6月15日音楽史講読「ノートルダムの音楽」 (東京)
主な項目
1 前回の復習(レオニヌスのオルガヌム大全ついての著者の仮設)
2 講読:P258~272(第5部レパートリー、作曲家、演奏 第7章 ゴシック様式の多声音楽)
(1) 第3節「ノートルダムの典礼におけるオルガヌム使用の広がり」P258
(2) 第4節「オルガヌム大全のパリ以外の地域への普及:一つの仮説」P267
3 CD鑑賞
  ・昇階唱Viderunt omnes の4声及び2声のオルガヌム
  ・復活祭の聖務日課Et valde. Et respicientes のオルガヌム
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追記
本日のお菓子は、手作りのブルーベリーチーズケーキ(ちなみに前回は手作り生チョコ)。
甘さ控えめでおいしかったです。毎回楽しみになってきました(笑)。講座後、
カリグラフィー講師をされている受講生の方から楽譜等の写本にみられる文字の
書き方紹介とカリグラフィーのデモンストレーションがありました。
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概要
講読中の章: 第5部「レパートリー、作曲家、演奏」 第7章 「ゴシック様式の多声音楽」

1 前回復習
現存する重要な3つのオルガヌムの写本(フィレンツェにあるFとして知られるもの、ウォルフェンビュッテルにある2種類W1及びW2)をもとに、著者が提案するレオニヌスのオルガヌム大全(現存しない)についての仮説は下記のとおり。
・オルガヌム大全はノートルダムのためだけに作曲された。
・F写本がオルガヌム大全をもっとも完全な形で残している。
・その後各地の典礼に合わせ、曲の削除追加が行われた(W1とW2)。
・各地でオルガヌムが編纂されたとするフスマンの仮説は間違い。

2 講読:P258~272
(1) 第3節「ノートルダムの典礼におけるオルガヌム使用の広がり」P258
・表3「F写本に記録されているオルガヌム大全の典礼での使用例」の主な項目の訳と解説。表中Oは聖務日課Officium、MはミサMassを表す。)
・オルガヌムは大祝日での複唱duplexや準複唱semiduplexにおいて主に歌われた。
・オルガヌムの歌い手(オルガニスタ)への支払い額の記録があり、演奏にはスポンサーが必要だったようである。また寄進により祝日がsemiduplexへの格上げにつながった記録もある。
・大祝日には大勢の市民が教会に来てオルガヌムを聴いていたようで、聖母被昇天の祝日の前日には警備を強化した記録が残されている。

(2)  第4節「オルガヌム大全のパリ以外の地域への普及:一つの仮説」
・当時のパリに神学を学びにきたヨーロッパ中の学生たちが、オルガヌムを写譜し持ち帰った。
・スコットランド聖アンドリュー教会のW1のように、その教会の典礼に合わせて追加変更が行われているものもある。
・グレゴリオ聖歌の中では歴史的に一番新しいアレルヤ唱は地域差が大きく、FにあったものがW1やW2ではなくなっており、これも使用する地域の典礼に合わせて削除や加筆がなされた結果と思われる。
・無名IV(13世紀パリに学生として滞在した英国人でオルガヌムの理論書を残す。)の記述によると、レオニヌスがオルガヌム大全をつくり、それはペロティヌスの時代まで使用された。ペロティヌスは簡潔に短くしクラウズラ(リズムが規定された部分)をさらに良いものした。
・無名IVの記述に従えば、比較的自由な動きが多い2声のオルガヌムが削除され、よりリズムが規定され、さらに3声や4声へと複雑化していく過程はノートルダムにおいてペロティヌスらによってはじまったといえる。

次回は第8章「作曲家」P273~です。
以上
(A.K.)

★写真(↓)は前回の講座のときのお菓子です
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by fonsfloris-k | 2013-06-15 10:00 | 講座レポート
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