1 2017 3/20 14:00-17:00 春季集中講座「初めてのルネサンス音楽」第2日目 【総括】 イザーク「インスブルックよさようなら」 ビクトリア「聖週間の聖務日課」 について、作曲家のエピソードを交えつつの花井哲郎先生の指導で 4パートに分かれて歌いました。 【前半】 ☆ハインリッヒ イザーク(1450年頃 - 1517年) 1年の主要な祝祭日について体系的に作曲した。 どれもそつがなくしっかりした作品。 (ハインリッヒ・イザークについては、 なんでも注文に応じてくれ、 これに対してジョスカンは気乗りしたときしか仕事に応じないし、 給与も2倍必要とする。 ☆「インスブルックよさようなら」 ・音部記号の箇所についている♭は、 ここの音に"♭が付く可能性"があることを示している。 (これがビクトリアあたりになると、調号と同じ扱いになり、 "♭が付く可能性"→ これをムジカフィクタ(musica ficta)という。 ・ 音符の下についているときは下にずれることを示す。 ~~休憩~~ 【後半】 ☆トマス・ルイス・デ・ビクトリア「聖週間の聖務日課」 聖金曜日の朝課においては詩編3回、その後に朗読( → レスポンソリウムとは、 ・各パート譜の"Tacet"は休止 例)"O Vos Omnes Tacet"→"O Vos Omnes"で歌いだす箇所については歌わない。 "Ut Supra"→前出と同様に。 例)"Si Est Dolor Ut Supra"→前述の"Si Est Dolor"の箇所をまた歌う。 ・コロル もともと白い音符を黒くする( これにより、音価を2/3もしくは、 【ひとこと】 ルネサンス音楽の白色計量譜に親しんだ二日間でした。 プロポルツィオやムジカフィクタについては今の感覚からすると 少
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| 2017-03-20 14:00
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3/20 10:00-13:00 春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」 第2日目 【総括】 聖歌の歌われる場についてと "サルヴェ・レジーナ"、"聖母マリアの奉献唱"を題材に、 引き続きネウマ譜の歌い方について花井哲郎先生が説明してくださ 【前半】 ☆グレゴリオ聖歌の歌われた場について ☆アレルヤ唱の復習 ☆サルヴェ・レジーナ ☆グレゴリオ聖歌の歌われた場について ・10世紀の歌い方に近いものはわからないが、 ・ ・聖歌を歌うのは聖務日課とミサ以外に、 歌うためのものがある。中世には典礼劇が早朝の日課の終わりに執り行われ、 ・その昔1月1日は無礼講の日とされ、司教の役目を若者が担い、 やがて典礼劇をつくるきっかけとなる。 ・グレゴリオ聖歌は千何百年もの間、 ・夜課:中世には夜に三回祈っていたが大変なので、 →聖週間には蝋燭の火を一本ずつ消していくテネブレの典礼も行われ ・一般の人も祝日は朝課と晩課にでていた。 ・旧約聖書には150の詩篇があり、苦しい時の祈り、 聖務日課で唱えるだけでなくいろいろな聖歌の歌詞としてよく使わ ・ され 決められた短い歌がある。 アンティフォナは祝日によっても微妙に内容が異なり、 影響され変化する。 ・ミサの形式としては、それぞれの祝祭日に固有の"固有唱" どのミサでも歌詞が変わることのない"通常唱"からなる。 " ☆アレルヤ唱の復習 ・ ・グレゴリオ聖歌は音域が狭いので、 感じ取ることが大事。→4度と5度の違いなど。 ・ペスの隣に点々の指示がある場合は軽く歌う。 ☆サルヴェ・レジーナ ・夏の半年、いちにちの終わりの終課の最後に演奏される。 ・14-16世紀にはギルド、 神父や歌手を雇い、晩課のあとでサルヴェ・レジーナが演奏された。 ・ これは19世紀末から歴史的な検証を行った結果、 ・哀しみを表す4度の下降が頻繁に現れる。 〜〜休憩〜〜 【後半】 ☆聖母マリアの奉献唱 ・奉献唱とは、 ・5-6世紀から聖母マリア崇敬が広まる。 10-12世紀にはさらなる拡大を見せ、宗教改革前夜の15- 最高潮となる。 ・付加文字"s"→スルスム(sursum):"高い" 付加文字"c"→チェレリテル(celeriter):"早く、軽く"(アッチェレランドど同じ) 付加文字"m"→メディオクリテル(mediocriter): ・オリスクス→次の音を大事にし、次の音に勢いよく向っていくように歌う ・ ザンクトガレンのネウマ譜に載っていないために、 【ひとこと】 皆様グレゴリオ聖歌とネウマ譜に親しまれたことかと思います。 盛り沢山の2日間、お疲れ様でした!(H.I.)
