順次進行するようなフレーズのときに1つ1つの音を均等に歌ってしまわないで流れを作っていきましょう。短い→長い(ワフン)などを意識することや、長い音が頭に来ないように、常に細かな動きを意識して歌いましょう。また、フレーズの終わりの音と次の始めの音が同じピッチであっても、下で作られているハーモニーは違っていたりします。自分のパートがどのような動きの中で、どのような役割の音を出しているのか、常に聴きながら反応できるように注意しておきましょう。ハーモニーにふたをしてしまわないように!

Ct:音域が広く動きも激しく大変難しいパートです。女声にはかなり低い音域がありますので、しっかりコントロールしていくことが重要です。低い音域では落ち着いて地声で話す時のような感覚で静かに歌いましょう。出そう出そうと思いすぎて息が多すぎたり、力んだりすると余計響かなくなったり、音程をコントロールできなくなります。少しリラックスして歌えるように練習してみてください。また、フレーズの最後が ド-レ で終わることが多いですが、それらの音程が低くなりがちでした。自分のメロディーを歌いつつも周りにあるはずの ソ の音をしっかりキャッチして、その音から4度・5度の音程をはめていきましょう。まず、自分が思っているピッチが低いことを自覚して、注意深く歌いつつまわりにあわせれば、はまってくると思います。頑張りましょう!

T:跳躍や休みの後の音などで、取りにくい音がいくつかあります。また、Ctとは逆に男性としては高めの音域もありますので、張り上げないように気をつけましょう。CtとTは同じ音域で同じようなメロディーを歌う事も多いので、出来る限りお互いの響きに合わせるように、つまり強くなり過ぎないように注意しましょう。喉で音程を取らないように、またずりあげたりしないように、しかしカクカクしないように、流れていけるように練習しましょう。

B:模倣がいたるところにちりばめられている曲ですので、バッススにも細かな軽やかな動きがたくさん出てきます。バッススは音が重く遅くなりがちですので気をつけて下さい。テノール同様咽喉で音程を作らないように、響きを前に集めて流れていけるようにしましょう。そのためには発音も重要。とくに u の発音〔y〕や鼻母音オンなどしっかり発音の練習をしてその響きを使いながら喋りうたっていきましょう。跳躍も多いので間違いやすいところがないか自分でしっかりチェックしておいて下さい。

本番まであと2回です。人数が少ないので大変な部分もありますが、逆に小回りが効き、お互いの動きに軽やかに反応できるアンサンブルが出来ます。クワイヤブックに慣れて、耳をたくさん使ってお互いの響きを感じあえる演奏を目指して頑張っていきましょう!そのために各自自分でできる準備はしっかりしておいてください。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-12-19 13:00 | 講座レポート
11月28日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第7回

前回までで予定の曲を全て一通り歌ったつもり(講師陣)でしたが、実はCommunio(拝領唱)がまだでした。
そこで、これに気付いた後半はCommunioのグレゴリオ聖歌やポリフォニー各声部の確認に時間をかけつつ、Tractusも含め全てクワイヤブックで通しました。

まずは入祭唱Rorate caeliから。
グレゴリオ聖歌を歌い、メロディーと共にテキストの意味・発音(仏風ラテン)を再確認しました。
また、Gloria patri~ の終わり方を、詩編唱の終わり方(firmamentumのメロディー)と合わせることも再確認しました。
最初に確認したフランス風ラテンの発音を最大限に活かして、次へ次へと繋げていくこと(一つ一つの単語で切らない)、ペスの下から上への勢いを感じそれに乗ってジャンプする(上の音を押さない)ようにして、とにかく止まらない流れを持つことと、狭い響きを保つことを心がけましょう。

次にクワイヤブックを使ってIsaacのポリフォニー版をうたいました。
クワイヤブックで歌うときは、まず自分のパートの楽譜が見える場所を確保することが大切です。
講座でしっかり大きいクワイヤブックをみんなで見て歌う感覚をつかみましょう。

1枚目
Superius:先唱“Rorate”で始まります。みながこれを合図に入れるように、しっかり導いてあげられるようにしましょう。
Tenor:2回目のcaeliの終わりの4つの音(D-B♭-C-G)の音をもう一度しっかり確認しておきましょう。caeliの動きを全体的に軽やかに。下降のときに落ちていき低くなっていく癖がありますので要注意!最下段 justum フィクタ(F♯)もしっかり!
Contra:出だし3つ目のラの音が低くなりすぎないように注意してください。リズムに変化があるところは楽しんで他のパートの響きや動きの気配を意識しましょう。
Tenor/Contra:全体にお互いの音程を聞き合いつつテンポ感を共有しましょう。(例:練習番号①、CTのファの伸ばしの中にTが オクターブ→5度 お互いが意識してCt入れてあげる、T入っていきその5度をしっかり感じてから次のリズムをはっきり目に動く。)

2枚目
TとCtでまず合わせました。
C:aperiatur、同音で歌いますがこれが下がってこないように。~tur の一つ前の音(レ)はTのソと5度です。しっかり響かせカデンツを作ります。
C/T aperiaturはTenorが先にturと終わります(このとき5度)、次のgerminetはCtが先に終わります(このとき4度)。そしてその次のTenorの音ソを聴いて5度上のレからまた始まります。お互いよく聞き合い感じ合ってください。Salvatoremのto~remの動きはもたつかないように。Ct,最後のド-レの全音を意識して広くとりましょう(広い全音は結構難しいですので注意しないとなかなか感覚がつかめません。)
そこにSが入り3声で。
S:aperiaturと最初に入るのはSuperiusです。勢いが大切です。(何となく入ってしまわないように。) terraとet germinet 少し区切れを感じましょう。メロディー的にもそこは変わります。Salvatoremのところ、T/Ctと同様、もたつかないように。
最後にBが加わって4声で通しました。

