受講:28名
内容 <1>8つの教会旋法とP.1の4つのAlleluiaの復習 ・alleluiaとalleluiaの間のaからaの間でアーティキュレーションしない、「終わりは始まり」。 ・ネウマで流れるところと流れないところの復習。 ・融化音(epiphonusやcephalicus)は次の子音を前に出して母音を次の音で鳴らす。後世の音楽にも適用できる(gloriaのglを前に出して言って音の来る拍では母音のoを鳴らす、など)。 ・5度の飛躍には意味があるので、乱暴に飛躍しない。 ・4つめのAlleluiaのiaについている最初のネウマはpesとclimacusが合体した形。climacusは2つめ以降が点だと最初の棒も点のように短く歌う。 ・4つめのAlleluiaの小区分線の直後の角張ったpesやその少し後のepisemaの付いたclivisは半音をていねいに歌う意味がある。 <2>P.3上段のAve Maria(第1旋法) ・Mariaのriについているepisemaのついたpesとvirgaは、dominantであるラの音を長く歌い、次のシの音もラほどではないけれど少し長く歌うという意味。その上についている指示文字はsでsursum、高いという意味。この場合は、第1旋法でfinalisからdominantに飛躍してさらにその上の音を歌って次が下降する場合、一番上の音はシ♭になることが多いけれど、ここはそうではなくてシになりますよ、という注意を喚起している。 ・plenaのpleについた角張ったpesはplenaの意味である「たくさん」ということを強調するため。 ・inの融化音cephalicusではnmを言う。nmでもきちんと鳴らす。この音についている指示文字はiでinferius、低いという意味。この場合は、融化音では珍しく低い音が来ますよ、という注意を喚起している。 ・alleluiaのalの融化音cephalicusではlの子音できちんと鳴らす。 ・alleluiaのleのclivisについている指示文字はcでceleriter、早くという意味。accelerandoと語源は同じ。 *休憩前にP.2のKyrie、Sanctusを一通り歌って復習 <3>P.3下段のAve Maria(第8旋法) ・聖母ミサでのみ歌われる奉献唱。 ・Mariaのri-aについているネウマはvirga(長)、virga(長)、次の二つの音は同度反復のdistrophaで(短)(短)、次の9つの音はclimacus→scandicus→climacusで全て(短)、最後はvirga(長)、virga(長)となる。その違いをきちんと出す。climacusは2つめ以降が点だと最初の棒も点のように短く。 ・Dominus tecumのところはこの写本ではネウマが残っていないが、他の写本などを参考に、先生が推測で復元。それに沿って歌ってみる。 ・benedictaのneには2つのepisema付きのvirga(ここでは説明はありませんでしたが、これをbivirgaと言います)が付いている。benedictaはdiにアクセントがあるが、アクセントの前のneをたっぷり歌って準備して、アクセントのあるdiは軽やかに歌う指示がなされている。チャーミングでいかにもマリア様のミサのための歌という感じがする。 ・benedictaのdiの5つの音はscandicus→trigon。trigon(三角点)は見かけは低高低の組み合わせに見えるが、最初の2つの音の高さは同じで3つめだけが低くなる。 ・mulieribusのmuはpes→climacus。pesの2つめの音とclimacusの最初の音は同じ高さだが、長→短と歌い分ける。 ・mulieribusのliはtorculusだが、最初の音は短くて2番目の音を長めに鳴らして歌ってほしいように、少し形が変形している。 ・fructusのfruの2つめのネウマporrectus flexusの上についている指示文字はmでmediocriter。中庸にという意味。moderatoと語源は同じ。ここではおそらく、あまり早くは歌わない(遅く歌う指示もないので程々に)、という意味と思われる。 *次回はP.6とP.7の復活祭のGradualeから。また、発表会の準備として、ミサの流れも学びましょう。
by fonsfloris-k
| 2009-07-04 13:30
| 講座レポート
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