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6月25日 「総合講座2」パレストリーナ(東京)
13名出席
配布資料はなし。

--前半の講習--
グレゴリオ聖歌 「御聖体の祝日の奉納唱」の注意点
+Sacerdotes
言葉を繋げる。上昇音形を大事に。音の固まり(ネウマの固まり)を意識する。
上がった音の音程をしっかりと取る。
+Offeruntの発音
前回も指摘されたが、「フェ」をはっきり発音。
次のDeoとリエゾンして「オッフェルンデオ」と続ける。
+sanctiの音程
ミ、ファの音を意識して、大事にうたう。
+eruntの発音
eからuに変わる言葉の母音をはっきり出す。
+suo
メリスマが続いてもsuoは一つの言葉。意識して続ける。
+et non polluent
+nomen ejus
それぞれ、一固まり。流れるように。
+alleluia
iaのネウマ。頭初のDominiのniと同じ。
ミ・ソ・ファが トルクルス(低・高・低3音)
ソ が    エピゼマ付きヴィルガ(前後に対して相対的に高い音)
ファ・ファ・ミがプレッスス・マイヨール(第2音が誘導音の3音符。カデンツ音形)
なので、それを理解して唄う。

<余談>
「グレゴリオ聖歌の学び方」
 中世以来の本来の学び方は楽譜を持たず、ただひたすらに指導者、先生の
 歌い方を真似し、覚える。疑問を持たず言われたとおりに聞いて覚える。 時間がかかる。
 ただ、それだけ。
 本クラスはそれに近い。(基本を学んでいないので)
 しかし、
 現代の我々は
 四線譜とネウマ譜の読み方を覚え、発音を覚えたりして
 技術、規則を学び、理解して実践して行くのがベストである。

--後半の講習--
Palestrinaの「年間のオッフェルトリウム集」より
聖体の祝日用オッフェルトリウム「Sacerdotes Domini」と、
聖霊降臨後第5主日用オッフェルトリウム「Benedicam Domini」を習った。

<余談>
パレストリナは68曲ものオッフェルトリウムを作曲している。1593出版。
1589年に「年間のイムヌス集」(聖務日課用45曲)も出版している。
16世紀後半には、この他にも例えばすべての旋法でマニフィカトを作曲するなど、一人の作曲家が体系的に作品を作って出版するということが行われるようになってきた。 

「Sacerdotes」
グレゴリオ聖歌と全く同じで言葉の固まりを意識して歌う。
+Cantus
 P5 2段目、suoのoは1音後ろドにずらす。
    あと、ソ・ラでDeo。
 P7 nomen eius のiusは最後のラで言う。
+Altus 1
 P8 non polluent のnonをはっきり分かるように言う。(各声部共通)
    nomen eius 発音 ノーメン・ネ---と リエゾン。
P10 最後のAlleluiaはAllelu(ミ・ファ・レ)ia(ミ・ファ・ソ・ミ・ファ・ミ・レ)で切り、
    次のドからAl(ド・シ)le(ラ)lu(レ)ia(レ)と言い直す。
+Altus 2
 P6 3段目 ソ・ファ・ソのソで o,を言い、
    et(レ)non(レ) pol(ミ) lu(ミ) ent(ファ)と、歌詞を足す。
+Tenor
 Alleluia のUの発音。こもらない。

続いて、
「Benedicam Domini」(パレストリナのオッフェルトリウム集より)
をさらう。
この曲は、短3度下げ。
編成は CI・CII・A・T・B とする。

訂正箇所
1枚目 Tenor 2段目最後のドにフィクタ#を付ける。
2枚目 CI 1段目最後のソの2つの音にフィクタ#を付ける。
        同じく、ラの音で歌詞のctumを言う。
     Altus 1段目最後のソにフィクタ#。
          3段目最後から4つ目のシにフィクタ♭が付く(と思う。Bassusとぶつかるから)。
3枚目 Cantus I 1段目Semperの後のロンガ休みはブレヴィス休みの誤り。
 同じく、BassusのSemperの後のブレヴィス休みはセミブレヴィス休みの誤り。

<補足>
*ムジカ・フィクタ Musica ficta について。
(中世・ルネサンスの音楽で、楽譜上に表記されていない半音階的変化をさす。
現代譜に訳す場合は音符の上か下に変化記号を付して表示する。ーデジタル大辞泉より)

2つの種類がある。
①導音を作る為の終止の時と、 ②3全音(悪魔の音程)を避ける時。

(導音=調性音楽で、半音進行して主音または調性上重要な音へ導く機能をもつ音。
一般には、長音階・短音階の第七音がこれにあたる。  -- 三省堂 大辞林より)

Musicaのficta(フィクタ=ありえない・偽り)
  楽譜に書いていない音をうたうから。
  楽譜の通りに唄ったら、おかしいから。 という意味。

パレストリナの時代迄は楽譜上に記されていず、演奏者が必要に応じて変えて演奏した。
その後、ビクトリアの時代になって、全て記されるようになった。

*コロールの音符について
2枚目Cantus1の3段目Deumのumのリガトゥーラに付いているコロールは
コロール・ミノールcolor minor(小さい・短い) で、
コロールは原則、音価が2/3になるが、このコロールは3/4になる。
つまり、一つ下の音価の付点になる。
このリガトゥーラは左上に棒があるのでセミセミだが、ミの音がセミブレヴィス、
次のミ・ファ2つの音でセミブレヴィスになる。

次回は7月30日。
「Benedicam Domini」の続きとグレゴリオ聖歌をする。

以上。

(TF)

付録:リポーターの感想
ポリフォニーの練習について。
一番、基本的な音取りは家で充分にやってきましょう。
少人数のアンサンブルではたった一人、音を間違えただけでもハーモニーが崩れます。
月一回しかない講習で音取りで時間を費やすなんてもったいない。
先生からもっともっと多くの知識を引き出しましょう。

お題目「言葉・リズム・旋法」
by fonsfloris-k | 2011-06-25 13:00 | 講座レポート
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