3枚目
Superius:グレゴリオ聖歌Celi enarant gloriam Dei 音が高めですのでしっかりキープしましょう。その後も引き続きSがグレゴリオ聖歌のメロディーを歌います。その意識をしっかり持って、メロディーではなく言葉を歌いましょう。
今度はB/Tの下2声で響きを合わせた後にCt、そしてSの順に加わって合わせていきました。

最後のGloria Patri~は全てグレゴリオ聖歌(単旋律)で、前半はSのみ、後半(Sicut~)は全員で歌います。最初に確認したAmenの終わり方に注意。

この後、Rorateポリフォニーをもう一度全員で通しました。


次にやっていなかったことに気付いた拝領唱 Ecce virgoをみていきました。

こちらもまずグレゴリオ聖歌のテキストの意味と発音を確認しました。
Ecce や concipiet の ci の c を sで発音すること(エッセ・コンシピエ)、filium の umは鼻母音のように ォン、vocabiturのturは 〔y:〕でテュールに近い音になります。またnomen ejus はリエゾンしてノメネージュスとなります。

Graduale Novumの音符を見ながら、ザンクトガレンの古ネウマを参考に歌いました。
上へと伸びていく第1旋法をよく感じて歌います。。
concipietは流れないように大事に歌いましょう。但し最後の-etの3音(トルクルス)だけはさっと動きます。
et pariet はフィナーリス:レからドミナント:ラへと駆け上がりそこからfiliumまでラの周りを動きます。
et vocabiturはエピゼマや角ばったネウマが並んでいますからゆったり大切に、しかしその次のnomenはさっと、こういうメリハリをしっかり利かせて歌いましょう。Emmanuel全体的にはゆったりのネウマですが、nuのところははやく(点々になっていますね)。
短いですが、非常に重要なテキストを大事に歌っている曲です。

続いて、イザークの時代・場所に近いPataviens版のメロディーも確認・比較し歌いました。
さらにイザークのメロディとも比べてみると、先唱部分やEmmanuelのEの動き(ファソミファレ)など、Pataviens版の方がよりイザークの使うメロディーに近いことがわかります。また、イザークのポリフォニーのメロディーの色々な箇所でグレゴリオ聖歌のメロディーが聞こえてくることも確認できましたね。
そして、そのグレゴリオ聖歌のメロディーとテキストの関係に合わせて、各声部のEmmanuelの歌詞の位置が変更になりました。各自書き込みましたね。今回は全員参加でしたので細かい変更箇所は書き出しませんが、各自自分の楽譜を見て練習しておいて下さい。

以上を踏まえ、1声ずつ歌ってみたあと、4声で合わせました。
さらに、クワイヤブックに移動して歌ってみました。短い曲ということもあり、何とか通すことが出来ましたね。素晴らしいです。
全体の流れとしては、出だしの後のわりと細かい動きの次に、nomenで少し落ち着き動きが少なくなり、雰囲気が変わります。このような曲のつくりをしっかり理解して、みんなで共有しながら歌っていけると良いですね。
各自でしっかり復習して きましょう。


最後に詠唱Tractus:Ave Mariaを見ました。クワイヤブックになりました。
今までずっと各自のパート譜で練習していたので、クワイヤブックの眺め・各声部の場所・また各節の構造(2声/3声/4声)などしっかり整理して、戸惑わないように、慣れていきましょう。


今度こそ、学ぶべき曲はすべて歌いました!
次回も引き続き全ての曲を練習していきます。復習をしっかりしておいてください。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-11-28 13:00 | 講座レポート
10月31日 ミサ固有唱 (東京)
Heinrich Isaac 第6回

今回は花井先生のご指導でした。2ヶ月の間に合わせておいたAve Mariaを1節ずつみていただきました。

まずはグレゴリオ聖歌から。ソレム版をみてTractusの Ave Maria 6節を全て歌っていきました。
ポリフォニーのTenorのピッチに合わせて、4度上げのGからで歌いました。
トラクトゥスはいくつかある定型のフレーズが繰り返し現れますが、特に節の終わりの一つ前の言葉(plena/benedictus/ejus/Angelus /Altissimi/vocabitur)の部分のフレーズはチェックしておきましょう。音節が変わる部分のファソ→ファのところが、最高音のソに向 かって一気に駆け上るのではなく、まずひとつ前のファへ向かっておいて(クィリスマを使って)から、次のソファへと動いていくのがポイントです。またAngelusとAltissimiは音節が一つ多いので定型に音が加わっていること、最後のvocabiturは後半が変形してシ♭まで盛り上がっていることも確認しましょう。
同じようなフレーズが出てきて安定感があるからこそ、言葉の意味をよくかみしめながら歌うことも大切です。
ポリフォニーでは変形されたり装飾されたりして出てきますが、しっかり元のメロディ ーを思い出して、中心になる音が捉えられるように、このグレゴリオ聖歌をしっかり頭にいれておいてください。

次にいよいよIsaacのポリフォニーです。
第1節から。これはアシスタント講座では出来ておらず初めてでした。テノールとバスのデュオです。
まずテノールを歌ったあと、バスを重ねました。基本的にはテノールの方がより元のメロディーをなぞって動いていきますが、バスも同じフレーズを追いかけたり して2つが密接に絡み合いながら進んでいきます。①付点の点の部分をよく感じましょう。②ミファ(半音)の部分特にフィクタのミ♭はしっかり意識して。
テノールは下降の途中のミは基本的にフィクタ(♭)をつけましょう。最後の2つtecum tecumのところだけフィクタなしでナチュラルです。(1回目のteはフィクタあり)
テノール、Plenaのna、最後のtecumのcumはフレーズの終わりの音につけてください。

