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3月26日 ラウダを歌う(東京)
☆9回の講座と発表会出演。発表会を見据えて講座を進めましょう。やったことを忘れないように、自宅で復習してください。

1.講座の初めに、名簿を頂き、杉本先生と初対面のメンバーのみ自己紹介。

2.杉本先生のラウダとのかかわり
聖フランシスコの霊性に共感して、音楽を愛した聖フランシスコと音楽が交わるところ(ラウダ)を生涯の研究テーマにしようと思った。日本には先行研究者がいない。本講座では、ラウダの最古の写本であるコルトナ写本を使用する。コルトナ写本には45曲のラウダが収められている。

3.ラウダとは? Lauda<laudare ほめたたえる
  13世紀のサリンベネの『年代記』の記述によれば、人々は夕方、マリア像の前に集まって歌っていた。歌う人々はラウデージlaudesi と呼ばれた。イタリア語の詩による歌。

4.聖フランシスコと音楽
フランシスコの詩による有名な歌・・・「太陽の歌」/「被造物の歌」(laudatoと繰り返す)
気持ちが高揚するとフランス語でほめ歌を歌った(母はフランス出身)
病弱だった彼は、病の時に美しい音楽を聞きたがった。
“私は主の吟遊詩人”と語っていた。

フランシスコ会は創立者の影響から、15~19世紀に多くの音楽家を輩出。
(cf. 同時代に設立されたドミニコ会もラウダを大切にしたが、その後に音楽家はほとんど出ていない。)

5.シェリング『音楽史年表』の記述
  1225年 フランシスコが「太陽の歌」を歌った(楽譜なし)。1270頃に発達したラウダのもとになった。
  1270年 イタリア語で世俗的な単旋律の聖歌(ラウダ)がトスカーナとウンブ    リアで盛んになり、ラウデージたちにより歌われた。


6.単旋律のうた・・・一つの音で。

7.お話の後で、コルトナ・ラウダの第1番のマリア賛歌(マリア・ラウダ)を練習。
  「ことば」が大切。10回ことばを唱えてから1回歌うのが理想的。

ということで、まず、口頭伝承oral tradition でことばを覚えることになった。
  リプレーザ(tuttiで歌う部分)のことばを繰り返す。
    Venite a laudare per amore cantare
 (ここまで一息で。per amoreはリエゾンして一語のように発音する。)
l’amorosa vergene Maria
その後、メロディーを付けて歌う。
  (楽譜無しで短いメロディーと歌詞を覚えるのがこんなに難しいなんて!)
  次に、1節の歌詞とメロディーを口頭で練習。(更に難しい!!)

その後(やっと!)プリントが配布されて、非定量の角型記譜法によるコルトナ写本の楽譜を見ながら、口頭で練習した部分を歌う。(非定量なので、音符の長さが分からない。また、写本は汚れがひどくて大変読みにくいが、口頭練習後だったので何とか読むことが出来ました。)

歌詞は15節ある。各節の最後の音節が次の節の最初の音節として繰り返される「しりとり」の形式になっていて面白い。今日は2節まで歌った。

リプレーザを覚えたところで、ソロ部分を全員が交代で歌ったり、下のドローンと上のドローンを付けたりしながら、次第にテンポを上げて繰り返し練習した。

8.次回
  今日の続きからステップアップする(今日のことを忘れないように復習を!)。
  もう1曲、別のマリア賛歌を練習する。

(Y.H.)
by fonsfloris-k | 2012-03-26 13:00 | 講座レポート
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