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3月3日 中世の音楽を歌う(東京)
出席者 S:3人、A:4人、T:3人、B:2人 欠席者 B:1人

1、受講生紹介

2、イントロダクション「リガトゥーラはお好き?」
 Ligaturaの数え方の基本的な説明 (白色定量譜と原則は同じ)
 2つの四角音符(brevis)のLigaturaの場合を例に。
 基本は、B-L       (B:brevis、L:longa)
  上昇音型の場合、2つの音符を縦に重ねて書く、もしくは2つ目を右にずらして、
  さらに右下に線を書く。
  下降音型の場合、1つ目の左下に線が付く。
 B-Bになる時
  上昇音型の場合、2つ目の音符の右下の線は無い。
  下降音型の場合、1つ目の音符の左下に線あり、2つの音符を斜めに繋ぐ(obriqua)。
 L-Bになる時
  上昇音型の場合、1つ目の音符の右下に線が付く。
  下降音型の場合、1つ目の音符の左下に線は無い。
 L-Lになる場合
  上昇音型の場合、2つの音符のどちらにも右下に線が付く。
  下降音型の場合、2つの音符はどちらも四角、どちらにも線は無い。
 まとめ
  上昇音型の場合、右下に線があったらlonga
  下降音型の場合、降りてきた四角の音符はlonga

  brevisの右下の非常に短い線がある場合はbrevis plica、装飾的な音型。

3、Machaut messe de nostre dame Agnus Dei III
   modus perfectum L = B x 3、
   tempus imperfectum  B = S x 2、
   proratio imperfectum  S = M x 2
    (L:longa、 B:brevis、 S:semibrevis、 M:minima)
 注意点
  不完全化: longaはB3つ分だけど、前後のbrevisに1拍取られて2拍になる。
   (白色定量譜と同じ、分割点の有無に注意すること)
  倍化: 3拍づつ組で数えて、2拍目のBの次にLがある場合、Lは常に1拍目に
   なるので、その前のBは倍化(2拍)。
    例 B(1拍目)― B ― L というようなLigaturaの場合、2つ目のBは
      2拍分で、最後のLは次の3拍組へ。
   1拍目が小さい音価のグループでも、また休符でも、同じように倍化する。

4、Machaut Felix virgo / Inviolata genitrix / Ad te suspiramus
  Iso-rhythm 同じリズムを繰り返す
   talea (譜面の下に小さく I、II、III、と書かれた部分で、リズムの反復)
   color (譜面の上に小さく A、A1、A2、と書かれた部分で、旋律が反復)

   tenorとcontratenorのA節の部分のmodusの変化
    黒い音符、modus perfectum L = B x 3
    白い音符(本当は赤い)、modus imperfectum L = B x 2
   tenorとcontratenorのB節の部分のtempusの変化
    黒い音符、tempus perfectum B = S x 3
    白い音符(本当は赤い)、tempus imperfectum B = S x 2
   AとBの部分、どちらもsemibrevisの長さは黒も白も同じ。

   上声部2声のtriplumとmoteusは、proratio perfectum S = M x 3
     S ― Mの組み合わせ(SはMに拍を取られる)と休符とMの組み合わせの
     複雑なリズムの注意。

   perfectum(完全:3拍子)か、imperfectum(不完全:2拍子)か、
   どちらなのかは休符を見れば判る。
     longaの休符が5線の間の3段分に書かれている場合、modusは完全、
                2段分の場合には不完全。
   上2声部の譜面は、休符2個とminima1個の3つで組になっているので、
     proratioは完全。

5、次回は2ヶ月後なので、忘れないように復習すること。

(MO)
by fonsfloris-k | 2012-03-03 15:30 | 講座レポート
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