第2節Benedicta、今度は3声です。
まずはグレゴリオ聖歌を確認のため歌いました。
ここではコントラとテノールはセミブレビスずれの5度平行でカノンになります。コントラが先行しますが、この曲の中で中心になっているグレゴリオ聖歌本来のピッチを歌うのは後から追いかけるテノールです。そこで、テノール、コントラ、バスの順に練習していきました。
歌詞の付け方が変更になった箇所があります。以下確認しておきましょう。
T・Ct:Benedictaを繰り返さないで休みのあとはずっとtuにする。 et benedictusの dic は細かい動きの後のレのセミブレビスに入れてください。
また、そのすぐ後にあるドの♯はコントラのみ有効。テノールはフィクタなしで歌います。
B:上のパートと同様、休みの後はtuにしますが、その次の休みの後にbenedictaを付け加えます。
練習番号5の後、fructus ventris tui の-tris と tu の位置をひとつずつ前にずらします。(trisはファのセミブレビスに tuはシのミニマに。)

第3節Ecce、これはまず発音を確認。音読してからグレゴリオ聖歌を歌いました。フランス風のラテン語特有の発音がたくさん出てきますので注意してください。
(無理矢理カタカナで書くとこんな感じ:エッセ コンシピエs エ パリエs エ フィリオン ヴォカビテュー〔y:〕ル ノーメネージュs エマニュエル)


これは、最初がSとCtのデュオで始まり、TとBが加わってきます。

これも出だしのS/CtのデュオがCt先行で4度上からセミブレビスずれでSが入ってきますが、本筋のピッチとしてはS(但しオクターブ上)です。
練習番号6までは、S/CとT/Bで動いていましたが、6のところet pariesでCtとTが同時に言った後、S、Bが模倣して加わってきます。この-riesの4度の跳躍はグレゴリオ聖歌の旋律からきていますね。確認しておきましょう。
また、TとBのfiliumの歌詞はfiで伸ばしてliはミニマの音、その後の2つのセミブレビスでumを言います。Tのejusのjusも最後の2つのセミブレビスに入れましょう。BのEmanuelはEで伸ばしてファとミ♭のミニマでmaを入れてください。
Ct最後のEmanuelのmaのところ、ファドと跳ぶ下のドの音が低くならないように気をつけましょう。

第4節Quomodo グレゴリオ聖歌から。出だしのQuomodoで勢いをつけてソまで上がり、inquitのソラソラ・・へつなげましょう。quoniamやvirumのペスの感じを出して、またミは高めに。しっかり音・動き・言葉を捉えていきましょう。

SとCtのデュオです。Ctから出てSのオクターブ上の模倣で始まります。その後はお互いが絡み合っていきます。
そして、歌詞の位置が変わりました。
Ct:Quomodo のdoがシ♭ドのリガトゥーラのところへ、t次のソ-ソのオクターブジャンプのミニマで in、そのまま伸ばして休符前のレのセミブレビスが quit。また、non cognosco のnonは最初のミニマのみで次のリガトゥーラがco その後のミニマからgnoが始まり、最後の2つのミニマでscoを歌います。2度目も同様に。これは元のグレゴリオ聖歌のメロディーとテキストに合わせることにしたからです。
S:最初のフレーズにQuomodo in quitと、in quitを入れます。初めのリガトゥーラ(ドレ)がin 休符前のソのブレビスがquit。そして non congoscoは、Ctと同様に nonは一音のみ次のリガトゥーラが co、その後 gnoで伸ばし、最後のセミブレビスがsco。節の最後のin trabit のinはセミミニマのドの音から始めて下さい。

なお、このintrabit(入って来て)はグレゴリオ聖歌ではdixit ei(彼女に言った)となっていて、テキストに違いがあります。

第5節Spiritus Sanctus グレゴリオ聖歌から。聖霊という特別な言葉を、特別なメリスマで歌います。in teのメリスマの初めファソファレレドや節の最後の tibi のbiのレドレドラ、のようなミ(半音)が抜かれたメロディーはグレゴリオ聖歌でよく使われる旋法的なメロディーです。よく味わって歌いましょう。

この節は歌詞の位置がどのパートもたくさん変わりましたので、しっかり確認しておいてください。
S:Spiritus Sanctusの Sancで引き延ばします。2回繰り返していたのを1回にして、練習番号11のところのセミブレビスでtus。 次の2回のSpiritusを消してSanctusに変更。11休符の後の4つの音がSanc、後の2つがtus。次の休符の後も Sancでずっと伸ばし、練習番号12のセミブレビスが tus。 練習番号13の最初のミニマのみet、続く3つのミニマがvir、最後のミニマがtus。次の2回目のet virtusは消して、一つ目のミニマにal 次の音からtis で伸ばす。休符前のミニマとセミブレビスでsi mi を入れます。

Ct:2回目のSpiritusを消して Sanctusに変更。Sancで伸ばして休符前のソミドのブレビスと2つのセミブレビスがtus。その後の3回のSanctusはそのままです。練習番号13の後のet virusを消して、altissimiを2回にします。最初のミニマがal、次の音から細かい音符の後のファのセミブレビスまでがtis、ミのミニマがsi、次のセミブレビスがmi。続いてレのミニマがal、ソファがtis、レのミニマがsi、最後のセミブレビスがmi。

T:Spiristusの後の、休符から次の休符までに2回歌っていたSanctusを1回にします。tusは最後のブレビスに。次のSanctusはそのまま歌いますが、その後の2回のSpiritusをSanctusに変えます。休符から休符までのフレーズは全てSanctus。tusはフレーズ最後の音につけます。in teの後、練習番号13から最初のミニマがet、その後の3つのミニマがvir、tusはレのミニマに入れます。次のセミブレビスとミニマがal、次のシ♭から tis で伸ばし、シ♭ドのリガトゥーラでsi、次のセミブレビスでmiを入れます。

