於母の家ベテル
受講:28名 内容 ~「年間第19週(C年)のミサ固有唱」のプリント(今年の富士見講座のテキスト)を使ってネウマを学ぶ~ <1>拝領唱Communio: Beatus servus ・拝領唱の歌詞は福音書朗読の箇所から取られることが多い。 ・Beatus幸い servus僕は quem(関係代名詞)invenerit vigilantem起きているのを見つけられる、の間にcum venerit Dominus主が来られた時、が挿入されているという文章の構成を意識して言葉を読む。 ・全体をソルミゼーションで歌ってみる。出だしはミミファ。終わりはファミ。ミで終わっていてドミナントは上のミなので第3旋法。 ・実際のミの記譜法で書かない(見た目はラの記譜法になっている)のはなぜか?→シにフラットがついていない音がファの♯ということになり、グレゴリオ聖歌に♯はないので記譜できないから。 ・ネウマはグレゴリオ聖歌のリズム、歌い方を示したもの。音の高さは当時わかりきったことなので示されていないだけで、未発達な楽譜というわけではない。目的が違う。 ・virgaは高い、tractulusは低い、を表す。super omniaは-aだけを「低い」と感じている。次のbonaのbo-は同じ高さなのに次の-naを「低い」と感じるためにbo-を「高い」と感じている。 ・pesは下から上。角張っているものは流れないでしっかり歌う。角張っていないものは流れるようにさっと歌う。Beatusのa-やquemについているpesは流れないpes。inveneritの-ritの流れないpesはミファで次の大事な言葉vigilantemを準備するため。amenのa-の流れないpesはamenを大事にゆっくり歌ってほしいから。 ・pesの変化形として:inveneritのin-のpesの上が短くなっているのはepiphonus(融化音)、上の音で子音をいうことを表す。vigilantemの-lan-もネウマは同じ融化形なのに四角譜では対応していないので、四角譜の上の音に括弧をつけるなど補足する。 ・pesの変化形として:suaの-aはpes quassus。ゆれるpes。次の音への流れを誘導する。 ・constituetの-sti-はepisemaのついたvirgaとquilisma。quilismaはその前に必ず低い音があり、その音をゆっくり歌った後、次への経過的な音としてすっと(あるいは装飾のようにふるわせて)歌う。 ・DominusのDo-はvirga strata。pes quassusの逆。次に低い音が来て、その音に誘導する。カデンツにむかう音。 ・clivisは上から下。vigilantemの-gi-のclivisにはc(=celeriter:早く歌う)がついている。servusの-vusやeumの-umのclivisにはepisemaがついているのでゆっくり歌う。どちらもファミ。dicoのdi-のclivisには上にceleriter、下にepisemaがついている。 ・clivisの変化形として:constituetのcon-のclivisの下が短くなっているのはcepalicus(融化音)、下の音で子音をいうことを表す。 ・torculusは低い高い低い。inveneritの-ne-のtorculusのように角張っていないものは流れるように歌う。 ・climacusは上から下に下に。veneritの-ritのclimacusは最初の音にepisemaがついている。この時は最初の音を長く。episemaがない場合で2つめ3つめが点になっている場合は全部早く歌う。見かけ上は最初の音が長く見えるので注意。 ・constituetの-etはpes subbipunctusとtorculus。すべて早く流れるように。 ・eumのe-はtorculusとapostropha。apostrophaは同音反復して強調する。 ・BeataのBe-はsalicus。2つめの音から3つめの音への勢いを強調する。 <2>昇階唱Graduale: Beata gens ・Graduale Triplexから取った楽譜。Triplexとは3種類の楽譜(四角譜とネウマ2種)が一緒になっているもの。上のネウマはLaon(ラン)のもの。下のネウマはSankt Gallen(ザンクトガレン)のもの。私たちはSankt Gallenのネウマを主に、Laonも参考にしながら学んでいる。 ・第一旋法。レとラの旋法。 ・歌詞とネウマ(Sankt Gallen)を自分で書いてみる練習。 ・Beata:tractulus(右にceleriter)+episema付きのbivirga(virgaが2つ)+tenete付きのclivisが2つ+pes subbipunctus+episema付きのclivis(上にm=mediocriter)。mideiocriterは中庸に、の意味。ここでは、episemaはほどほどに、の意味。Laonのネウマではこの最後の部分にa=augete(増幅する)と書いてあるので、このclivisは下の音の方が長い、という指示になっている。 ・gens:tractulus。 ・cuius:tractulus+tractulus。Laonでは点点となっているので、軽く歌うべきということがわかる。 ・est:episema付きのbivirga。 ・Dominus:episema付きのclivis+virga+virga+virga。ゆっくり。 ・Deus:torculusにclivisがくっついたもの(全部流れる)+episema付きのclivis(ゆっくり)。 ・eorum:celeriter付きのclivis+episema付きのvirga+最初の2つの音にceleriterが付き、最後の音にepisemaが付いているporrectus(高い低い高い)+全ての音が長くなるclimacus+episema付きのclivis+tractulus。 ・populus:episema付きのvirga+最初の2つの音にceleriterが付き、最後の音にepisemaが付いているporrectus+episema付きのbivirga+最初の音にcleriterが付き、2番目の音が短くて、最後の音が長いclimacus+全てをゆっくり歌うtorculus+virga。この最後の音を「高い」(virga)で表したのは、言葉のpopulusが次のquemにつながることを意識させる。 ・quem:tractulus。 ・elegit:流れるtorculus+episemaなしのbivirga(長いけれどもそれほど長くない)+ゆっくりのpunctumが3つ+quilisma+porrectus+episema付きのclivis。 ・Dominus:最初の音にceleriterが付き、2つめの音にepisemaの付いたclivis+最初の音にepisemaのついたclimacus+celeriter付きのclivis+episema付きのtractulus+trigon(3つの点。高い高い低い)+流れるtorculus+最後の音にepisemaの付いたtorculus+virga(ミ)+pressus maior(レレド)。 ・in:celeriter付きのvirga。 ・hereditatem:tractulus+virga+virga+最後の音(ドミナント)にepisemaの付いたtorculus resupinus+流れるtorculus resupinus+episema付きのclivis(ここもドミナントを強調するepisema)。 ・in heredi-のところはLaonではすべて点になっているので全てを軽く歌う。 ・sibi:virga+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+celeriter付きのpes subbipunctus+最後の音にepisemaの付いたpes quassus+最後の音にepisemaの付いたtorculus+tractulus。 ・Verbo以降はソリストが歌う箇所。簡単にネウマの説明。全員で歌ってみる。下から2段目のomnisの3つめの音はファからミに変更。 配布プリント ・「Hebdomada decimanona 年間第19週(C年)のミサ固有唱」A3 2枚(4頁) (NI)
by fonsfloris-k
| 2010-07-10 13:30
| 講座レポート
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