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| 2017-03-20 10:00
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3/19 14:00〜17:00
フォンスフローリス古楽院 春期集中講座「初めてのルネサンス音楽」 【総括】 ・ルネサンス音楽の多声合唱について勉強する2日間のうちの第1日目が終わりました。 ・花井先生によるルネサンス音楽のポリフォニーの成り立ちについて、また白色計量譜の読み方などのレクチャーの後、ビクトリアのポリフォニー作品を計量譜をみながら歌いました。 【前半】 ☆パートの成り立ちについて
☆16世紀以前の音楽について ☆クワイヤブックについて ☆白色計量記譜法について ☆メンスーラについて ☆トマス・ルイス・デ・ビクトリア「主の受難の金曜日」を計量譜を見ながら歌おう ☆パートの成り立ちについて ・ルネサンス期は今日のSATBがかたまりつつある時代である。そもそもパートの名前はどのような役割かに由来する。 ・例えば、テノールは保つ人とい意味。 ポリフォニーは元来グレゴリオ聖歌の定旋律に対旋律をつける中で発展してきた関係で、定旋律を保つのがテノールの役割であった。 ・そのうちに上の声部が旋律を歌うようになりそれをカントゥス、テノールと同じ声域で対旋律を歌うのをコントラテノールと呼ぶようになる。 ・15世紀にはミサ曲を一連の作品として作るようになる。この時4声めのバッススが生まれる。 (コントラテノールの高い方をコントラテノールアルトゥス→後のアルト コントラテノールの低い方をコントラテノールバッスス→後のバッスス と呼ぶようになった。) ・ポリフォニー声部数の主流は 14世紀→3声 15世紀→4声 16世紀→5声/4声 ・音楽のメインストリームが15世紀はフランス・フランドルであるのに対し16世紀はイタリア、スペインとなり、声域の分業化が進み、パートがそれぞれの声域に特化していく。 ☆16世紀以前の音楽について ・小節線がない。というのもテノールが横に流れていく音楽が元にあって、そこに即興的に乗りかかって響きを作るところからポリフォニーが興ったから。これはポリフォニーの始まりから、16世紀まで日常的に行われた。複雑なのものは書き留めるが、基本は即興であり、楽譜からアプローチする我々とは真逆の方向性である。 ・即興する際に全くの自由だと加えづらいので、1つの音符に加えるのは2つか3つにしよう→フランス式の二分割、三分割リズムの記譜法が生き残る。 ・それまで旋律の横の響きが重なったものと捉えられていたのが、1600年以降の音楽は通奏低音の登場で和音で縦の響きでとらえるようになる(→これは現代譜でもあまり困らない)しかし、それ以前の音楽では、現代譜に起こす時の音価の拡大縮小の倍率が校訂者によってまちまちなので当時の楽譜を読む方がよい。 ☆クワイヤブックについて 1500年ごろ楽譜の印刷がされるようになったが、依然として筆写に頼る部分も多く、合唱隊においてはクワイヤブックを囲むことが多い。この歌い方は、指揮が見えないので必然的にみんなで聞き合いながら歌うし、すぐ変化に対応できるような歌い方になるはずである。ただもともと人に聴かせるものではないので、現代のコンサートには向かないかもしれない。 ☆白色計量記譜法について ・15世紀にインクの節約等の理由で音符が白くなる。 ・感覚的にはセミブレヴィスが四分音符に相当。音価の大小関係はマキシマ>ロンガ>ブレヴィス>セミブレヴィス>ミニマ>セミミニマ>フーサの順。 ・リガトゥーラは2つ以上の音程の高低関係を示す。上行形、下降形で垂直線の場所が異なる。 ・左上向きに棒があると、そのリガトゥーラの初めの2音は両方ともセミブレヴィスとなる。 ☆メンスーラについて ・メンスーラとは二種の音符の数比関係について示す。 ・○はテンプス(ブレヴィスとセミブレヴィスの関係)について完全分割(3分割)をしめし、cは不完全分割(2分割)を意味する。 ・中心部の点の有無は、プロラツィオ(セミブレヴィスとミニマ)の関係を示し、有が完全、無しが不完全分割を意味する。 ・4/4がcなのはここから由来している。2/2がcに縦線なのも同様。 ☆この後、トマス・ルイス・デ・ビクトリア"主の受難の金曜日"を休憩を間に挟みつつカントゥス、アルトゥス、テノール、バッススに分かれ、計量譜を見ながら歌いました(休憩後は第2アルトゥスも含む) 【ひとこと】 最初は見慣れない計量譜に苦戦していたみたいですが、最後は綺麗なハーモニーを響かせることができて、皆様さすがの実力者揃い!皆様お疲れ様でした(H.I.) ▲
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| 2017-03-19 14:00