B: Tと同じで最初の休符から2つ目の休符までのフレーズに2回あったSanctusを1回。tusは最後のセミブレビス。次のSanctusはそのまま歌い、その後のSpiritusを Sanctusに変えます。4つのミニマと次のセミブレビスまでがSanc、次のソのセミブレビスがtus。続いてもう一度Sanctus、Sancで伸ばして練習番号12のセミブレビスが tusです。
主にSpiritus Sanctusを変更した理由は、元のSanctusの長いメリスマと対応させるためです。(グレゴリオ聖歌では短くSpiritusといった後、長いSancのメリスマが続き最後の音がtusになっています。ですからポリフォニーでもSpiritusは最初の1回にして繰り返すの止めました。

今回はここまでで時間になりました。


こんな風に、この時代の音楽を演奏する時には、フィクタをつけたり、テキストの歌い方を変えたりすることがよくあります。楽譜は完全ではなく、その場の歌手たちや、作品の解釈によってその場その場で作り上げられるものなのです。そんな考え方にも触れられた今回の講座だったと思います。

次回は、今回出来なかった第6節から始めます。これで、一応今回の講座で学ぶ曲を全て見終えることになります。これからは、いよいよアンサンブルを深めていく段階に入れますね。そこに向けて各自しっかり復習をしておいてください。

(Y.N.)
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by fonsfloris-k | 2015-10-31 13:00 | 講座レポート
9月26日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第5回

今回もアシスタント講座でした。
Tractusの残り、1節と2節を中心に練習する予定でしたが、男声の出席者が少なかったため、1節はせず、2節と3~5節の復習をしました。

最初に姿勢・呼吸・発声について少し整えました。
頭の重みが首から背骨を通り骨盤へ、そして座っている時は坐骨に伝わっている(繋がっている)のを感じましょう。(その分足は自由になります。)
軽くハミングしながら、声を自由に動かしましょう。いわゆるロングトーンのように一音を長く伸ばすときに音が固まってしまわないように注意しましょう。
慣れてきたら、みんなの響きが混ざって空間に満ちるのを感じましょう。

上記の感覚を忘れないようにしながら、2節をまずハミングで歌いました。
2節はCT/T/Bの3声で、CTとTはカノンで、TがCTのメロディーを5度下で1セミブレビスずれて歌います。
そこで、まずCTのメロディーを全員でハミングで歌いました。

・ほぼ1単語毎にフレーズがありますが、それらが滞りなく一つの流れになるように。
・またそのように聴こえるようにするために、短い音から長い音へ、というような細かい動きをいちいち意識する。
・順次進行などのところでも、全音・半音をしっかり意識して、例えばソやラのような音の伸びやかなイメージなどをしっかり味わいながら歌うこと。
・細かい音を一つ一つきちんと歌いすぎないこと、それらの音が大きな流れの中でどの音に向かっているのかを理解して先をみながら歌いましょう。
(例えば2回目Benedicta tu は レ に向かって、次の inmulieribus は ド に向かっています。)
・fructusのところのように、5度ジャンプして下降するときに、下の音が落ちないように。上の響きの中に入れてあげるように歌いましょう。

次に、Tenorとハミングのままカノンで歌いました。
・Tenorが入った瞬間Superiusは6度→8度と動きます。それをお互いしっかり自覚してオクターブを綺麗に通しましょう。そしてそこで響く澄んだ響きを壊さないようにお互いを良く聴きあって歌っていきます。
・2つ目以降のフレーズがミニマ休みの後の裏から入ってきますが、Superiusにとっては始まり・Tenorにとっては終わりの音になります。お互いが良く感じて、バトンを渡すように。またその瞬間のオクターブや5度を認識しておきましょう。
・練習番号5のところだけはセミブレビス休みですので、注意。歌い方・聴き方も変わります。

今日はバスがいなかったので、2声で今度は歌詞をつけました。
・メロディーをつけずにリズムと言葉で喋ってみました。(いわゆるメリスマのような1音節で伸ばしているところを意識しましょう。リズムで細切れにならないように。)
・言葉のアクセントや重みをしっかり意識して、それがメロディーをつけた後に無くなってしまわないように。
・口先(横に引っ張らない)・基本の口の中のポジション、そして舌をよく使った発音を心がけて、その響きが常に保たれるようにしましょう。
・最後に、言葉の意味をしっかりイメージして歌うことを忘れないように。

2節目を細かくみて歌ったあと、3節~5節の復習をしていきました。

3節:
CT/Sのデュエットから始まり、その2声による最初のカデンツのところからB/Tが加わってきます。入る方も入れてあげる方も、“どの”音に対して“どの”音が入ってくるのかしっかり分かって歌いましょう。特にTとCTはユニゾンですので完全に一つの音にしましょう。
concipiesまでの流れ、et pariesの流れ、練習番号7からのS/Tのet vocabiturに対するCTのnomenの動きなど、それぞれの場面の全体の雰囲気の違い、それぞれの役割をしっかり理解し、耳でお互いを確認しながら歌えるようになりましょう。

4節:S/CT
デュエット
2節の時と同様長いメリスマの部分の早い動きが細切れにならないように、行き先をしっかり見据えつつ、息を流していきましょう。
CTは女声にはかなり低い音域があったり、急に位置オクターブジャンプしたりと大変ですが、低い音を無理に押して出さないように。
低い音ほど上へ・軽く、と意識しましょう。低い音よりも、むしろ中間部に戻ってきた時にきちんとした響きに戻ってこられるように意識して。
(低い音に引きずられていると、中間部の音まで息漏れしてしっかりした音が出なくなってしまいます・)
Sは音域的には難しくないですが、油断していると、特にカデンツで出てくるファやソあたりの音が緩みすぎて息漏れしてしまいます。
響きに注意深く、息の量と声帯のバランスをしっかりとって、充実した響きを保ちましょう。
また、CTをしっかり聴いて2声のバランスもきちんと取りましょう。

