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4月10日 フランドル楽派の音楽を歌う(東京)
出席:S4、A3、T2、B2

●Miserere mei deus(配布プリント参照)→歌詞を全部暗記すること。(1日1行なら19日、1行に10日かけても190日)

● ジョスカンのほうは、カントゥス・フィルムスを含めて5声部。カントゥス・フィルムスは Miserere mei deus... の繰り返しだが、これをひとつのパートとして独立させるのではなく、各声部の中に織り交ぜて歌えるように編曲する予定。まずはさしあたり原曲のまま歌い、原曲を理解した上で編曲版に移行する。

●2011年2月発表会ではビクトリアのミゼレーレを歌う。今度の発表会は古楽院だけ、講座だけの発表会になるが、聖金曜日の「朝課」(配布プリント)を各講座で分担。ビクトリアのミゼレーレはこの一番最後で、この講座が歌うのはこの1曲だけ。ジョスカンのミゼレーレはこの発表会では演奏しないが、講座とは別の発表会(ソロ、器楽、指導団体などを含む)も企画中なので、もしある程度の水準まで仕上がったら、そちらで歌う可能性もある。

●配布した歌詞カードは、ジョスカンとビクトリアでは番号がズレるので注意。いま印刷されている番号はジョスカンのほうだが、ビクトリアでは "Et secundum multitudinem..."が2に当たり、以下1ずつ番号がズレていく。下記参照。

3. Amplius lava me... / 4. Quoniam iniquitatem meam... / 5. Tibi soli peccavi... / 6. Ecce enim in iniquitatibus / 7. Ecce enim veritatem... / 8. Asperges me hyssopo... / 9. Auditui meo dabis... / 10. Averte faciem tuam... / 11. Cor mundum crea... / 12. Ne projicias me... / 13. Redde mihi laetitiam... / 14. Docebo iniquos vias tuas... / 15. Libera me de... / 16. Domine, labia mea... / 17. Quoniam si voluisses... / 18. Sacrificium Deo spiritus... / 19. Benigne fac, Domine... / 20. Tunc acceptabis sacrificium...

実際の「朝課」で交唱するさいには、奇数節を唱えるグループと偶数節を唱えるグループに分かれるが、今回は奇数節をポリフォニー(ビクトリア)で、偶数節をグレゴリオ聖歌で歌う。(注:ジョスカンは全節ポリフォニー)

● ビクトリアの楽譜の最後のフォリオに "Secundus Chorus" の記述があり、2. Et secundum multitudinem... を例にして、偶数節もポリフォニーで歌う場合の譜例が載っている。これはグレゴリオ聖歌の詩編の旋律に和声をつけただけの単純なポリフォニーであるが(「ファルソボルドーニ」 falsobordone という)今回は偶数節はグレゴで歌うのでこれは演奏しない。

●詩編の各シラブルに音を当てはめるだけだとただの「音」に過ぎないが、私たちはこれを「詩編唱」にしなくてはならない。その過程で養った詩編の言葉に対する感覚が、同じ詩編をより古い時代の様式の音楽で歌う場合にも活きてくる。

● 今回、ジョスカンはイタリア式発音で歌う。この曲はジョスカンがフェッラーラに在住していた時代の作品であるから、イタリア式発音で歌うことには妥当性がある。昨年ジョスカンに関する国際学会で、イタリアのグループがイタリア式発音でこの曲を演奏しており、なかなか興味深い試みと思われた。

●peccavi イタリア式は撥音(はねる音)「ペッかーヴィ」
dilexisti 「クス」を強く言い過ぎず、「グ」に近くやや濁る
mihi ミイ

●ジョスカンは練習番号②から③まで、コントラとテノールが入れ替わる。(フレーズの切れ目があるので、ジャスト②の次の音符~ジャスト③の次の音符)
※女声は「(左下4段目)ミ(1拍休)ラーラララ(下の段)」のように歌う。
※スペリウス「ミ」(階名の)は高めに歌う。実音の「シ」=階名の「ミ」=高め、と覚える。(逆に「ファ」は♭で低めに歌う)

●同様に練習番号⑥から⑧の7拍前まで入れ替わる。(テノールの⑥は休符)

●そのフォリオの最後のテノールのフィクタ(#が記入してある)はさしあたり無しにする。

●練習番号⑨~⑩のあるフォリオから第二部 Secunda pars に入る

●スペリウス練習番号⑬の後3段目の5番目の音はフィクタ

●6フォリオ目(練習番号⑭の続き)et exultabit... のところでテノールとコントラが入れ替わる(そのフォリオ最後までそのまま続ける)

●次回までに、第二部まで譜読みレベルでマスターしておくこと。今後これにカントゥス・フィルムス Miserere mei... を組み込んでいく。

(KI)
by fonsfloris-k | 2010-04-10 15:00 | 講座レポート
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