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3月19日 (10:00-13:00)フォンスフローリス古楽院 春期集中講座「初めてのグレゴリオ聖歌」
【総括】 ・「初めてのグレゴリオ聖歌」2日間のうちの第1日目をえびらホールにて開催しました。 ・グレゴリオ聖歌やネウマ譜の変遷、修道院の生活について、花井先生がベネディクト会派の修道院を訪ねた際のお話を交えながら解説してくださいました。 【前半】 ☆グレゴリオ聖歌の成り立ち ☆ネウマ譜の変遷 ☆修道院の生活 ☆言葉 ☆8つある教会旋法 ☆グレゴリオ聖歌の成り立ち ・グレゴリオ聖歌は、一千年前に編纂されて以来ずっと歌い継がれてきたが、歌い方が一様であるとは思えない。そのため、これが正解と言えるものはない。 ・そもそも、グレゴリオ聖歌というのは、 10世紀ごろにグレゴリウス一世が西ヨーロッパの聖歌の歌い方を統一しようとしてできたもので、それまでに歌い継がれてきた聖歌をまとめ、歌い方を示したたものである。 ・もとの聖歌については、誰がいつ作ったものかわかっていないし、聖歌そのものが生まれた時にはまだ楽譜が存在していないはずである。即興的に歌い継がれてきた歌い回しが徐々に固定化されたと思えるものたくさんある。 ☆ネウマの変遷 ・そもそもネウマ譜というのは、みんながすでに知っているの聖歌の歌い方のニュアンスを示したものであり、旋律の音高をあらわすものではは無かった。 ・1100年頃には、そうしたらフレーズのニュアンス以外に音の高さを示す線が入り、1600年頃にはニュアンスが省かれ音の高さと長さしか示さなくなる。 ・19世紀にはソレム修道院が、失われたものを調べようとするロマン派の機運に乗り、全欧のネウマ譜を調べる。20世紀には、ラン(Laon)とサンクトガレンの10世紀のネウマ譜から歌い方のニュアンスを併記したネウマ譜が復活された。2つの修道院は1000キロ離れているが、9割がた一致している。 ☆修道院の生活 ・修道院における日々の祈りとは、典礼の言葉をみんなで歌うこと。 ・グレゴリオ聖歌とは修道士からすれば、 (ローカルの聖人の祝日など細かい違いはあれど)全世界共通の、日々の典礼におけるお祈りであり、一年ぶんいつ何をやるか全部書いてあるものである。 ・修道院での生活は、全てがみっちりスケジュールが組まれており、休みはないが忙しくて目が回るということもない。祈りに集中して向かえるようにスケジュールが組まれている。 ・1日8回の鐘が鳴り、その鐘ごとに聖務日課があり、その聖務日課において、グレゴリオ聖歌が歌われる。 ☆言葉 ・聖週間は食生活も質素でひもじい思いをするが、それにつぐ復活祭の時は鐘がガンガン鳴り響き、華やぎ、嬉しいものである。 したがって、"復活"という言葉にはドミナントが当てられることが多い。このように強調する言葉としない言葉のメリハリをつけることも大事である。 ・祈りの言葉、グレゴリオ聖歌を歌い継いできた先輩方、ソレムの歌い方などから、いろんなものを総合して良いと思えるものを提供しようと考えている。 ☆8つある教会旋法 ・グレゴリオ聖歌で使うのは、ピアノの白鍵の音7つと黒鍵のシ♭の音のみ。 ・終音(finalis)とドミナント(dominant) の音程関係からグレゴリオ聖歌の曲をいずれかの教会旋法に分類することができる。 ・聖歌が元にあり、理論は後付けなので完璧に一致はしなくても消去法で分類が可能。 ・終音はレ、ミ、ファ、ソのいずれか。 ・正格旋法(第1,3,5,7旋法)は終音の5度上に、 変格旋法の第2と第6旋法は終音の3度上、 第4と第8旋法は終音の4度上にドミナントがくる。→2468は3434と覚えよう。 ・時代の趣味によって調性的な旋律になるように直されたことも。 〜休憩〜 【後半】 ☆ネウマ譜の読み方について ・グレゴリオ聖歌は1つの音節に対し音がいくつ組み合わさっているか、またその音の相互関系がどのようになっているかを示している。 ・付加文字のtやクリヴィスやトルクルスの上についている棒はテヌートの意味。 ・ヴィルガという記号がついている箇所は前の音より高く。四角い音符の上に点のついた箇所は、次の音節の音を少し入れる。 ・図形は音を膨らませるところは膨らんでいたり、元気良く歌うところは勢いのある線であったり、直感的にわかるような図になっている。 ・よどみなく切れ目なく、フレーズのつながりを意識しながら歌うのが目標。 【ひとこと】 第一日目にしては、かなり内容の濃い講義だったと思います。皆様お疲れ様でした。(H.I.) ▲
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| 2017-03-19 10:00
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