5節:
4節からの続きで1度だけさっと通しました。Tenorは4節休みの後急に出ますので、音をしっかり確認しておきましょう。
各自の流れはだいたい出来ているので、他のパートと絡みながら歌って行けるようにするためにも、自分の動きや発声・発音など、自分で出来る部分はしっかりと復習・確認しておきましょう。

譜読みという面では、ほぼ出来てきました。
これからがアンサンブルの本当の意味での練習になっていきます。また、歌詞やフィクタ等は変わってくるかも知れませんので、そういうことに対応できるように、今までのところで不安定な部分や間違いやすいところは、各自できちんと練習しておいてください。

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-09-26 13:00 | 講座レポート
8月29日 ミサ固有唱(東京)
ミサ固有唱 Heinrich Isaac 第4回

前回のTractus(詠唱)の続きと復習をしました。
今回・次回と2回アシスタント講座が続くため、復習だけでなく、まだ歌っていない節も進んでいきます。

まず、第4節目のSとCTのDuoから始めました。

先に出るCTから。始まってすぐにオクターブの跳躍や5度の下降があり、その後少しゆっくりまたは早めの動きで順次進行(下降)しつつ元の音(ソ)に戻ってきます。そこまで(練習番号8の前まで)が大きな1つの流れですが、それまでに、小さなフレーズがいくつかあります(言葉毎のフレーズ)。それぞれのフレーズがどの音に向かっているのか、行き先をよく見通して、そこまで音の流れが細切れにならないように歌っていくことが重要です。短い音から長い音へとむかう感じを大切にしましょう。

オクターブ跳躍する時やその後の5度降りるところ、そういう時に、常に響きの中から進むべき音を導き出しましょう。(別々に勝手に音を歌わない。そこにある響きの中から次に歌うべき音を感じそこへそっと音を置くようなイメージで。いつも繋がりを忘れないように。)また、セミミニマのような細かい音符の時も、キーボードを叩くように一つ一つの押さないで、常に流れを止めないように注意しましょう。特に最後の istud のフレーズはとても長いですが、細切れにならないように、終わりそうで終わらない感じをしっかり味わってください。

CTの2ブレビス後に、1オクターブ上で模倣します。最初のフレーズは全く同じメロディー・リズムです。それが分かったら、楽譜を読むのでなく、CTのそのときそのときに出す音・響きに反応して、歌い方も含めて模倣するようにしましょう。また、出だしもセミブレビス4つを数えて出るのではなく、CTのフレーズのここまで来たら歌い始めるのだという風に覚えていきましょう。出来るだけ楽譜を読むことをやめて、そのときに出ている音や響きから音を紡いでいきましょう。

ユニゾンに反応しましょう。例えば、Superiusのフレーズの最後の音(休符の前の音)の裏からCTの次のフレーズが入ります(S:QuomodoのdoとCT:fietのfi /S:fietの終わりとCT:istudの始まりの i )が、同じ音です。お互いにきちんと意識して、一瞬ですが全く同じ響きになるように、Sの音をCTが引き継ぐように、しっかり聴き歌いましょう。

以上のように、1つ1つのフレーズについて、各パート毎にまた2つ合わせた響きや音程関係について、細かく確認していきました。

練習番号8~9 Qquoniam virum non cognosco はお互い畳み掛けるように、CTの出だしの音は取りにくいのでよく練習しておいてください。またnonの音形はCT5度のジャンプに対して、Sは4度です。うっかり間違えないように。

練習番号9~は天使の応答で、今までのマリアの言葉からチェンジします。それが音にも現れていますから、しっかり自分の中でも転換しましょう。練習番号10の前でCTは先に終わりますが、Sはまだ終わっていません。お互いの流れを良く聴いて2つで1つの流れを作るように反応しあいましょう。練習番号10から最後までは、ずっとミニマ分ずれた形で追いかけていきますので、乱れやすい箇所です。お互いをしっかり聴きつつ遅れないように、テンポ感を共有しましょう。

第4節は2声とは思えないほど、豊かな響きやリズムの掛け合いが見られます。お互いに繊細に、敏感に動き合って、一つの音の流れを作りあげましょう。

次に、第5節目。今度は4声です(が、今回はBassusが居なかったので3声でした。)

CT/T/Bの3声で始まりますが、CTの早めの動きとT/Bのゆったりとした動き、お互いにその違いを提示しあい聞き合いましょう。また、T/Sの関係では、Tenorの動きをSuperiusが模倣します。しかし次のフレーズを先行するのは、今度はSuperiusの方でTenorが追いかけます。さらに進むと、練習番号12のあとはSuperiusとTenorは同時に入り終わりはユニゾンになった後、またTenor、ミニマ後にSuperiusが追いかける。この構造を覚え、耳で確認しながら歌いましょう。またお互いの音程関係も同時にしっかり聞き取りましょう。男声と女声の場合ユニゾンでも気付きにくかったりしますので、注意してください。

CTはその間に常に絡んでいきますが、その中で ソ-ファ#-ソ という音形(カデンツ)が何度も現れます。カデンツを一緒に作っている声部をよく聞き取って、どのように振舞うべきか考えながら歌いましょう。(音形が同じでも、他の声部の動きや音程によって歌い方は違ってきます。)CTはほとんど休みがなく、また細かい音や跳躍なども多いですが、そうやって骨になる声部に常に寄り添いながら、全体の色を変えていくのがCTの醍醐味です。大変ですが、楽しむためにも頑張って練習しましょう。


丁寧に確認していくうちに、少しずつ聞きながら歌う・歌いながら聞き、他の音に反応することが出来るようになり、音楽の構造が耳で捉えられるようになってきました。しかし、どのパートも取りにくい音がいくつかありましたね。各自練習しておいてください。そしてこの感覚を忘れないようにしましょう。

次回は、まだ歌っていない2節目、できれば1節目にも進んでいければと思っています。予習もぜひしてきてください。
次回はいつもどおり祐天寺です!

(N.Y.)
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by fonsfloris-k | 2015-08-29 13:00 | 講座レポート
7月18日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac 第3回

配布プリント 1枚(A4) Tractus(詠唱)現代版

今回はTractus(詠唱)を学びました。
前回に写本に残る楽譜を渡しましたが、写本版は全節揃っていないこともあり今回現代版が配布されました。

まず、テキストを音読して、聖書の訳を確認し比べました。
興味深い点:イザヤ書(旧約)の中のEmanuelが、ルカによる福音書ではJesum
Christumになる(→預言の成就)がこのグレゴリオ聖歌のテキストではEmanuelのままになっている。
Tractus(詠唱)は悔い改めの季節(四旬節・待降節)にAlleluiaの代わりに歌われ、普通は詩編の中から
取られているが、このTractusは福音書のテキスト。

次にTractus(グレゴリオ聖歌)を歌っていきながら、メロディーや構造の特徴を学びました。
・Tractusには定型のパターンがたくさん登場する。(Ex. Maria- in mulieribus- filium … etc.)
・各節の終わりのフレーズも全てほぼ同じ(最後がレミミレで1・3・4節パターンと2・5節パターンがある。最終節のみ違う。)
・全体的には第2旋法で レ-ファ が中心だが、ところどころ第1旋法のように レ-ラ になっている(Ex. Ecce concipies
~-Quomodo in quit~-non
cognosco-Spiritus Sanctus etc.)これらはテキストと関係していて、セリフの中の特に重要な言葉などについていて、
ただ単に定型パターンの組み合わせということではなく、手がこんでいる。

そして、Isaacのポリフォニー版(パート譜)に取りかかりました。
・イザークはTractus全ての節をポリフォニーにしている。(⇔Sequentia続唱は、2節ずつ同じ旋律を繰り返しているので、
グレゴリオ聖歌とポリフォニーを交互に歌う形。)
・印刷譜は今回渡したようにパート譜の形になっていて、当時演奏する際は、これを基にクワイヤブックに書き直して使用していた。
・全ての節が色々な組み合わせで作曲されている(cf. Superiusの始めを読むと Ave Maria&Benedicta
tacentと書かれている→お休み。また4節QuomodoのところにはDUO. →二重唱と書かれている。)

Sup: 3・4・5・6節  Tenor: 1・2・3・5・6節  Ct: 2・3・4・5・6節  Buss: 1・2・3・5・6節  
全声部で歌うのは3・5・6節だが、これらの節の中にも2声や3声の部分あり。

全員でやる3節から歌いました。
Ct/Sup
1ブレビスずれ4度上で模倣しDuoの後、今度はB/Tが同じように1ブレビス・4度ずれで加わる。
1声ずつ確認した後4声で合わせて歌った。

次に6節。
今度はT/Ctのデュエットから始まり、練習番号14からバスも加わる。そしてその途中から音符がコロルになり、分割の仕方が2→3へと変わる。
Supが入ってくる練習番号15からは全ての声部のメンスーラ記号が違い、T/B:ミニマとSup:セミブレビスとCt:ブレビスの長さが同じになる。
そして練習番号14途中からのコロルにより3分割になっているテンポをSupがそのまま受け継ぐ。
つまり、練習番号15までのコロルのセミブレビスの長さ=Sup:セミブレビス/Ct:ブレビス/T・B:ミニマとなる。
見た目には全然違う速さに見えるが、練習番号15から、それぞれの基準となる音符18個分+ロンガですべてのパートは終了する。

*↑は、分かってしまえばそれほど難しくはありませんが、見た目でびっくりして迷子にならないように、しっかり復習して、歌って覚えてしまいましょう。

最後に第2節の解説がありました。
Tenorのパート譜に、Alt in diapente とあり、ファの位置にセミブレビス休符とクストスが書かれている。(CTの楽譜にも、Tenor in diapente とあり。)
Ctの楽譜は、第2節がドから始まっているので、これは、Ctの五度下から一拍遅れてカノンにするという意味。
第2節はCt/Tのカノン+Bの3声の曲になります。

ここで時間切れとなりましたので、実際歌うことは出来ませんでした。

8月・9月は2回続けてアシスタント講座となります。
Tractusの残りの節を進むとともに、これまでの復習もしていきましょう。各自の予習・復習も忘れずに!

尚、次回8月29日の講座は会場が、八雲住区センターとなります。間違えずに「都立大学」で下車してください。

N.Y.
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by fonsfloris-k | 2015-07-18 13:00 | 講座レポート
6月13日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac

〈配布プリント〉…4枚
①Tractus 詠唱 グレゴリオ聖歌 
②パート譜 Superius + Tenor
③パート譜 Altus
④パート譜 Bassus

今回はアシスタント講座でした。
前回進んだ入祭唱をもう一度丁寧に見直し、さらにポリフォニーを演奏する時に必要な音の聴き方・歌い方について学びました。また、Sup.とAlt.のパート分けをしました。

まず歌を始める前に姿勢や身体の不必要な緊張についてチェックしましょう。頭の重みが首を通ってきちんと背骨に乗っているか、またその背骨を伝わって座位では骨盤に、立位では膝を通って足の裏に重みが届いているかを確認してみると少し落ち着きます。また少し身体をブルブル震わせてみて、その震えが末端に自然に伝わっているかチェックしてみるのも有効です。呼吸も意識して行ってみましょう。吐く時は伸びる(背面を意識)息が入る時は身体の特に背面が緩みます。(息を吸うのではなく“入る”イメージ)

以上のような準備は、各自できるだけ講座の前に行っておいてください。また普段も気付いた時に少しやってみるとバランスがよくなってきます。

入祭唱 Rorate caeli グレゴリオ聖歌の復習
Graduale Novum版を歌いました。

前回チェックしたネウマの動きや中心になる音を再確認しつつ、その動きを実現させるために必要な歌い方について学びました。普段の合唱などでは、1つ1つの音をしっかりきちんと鳴らすことを求められることも多いと思いますが、決して大きな音を求めず、むしろ小さい音を出そうとする時に使う細かな筋肉や感覚を活用していきましょう。その上でネウマの動きやたちのぼる響きをしっかり意識すればうまく音と言葉が進んでいきます。また、今回はフレンチ風ラテン語ですので、口の中の空間や口先(唇・舌)の基本的な位置・動かし方についても注意しましょう。(フレンチではCa・Ga がキャ・ギャのような音になることを参考にするとわかりやすいかも知れません。)

細かい部分に気を使うことも重要ですが、静かな祈りのお唱えだということを忘れず、気持ちの良い響きを持続させること、そこに身をゆだねることも大切です。

Isaacポリフォニーの復習とパートわけ上2声(女声)のパートわけをするとともに、声の使い方・歌い方について説明しました。

高音に行く時も、低音に行く時も声帯を開け緊張させる方向にいかないように、むしろ閉じて息を少なくするイメージで歌いましょう。大きな声は要りません。小さくてもきちんと息が声(振動)になっている音が出せたら、そこから少しずつ音を広げていきましょう。特にSupeirusはずっと音が高いので抜きすぎて上ずっていかないように。(全体の響きの柱から容易に離れていっていまいます。)

Tenorも高いところが多いですが、こちらは張り過ぎないように。特にメロディーの最高音は多くの場合ボリュームはそれほど必要ありません。Altoは低いので頑張り過ぎないように。出そうとしすぎて押してしまうと低くなっていくので注意。周りの響きを良く聴き上の倍音を感じるように。Bassusは全ての音を律儀に歌わないこと。細かい動きが多いので、ピッチを一つ一つ確認するように歌ってはついていけません。他のパートと同じく、重要な音に向かって流れていくことが重要です。

また予期ししづらい音に行くこともありますのでしっかり音を復習するとともに変わり身をすばやくしましょう。

全員で全てのパートを歌い各パートのメロディーをしっかりと知った上で4声で合わせました。まずは、クワイヤブックであることを活用して、あるパートのフレーズが最終的にどの音に向かって動いているのか、先を見通しながら歌う(楽譜を読む)事を学び、練習しました。その後、合わせていく中で、模倣されているフレーズはどこか、そのフレーズに絡んで動くパートはどこか、しっかり目と耳で捉えつつ歌うことに挑戦しました。模倣している場合は文字通り先に出た人の歌い方を“まねる”こと!

それに絡む人も含めて、常に今出ている“音・響き”に“反応”出来るように歌い、聴くことが大切です。そしてカデンツにむけていつも余裕を持って、スペースをあけておいてあげて、“次”の動きに繋げていきましょう。

また、発音にも注意。母音の響きを揃えれば全体の音がすっきりして、わかりやすくなると同時に、他のパートの動きも聞きやすくなります。口を大きく開けなくともクリアな発音が出来ることを少しずつ学んでいきましょう。

練習していくうちに、少しずつ耳で響きが整っていくのを感じることが出来てきました。
お互いの動きや音程関係を具体的に知っていると響きは自然に合ってくるので、いつも他のパートがどんな風に動いているかアンテナを立てて歌いましょう。歌う事と聴く事のバランスをとることが重要です。

今回は時間をかけてゆっくりと復習することで、クワイヤブックで学ぶこと、耳を使って合わせていくことの重要性と、そのためにどのように歌っていけばよいかということが少し分かってきたのではないかと思います。そして講座をより楽しむためには、予習・復習をして自分なりに準備をしておくことが必要だということもわかりますね。このレポートなども参考にしながら、ぜひ予習・復習をして次回の講座に臨んで下さい。

今回配られた新しい楽譜はトラクトゥス(詠唱)です。グレゴリオ聖歌とパート譜で4枚ありますので、確認しておいてください。

(N.Y.)








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by fonsfloris-k | 2015-06-13 13:00 | 講座レポート
5月16日 ミサ固有唱(東京)
Heinrich Isaac

このグループは総合講座ですので、グレゴリオ聖歌とポリフォニーの両方を歌います。
今年はどの講座も「聖母マリアのお告げの祝日」にまつわる歌を勉強します。
この講座では、この祝日のミサ固有唱のグレゴリオ聖歌とイザークのChoralis Constantinus中のポリフォニー作品を学んでいきます。

〈配布資料〉
A4 2枚
・3月25日聖なるおとめマリアのお告げのミサのテキスト
[入祭唱:和訳 Collecta集祷文:ラテン語+和訳 Evangelium:ラテン語+和訳]
・入祭唱 Rorate caeli グレゴリオ聖歌(Graduale Novum版)A3 3枚
・Rorate caeli(入祭唱)とEcce virgo concipiet(拝領唱)の3種類の楽譜
・Isaac のRorate caeli と Ecce virgoのポリフォニー(2枚)

→イザークの楽譜は半分に切ったあと、のりで貼り合わせて製本しておいてください!

①学ぶ曲の解説・説明

Choralis Constantinus
は、一年のミサの固有文唱のポリフォニー作品集で、たいていは入祭唱と拝領唱が作曲されていますが、たまに(重要な主日・祝日では)、アレルヤ唱やセクエンツァ(続唱)のポリフォニーも作られています。
今回の「聖母マリアのお告げの祝日」用には、入祭唱・続唱・拝領唱が作られています。続唱は今日配布した楽譜の元の写本には入っておらず、別の写本に入っているので、後日配布します。
今年は、この入祭唱・続唱・拝領唱の3曲のグレゴリオ聖歌とポリフォニーを学んでいきます。

イザークはフランドル出身で、インスブルックの宮廷作曲家となり、その後フィレンツェのメディチ家の宮廷音楽家となり、さらに神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアンに仕えました。奥さんはイタリア人ですし、非常に国際的に活躍した作曲家です。今回の曲のラテン語テキストを何語風に発音するかというのはなかなか悩ましいですが、
マクシミリアンはブルゴーニュとも繋がりが深く、集められた歌手・音楽家もフランドルからの人たちが多かったであろうことは想像できます。そしてやはりイザークのルーツはフランドルですので、今回はフランス語風の発音で歌います。

ただし、この曲集はその名の通りコンスタンツ(南ドイツの町)の教会の依頼で作られ始めたわけですが、この聖堂の歌手たちはおそらくほとんどがドイツ人だったと思われます。この曲集は未完のままイザークは亡くなり、弟子のゼンフルが完成させ出版しようとしたが死去。さらにその後1555にやっと出版されました。イザークが死去したのは1517なので随分後のことです。
この曲集は、第1~3巻まであり、パートブック、つまりパート譜の形で出版されています。
当時はこのパート譜を買ったあと、それを見てクワイヤブックに書き直し、演奏していました。そのようにクワイヤブックに書き直されたものの一つが今回使用する写本で1575年のものです。

・Introitus Rorate Caeli

Liber Usalisではこの祝日のIntroitusはVultum tuum ですが、Choralis ConstantinusではRorate Caeliになっています。
Rorate Caeli は一般的には待降節の第4主日のIntroitusとしてよく知られています。

②グレゴリオ聖歌を歌う
テキストをフランス風の発音で音読し読み方の確認。全体的に口の中は狭く前の方で響かせましょう。

3つの楽譜
ザンクトガレンの写本(10C初頭) Graduale Pataviense(1511) Graduale Novum を見比べ、歌いました。
まず冒頭のメロディーの4つ目の音について、シb なのか シ なのかはたまた ド なのか。色々な時代や地域によって違いがありました。できるだけ古いメロディーを復元しようと試みているGraduale Novumでは、シになっています。これはおそらくラン系の写本の指示文字S(surusm)などによるものと思われますが、14世紀くらいにはシb で歌われていた可能性が高く、さらにGraduale Patavienseでは ド になっています。ドイツ系の写本ではこのパターンが多く、イザークのポリフォニー版の先唱部分も短3度です。

まずは、Graduale Novum版を歌いました。
問題の箇所は シ で歌いました。ラン系(以下L)やザンクトガレン系(以下SG)のネウマを見比べ参考にしつつ、メロディーの動きをチェックしていきました。
〈ポイント〉
・SGではクリビスでも、Lではウンシヌス2つで分けて書かれているところがありますが、そういうところは少しなだらかに降りていきましょう。
・クィリスマ(SG)があるとことろは、その前の音をしっかり響かせてその勢いを使って昇っていきましょう。
・Justumの部分エピゼマ(SG)、2つのウンシヌスの間のaugete(L)に注意、ここはゆったり。その次のクリマクス(SG)は素早く。
・terraのterとgerminetのnetは同じ形でファソファレですが、ここはSGのネウマを参考にterraはさらっと、germinetはゆったり、次の重要な言葉Salvatoremに備えます。
・Salvatoremのvaと toのトルクルス(SG)、vaのように丸っこいネウマは流れて素早く、toのように直線的なものはゆっくり、Lのネウマも同じことを表しています。よく確認しておきましょう。

ネウマは微妙なニュアンスを表現しています。各ネウマについてしっかり復習して覚えておきましょう。

次にGraduale Pataviense版を歌いました。
このGradualeは1511年のドイツのもので、イザークとほぼ同時代のものです。

・ドイツの独特のネウマです。一つ一つの音がきっちり表されていて、SGのネウマのような微妙なニュアンスは分からなくなっていますが、ただ、このくらいの時代までは、楽譜を介さない口伝の伝統がきっと残っていたはずです。見た目だけにとらわれないで、音の動きやメロディーの方向性を意識しながら歌いましょう。

・前述の通り、Rorateで、ラ-ドの短3度の特徴的なジャンプがありますが、こういう旋律の形はポリフォニーにも生きています。チェックしておきましょう。


③イザークのポリフォニーを歌う
・このクワイヤブックでは、Sup(左上)・Bass(左下)/Ct(右上)・T(右下)の配置です。
・グレゴリオ聖歌より全体を4度上げて記譜されている。しかし、第1旋法であることを忘れないようにしましょう。(記譜上のソがレになる書き方。b がファ。)
・まずCtのメロディーから全員で確認していきました。譜読みの際、ソルミゼーションを試みて、へクサコードがシフトしている感じを確認後、言葉を付けて通しました。
・Tenorはいきなり言葉付きで一度全員で歌い、その後、男声T・女声Ctで合わせました。
・次にBを言葉付きで1度通したあと、3声で合わせ。(注:Celi のli のリガトゥーラの真ん中の音はSolです)
・最後にSを通し、4声であわせました!


初回からたくさんのことを学びましたね。
次回は、アシスタント講座で、今回の復習を中心に進めていきます。また女声のパートを決める予定です。
アンサンブル練習を深めることができるように、各自で復習をしておきましょう。

(Y.N.)






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by fonsfloris-k | 2015-05-16 13:00 | 講座レポート